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大代川農地防災ダム

堤高43m
G/FA 1968年 静岡県営

2009.8.29見学

誘惑するコンクリート。



原野谷川ダムの後に見学したのは、やはりこちらも水を貯めないタイプの防災ダムである大代川農地防災ダムである。

右岸寄りで軽くカーブした堤体が美しい。
クレストは自然越流式でシンプルな構造であり、結果コンクリートのマス感や、造形の美しさが際立って見える。
新しく塗られた若草色の手摺りが良いアクセントになっている。残念ながら天端は立入禁止。



堤体のダム湖側の中心に原野谷川ダムと同じでカゴで囲われた放流用ゲートがある様だ。
クレストの中心に鎮座しているこの白いカニみたいな装置は、ゲートのスクリーン清掃の装置だろうか。

本来ならダム湖側のコンクリートの壁も拝見したい堤体だが、ダムサイトのすぐ上流から工事現場(?)になっており、立ち入れる雰囲気ではなかった。(怖そうな番犬も居たし)



何故だか妙に色気のあるコンクリート。
なでなでしたり、すりすりしたくなるのは僕だけでは無いはず。

大代川農地防災ダム
★★★


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原野谷川ダム

堤高31m
G/FA 1970年 静岡県営

2009.8.29見学

バードケージ。



原野谷川ダムは普段は水を貯めない防災ダムである。

天端より上流側を望む。谷底に続くグリーンはロストワールドを思わせる。
ダムの目的にAも持っているが、この湖底の植物を見る限りでは現在の利水状況は不明である。
防災ダムという性質上、堆砂は肥沃で植物の生育も良いのかもしれない。



ダムの下流正面には山が立ちふさがり、川はダムの真下で左へ急カーブする。
防災ダムらしいシンプルな下流面。
地形の都合でダム下流面は正面から見る事が出来ない。



堤高30mであるが、水を貯めていないダムは高く見える。

特徴的なのは赤い防護フェンスに囲まれた放流ゲート。フェンスの中にゲートを真上から直接駆動する油圧シリンダが剥き出しで見える。
出水時は油圧シリンダごと全て水没してしまう、ちょっと強引とも思える構造が面白い。

大胆なゲート部分の設計の割に、配管がフェンスに干渉しない様、コンクリート表面を窪ませて配管されていたり、芸も細かい。



ゲートのサイズに対してシリンダ径が大きく思うが、堆砂だろうが流木だろうがちょっとくらい邪魔しても強引に全閉できる出力を確保しているのかな、と、想像する。
ゲートの開閉状態(油圧シリンダの状態)が外部から目視できる非常に珍しいダムである。

ダムは集落を抜けた山中にあるが、上流には小学校もある様だ。



たしかに、クラゲは嫌だなあ。気を付けよう。

原野谷川ダム
★★

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大田川ダム

堤高70m
G/FNW 2008年 静岡県営

2009.8.29見学

ルーキー誕生。



大田川ダムはこの春から初夏にかけて試験湛水が完了した新しいダムで、訪れた8月末の時点では、本体は完成しているが管理棟などが工事中であり、ダムサイトはまだ立入禁止で近づく事が出来なかった。

今年の試験湛水で、まさに産まれたばかりの湖は公募の中から、かわせみ湖と名付けられた。その名前の通り、自然豊かな美しいダム湖である。
ダム日本の表紙にも取上げられているので美しい曲線重力式の堤体をご覧の方も多いだろう。

湖畔には遊歩道や見晴らし台などか整備される。ダムサイト左岸の遊歩道は来年春ごろ工事が終了するそうなので、きっとその頃になれば、美しく弧を描く天端を散策できる事だろう。

残念なのは、美しい堤体を正面から見学する場所が無い事だ。
今回、かなり荒れた下流からの道を、車にスクラッチ傷を付けながらダム正面を目指し突き進んだが、あと少しの所で厳重なフェンスに行き止まった。(徒歩でも進入不可)

大田川ダム
★★★

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井川ダム
堤高103.6m
HG/P 1957年 中部電力

2009.5.24見学

ハリウッド級エンターテイメント。



井川ダムは大井川に造られた日本初のHG形式のダムである。

大井川鉄道アプトラインを井川駅で降り、駅から少し歩くと堂々とした堤体が見えて来た。 大きい・・。井川ダムは新しい技術を導入しながら、いきなりの100m超えの堤高を持っている。

堤体は全体にスッキリとした直線基調の様式であるが、HGらしい胸板の厚い、威風堂々とした風格を持つ。左岸の幾何学的な岩盤補強や、複雑なフーチングも迫力があり見応え充分だ。

フーチングに沿って視線を下に向けると、極太の水圧鉄管が堤体から突き出し、大きくうねっている。
褐色のマッチョな堤体からはみ出したメタリックな鋼管は、ターミネーターが戦いにより皮膚が破れ、内部のメカが露出しているシーンを彷彿させる。

第一印象からその格好良さに打ちのめされてしまったが、ここで怯んではいけない。
今日は井川神殿にも潜入するのだ。

天端からエレベータでホロー内に降りる。エレベータは乗っている分には通常のものと変わり無い。
但し、平然としていられるのはそこまで。エレベータの扉が開き、見上げた瞬間、完全に言葉を失う。

平面視で細長い六角形をした大空間は、高く高く突きぬけ、さっきまでいた外界と完全に遮断された異次元の世界だ。


 
今、自分は巨大なコンクリートダムの中心部にいて、壁の先には深く暗い湖水が、自分のはるか上まで押し寄せている・・・。そう思うと息苦しくも感じるが、日常味わう事が出来ないそんな感覚が味わえるのもダムの魅力(魔力)だろう。

幾つものブロックに分かれているホローを進み、太い水圧鉄管の脇を歩くとダムの真下に出る。

振り返り、見上げると、胸を張ったマッチョな堤体が睨みをきかせ、ちっぽけな僕を見下ろしている。
 


クレストのラジアルゲートは3門全てにフラッシュボードで武装。
中電の裏定番色である渋いグレーに塗装され、いっそうメカニカルに見える。

フラッシュボードのリブが牙を思わせる。分厚く、いかつい堤体に埋め込まれたそれは、巨大な黒い野獣が牙を剥くようだ。
 

井川ダム。その魅力は神秘的なホローグラビティに留まらず、完全に僕はやられてしまった。
★★★★★
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奥泉ダム

堤高44.5m
G/P 1955年 中部電力

2009.5.24見学

車窓越し、ファインダー越し。



奥泉ダムは井川ダムの下流のダムであるが、ダムまでの道路が立入禁止である為、その姿を拝見するには川岸を走る大井川鉄道に乗るしか無いようである。

小さなアプトラインの車窓からのダムは、かなり上からの眺めとなり、なかなか全容はつかめない。

電車もダムの近辺では意図的に速度を落としてくれるのだが、じっくりと眺める時間は勿論無い。

後から撮影した写真を観て、この様なダムである事が解った。
・中電のダムらしく赤いラジアルゲートを持ち、手前の1門はフラッシュボード付きの様だ。
・両岸のゲートピアから連続する深い導流壁を持ち、スリット入りのジャンプを持っている。

そういえば、このダム、ずっとファインダーで観てたので、実物はほとんど肉眼で見てませんでした。

奥泉ダム


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船明ダム
 堤高24.5m
G/AWIP 1976年 電源開発

2009.2.7見学

大映系。



船明ダムは、秋葉ダムの下流にあり、天竜川最下流のダムである。

暴れ天竜もここまで下れば川の表情も穏やかである。
 
巨大なローラーゲートが並ぶ姿はダムよりも河口堰のイメージに近い。
実際、ダム本体の見える部分はゲート開口部の水平なタタキの部分のみで、このダムには、越流面や導流壁と言われる部分は未無である。

しかし、ローラーゲートや橋梁を支える厚い扶壁や、巨大なゲートピアが並ぶ姿は迫力があり、整然としていて美しい。

特徴的なのはゲートの淡いグリーンや、橋梁部分や巻上機のブルー、橋梁の赤い欄干などの色使いである。

個人的に、船明(ふなぎら)と言うダム名の響きがとても気に行っている。
発音する時はカタカナ読みをイメージして呼びたくなる。「フナギラー」

これは、ゴジラ、ラドンの東映系の響きではなく、明らかにガメラ、ギャオス、バルゴンの大映系の響きなのだ。
フナギラーはライトブルーと赤の色使いが毒々しくもミステリアスな宇宙怪獣だ。
 
宇宙大怪獣フナギラー、ガメラ対フナギラー、フナギラーの逆襲。

ね、いい響きでしょ、船明。

船明ダム
★★★


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秋葉ダム
 堤高89m
G/P AWIP 電源開発

2009.2.7見学

僕の好きなダムの街



国道152号線を南下し天竜川を下ると、とても長いダム湖の先に秋葉ダムがある。

天端へは右岸のトンネル内の分岐から向かう。
トンネルを抜けれはダムの天端だ、もちろんそのまま車両通行可である。。

ローラーゲートが並ぶ堤体は胸板が厚く重厚感がある。
実はこの秋葉ダム、89mもある堤高の半分は、とても深い減勢池の水中や、その下の地中にあり、堤体上半分だけが水面から覗く恰好になっている。
さらに驚く事に、水中にはジャンプ台まで隠し持っている。

天端を歩いていたら、自転車の中学生達が近ずいて来た。
すれ違いざま、「なー、ダムのDVD知っとるー?、ザ・放水ってー」と会話が聞こえた。
{放水じゃねー、消防かよー}
と、心の中でツッコミ。 口に出して教えても変なおじさんになるだけだからね。

天端からトンネルに戻らず右岸沿いに下流へ降りると、ダムのすぐ真下に密集した集落がある。
秋葉ダムの減勢工の壁から連続して伸びる高い堤防に囲まれたダムの街だ。

通り沿いには郵便局や消防署など、狭いながらも一通り揃っており、露地では子供が無邪気に遊ぶ姿がある。
 
街から左岸まで、ダムの正面に赤い吊橋が架り、ダックスフントを連れた初老の紳士がゆっくりゆっくり散歩を楽しんでいる。

さらに吊橋の下流には天竜川を使った管理釣り場があり、大勢の太公望達がフライロッドを振っているのが見える。

いろんな所にさまざまなダムはあれど、この秋葉ダムほど日常的な生活空間とダムが溶け込んでいる場所は無いと思うし、住民の方々のほのぼのとした情景が心に残るダムであった。

いつか僕も住んでみたい、秋葉ダム。
★★★
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佐久間ダム
 堤高155.5m
G/P 1956年 電源開発

2009.1.31見学

だれよりも強く、なによりも熱い。



佐久間ダムは戦後日本の土木建築の金字塔であり、高度成長の象徴であり、日本ダム界のキングである。

堤高は155.5m、前年に竣工した98.2mの丸山ダムからいきなりのジャンプアップであり、丸山ダムで行われた新しい技術や試みはこの佐久間ダムで確かなものとなり、後の黒部ダムへと繋がって行く。

天端は解放され自由に見学ができる。
高さ140mの有峰ダムが最高峰だった僕にとって、天端からの眺めは未経験の高さであり、見下ろせば脚がすくむ。

クレストには巨大なローラーゲート5門、そびえたつゲートピアも巨大でちょっとしたビルやアパートのサイズだ。ピア側面の空色の「佐久間ダム」のロゴにしびれる。

佐久間ダムを訪問後、現在(2009.8月)まで、浦山や奥只見など佐久間よりも高いとされる堤体も観て来たが、感覚的には佐久間が一番高く感じる。
この巨大で高いゲートピアが佐久間ダムの高さをより誇張している様に思えるし、実質的にもピア頂上までの高さであれば、確実に奥只見を越え日本一高い重力式コンクリートダムはこの佐久間ダムであろう。

天端から見える導流壁の重厚な造りに惚れぼれする。今迄観てきたどのダムよりもぶ厚く、ゴツい。
それはコンクリートでしか成し得ない、芯の詰まった力強さに満ち溢れている。

またクレストゲートの正面に天端から独立した通路があり、丸山ダムとの類似性を感じさせる部分だ。

ダム湖は広大でゆったりとしているが、深い山なみが、天竜川が暴れ川として恐れられた事を物語る。
ダムサイトにある取水口は無骨なダム施設とは思えないエレガントな様式で、女性的な美しさがある。

訪れた時期が悪かったのか、左岸の上にある展示館は休館の様で、登り口で堅くゲートが閉められていた。

ダムサイトの雰囲気のあるトンネルの中ほどから、左岸下流側の展望台へ抜ける事が出来る。
展望台から眺める堤体は、堤高155.5mが造り出す長大な下流面をたっぷり観賞する事ができる。
越流面を一直線に描く放流跡のストライプが豪快かつ美しい。
展望台から、しばらく何も考えないで眺める。何も考える事が出来なかったと言うべきか。

佐久間ダムは他のどのダムとも異なるオーラに満ちている。
ダム建設に懸けた男達の熱い思いが、竣工から53年経った今も冷めずどこか熱を帯びているのかもしれない。

だれよりも力強く、なによりも熱い。
 

いちど車で下流へ戻り、国道152号線の橋の袂から再びダムを目指す。
道は関係者以外車両進入禁止の為、路肩に駐車し徒歩で向かう。

途中、吊橋(車両も渡れる立派なもの)を渡り、15分も歩くと視界が開け、真正面にキングが姿を表わす。

頭の中にチューバの割れんばかりの重低音が響き、ラヴェルのボレロの重厚なエンディングの小節が、延々と津波の様に繰り返される。

非現実的な巨大なコンクリートの塊を前に、僕は天敵に睨まれた小動物の様だ。

キング佐久間
★★★★★
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