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大迫ダム

堤高70.5m
A/AWP 農水省 1973年

2010.4.29見学

大迫ダムは大滝ダムから上流へおよそ10km、紀の川上流部に造られた、農業用水を主な目的とする利水ダムです。

両岸も跨ぐアーチ。整然と並ぶクレストゲート。
シンメトリーに広がるキャットウォークは、グラフィカルでスタイリッシュ。(横文字だらけだ)

利水専用とあって、ダム本体にはクレスト以外にゲートが無くスッキリ端麗な姿。
これがまたいい感じ。

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大きな副ダム。
その下の橋の向こうにあるのは利水放流のバルブと、関西電力の発電所です。

副ダム下流の水が綺麗。
緑色に見えるのは水の色ではなくて、河床の藻です。(つまり、藻が生育できるほど水が透明である)

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天端は車両も通行可能ですが、いつもの様に歩いて渡ります。
管理棟や公衆トイレが天端を渡った右岸にあります。

ダムサイトの法面はコンクリート枠で押さえられています。
アーチダムだけど、フィルダムや重力式のような山の斜面・・・。

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かと思えば、下流を眺めるとやはりアーチダムに相応しい岩盤も見えます。

左岸に見える道は国道ではなく、脇道を入った狭道です。
後から行ってみる事にします。

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大迫ダムは、実は片方だけウイングを持っている・・・。
なんて事は、今や誰もが知っている特徴ですね。

黒部ダムのウイングとは、やはりスケールが違いますが角度や形状はとても似たものだと思いました。

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先ほど天端から見えた道から、大迫ダムを見上げます。
赤い5門のラジアルゲート。農水省のダムって赤いゲートが多い気がします。

副ダム上の橋の手前で立入禁止となっています。

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発電所の屋根が民家風で、近未来的な表情の堤体との対比が面白いですね。
大迫ダムは、富山の刀利と並び、農水省のカッコいいアーチダムなのでした。

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大迫ダム
★★★★

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大滝ダム

堤高100m
G/FNWIP 2012年 国交省

2010.4.29見学

津風呂ダムを後に、国道169号で紀の川の上流を目指します。
やがて、進行方向に大滝ダムが見えて来ました。

それは、白亜の宮殿の様に見えました。

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長い歳月をかけ計画、建設されて来た大滝ダム。
2012年の竣工に向けあと一息です。
現在の大滝ダムは二度目の試験湛水に向けて工事が進められていました。

クレストにゲートや取水設備などの突起が無く、代わりにアーチ橋をモチーフとした意匠が施されています。ダムの外観は地元住民の方々の意見も取り入れてデザインされました。

深い減勢工の両岸は盛り土され、非越流部の裾が一直線にスッキリと伸びている事もあり、クレストの意匠がより際立って見えます。

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アーチ形の装飾の下に4門のラジアルゲートが隠されています。

非越流部のアーチの下には回廊が見えます。
訪れる前からこの部分の写真を見て、神社の回廊の様だと思っていたのですが、実物を見てもそのイメージは変わりませんでした。
個人的に大滝ダムには、宮殿や神殿のような厳かなイメージを持っているのですが、この辺りのデザインの影響だと思います。

金属フェンス張りの回廊は、通行する人も外部から丸見えとなります。
人もデザインの一部に取り込んでしまう狙いがあるのかもしれません。

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クレストのアーチ橋デザイン上の橋脚の上はバルコニー状になっています。
こんな細かい装飾の積み重ねが大滝ダムのデザインの完成度を高めています。

全体的に、ダムに見えないダムデザインというコンセプトでしょうか。
その狙いは成功していると感じました。

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試験湛水を待つ大滝ダム。

現在は川の水をそのままスルーさせています。

上流にある大迫ダムが利水専用で充分な洪水調節が出来ないので、大雨の時には否応なく洪水に曝されますが、そんな時こそ大滝ダム本来の活躍の時と言えるでしょう。
大滝ダムは本格的な運用はまだ先ですが現在でも洪水調節を行っているそうです。

左岸側に選択取水設備、その右にクレストゲート4門、下にコンジット3門。

コンジットは、センターだけ高い位置にあり、上下二段に配置されています。
より深い位置の方が効率よく放流できるのですが、湖水は下層ほど水温も下がるため、冷水による下流の影響を考慮して、通常は上段の1門が使われ、両脇の下段2門が開けられるのは大規模な洪水の時に限られる事になります。

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竣工後はここまで水位が下がる事はありません、インクラインのフロートも空中にあります。

インクライン左のスクリーンは、大滝ダムの第四の放流設備と言える 計画水位維持放流設備 のものです。
コンジットでは少量の流量調整が難しく、かといって利水放流設備では放流量が不足するような場合に用いられます。(放流能力80㎥/s)
用途的にはオリフィスゲートの様な使われ方になるのでしょうか。

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現在の一般用パーキングは工事見学用に用意された場所の様で、そこからダム本体までかなり歩きますが、がんばって歩けば現在は天端も自由に入る事が出来ます。

軽バンが走って行きますが、これは工事関係者の車です。
対岸にケーブルクレーンが見えます。

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減勢工が深く両岸が高く盛り土されているので、下流から見てそれほど高く見えない大滝ダムですが、クレストゲートの上から見下ろすとやはり100mクラスのハイダムである事を再認識しました。

そして、とても驚いたのが・・・。

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ゲートの開閉がワイヤー巻揚げではなく、油圧シリンダを用いていた事です。
後から知ったのですが、日本で初めて採用されたそうです。

ちなみに、油圧シリンダは3門のコンジット(高圧ラジアルゲート)にも使われています。

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天端から下流を眺めます。
深く、長い減勢工が伸びます。計画水位維持放流設備の放流口は手前右岸の壁にあります。

副ダムの下流には関西電力の発電所、さらにその下にあり、副ダムの様にも見えるのは、ずっと以前からある古い発電用取水堰堤です。



洪水調節、水道水、工業用水、発電・・・。
沢山の目的を持つ大滝ダムは、あともう少しで本当の産声を上げます。

その時は何かお祝いをしてあげなくてはね。

水位の低い空っぽの貯水池を見て、僕には大滝ダムの堤体が、水を貯めたくてうずうずしている様に見えました。



大滝ダム
★★★★

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津風呂ダム

堤高54.3m
G/AW 1962年 農水省

2010.4.29見学

せんとくん発見!


国道370から県道256へ入り、津風呂湖上流からダム本体を目指します。
湖畔には釣り人、湖面にはボートも浮かんでいます。
湖畔の細い道を進むと、路肩に車が並び、沢山の家族連れの姿がありました。どうやらダムサイトに到着した模様です。

パーキングは満車。今日は「津風呂湖感謝祭」と言うイベントが行われていました。

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「あ、せんとくんだ。」

駐車できる場所を探して、車でウロウロしていたら、人だかりの真ん中に「本物のせんとくん」の姿が見えました。
駐車スペースに車を停め、さっきのせんとくんも気になりますが、先に本命のダム見学に向かいます。

天端は車両通行可。但し、すれ違いは出来ないので車両での通行には注意が必要です。

下流側にエレベータシャフト、湖面側は選択取水設備と、その奥にクレストゲートが並んでいます。

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天端をはさんで、両側の建物が上部で繋がっています。

エレベータで2Fに上がるとゲート機械室などに行ける様です。
今まで見た中では、ありそうで無かった構造ですが、とても合理的です。

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右岸の建物脇の階段を少し降りた所から。

バケットカーブが綺麗なので、コンクリートの継目が放射線状に広がっています。
うん、恰好良い。

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減勢工の脇から放流中です。
農水省直轄の津風呂ダムは、利水専用となっていて、奈良盆地の農地を潤し、上水道の貴重な水源となっています。

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減勢工の先で川筋は直角に方向を変えています。
その先にある副ダム。

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天端を歩いて往復した後は、さっき、せんとくんが見えた場所に向かいます。
ダムサイトにはレストラン、売店、ボート乗り場などがあります。

あ、このせんとくんとは違います。
地元子供会の力作でしょうか?ちょっと成長してますね、高校生くらいか?
ヤングアダルトせんとくん。

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あれ?さっきはここに居たのになあ。
さすがに遷都1300年祭の最中とあって、多忙のせんとくんの姿はもうありませんでした。

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代わりにバルーンアートのお姉さん。

ダムの紹介パネルはひっそりと・・・せめて壁に掛けてあげたい気もしますが・・。
すっかりバルーン注目を奪われてしまったみたいです。

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大きな河川の無い奈良盆地にあって、津風呂ダムの役割はとても大きいものがあります。

休日の津風呂湖には沢山のお客さん。
パネルはあまり見てもらえなくても、地元に愛されている事は間違いないようです。

津風呂ダム
★★★


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宮奥ダム

堤高36.5m
G/AW 1998年 奈良県営

2010.4.29見学

宮奥ダムは、室生ダムと津風呂ダムの中間にあり、国道370から少し外れた集落にありました。
奈良県営の利水ダムとなっています。

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天端は車両は通れません、車止めには野鳥のパネル。

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見下ろすと、プールかと思うような減勢池がありました。長ーい副ダムも特徴的。
でも、45×15mもあるので小学校の25mプールよりもはるかに広いです。
ばしゃばしゃと水遊びしたら楽しそうな感じは、豊稔池の減勢池を思い出しました。

下流の河川は左岸に寄っています、右岸側にあるのはダム用途の一つである上水道に関連した施設でしょうか。

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比較的小さな貯水池。
上流に集落が見えます、のどかです。

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コンパクトな天端を歩いて管理棟のある左岸にやって来ました・・・その時です!。

ガサガサッ!!

突如、藪の中から2羽のキジが猛スピードで飛び出して来ました!、オス同士の縄張り争いでしょうか?追われるキジと追うキジ。とにかく凄いスピードです。

逃げる先頭を走るキジ!、人間に気がついた追う側のキジ!、キジに驚いた人間!

逃げ切ったキジ!、人間が居たのでUターンするキジ!、写真を撮ろうと慌てる人間!

藪に消えたキジ!藪に消えたキジ!写真を撮り損ねた人間!

・・・・・・。


左岸の管理棟、その前のピラミッドには、ダムのスペックや、「かぎろひ」と言うこの地域に見られる珍しい自然現象の説明パネルなど。
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木津川戦隊ゴレンダムや、電源開発の巨大ダムに囲まれて、ちょっと影の薄い奥宮ダムですが、のんびりとした表情がいい感じじゃないかなと思いました。

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奥宮ダム
★★

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室生ダム

堤高63.5m
G/FNW 1973年 水資源機構

2010.4.29見学


青蓮寺ダムを後に、室生ダムにやって来ました。
クールな青蓮寺ダムに比べ、此方は燃えるような赤いゲートが印象的。
青蓮寺ダムが青レンジャーなら、室生は赤レンジャー・・・かな?

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大きなラジアルゲート。
縦に細長いゲートだとと思っていたら、実は幅も9mもあり、高さはなんと14.7mという巨大なものでした。
堤体無しで、河床に直接ゲートだけ設置しても十分ダムになりうるサイズです。

訪れた時間が良かったのか、ピアの影がギザギザの面白い形をしていました。

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シンプルな天端は質実剛健。車両も通行可です。

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下を覗くと、ホロージェットバルブから勢いよく放流中。

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ピアの真上。
なんのシャフトかなあ?シャフトの両端は切りっぱなしで、何もありません。

15m近い高さのあるラジアルゲートなので、特別な構造があるのかも・・・。
中程にアームがあり、手動で横方向にスライド出来るので、ラジアルゲート全開時の「かんぬき」と予想。間違ってたらごめんなさい。

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管理棟などがある左岸より。
堤高63.5m、堤頂長175m は、ゴレンダムの中ではコンパクトなサイズ。

3門のクレストゲートの正面に、ステンレスのレールがありますね。

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真っ赤な巨大ゲート。
それを支える無骨なゲートピア。

ピア先端にあるハウスから内部に通路がある様で、側面や下流面に出入口が開いています。淡いブルーに塗装されたパーツがいいアクセントになっていますね。

同じ水資源機構のダムでも表情はさまざまです。
室生ダムは、その重厚でいかつい表情に只ならぬオーラを感じました。

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室生ダム
★★★

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上津ダム

堤高63.5m
G/AW 2000年 農水省

2010.4.29見学

キラ星のごとく輝く 木津川戦隊ゴレンダム に周囲を囲まれ、いささか印象の薄い上津ダム。ゴレンダムは水資源機構のダムたちですが、こちらは農水省の管轄する利水専門のダムです。

シンプルな天端。やはり影が薄いと言うか、薄味なイメージ・・・・。

でも、その印象は下流面を一目見てぶっ飛ぶ事に。

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!!!!!

なんちゅう美しい越流なのだーっ!

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今までいくつかのサラサラ越流を観て来ましたが、愛知県の馬ヶ城ダムにも匹敵する美しさです。
コンクリートの表面の違いか、流量の差なのか、馬ヶ城と比べ一枚一枚のウロコが大きい感じを受けます。

細かく泡立つ部分と、水の層が薄くコンクリートが露出する部分のコントラストが強く、実にはっきりとした模様が流れて行きます。

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真上からのウロコ越流。
この様子は、こちらの動画で ↓ 。

なんちゃって、僕のカメラにはムービー機能はありません、残念。

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上津ダムの目的は、農業と水道用水となっていますが、左岸に発電所らしき建物があります。
でも、水圧鉄管がダム本体とは別の山の斜面にありますね・・・・。

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パーキングから対岸に歩いてきました。

2000年モノの、奈良産の利水ダム。
コンクリートの熟成はまだまだこれからですが、若いコンクリートならではの爽やかで、フレッシュなアロマを感じます。

ちょっとソムリエ風に解説してみました。

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ダムの真下に道があったので向かうと、丁度真正面から越流を見上げる事が出来ました。

世間では決して良いイメージばかりとは限らないダムですが、こんなに美しい姿を持ち合わせている事はほとんど知られていないのではないでしょうか?

この日も散歩に来た地元風の方以外に人気はなく、なんだか勿体無い気がした上津ダムでした。

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上津ダム
★★★

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布目ダム

堤高72m
G/FNW 1991年 水資源機構

2010.4.29見学

今朝は本降りの雨でしたが、高山ダムで雨も上がり、布目ダムに到着する頃には強い日差しも射して来ました。

管理棟のあるダムサイト左岸に到着。
近くから噴出す噴水の飛沫の洗礼を受けつつ、天端の散策を始めます。

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「くの字」に曲がった堤体。
広い下流面からシャキッと立ち上がるクレストの設備。

ゲートピアが下流面に滑らかに繋がるラインも綺麗です。

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むむっ?リップラップ・・・・。

予習では布目ダムは重力式コンクリートダムであったはず・・・。
遠くの右岸にはたしかにフィルダムの堤体が見えます。

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発見した謎は、近くに行けば解けるかもしれない。
とりあえず、布目ダムのコンクリートを鑑賞する事にします。
導流壁が天端の直下から始まっていて、こんな迫力の景観が堪能できます。

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堤体の中ほどから。
減勢工が高いですね〜。

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300mを越える長い天端を渡ると、さらに遠くまでリップラップが続いていました。

冠水した湖畔の木々、複雑な岸の地形は魚の潜むストラクチャーも多く、バス釣りが盛んな布目湖。

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振り返って見る布目ダムの天端。
フィルとの繋ぎ目は坂道になっていました、フィルダムの方が少し高いのは複合ダムのセオリーです。

やはりコンバインなのか?布目ダム。

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歩いて渡れる天端は必ず自分の足で歩く。

自分で決めたダム巡りのルールに従い、てくてくと右岸の端っこまで歩きました。
遠くに見える白い建物が左岸にある管理棟です。

重力式部分が322m、フィル部分が128m。合計すると450mという長大ダムなのです。

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フィルダムのダム軸から下流方向は広い芝生広場となっていました。
4月末とあって、まだまだ生え揃っていませんが、美しく整った芝生広場は、しっかりとした管理が行き届いています。

マラソン大会や、自転車競技などのスポーツイベントとしても大活躍の布目ダムです。

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しかし、こんなに立派なフィルダム部分があるのに、なぜ複合ダムを名乗らないのか?

現地で僕が出した答えは、フィルダム部の堤高が15m未満の為、フィル部分の堤体がダムと名乗れない為では?と、言う推測でした。

しかし、帰宅後に調べてみるとフィル(ロックフィル)部の堤高は18.4mであるとの事。
このフィル部分は「鞍部止水処理工」と呼ばれ、堤体では無いという答えでした。

まだまだダムの世界は深いなあ〜。

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布目ダム
★★★


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二津野ダム

堤高76m
A/P 1962年 電源開発

2010.4.3見学

トリプルアーチ。


小森ダムを後に、国道168号を北上して再び奈良県へ、奈良県の南端にあるのが二津野ダムである。この国道168号は、二津野ダムの建設に合わせ付けられた道だそうだ。

国道からダムサイトまでの脇道へ入ると水の砕ける轟音が聞えて来た。もしや・・・。

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予感は的中。
実は、アーチダムのクレスト放流はこれが初見だったりします。

アーチダムに架かる虹のアーチ。
放物線を描いて飛んでいく放流も加えれば、アーチのハットトリック達成か?

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放流は7門あるクレストゲートの内、たったの1門ですが、周囲は巻き上がったミストが西日に反射してキラキラと輝いています。

堤体のアーチにあわせ円弧を描くゲートピア。神殿のようにちょっと神秘的に見えます。

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真上からの放流。
観ていて飽きませんね。

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ダム下流の様子
右岸にダムまでの道があり、途中に展望スペースと見学者用パーキングがあります。

昨夜の雨で、水は笹濁りですが、普段は透き通った清流です。

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エメラルドグリーンのゲート塗装に、赤いキャットウォークが艶やかな二津野ダム。

一番下のキャットウォークは撤去されていました。水面から近いので老朽化により廃止したのかも。

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世界遺産 熊野古道からも近い二津野ダム。
ダムを周るうちに結構遠くまで来てしまった。

伊勢道のインターまで山道を150km、阪和道のインターまでやっぱり山道を100km。
さあ、どちらで帰宅するかが問題だ(汗

二津野ダム
★★★

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池原ダム

堤高111m
A/P 1964年 電源開発

2010.4.3見学


電源開発 池原ダム。
日本屈指のビッグバスエリアであるこのダムは、琵琶湖と並びブラックバスのワールドレコードに最も近いレイクと言われている。
池原に生息するブラックバスは大型化するフロリダバスと言われる種類で、正式な許可を受け移入されたものである。
釣りに熱かった頃は、憧れの地であった池原、今日は別の目的で訪れる。
 
上流の坂本ダムから訪れたので、まず最初に鞍部に造られた巨大な余水吐が現れた。
巨大なゲートピア、写真奥には取水設備も見える。正面の山にはおなじみ電源神社が祀られている。

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圧倒的なマス感の余水吐。
ダム下の開閉所がとても遠くに見える。

池原ダムの堤高はアーチダム本体で111mとされるが、それを上回る高さに感じる。

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余水吐を上から観る。
スロープの正面には河川が無く、代わりに広範囲にわたりコンクリートが打たれている。
減勢工の縁取りがジャンプ台になっているようだ。

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湖水の向こうに広がる池原ダムの堤体。
池原ダムの堤頂長460mは、ウイング付きアーチの黒部に次ぐ長さがある。
総貯水容量3億3840万㎥は、国内7位のスケール。アーチダムとしては堂々の1位である。

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湖周道路を走り、ダム本体までやって来ました。
新緑の両岸を結ぶ巨大アーチ。

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両岸の高欄の端には大きなコンクリートの球体のモニュメント。何も説明はされていないが地球をイメージさせるのは、池原ダムが相応のスケール感を持っているからか。

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広い天端。
中ほどにダム湖百選のプレート。向こうには先ほどの余水吐が見える。

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取水設備や放流設備が付随していないシンプルな池原のアーチ。
キャットウォークと、堤体に直接取り付けられたダム名と電源開発の文字がアクセントになっている。

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ダム下に河川も無く、公園などに利用されている。
山桜が綺麗に咲いていた。

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堤体の端に沿って、水路が見える。雨水を受けるものか?ここの水はポンプにより排水されている様子。

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最後にダム施設が一望できる展望スペースに。
建設時のプラント跡地を利用した場所だと思われる。

ここから眺める池原ダムは、時間帯や季節によりさまざまな表情を見せてくれるだろう。

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池原ダム
★★★★


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坂本ダム

堤高103m
A/P 1962年 電源開発

2010.4.3見学

ストイック侍。


クチスボダムを後に国道425を登って行きます。
峠道は舗装され乗用車でも問題ないのですが、秘境度は満点。
いきなり100m級かと思わせる滝が何の観光案内もなく現れたり、とにかく飽きさせません。

やがて峠の途中で川の流れの向きが代わり、またしばらく走ると険しい表情のダム湖の先にグラマーな坂本ダムが見えて来ました。

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大きく弧を描く天端。
クレストゲートは自然越流式という事もあり、とてもシンプルです。

装飾的なディティールも無く、照明さえも無い天端は究極的にストイック。ダム名碑さえも高欄の端に埋め込まれるシンプルさ。
唯一の特徴と言えば、ダム湖側と下流側で高欄が異なる事くらいでしょうか。

ここで先ほどクチスボダムで見かけた横浜ナンバーのヴィッツと再会します。
ひょっとして、と思い声を掛けると、彼の目当てはダムではなく「道」であるらしい。
「険道マニアなのですか?」と、聞くと、「いえ、酷道マニアです」との事。
それがどの様に違うのか、マニアの世界はどこも奥深いのでした。

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酷道マニア氏と名刺交換をして別れた後、ゆっくりと歩いて天端を散策します。
天端は自動車も通行可の様ですが、全く車通りはありません、対岸には集落なども無く、さいはて感が漂います。

険しいダム湖の表情。
ごつごつした岩盤がアーチダムならでは。

「坂本」と聞くと何故か親しみを込めて 「さかもっちゃん」と、呼んでしまうけど、それが「さかもとくん」→「坂本さん」→「坂本教授」(?)と、心の中で呼び方が変わるのに、さほど時間は必要ありませんでした。

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103mを見下ろします。すぐ下は池原貯水池です。
水がきれいですね、透き通った水の底にコンクリートの構造物が見えますが、副ダムと呼べるほどの物では無い気がします。

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対岸の右岸近く、下流側の高欄にスチールパイプの籠のような物が有りました。
鮫を撮影するダイバーが入るような感じのものです。

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それは、下流面に設置された監視カメラへ向かう為のものでした。
絶対に落っこちない様に配慮されていますが、もし僕が降りようものなら、魂だけ抜けて落っこちると思う。

アーチダムの右岸端はスラストブロックになっていました。

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車を止めた左岸もそうなのですが、とにかくダムサイトがやたらとタイトな坂本ダム。

特に右岸のダムサイトは車が方向転換できるだけのスペースしかありません。
慰霊碑もクラウチングトンネルを利用して、落石ガードの屋根の中にコンパクトに安置されています。

発電所への取水口も、堤体とは別の場所にあります。
巡視艇をおろすインクラインなんかは、ダム本体とは何キロもかけ離れた湖畔にありました。とにかく尋常じゃないタイトなダムサイト。

写真左奥には、キャットウォークへ通じる巡視路。

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アーチの下に見える放流設備。ハウエルバンガーのようです。
素っ気ないほどのシンプルなデザインが坂本ダムの特徴。ここへ向かうにはキャットウォークしか無い様です。

薄いドーム型アーチの坂本ダムは、巡視用エレベータはおろか、内部に監査廊さえ無いように見えます。
実際、堤体や、キャットウォークの何処にも堤体内に入れそうなドアーが見当たりません。

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灰さんのDVD 「ザ・ダム 放流」 の中で、この坂本ダムの夜間越流の映像が収録されていますが、周囲に何も無い険しい山中での夜間撮影は想像しただけでチビリそうです。

このアングルからの坂本ダムは、クレストが自然越流吐だからか、黒部ダムによく似てる気がします。ストイックなダムに共通する、男臭さがあるからかもしれませんね。

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究極まで贅肉をそぎ落とした発電用巨大アーチは、研ぎ澄まされた日本刀のようなクールさ。
男前の坂本ダムでした。

坂本ダム
★★★★★

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