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鹿瀬ダム

堤高32.6m
G/P 1928年 東北電力

2012.10.6見学


揚川ダムから上流におよそ10km、蛇行する阿賀野川に沿って国道459から鹿瀬ダムが姿を見せました。

竣工は古く1928年(昭和3年)、日本有数の水力発電地帯である阿賀野川水系で、最初に本流に建設されたコンクリートダム、それが鹿瀬ダムです。

それは、オールドダムが好きな僕にとって、本州最後の大物というダムでもありました。

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着工前に既に完成していた木曽川の大井ダムを参考に、半川締切工法によって建設されたそうです。

堤高は32.6mと既に50m級であった大井には及びませんが、ラジアルゲートが並ぶ堤頂長は304.2mと大井よりも25mほど長く、堂々たる堤体です。

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ダム右岸にあるのが第二鹿瀬発電所です。
ダム完成から半世紀を経て1973年に増設された発電所です。

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少し場所を移動しました。
ダム直下は大きく開けています。

手前に第二鹿瀬発電所、竣工当初からの鹿瀬発電所は対岸の左岸にあります。

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川の蛇行点に建設された鹿瀬ダム。
阿賀野川はダム直下で大きく左にカーブしています。

蛇行箇所は直進部分よりも川幅が広く、30m級の高さでも、長い堤体を築く事により、貯水容量を確保したのかもしれません。
また、水量の豊富な阿賀野川にあって、洪水を流下させる為に必要な放流能力を確保しようとすると、おのずとクレストゲートは多連化してこの様な姿になるのかも。

当初からの発電所が川のカーブの内側にあるのも設計意図があるのだろうと思います。(洪水から施設を守る、堆砂が少ないなど)

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20連のうち1門から放流中。
渋い赤のラジアルゲート、Kトラスが実によく似合います。

日本発送電の発足以前の堤体である事を、角のある平坦なピアの造形に感じます。
どこか黄色味を感じるコンクリートの色は、付近の川床の岩盤の色を感じました。

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対岸にある鹿瀬発電所。
この向きからだと小さな建物に見えますが、実はずっと奥行きがあり、6台の発電機を持つ大きな発電所です。
また、この建物の奥には魚道もあります。

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発電所よりも気になるのが、すぐ横にあるコンクリートの壁です。
壁の向こうは発電所への送水路なので、壁の上部の穴は余水吐かもしれません。(積極的に水が出るようには見えません)

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右岸の天端近くに来ました。
残念ながら天端は立入禁止のようです。

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川幅は広くゆとりがありますが、堤体の両岸はそれぞれ発電所に占拠され無駄なスペースはほとんどありません。電気の工場感が漂います。

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静かな湖面と多連ゲート。
貯水池は山水画を思わせる景勝地となっていて、遊覧船も運航されています。

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昭和初期に建設された大規模ダムである鹿瀬ダム。
ここで造られた電力は電気化学工場に送電され、日本の国力の源となりました。

300mを越えるコンクリートの堤は、当時の人々にとって初めて目にする、壮大な建造物であった事と思います。
一つの時代の象徴であった鹿瀬ダムは、今現在も現役で人の暮しに役立っています。

ダムという物が、いかに長い歳月にわたり使う事の出来る施設であるかを感じ、文句なしの日本の名堤 鹿瀬ダムを後にしました。

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鹿瀬ダム
★★★★


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揚川ダム

堤高19m
G/P 1963年 東北電力

2012.10.6見学


10月某日、阿賀野川に来ています。
福島、群馬を源に日本海へ注ぐ阿賀野川水系は、古くから発電用のダムが沢山造られてきた河川です。
戦前から本流に鹿瀬ダム、豊実ダム、新郷ダムなど多くの発電用ダムが造られ、戦後には支流只見川に田子倉ダム、奥只見ダムなど日本を代表する大型ダムが相次いで建設されました。

揚川ダムはそんな由緒ある水力発電地帯のしんがりを務める、最下流に位置する発電用ダムです。

川幅いっぱいに並ぶゲート群、オールドダム風のスタイルですが竣工は1963年と思ったよりも新しく、田子倉、奥只見の後に完成しています。

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無機質なゲートピアの造形を観ると、たしかに戦後産まれである事が分かります。
ゲートの下流に並ぶ減勢ブロックは、この水系のダムに多い共通のディテールです。

ドライな肌のコンクリートと水鏡の組合せ、見事なコントラスト。

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淡いブルーの鉄骨組のゲートピア。
大河川の下流域とあって、吉野川の池田ダムを思い出しました。

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上流側のコンクリートはドライな下流側と対照的に深く苔生していました。

蛇行して流れる河川が真南を向いている場所にあり、上流面が北向きと言う事もあるのかと思います。

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ピア頂上の機械室、上流側は少し複雑な形状をしていますね。

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対岸に目を向けると、軍艦のような護岸の上に管理所が見えます。
その下は発電所への取水設備など。

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天端を散策します。
車道になっていて、往来自由です。

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沢山ならぶピア部分にはバルコニーが付いています。
鋼管の欄干の仕様は実用的なものですが、綺麗な形状に設計者の美的感覚を感じます。

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天端は意外と車通りが多く、バルコニーが飾りではなくて、待避所としての役目がある事を身を持って体験します。

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フェンス越しとなる天端からの貯水池の風景。
新しい橋が建設中でした、国道の新バイパスかと思います。

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例のバルコニーから下流側を観ます。
ダムのほぼ中央に壁が立てられ、下流側が仕切られていました。
棚状のタタキ(ダム本体?)から下流は自然の河床が広がっています。

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左岸まで歩いて来ました。複雑な鉄骨の配置にどきどき。
高い鉄骨ピア頂上と、コンクリート壁の上にある管理所とは連絡橋で結ばれているようです。

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すぐ近くには壁と一体化してバッチャープラントが残されていました。
かなり大きなバッチャープラントです。

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左岸端からはローラーゲートを間近で観る事が出来ます。
上を走るトラックと比べて、かなり大きなゲートである事がわかると思います。

脇の小さなゲートは取水口付近に集まった流芥を落とす為のものかと思います。

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ローラーゲートのクローズアップ。
これだけよく構造が見えるのは珍しい気がします。
上下2段の連結構造である事もよく分かります。

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見所満載の揚川ダム、最後は国道に戻って管理所の高さから眺めました。

鉄骨ピア、無機質なコンクリート、ずらり並ぶ減勢ブロック。
上から俯瞰で観るとICチップみたいに緻密に見えます。

今日は阿賀野川を遡って、日没まで周れるだけダムを巡りたいと思います。
長い一日がここから始まりました。

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揚川ダム
★★★★

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鷹の巣ダム

堤高28m
G/P 2000年 東北電力

2012.7.17見学


岩船ダムから下流へ4km程下ると、東北電力の発電用ダム、鷹の巣ダムがあります。

2000年竣工と新しいダムでありながら、オールドダムのように川幅いっぱいにゲートが並ぶ姿が独特で、今回の遠征のダークホースとして楽しみにしていました。

ところが・・・。
国道脇からダムへと通じる唯一の道は立入禁止となっていました。
残念、うー。

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諦めきれず、国道から少しだけでもダムが見えないか粘ってみたのですが、大きく蛇行した河川と、茂った樹木に阻まれ、これが精一杯でした。

たぶん、ダム本体左岸にある発電所の建物に間違いないと思うのですが・・・。

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鷹の巣ダム
★(うー、見えない・・・)

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岩船ダム

堤高30.2m
G/P 1961年 荒川水力電気(株)

2012.7.17見学


山形の赤芝ダムから下流へおよそ7km、県境を越え、岩船ダムは新潟県です。
国道から脇道に入ると、ローラーゲートの大きなピアが見えてきました。

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ダム本体のすぐ左岸に、これまた巨大な制水門。
隣接する発電所への取水口???。

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上流よりゲートピア。
直線的なコンクリートの柱と、軽いアーチ状の鉄骨トラス組のコンビネーション。

柱には「荒川水力」の文字が掲げてありました。
荒川とはこの河川の名前ですが、聴き慣れない社名は東北電力グループの発電会社で、ここで発電された電力は東北電力に供給される他、日本軽金属の新潟工場に送電されているそうです。

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ダムサイトには予備ゲートが沢山置かれていました。
(思わすぺたぺた触ってしまった、水密ゴムが分厚い!)

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下流に周り込むと、水煙を上げ、ずどどどど!と、轟音を響かせ放流中でした。

熱いパトスがほとばしっています!(意味不明)

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減勢工の中は、煮えたぎる鍋のようにぐらぐらと水が湧き上がっています。

湧き上がる水が分厚くてそう感じませんが、岩船ダムの堤高は30.2mもあります。
堤高の半分はローラーゲートとしても、この水中には大きなコンクリートの堤体が隠れているはずです。

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岩船ダム
★★

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三国川ダム

堤高119.5m
R/FNWP 1993年 国交省

2011.6.11見学


車を飛ばして、本日最後に訪問したのは新潟のロックフィルを代表する大型ダムの三国川ダムです。

堤高119.5m、堤頂長419.5mの巨体。
洪水調節、河川維持、水道、発電とマルチに活躍する国交省の多目的ダムです。



本体右岸の非常用洪水吐、上の方にゲートピアがのぞいています。



非常用洪水吐の横にあるのは、常用洪水吐の放流口と、利水放流設備。
サバザバと大きな音を響かせ、利水放流中。



右岸の道を登ってダムサイトに到着。

管理所の一画が展示室になっていましたが、夕方遅くの為既に閉館していました。
案内看板によると、監査廊の見学もできるみたいです。

他のダムと見学順を入れ替えたら良かったかなあ・・・。
でも、所々に見落としを残す事で、次に再訪するきっかけにもなるので、良しとします。

また、雪深い地とあって、11月〜5月の間も休館だそうです。



展示室の目の前は非常用洪水吐のバスタブです。
さっき下から見えていたゲートがあります。



吐の上から下流を眺めます。
大規模ロックフィルならではの、この奥行き感!。



堤体はゆるく大らかに湾曲して、さらに左岸付近は地山の上を覆うようにリップラップが広がっていました。

ものすごく広大な下流面を持っている三国川ダムです。



100mを超える高いダムなので、天端からは、ずっと先まで見通す事が出来ます。

遠くに見えるのは、南魚沼の集落です。
稲もまだ小さいので、水田が鏡のように西日を反射して輝いて見えました。



洪水期制限水位の貯水池、しゃくなげ湖と名前が付いています。



右岸に集まっているダム施設。
選択取水設備の横の赤い構造物は、インクラインです。



しゃくなげ湖の左岸には、山肌を大きく削られている斜面が見えます。
未確認ですが、ロック材の採取地かもしれません。



天端を散策すると、休憩スペースの他にブロンズ像がいくつも飾ってありました。
さながら小さな野外美術館といった感じです。



400mを超える長い天端を歩いて左岸に来ました。
天端の道はそのままトンネルに入りますが、トンネルの入口の上が展望台になっていました。

下流と上流の両方が一望できる感じが、いかにもフィルダムらしくていいですね。



ダムの真下に、天端から見下ろして気になる施設が見えていました。

天端を散策した後に、再びダム下に行ってみたら、そこはなんと露天風呂でした。

洪水吐の真横の露天風呂。
放流中はさぞかし野趣あふれる豪快な風呂になると思うのですが、残念ながら、現在は営業されていないみたいです。



でも、せっかくなので岩風呂の中に入って温泉気分だけ味わってみました(笑)



ひとっ風呂浴びた後は、階段を上がってダムの真下に来ました。
減勢工の横は広場になっていて、常設のイベントステージが作られていました。



広場と綺麗に整形されたリップラップは、何の規制もなくバリアフリーに繋がっていて、ステージイベントの時は、リップラップの上も観客席になるのかもしれません。

巨大ロックフィルらしい大らかさに、心和む三国川ダムでした。



三国川ダム
★★★★

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二居ダム

堤高87m
R/P 1978年 電源開発

2011.6.11見学

琥珀と翡翠。


JR東日本の宮中ダムを観た後、スノーリゾートとして有名な湯沢町に来ました。

国道17(三国街道)から山に入り、林道を進みます。
スキー場のゲレンデを横切り、延々と登った先に・・・。

なんと、ここまで来て立入禁止!
実はカッサダムを目指していたのですが、あと数キロの所でゲートに阻まれてしまいました。
今日は思いつきで新潟に来たので、事前の調べをしていなかったのでした。
(やっぱり事前調査は大切)



気を取り直して国道に戻り、傾く日差しと競争しながら大急ぎでやって来たのは、電源開発の二居ダムです。
カッサダムとの間で揚水発電を行っていて、二居ダムは下池になります。

国道を右折してトンネルを抜けると・・・。

どーん!と、いきなり洪水吐の直下です!。



ド迫力の洪水吐に不意打ちを食らって、パーキングに車を停めると、正面には綺麗なPR館がありました。

ここに来るまで、OKKY(オッキー)って目立つ看板があったのですが、この施設の名称だった様です。



早速、館内に入ると、またもや不意打ち。

エントランスに入って、真正面のガラスの向こうは大空間の発電所になっていました。奥清津第二発電所です。

ちょこちょこパンチが効いてる二居ダムです。



入口から1フロア降りると、これまた綺麗な展示スペースがウエルカム状態。
片方の壁は全面ガラス貼りで、発電所の光景が広がっています。

たまたまこの日は点検中でしたが、通常は予約無しで発電所内部まで見学できるそうです。

PR館と発電所が合体したと言うか、発電所の一角にPR館が間借りしている感じで新鮮です。
ちょっとだけ落した照明も雰囲気を盛り上げます。



壁面には見る事の出来なかったカッサダムの模型が・・・。

カッサダムの貯水池左岸にはスキー場のゲレンデが広がっていて、冬はスキーをしながらダム湖が観れるらしいです。



OKKYこと、奥清津第二発電所の脇から観た二居ダム。
建物が密集しているので、なかなか全容を見せてくれません。



その横は、綺麗な庭園になっています。
この辺りからダムの方を観ると・・・。



こんな感じで洪水吐を観る事が出来ます。

複雑で、ぎゅっと凝縮したイメージ。
トンネルを抜けていきなりこの空間ですから、まさに秘密基地といった感じ。



堤体の方へ歩いて行ってみる事にしました。
開閉所脇の道は、歩いてなら奥に進めます。

開閉所の隣には、奥清津発電所があります。



ダム本体の裾野まで来ました。見上げるリップラップ。
堤高87m、堤頂長280mのロックフィルです。



堤体の右脇に沿って遊歩道もあります。
健脚じゃないと厳しそう。

天端の中央辺りに、四角い出っ張りが見えますが、ここからは用途不明です。



ダム本体の天端へは、徒歩でなくても車で行く事が出来ます。

翡翠色をした湖面が神秘的。
整形されたリップラップは、黄色味の強い琥珀色をしたロック材が使われていて、湖面の色と鮮やかなコントラストを魅せていました。



天端は柵がなく開放的な雰囲気。
所々に説明看板が設置されています。



路面の舗装は不規則に蛇行したデザインをしています。
川の流れをイメージしているのではないかと思いました。



下から見えた出っ張りは、展望スペースの様でした。



天端からの眺め、手前が奥清津発電所です。

奥清津発電所と、奥清津第二発電所を合わせた最大出力は160万kWを誇り、国内最大クラスの揚水発電所のひとつです。

少し不思議なのは、揚水下池なのに、何故か発電所がダムの下にあるんですよね・・・?
もっと丁寧にPR館を観たらその謎も解けたと思うのですが、ここで施設の施錠時間となりました。

琥珀色のロックフィル、翡翠色の湖面。
充実した発電所PR館と見所たっぷりの二居ダムですが、今回は閉館ぎりぎりだった事もあって、あまりにも時間が足りませんでした。

さあ、今日は、もういっちょ行くぞっ。



二居ダム
★★★★

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宮中ダム

堤高16.4m
G/P 1938年 東日本旅客鉄道(JR東日本)

2011.6.10見学


続いてやって来たのは、信濃川の宮中ダムです。
大正時代に着工、完成は昭和13年(1938年)のとても古い発電用ダムは、信濃川本流で唯一のハイダムです。

川幅いっぱいに並んだ赤いローラーゲート、中心部の2門は水煙を上げて放流中でした。



ダムの下流で何かの作業中でした。
人間と比べて、ゲートの大きい事!。



下流の橋を渡ってダムサイト左岸に到着。

クレストに並ぶゲート建屋は防護ネットで覆われていました。
ゲート室の屋根の工事が行われていて、この日は天端は立入が出来ませんでした。



工事は8月までとの事なので、現在は工事が終り、天端は通行可能だと思います。



手前の建物は古い管理所だと思います。
すぐ近くにもう少し新しめの建物がありますので、現在はそちらがメインの管理所だと思います。



その、新しい方の建物の外壁に JR のマークが・・・。

あっ!このダム、JRなんだ。
この時、初めて気が付きました。



説明図にもちゃんとJRのマークが。

宮中ダム(写真左上端)で取水した水は、千手発電所、小千谷発電所、小千谷第二発電所など、複数の発電所に送られます。

それぞれの発電所は沢山の調整池とトンネルで複雑に結ばれていて、川の水は大切な資源と言う事がよく解ります。



ダム本体の天端が歩けないので、見所が無いかと思えばそれは見当違いで、古くて大きい取水ダムは見所満載です。

こちらはダム本体の左岸にある水門です。
信濃川からの取水口と、沈砂池の間にあります。

シャビーシックな外観が素敵です。



宮中ダム本体と、水門の位置関係です。
奥が宮中ダム、右が上流です。

水門の屋根上のパイプは融雪装置でしょうか?。


水門から下流は広い沈砂池が広がっています。
はるか向こうには、同じ造りの水門がある様です。



取水口辺りからの眺め。
取水口から水門まで、カーブに合わせて3本の壁が綺麗にユニゾンしています。



宮中ダムの正面側です。



左岸を見学した後は、天端は渡れないので下流の橋を渡って右岸に来ました。

ゆったりと流れる魚道。
よく見ると、幅広の魚道の脇に、もう一筋魚道があります。
遡上する魚種によって、造りの違う魚道が用意されている様です。



右岸では魚道の工事も行われていました。

穏やかな湖面の向こうには、さっき観た取水口とは別の取水口が見えます。
こちらは宮中第二取水口で、主に小千谷第二発電所へ水を送っています。



右岸で驚いたのは、この階段の造形です!。

無骨でバランスを欠いた造形は、お世辞にも美しいとは言えませんが、妙に引っかかる色気があります。
こういった代物って、設計者が図面を引いていて、「なんとなく出来ちゃった」という形なんだと思います。

悪くないですよね、いや、むしろ素晴らしい。



さて、宮中ダムを訪れたら、必ず行ってみたい場所がありました。
ダム協会の第8回のフォトコンで、この宮中ダムで最優秀賞の作品が撮られていたからです。

右岸下流の家畜小屋の脇から川に出ると、目の前に写真で見覚えのあるアングルに出ました。

なるほど流石、最優秀作品を受賞される方は、いいアングルを知っておられます。
正に、宮中ダムのベストアングルです。

でも、なーんか違うんだよなあ・・・。
自宅に戻って、最優秀賞の夜鷹さんの作品を改めて観たら、魚道のコーナーの形状が改修され変わっていたので驚きました。



宮中ダム
★★★

(今年7月の水害が心配です、大丈夫だったのかなあ・・・)

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穴藤ダム

堤高55.3m
G/P 1972年 東京電力

2011.6.11見学


高野山ダムを後に、次に向かったのは同じ東京電力の穴藤ダムです。

深く切れ込んだ山間に発電所がありました。
高野山ダムから水が送られている中津川第一発電所です。



発電所の背後にはぐっと上まで伸びた水圧鉄管が見えます。
この上の台地に高野山ダムがあるのですが、頂上付近は霧に覆われて見えません。
(さっきまで、あの霧の中に居ました)

高野山ダムまでは、直線距離で2キロ程ですが、有効落差は400mを越えています。



そして、その中津川第一発電所のすぐ上流に鎮座しているのが穴藤ダムです。
見るからに頑丈そうなゲートピア、重厚な佇まいが特徴です。



堤体の右岸付近にはスチール板で囲われた建物が付いています。
小渋ダムのエレベータ棟を連想しますが、たぶん中は階段だと思います。



入口にはこんな注意がありました。
ダム管理って、大変な仕事ですね。



右岸側で軽く折れた堤体、
天端は車道となっていて、天端を渡ると中津川第一発電所があります。



大きなゲートピア。
70年代の発電ダムらしく、装飾的な部分は皆無です。



ダム湖は長細く上流に延びています。

霧が掛かって幻想的な雰囲気。
谷が深いので、ちょっと不気味な感じさえします。



天端からの眺望です。



中津川第一発電所は、大正13年(1924年)に完成しています。

壁などのデザインが凄い事になっています。
特に、壁面の屋根の形なんか、サリーちゃんのパパみたいな事になっています。



ダム本体の左岸端に取水設備があり、ダムの正面を横から観る事が出来ます。

大きなゲートはすぐ目の前です。
ゲートは上流面なのに補強のリブがあり、二段式のローラーゲートの様です。



再び、天端より下流の眺め。
直下には大きな減勢池が広がっています、下流にも貯水池がある様に思えるほど

それにしても広い減勢池です。
あまりに広く妙に不自然な感じさえします、他のダムと根本的に何処か違う様な・・

あ!。



不自然に見えて当然でした。

穴藤ダムの減勢池は、導流壁を越えて非越流部まで水没した形になっていました。
どうりでやたらと広く見えたはずです。

水没している下流面。
秋葉ダムも下流面が沈んでいますが、あくまでも導流壁の内側なのでこのパターンとは少し違います。

唯一これと近いのは、今まで観たダムでは、石川の上寺津ダムくらいかなと思います。



天端を渡って左岸下流から。
このダム、実は堤高は55.3mもあります。



一見すると、とても55mもある様に見えません。

下部分が水没している事も要因ですが、やたらと骨太で重厚な造りと、遊び気ゼロのシンプルな形の為、スケール感が狂ってしまうのかもしれません。



穴藤ダム
★★★

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高野山ダム

堤高33m
FA/P 1971年 東京電力

2011.6.11見学

牧場の物体X。


昨年、兵庫の多々良木ダムを観て以来、大好きになったダム型式にアスファルトフェイシング(FA)があります。
フィルダムよりコンクリートダム派の僕ですが、FAだけは別物です。
堤体の形状こそフィルダムですが、硬質なビジュアルはコンクリートダムに近い物があります。

高野山ダムも、そんなアスファルトフェイシングダムの一つです。

集落から少し山の中に入った台地の上には、広大な牧場が広がっていました。
緩やかな丘陵に牧草のグリーンが綺麗です。
こんなに広いのに、何故か牛達はひとかたまりに集まっていました。雨に濡れるのが嫌なのでしょうか?。

目指す高野山ダムはこの牧場の奥です。



牧場の中の一本道を3キロほど走ると、高野山ダムの左岸に着きました。
ダムの敷地はフェンスに囲まれていて、近寄る事はできません。

虫除けスプレーを体じゅうに振りかけて車から出ます。



フェンスの隙間からファーストコンタクト。

うわっ。いきなりカッコイイぞ!。

雨に濡れ、黒々と光るアスファルト。

コンクリートダムとも違う、有機的で巨大な生命体をイメージするビジュアルは、意外とラバーダムにも通じます。(ラバーダムも大好き!)

暗い空の下、テカリながら横たわる姿は不気味な雰囲気さえ漂い、さながら「牧場の物体X」と言った感じでしょうか?



堤高は33mに留まっていますが、堤頂長は380mもあります。

東富士ダムや沼原ダムの様に、貯水池をぐるっと堤体が取り囲むダムを除けば、FAでは最も長い堤体です。
多々良木ダム(278m)や、八汐ダム(263m)よりも長いのですから、結構大きなダムと言えます。



この高野山ダムの堤体が生物の様に見えるのは、上流面の斜面から天端の舗装まで、アスファルトがシームレスに連続している事にあるかもしれません。

途中まで手摺が取り外されている事が、さらに生物感に拍車をかけ、天端と斜面の稜線はクジラの背中の様にも見えます。



上流面の遮水を担うアスファルトから、連続する天端のアスファルト。
ダム本体の周辺には管理所などの建物も一切無く、それがまた不思議な情景を盛り上げます。



フェンスに囲まれ、ほとんどビューポイントも無く、眺望が望めません。
雨露にびしょ濡れになる事を覚悟すれば、藪を漕いでもう少し下流から観れるかもしれませんが、この後もいくつか訪問先の予定があるので諦めました。

ザクザクしたブラックロックの下流面。
堤高がそれ程でもないので、FA特有の勾配の強さも感じませんでした。



フェンス越しに貯水池を見ます。やはり眺望はよくありません。

ここから南に30キロほど登ると、天空の楽園・野反ダムがあります。

高野山ダムは、野反ダムを水源とした東京電力の発電用ダムのひとつで、貯水は全て導水管で導かれた水であり、ダムからすぐ東にある中津川第一発電所へ水を送る調整池となっています。

この高野山ダムの開発は古く、大正時代にまで遡ります。
中津川第一発電所は1924年に運用を開始しています。

あれ?アスファルトフェイシングって、わりと最近の技術のはず・・・。
(そもそも、ロックフィル自体、戦後になってから・・・)

実は現在のこの高野山ダムは再開発によって造られた2代目で、先代は中津川第一発電所に合わせて建設されたバットレスダム(!)だったそうです。

中津川第一発電所は1971年に4号機が増設されていますから、たぶんその時に高野山ダムも刷新され、現在の姿になったと思われます。



雨がいっそう激しくなり、急に下流から濃い霧が湧き上がってきました。

カメラの設定を替えたり、フィルターを交換している隙に、あっと言う間に堤体は霧でかき消されてしまいました。

あ〜あ。



霧が出て来て、ほんの2〜3分で、こんなに真っ白になってしまいました。
それでも、到着してしばらくはちゃんと見れたのでラッキーだったのかもしれません。

数十年前までは、この霧の中にバットレスダムが立っていたと思うと、感慨深い物があります。

河川とは無関係の丘陵の窪地に造られた発電用の調整池は、長野の小諸バットレスに近いイメージを感じます。
奇しくも両者ともに現在その姿を見る事は叶わず、資料なども極端に少ない2基のバットレスは、まさに五里霧中といった物件なのでした。



霧の中の物体X。

高野山ダム
★★★

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後谷ダム

堤高20.3m
G/WP 1968年 新潟県企業局

2011.6.11見学

森のおるがん。


後谷ダムは、山深い谷にひっそりと隠れるようにありました。

ほんとうにこの先にダムがあるのか?
延々狭道を走り、ちょっと不安になり始めた頃、貯水池に到着します。



コンパクトな貯水池の先に、堤体が現れます。後谷ダムです。

茶褐色の肌が雨に濡れて光って見えます。

つい先ほど、下流面の勾配がゆるい正善寺ダムを観たばかりの為か、下流面が通常よりも切り立って見えます。それに、幅広で奥行きが短いジャンプ台が特徴的。

なんとなく、オルガンに見えてしまう個性的な堤体です。
生い茂る樹木に囲まれて、森のおるがんって雰囲気です。



越流部には青々と苔が生しています。
角が削れたピアが痛々しい。



オルガンの鍵盤部分。
随分とざっくりした形です。



竣工は1968年。
傷み具合と色味から、最初はもっと古いダムかと思いましたが、直線基調の造形は、たしかに60年代のものですね。

堤体は左岸付近で折れた形をしています。



天端は入る事が出来ません。
ダムの右岸には取水設備が付いています。



建物に掲示してあった水利標識を観てちょっと驚いたのは、このダムは発電と上水道用のダムだった事です。
(根拠はありませんが、なんとなく農業用水のダムかとイメージしていました。)

岸際にスロープがあったので、水際まで近寄ってみました。



水面を叩く大粒の雨。

湖面を見ると異様なほど水が動いている事に気が付きました。
結構な流速で、貯水池の幅いっぱいに、大きく円を描くように水がぐるぐると回転しているのです。

上流から水がどんどん流れて来ている訳でもなく、不思議な感じです。



対岸を見るとその理由が解りました。
貯水池の左岸に導水管が口を開け、勢いよく水を吐き出してしました。

地形図を見ると、20キロくらい西の別の河川から水が引かれている様です。



後谷ダム。
森の中にひっそりと、しかし黙々と仕事をこなす働き者のダムでした。



後谷ダム
★★★

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