無料ブログ作成サービス JUGEM
頭佐沢ダム

堤高21.5m
G/P 1926年 東京電力

2009.5.9見学

G+E. roman



頭佐沢ダム、ゴルフ場に隣接しダムへは、ゴルフ場の敷地脇の道か、複雑な農道を通る事になり、少しややこしい。運が良ければ農道脇の小さな案内看板を見つける事ができるだろう。

ゴルフ場の脇道からダム湖へ下る道がある。
ダム湖脇に2〜3台車が駐車できるスペースがあるので普通車であれば進入してもUターンできるだろう。
ダム湖は小さいが水は豊富だ、本来のインレットの他に他の河川からも引水され、ダム湖の水中を導水管が横断し、取水口の手前で、ごんごんと水が沸きあがっている。

ダムの正面を拝見するには、先ほどの坂道の途中、ガードレールの切れ目から歩道があるので、その道を徒歩で降りる。

天端はプリミティブな造りだ。
コンクリートの表面には、天端通路と下流面のはっきりとした境界線が無く、つるんと角の丸いコンクリートの塊に、鋼管製の手摺りだけが付けられる。とてもいい感じだ。

スペックでは堤高21.5mとあるが、コンクリートの堤体はせいぜい5m程度しかない。
実はこの頭佐沢ダム、堤体の多くは土に埋もれている。

建設残土を処理したのだろうか・・・?。

敷地全体はフェンスで囲まれ、肝心の盛り土部分に立入る事はできないのだが、盛り土部分はコンクリート堤体から約10m下流へ水平にならされた後、まるでアースダムの土堰堤の様に下流に向け勾配が付けられている。

さらには、何らかの放水路が埋め込まれる。これは、ただの残土処理では無さそうな気配。

左岸から敷地を囲むフェンスは、右岸方向の下流まで、かなりの急勾配で下って行く・・。

この頭佐沢ダム、やはり上部に露出しているコンクリート部分は氷山の一角で、ダムが築かれた谷は下流から見て「レ」の字型の、かなり急な谷川の様だ。

このダムの建設は、1900年に産声を上げた国産コンクリートダムが、進化の枝葉を広げた1920年代である。進化の途中でさまざまな試行錯誤が行われ、また、セメントがまだまだ貴重な時期であった事だろう。

そんな目で再び頭佐沢の特色のある堤体を眺めると、コンクリートの堤体がとても薄い事に気づく。
下流面が埋もれているため、見た目のバランスが取れ一見気がつかないかもしれないが、高さ20mの堤体とは見えない薄さに感じる。

古いダムを愛する僕の推測であるが、この頭佐沢ダムは、セメントの使用量を減らす為、本堤体のコンクリートダムは砂防堰堤の様な下流面が薄い形状に築かれ、重力式として不足する部分を下流側に土堰堤を盛る事によって補っているのではないか。

つまり、変則形G+Eコンバインダム。

そんな馬鹿なと思う反面、そう思った方が楽しいではないかと思う。

詳しい方の訪問、調査を切望したい。

頭佐沢ダム
★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム山梨県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
大門ダム
 堤高65.5m
G/FNWP 1987年 山梨県営

2009.5.9見学

大門、それは男のダム。



南相木ダムを後に、佐久甲州街道(国道141号)を南下する、高原リゾート地の清里の外れに大門ダムはある。

ダム周辺の地質は火山灰の為、貯水池は漏水対策として広くアスファルトフェイシングされる。
貯水池にとって火山灰の軟弱地盤は厄介ものなのだろう。かつて小諸市にあったバットレスダムも堤体下部の漏水の直後、崩壊するという事例がある。

アスファルトフェイシングの護岸は通常のダム湖とは違い緊張感がある。
岸際は、なだらかの様に見えるが、実際転落でもしたら這い上がる事は難しいだろう。
(その昔、岩屋ダムのバス釣りで、近道のつもりでコンクリート法面の横断を試みて死にそうになった思い出がある。)

大門ダムの堤体は、同じ山梨県営の深城ダムに近いものを感じる。縦横のバランスや、谷にぎゅっと押し込まれた凝縮感に共通するものがあるのだろう。

下流面中心の四角い構造物はコンジットのゲート室である。
その真上は一見すると導流壁とクレストゲートの様に見えるがフェイクで、実際の可動ゲートはその横に超縦長のローラーゲートが配備される。異様に突き出したゲートピアが面白い。

大門ダムで素晴しいのは下流面両岸の分厚い導流壁や、ごつごつしたフーチングの造形である。
法面格子枠とのコンビネーションも恰好が良い。

また、深い減勢工はダムの直下で右に大きくカーブし、大門という名に恥じない剛健で男らしい造りをしている。

大門=男らしい。それは40歳前後のおじさんだけが解るキーワード。

大門ダム
★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム山梨県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
柿元ダム
 堤高46.1m
G/P 1952年 日本軽金属

2009.4.26見学

クレスト畳敷き。



柿元ダムは、雨畑ダムと同じく日本軽金属(株)所有のアルミニウム精錬用の電気を発電しているダムである。
元々、河川から取水する発電所がいくつかあったそうだが、渇水時にでも安定した電力を得る為、ダムが作られたそうだ。

ダムはJR身延線井出駅の横から林道へ分け入った山の中にある。
険しい林道との事前情報であったが、道はアスファルト舗装だし、とりあえず問題なく進む事が出来る。但し、道路脇の樹木が倒れこんでいたり、崖が崩れて岩が散乱してる等の難所に何度か遭遇した。

林道のダムサイト付近到着する。意外にもバス停があり、民家も1軒見える(この民家奥に小さな集落がある様だ)
車はバス停の待避所に停める事が出来るが、日本軽金属のパーキング(と、言っても草ぼうぼうの空き地)に停めさせて頂いた。

林道からダムまでの急坂を下る。脇の水路からモリアオガエルの大合唱が聞こえる。
坂を下るとダムが見えてきた。

天端は立入できる。入口に人感センサーがあるが問題無い。
この柿元ダムの管理所(見張所)はなんと天端上にあり、天端に来訪者があると見張所のブザーが鳴る仕掛けの様だ、おもしろい。

天端の欄干は簡単な鋼材溶接製のペンキ塗りである。ダムの欄干には意外と少ない仕様だと思う。
こういった所も、公営の治水ダムや、電力会社系のダムとは違うのかなと思った。

天端を歩き、クレストゲートの所まで来ると、見張所がある。
中の職員さんに軽く会釈をする。とても近い。ガードマンボックスの中の守衛さんくらいの距離感。やはり面白い。

左岸まで歩くと動物除けのネットがある。開けたら閉めるのがルールだ。
左岸からダム下へ林の中に歩道があるので勿論行ってみる。

ダムの真下の河原まで降りる事が出来るので、川の岩の上でダムを見上げ、しばしダムを鑑賞。

ゲートピアはラジアルゲートっぽいのだが、奥まった所にあるのはローラーゲートだ。
クレストに7門分のゲートスペースがあるが、実際は5門のローラーゲートが付けられており、残り2門分に見張所がある。下流面から観て、左から4門ゲート、2門管理所、1門ゲートの並び。
右端の1門が離れ小島になっている為、右側の導流壁がリボンテープの様に複雑にひねっている。
なぜゲートを5連にまとめて、管理所を脇に固めなかったのか?見れば見るほど不思議な堤体である。うーん、面白い。

ダムから下は枯川の様だが、少しだけ水が流され、水たまりに渓流魚が泳ぐ。のどかだ。
しばらくダム下でのんびりして、時計が12時を周りお腹が空いたので帰る事にした。

再びあの天端の見張所の前を通る。軽く挨拶をしようと、波ポリカの日よけの下の窓を覗くと、職員さんは畳敷きの休憩室でシエスタ中でした。やっぱりのどか。
休憩室があるから、大雨の時、この部屋で宿直もあるのかな。それって、すごく怖くないのかな。

ダムの天端の真中で泊まるって事は、トイレもあるのかな、そんなダムってここだけだよね、場所が場所だけに気になるトイレ事情。水洗なのかなあ。

とにかく、面白い所がいっぱいで、疑問だらけの柿元ダム。
自然も多く、のんびりできる雰囲気は、やはり一社所有という独自の雰囲気あふれるダムでした。

柿元ダム
★★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム山梨県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
雨畑ダム

 堤高80.5m
A/P 1967年 日本軽金属

2009.4.26見学

フラッシュボード。



雨畑ダムは日本軽金属(株)が所有するダムで、このダムで発電された電力は、自社工場に送電されアルミニウムの製造に使われる。

雨畑ダムは、天端は立入できないが、ダム直下の河原へ立入る事ができ、深い谷底をふさぐ美しいアーチを真正面から見上げる事が出来るらしい。想像して、計画段階から気分は高まる。

自宅から中央自動車道を経て、双葉JCTから中部横断自動車道の終点、増穂インターで降りる。
ダムは深い山の中にあるがアクセスは良い方だろう。
今日は、子供が、じじばばの日帰り旅行に付いて行ったので、奥様と二人で観て周る事になった。
奥様の目当ては別にあり、「月の雫」という、ぶどうを使った山梨のお菓子である。

ダム付近まで到着、まず先にダム湖を見学する事とした。
と、いうのも、雨畑ダムは深い谷にある為、正面側は真下の河原に下りないと見る事が出来ない。
また、ダムサイト付近は深い森やトンネルの為、ダム本体を通りすぎダム湖に至るまで眺望は開けない。その為、このダムを眺める位置は、ダム湖側から、河原へ降りる、の二者択一となる。

複雑な形のダム湖は前日激しい雨だった為か、少し白濁している。
また、堆砂が進み、堆砂率は80%を超えているそうだ。
堤体は大きく弧を描き、ダム湖側からでも美しいダムである事が伺える。後から正面を拝むのが楽しみだ。
クレストの吐きは中心ではなく、左岸に寄せられて配置されており、アーチダムでは珍しいのではないだろうか。

ひと通りダム湖を見学し、正面の河原に降りてみる事にした。
事前情報も確認していたので迷う事は無かったが、ダムサイトの手前数百メートルに、峠道から下る道がある。下には3軒ほど民家があり、下る道の脇に味のある手造りの郵便受けがあるので目印になるだろう。

河原へ向う下り道は細く蛇行し、かなり急である。ローダウンしてある車は確実に亀になるいので、上の峠道の路肩に停めて歩くのが無難だ。
ゆるゆると下の河原近くまで車で降りると、日本軽金属の遮断機形のゲートがある。
ゲートの手前に駐車スペースがある。川はダムの下流でゆるくカーブしているので、まだダムは見えない、ここから徒歩で河原を遡り、始めて姿を拝む事ができる。

身支度を整えつつ、川の様子を観ていたら様子がおかしい。
いまから歩くルートが浸水し始めた。
発電ダムである雨畑は、ダムから下は枯川だと思っていたのだが・・・と、思っていたら見る見るうちに、完全に行く手の河原が水没。(そもそも、ゲートの遮断機が降り、河原への進入を拒んでいたのも怪しい)

ともかく、河原を歩き、ダムを観るプランは文字どうり水に流されてしまった。

その後、周辺の山林に分け入ったり、民家裏の茶畑にお邪魔したり、なんとかダム正面が見えるポイントを探したが、杉林の向こうにコンクリートの壁らしきものを見る事が出来ただけで、とうてい写真に写せるレベルには至らなかった。

仕方なく、再び峠道を登り、ダム湖へ戻ってみる、さっきとは違い、なにやらゴウゴウと水の砕ける音がする。

むむ、湖水がゲートの上を越流している。
ダム湖側からなので、放流水の飛翔はまるで見えないのだが、表面の湖水が吸い込まれ消えてゆくのが解る。

実は最初のダム湖見学から河原へ向うわずかな時間の間に、フラッシュボードから放流を始めた様だ。

前日雨だったのもマズかったが、運が悪いと言うか、タイミングが外れたというか。
でも、先にダム湖じゃなくて、河原の方からダムを観に行っていたらと思うとゾッとする。
あやうく夫婦で滝修行する所だった。

ちなみに、奥様めあての「月の雫」は季節限定のお菓子で、ぶどうの収穫にあわせ秋からの販売であるらしい、こちらもあてが外れました。秋ごろまた来いって事かな。

雨畑ダム
★ (四つ星級の実力はあると思うのですが)

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム山梨県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |