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発表!!あつだむが選ぶ MVD 2012
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2012.12.28 Friday 12:24
全国1億二千万のダムファンの皆様、こんにちは。
今年も、あつだむが選ぶMVDの季節がやって来ました。
この1年で、あつだむが訪れたダムの中で、印象深く心に残ったダムを発表します。
いつもは10ベストを発表していますが、今年は訪問件数が少なかったのでベスト5のノミネートです。
それでは早速参ります。
第5位
「新潟のロストワールド」
新潟県 加治川治水ダム(※レポート準備中)
山奥に潜む堤高100mを超える巨大治水ダム。
治水専用ダムの水の無い湖底には、綺麗な公園が整備され、さながらロストワールドを彷彿とさせていました。
第4位
「むつ市の退役軍人」
青森県 旧大湊水源地沈澄池堰堤
本州さいはての地、大日本帝国海軍によって軍事施設として建設された石積アーチ。現在は市民の憩いの場として余生を過ごしていました。国の重要文化財。
第3位
「バトルコンクリート」
和歌山県 小匠ダム
洪水と戦う為だけに産まれた生粋のソルジャー。
2011年台風12号との傷を癒すように、春の陽光に輝いていました、涙。
第2位
「秋田美人」
秋田県 藤倉水源地堰堤
1911年完成、東日本最古の15mを超えるコンクリートダム、水道水源の他、防火用水の供給を目的に造られ、林業の流木用水路を設けるなど、構造的にも貴重な名堰堤。
和紙を思わせる美しい水流は、日本的な情緒と芯の強い美しさを感じるのでした。
そして栄えある第1位は!
だむだむだむだむだむ〜、じゃかじゃん!
「水の古城」
福岡県 養福寺堰堤
名堤河内堰堤の妹は、北九州市の街に溶け込むように実在していました。
取水設備の手の込んだ装飾、L字型の堤体+アースの副堤、上下2段の独特な貯水池。見るべき所が多いものの、未だ謎多き石積ダムです。
この養福寺堰堤は桜の開花に合わせ、年に2週間だけ一般に開放されています。
(※天端は公開日であっても入れません)
石積ダムが好きなら、広島の本庄水源地と並び、
「これを観ないと死ねない」と言う、素晴らしいダムなのでした。
と、言う事で、本年度のMVDは、勝手に養福寺堰堤に決定致します〜。
★審査員特別賞★
今年は新規見学に拘らず、近所を中心に沢山のダムに再訪しました。
その中で、今年6回訪問した、丸山ダムに、特別賞を贈りたいと思います。
時間帯や天候、季節によって、いろいろな表情を見せてくれる丸山ダムです。
いつも真下の吊橋から観るだけで、一年を通して天端や展望台には一度も登りませんでした。
訪れる度に凄い枚数を撮るのですが、未だ100%満足する写真が撮れていません。
素材は文句なしの最高級食材なのに、やたら味わい深く、調理が難しいダムのようで、この分だと、きっと来年も通ってしまうのだろうと思います。
それでは皆様、今年一年お付き合い頂きありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願い致します。 -
旭ダム
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2012.12.25 Tuesday 12:16
堤高16.1m
G/P 1935年 昭和電工(株)
2012.10.7見学
大川ダムと大内ダムの2基の大型ダムを観た後は、堤高16.1mの小さなダムに向かいます。
巨大ダムの迫力も凄いけど、小さいけど魅力に溢れたダムもいっぱいあって、それがダム巡りの面白さだったりします。
古くからの街道筋といった趣きの国道から、少しだけ路地に入ります。
その先はごく普通の住宅や町工場が軒を並べています。
ダムサイトの道がすごく狭そうな予感がするので少し手前に車を置いて向かいます。
これが目的の旭ダムです。
って、岸際の雑木が邪魔でよく見えませんね。
ダム本体の左岸から。
旭ダムは昭和電工(株)という会社の発電用ダムです。
どこかしらひなびた漁村の風情が漂っていますが、それもそのはず、竣工は古く、戦前の1935年までさかのぼります。
「うー、全然見えへんやんけー」
あまりの見えなさに愕然としていると、対岸を犬の散歩のおばさんが歩いているのが見えました。
あっ!
どこかのダムと勘違いして、左岸からしか見えないものだと思っていました。
いそいそと車に戻り、対岸の右岸に向かいます。
おおー!
堤高16.1m、堤頂長84m。
堤体積も1万㎥に満たない小柄なダムです。
ピア頂上の昭和電工(株)の看板が誇らしげ。
川幅いっぱいにならぶ7門のクレストゲートが、その名の通り昭和(初期)らしい風貌です。
左岸よりのピアは最近補修が施されたのかコンクリートが真新しく見えます。
そしてこの旭ダムの一番の特徴はこのラジアルゲートのアーム部分の造りです。
鉄骨トラスで組んだ3本の四角錐を頂点で連結したような構造なのです。
今まで割と多くのダムを観てきましたが、このようなゲートはかなり珍しく、この旭ダム以外では唯一、岐阜県 岩屋ダム上流にある中部電力 西村ダムがあるだけだと思います。
こちがその西村ダムです、西村ダムもそんなに大きなダムではありません。
竣工が1938年と、旭ダムとほぼ同期というのが興味深いです。
そしてこれが西村ダムのラジアルゲートです。
こちらも鉄骨トラス組のアームを採用しています。
井川と同じ、裏中電カラーのグレーがよく似合います。
(念の為言いますが、軍用ではありません)
折角なのでもう少し寄ります。
四角錐を形造るトラスはより細かく、中程で連結している部分まで及びます。
リベットがいいですね、リベットが!
(もう一度言いますが、旧帝国海軍ではありません)
写真は旭ダムに戻ります。
西村ダムのアームと比較すると、こちらはずっと穏やかな表情に見えます。
どうせなので、こちらも寄ってみます。
淡い塗装色のイメージもあって、のほほんとした感じ?
なんだろこの感じ、哀愁と言うか・・・鉄塔ぽく見えるから?
名前は旭だけど、夕焼け小焼けが似合いそう。
それはそうと、西村のとは、ゲート本体の門扉の構造も何処か似てますね。
旭ダムは古いダムとあって、魅力はゲートだけではありません。
岩を削ったかのようなゴツゴツとした表情のコンクリート。
あと100年もしたら化石になって、本物の岩盤になってしまいそう。
右岸から川下を観ます。
ダムのすぐ下で川幅が狭くなっています。
岸際のコンクリートも味わいがあります。
少し不器用に見えるのも、この時代、この規模のコンクリートダムの持ち味です。
たっぷりと水を湛えた穏やかな湖面は、自然な姿に見えます。
両岸ともすごく狭いダムサイトですが、それを補うかのようにピア下を使って、ちょっとした作業スペースが造られていました。
ありそうで、なかなか無い感じの工夫です。
左岸に可愛い感じの民家がありますが・・・。
いやいや、この建物こそ旭ダムの管理所です。
柱に「技術員駐在所」の看板が上っています。
「技術員駐在所」と言えば・・・。
以前、このブログで紹介したこの看板。
僕の務める会社の上司宅に、古くからあった謎の看板です。
上司の父親が昔、中古住宅を購入した時に、購入した家に置いてあった物なのだとか。
当初、白山水力の発電所か取水堰堤、ダムなどに掲げてあった物ではないか?との事でしたが、その後、調べてもらったら、どうもその住宅に掲げてあったものだと言う事でした。
当時は、発電所管理者さんの自宅に看板を掲げて、何かの時に連絡をしてもらう感じになっていたのかもしれませんね。
旭ダムの管理所も、かつては「ダム守さん」が住まわれていたのかもしれません。
そして、そういう古い看板が残っている所が、社有ダムの味だったりする訳で。
右岸からたっぷりと堪能した後、少し戻って下流にある橋の上に来ました。
実はいろんな角度から楽しめる旭ダム。
岸の天然の岩盤の表情が凄いです。
そして、その真上まで迫っている民家。
ごつごつした岩盤をよく見ると謎の穴が・・・。
放流路のようなコンクリートの造作が覗いています。
仮排水のトンネルでしょうか?それとも・・・??
岩盤と、コンクリートと、そしてまた岩のようなコンクリート。
天然の物と、人工物が混然として一体となっているオールドダムの味わいです。
7門あるはずのクレストゲートですが、ダム直下で川幅が狭くなっている為、真下からはこんな感じとなります。
旭ダム。
小型なから見応えのあるコンクリートダムでした。
旭ダム
★★★★ -
大内ダム
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2012.12.21 Friday 12:21
堤高102m
R/P 1991年 電源開発
2012.10.7見学
若草色の軍団。
大川ダムを観た後、会津鉄道線湯野上温泉駅の少し手前から西の山中に入って行きます。
ダムに到着する手前で江戸時代の宿場町として有名な大内宿があり、沿道の観光客目当ての有料駐車場の誘導合戦を全てスルーして辿り着きました。
ダムの下流側左岸から登って来て、駐車場は車で天端を渡った右岸にあるので、まずはその右岸から初見の大内ダムです。
電源開発の揚水発電上池を担う大内ダム、下池は国交省の大川ダムを間借り(?)する感じになっています。
右岸の駐車場の隣にある非常用洪水吐。
フィルダムとしてスタンダードなバスタブタイプです。
ダム本体や湖面の面積と比べかなり控えめな感じの洪水吐です。
揚水発電の上池なので、貯水のほとんどは下池(阿賀川)からポンプアップした水なのだと思います。
それに、地形図を観ると、集水範囲があったとしても、天端から見渡せるダム湖の周りだけのようです。
バスタブから先はトンネル吐になっています。
豪雪地の山深いエリアのダムによく観られます。
湖面を観ると右岸から少しだけ離れて何か浮かんでいます。
曝気装置にも見えますが、ここは発電用ダムです・・・。
駐車場にあるでんぱつさんのPR看板によれば、これは表面取水装置とありました。
また、この岬の裏に揚水発電用とは別の取水口があり、それらから取り入れた水は地下の導水路と放流バルブを通り洪水吐トンネルと合流しているようです。
つまりこれらは、既得水利権用の放流設備ですね。
さて、右岸の洪水吐を見た後は、続いて天端を歩きます。
ワイヤーロープの簡単なガードレールだけのごくシンプルな堤頂部です。
下流面を観て驚け!
なんと一面のグリーン!
そしてこの雄大なスケール!!
大内ダム、こう見えて実はロックフィル。
そして堤高は100mを超える102m!。
1:2.5、そして1:3の緩やかな傾斜。
その表面に薄く30cmほど土が盛られています。
下流面の途中で広い踊り場があり、それが奥行き感を助長します。
アースダムに見えてしまうのは、その表面の滑らかさにもあると思います。
カバーした客土はわずか30cmの薄さなので、まずはリップラップを平滑に成型して、その上から土で覆っているのだと思います。
なんちゅうー拘り!
天端の上から大内宿が見えました。
って、事は大内宿からも此方の堤体が良く見えると言う事です。
大内宿は伝統的建築群保存地区として国の指定を受けています。
ひょっとしてこのグランドカバーは大内宿を意識した景観保全なのでしょうか?。
もしそうだとしたら、これまたスゴイ拘りです。
揚水発電の取水口は左岸のダム本体から離れた所にあり、天端からは見えません。
大内ダムの高さ102mは、奥只見、田子倉に続き阿賀野川水系では第3位の高さを誇ります。
また、揚水発電を行っている下郷発電所の最大出力100万kWは、一般水力の奥只見、田子倉を大きく上回る大出力です。
うーん、恐るべし大内ダム!。
一見、温厚なアースダムに見えて、実は阿賀野川水系の巨峰や重鎮たちもひれ伏す怪力を隠してるとは!!。
電源開発 大内ダム。
あのラオウさえも恐れたという、「山のフドウ」に思えてならないのでした。
大内ダム
★★★★
※「山のフドウ」 北斗の拳より。
南斗五車星の一星「山」の拳士。心優しき大男。「若草色の軍団」を率いる。(wikiより引用)
わぁーお!「若草色の軍団」だって! -
大川ダム
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2012.12.18 Tuesday 12:16
堤高75m
GF/FNAWIP 1987年 国交省(北陸地方整備局)
2012.10.7見学
阿賀野川水系ダム巡り、明けて2日目は阿賀川本流に戻り、国交省の大川ダムからスタートです。
国道118のトンネルを通過し、振り返ると鬼っ子鉄塔の向こうにコンクリートの堤体が見えました。
ダム本体から200mほど離れた左岸のパーキングに車を滑らせます。
右岸から、大きな取水設備、4門のラジアルゲート、そしてコンジットの予備ゲートとそれを吊るすガントリークレーン。
駐車したパーキングはこちらの駐車場でした。
J-POWER 下郷電力所。
ん、大川ダムは国交省なのにでんぱつさん?
ほとんど予習無しで訪問したので、この時はその理由が判っていませんでした。
下郷電力所は1Fに展示施設もありますが、オープンは春夏のみで、9月から3月まで長めの冬休みとなっています。
電発さんの駐車場からダム本体方向は大川ダムの管理敷地内となっていて、車両進入禁止となっています。
この時はダム直下の道が災害復旧中で通れない為か、特別に天端が迂回路として利用されている様でした。
いつものように歩いて付近を散策します。
大きく立派なコンクリートダムです・・・。
って、思っていたのですが、どうも右岸が怪しい。
少し段差のある天端、岸際にはリップラップが見えます。
何処かで見た事あるぞ・・・。
奈良県の布目ダムだ。
って事は、この大川ダムってコンバイン??
(ちなみに布目ダムのリップラップは止水処理工であって、ダム本体では無いけど)
左岸から、
予習不足で現場で複合ダムだと気が付いた大川ダムの横顔です。
大川ダムは、堤高75mの大きなダムです。
でも、今、ブログを書き書き、改めて写真で見るとそれほど高く見えません。
それはきっと減勢池がばかでかく、それを囲む壁も異様なほど大きく高い為かなと思います。
その巨大な減勢工。
ダムの真正面に切り立った岩盤があり、放流した水はいきなり右に90°ターンする事になります。
大きすぎてあまりイメージが湧きませんが、周囲の壁の高さは軽く15mは越えているんじゃないかと思います。
減勢工にそってカーブの先に目をやると、さらにもう1段減勢工があるようです。
そして川筋は今度は左に90°カーブしています。
このクランクした川筋もあって、こんなに減勢工が大きくなったのかも。
写真中程の赤レンガ色の建物は東北電力さんの大川発電所。
本当はあの辺りも散策できると思うのですが、下流からの道が通行止め、行くことが出来ませんでした。残念。
発電所と言えばそうそう、電発さんの下郷電力所。
巨大減勢工ばかりに目を奪われていましたが、貯水池側を観ると何やら構造物が湖面から覗いていました。
大川ダム左岸の、山ひとつ向こうの大内ダムとの間で揚水発電が行われていて、大川ダムは下池の役割を担っているという事でした。
てくてく歩いて右岸まで来ました。
途中で軽く折れ曲がった大川ダムの堤頂長は406.5mもあります。
ロックフィルダムの部分は、重力式コンクリート部分よりも少し高くなっています。
フィルダムは締め固めてあるとは言え、完成後に落ち付くにつれほんの少し下がるのだとか、
フィルダムは天端越流に耐える事が出来ない為だとか、
いろいろ見聞きした事があります。
長い天端を歩いて来た先には国交省の管理所がありました。
大川ダムはダムカードも発行されています。
休日の場合は正面玄関のインターフォンで申し出るのがセオリーですが、建物手前からチェーンで規制され、正面玄関まで到達する事が出来ません。これは困った。
右岸は公園化され、広い芝生や野外ステージなんかもあり、さまざまなイベントに使えそうです。
石井神殿みたいに本体にギャラリーとか無くても、ダム目的にRを付けれるんじゃ??
それでもって雪も降る所だから消流雪もやったら、大川ダムのダム目的はFNAWIPSR!
わお!フルコンプ!?。
公園の桜の木の下を歩いて再び横顔拝見、今度は右岸からです。
大きなコンクリートダム部分のボディ。
ダム軸が途中で折れていたり、フィル部分に向かって天端が高くなっていたりと、複雑な表情も併せ持っています。
400mを越える複合ダムの本体と、巨大な減勢工。
フィルダムを持つ事からも想像できますが、地盤が少し軟弱であった為、建設にはダム本体と減勢工周辺の基礎岩盤上にコンクリートを打ち込む事が必要でした。
コンクリートを打つ範囲が広大であった事もあり、その部分に初めてRCDコンクリートが採用されたという事です。
今日も朝一から幸先の良いスタートとなりました。
がんばって沢山巡るぞ〜。
大川ダム
★★★★ -
宮下ダム
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2012.12.14 Friday 12:18
堤高53m
G/P 1946年 東北電力
2012.10.6見学
沈みゆく太陽と競争するように柳津ダムから10kmほど突っ走って、宮下ダムに到着です。
盛大な水の跳ねる音と共に木々の間から現れたのは、大きな水のカーテンでした。
おおおおお。凄いぞ。
写真は感度を上げ気味で撮っているので、本当はもっと薄暗かったと思います。
その暗がりの中で越流の白さだけが異様に際立って見えていました。
ゲートピアで断ち切られた水の切れ目が、細い筋となって、白く大きなスクリーンに刺さる棘のように浮き上がって見えます。
両岸を包み込むようにカーブした導流壁は、諸元を調べなくとも戦前の日発ダムであると言う事が容易に見当できます。
滑らかなその上を滑る只見川の水は、名堤白水堰堤を彷彿とさせる美しいものでした。(残念ながら、僕はまだ白水堰堤の越流が見れていない)
天端やダム敷地内は立入禁止。
右岸に作業スペースが設けられ、工事が行われていました。
ダムに付随する宮下発電所はもう少し下流にあるので、ダム本体に関わる工事でしょうか?。
素晴しい水のカーテンですが、今日見てきた他のダムがそうである様に、これが本来のダムの姿ではありません。
全門開放のラジアルゲートたち。
望遠で見ると従来の歩廊の上に赤茶色の少し大きな通路が増設されているように見えます。工事はクレストゲートの交換、補修などなのかもしれません。
この宮下ダムの特徴と言えるのが、5kmほど西にある天然カルデラ湖 沼沢湖 を上池とした揚水発電が行われている事です。
およそ200mの落差を利用し、昭和27年(1952年)から運用を開始した沼沢沼発電所は、日本最初の純揚水発電として有名です。
(沼沢沼発電所は第二沼沢発電所にバトンを渡し、現在は廃止)
宮下ダム本体の右岸に、只見線の線路を挟み山の斜面に制水門が並んでいます。
あ、これが揚水発電の排水口か〜。
と、言うのはとんだ早合点で、この制水門はダム水路式の宮下発電所の取水口でした。
沼沢湖との揚水の発電所はダム本体よりも数キロ上流にあるようです。
ゲートを上げ、文字どうりお手上げ状態の宮下ダム。
日が暮れた湖面が寂しげに見えました。
対岸を通る国道のシェードから直接ダムにアクセスできるようです(一般は立入禁止)
最後に、下流から迂回して左岸に行ってみる事にしました。
シェード手前まで来ましたが、木々が茂って期待ほど眺めが良くありません。
周囲を散策すれば、もっと開けた眺望ポイントがあるのかもしれませんが、そういえば、今日はまだまともな食事を一度もしていない事に気が付きました。
阿賀野川水系ダムツアー、宮下ダムの上流にはまだまだ、上田、本名、滝、そして只見〜田子倉といい感じでダムが連なります。
このまま田子倉まで行って、まだ訪れていない広神ダムを観て、小千谷市に抜けるのも良いですが、それだとなんだか早々に岐路ルートに乗ってしまうので、明朝からは少し移動して別の河川に入りたいと思います〜。
宮下ダム
★★★ -
柳津ダム
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2012.12.11 Tuesday 12:14
堤高34m
G/P 1953年 東北電力
2012.10.6見学
阿賀野川水系を遡って来た本日のダムツアーもそろそろ終盤です。
柳津ダムは片門ダムから、およそ5〜6kmほど上流にあります。
両ダムとも東北電力の発電用ダムで、1953年の竣工も同時なので兄弟といった感じです。
大きな5門のローラーゲート、保護剤で白く化粧した丸いピア。
天端の管理橋の裏に鉄骨トラスを隠し持っているお洒落さんです。
5門のローラーゲート全開でフリーフローとなっています。
やはり昨年夏の豪雨水害から未だ復旧せずといった感じなのかも。
発電所は対岸の左岸です。
ちょうど片門ダムとは左右入れ替わった感じのレイアウトとなっています。
左効きの柳津、右効きの片門兄弟。
導流壁を兼ねた発電所の外壁にいくつかの穴が・・・。
日が沈み、徐々に暗くなってきました。
左岸にある発電所。
制水門が全て下がっています。
少し離れて柳津ダムの全景です。
さあ、日没までにもう1基行くぞ!いや、行けるかなっ?。
柳津ダム
★★★ -
片門ダム
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2012.12.06 Thursday 12:14
堤高29m
G/P 1953年 東北電力
2012.10.6見学
新郷ダムを後に、次は支流の只見川に入ります。
只見川も多くの発電用ダムが連続し、上流部にはあの田子倉、奥只見のツートップが君臨する有数のダムエリアです。
片角ダムは阿賀川との合流部からおよそ8km、只見川で最下流のダムです。
道に導かれるままダム本体の上に到着。
ここは右岸にある発電所設備の直上です。
立ち並ぶ大きなゲート達。
これはダムのクレストゲートではなく発電所取水口の制水門です。
6門並ぶゲートを観ると、鉄骨の入り方が違う事に気が付きました。
向かって右の筋交いがあるのが日立造船製 昭和28年製造 大きさは6.5m(W)×11m(H)。
左側の格子柄のゲートは、石川島造船製 昭和44年製造です。
こうやって見るとトランプ裏の柄みたいに見えます。
制水門の辺りは発電所の工事などにも使われる為か、広くなっていますが、その先のクレストゲートの辺りは急に道が狭くなっています。
天端の道路というよりも、歩廊に近い感じ・・・。
そんな事を思いつつ、写真を撮っていたら背後から車の気配、振り向くとすぐそこまで軽トラがやって来ていました。
しかも、ぜんぜんスピードを落としません。
あっ!!!。
うおおおおおおおお。
ここは車も通行するのか〜。
(重量1トン、幅員1.5mまでみたいです)
地元の勇敢な軽トラに続いて、僕は徒歩で天端へ。
減勢の四角いブロック。
ダムのすぐ下流には磐越道が横切っています。
なんだか三瀬谷ちっく。
歩いて左岸に来ました。
5門のローラーゲート。
ごく普通の見た目ですが、今日は朝から連続して戦前のダムばかり見てきたので、妙に新鮮に思えました。
なんだかタイムマシンに、乗って遠い昔から徐々に帰って来た感覚。
ボリュウムある堤体。
DICの日本の伝統色のカラーガイドかと思う渋い色味のストライプ。
右岸の導流壁の絶妙な汚れのグラデーション。
うーむ、
なかなか味わい深い片門ダムでした。
片門ダム
★★★ -
新郷ダム
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2012.12.04 Tuesday 12:15
堤高27.5m
G/P 1939年 東北電力
2012.10.6見学
山郷ダムからさらに上流に約4km、続いては1939年竣工の新郷ダムです。
右岸の県道脇に第二新郷発電所があります。
大きな発電所の建物に阻まれ、肝心のダム本体がよく見えません。
フェンスの向こうにラジアルゲートのピアがかろうじて見えています。
うーん、天端に入れない事は覚悟していたけど、これではラチが空かない。
移動移動。
幸い、少し下流辺りから堤体がよく見えるポイントがありました。
中州を挟んで二つの水面が広がっています。
対岸の発電所はさっきとは別の新郷発電所です。
堤高27.5m、堤頂長219m。
同じ河川に連続したダム群にあって、どのダムも似たような大きさなので、さっきも見たようなデジャビュ感に襲われます。
プレート状に重なり合う広いタタキ。
一見大ざっぱにも見えますが、よく観ると各段の角が丸められていたりと、案外丁寧な造りである事が解ります。
ピアの形や歩廊の配置は、ついさっき観た山郷ダムとよく似ています。
それでも、コンクリートの渋い汚れ感や、少しくたびれた感じは、堤体によって微妙に異なるニュアンスがあります。
骨材やコンクリートの配合など、同じように見えるコンクリートでも、長い歳月を経ていろいろな違いが露になって来るのかもしれません。
竣工当初からの新郷発電所。
当時としてもかなりモダンな建物だったに違いありません。
また、山野の広がる地にあって、この建物が造られた頃は「村で一番大きな建物」だったのかも。
下流に居座る中州、舌平目のような形をしています。
たぶん天然の川床かと思うのですが・・・。
良く見ると表面がすごく変った感じで摩耗しています。
これはこれで見応えがある・・・。
堤体から下流300mに橋が架かっています。
最後に真正面からパチリ。
この新郷ダムの上流3キロ辺りで、支流只見川が阿賀川に合流しており、新郷ダムの貯水池は二つの河川に広がっています。
阿賀野川水系ダム巡り、次は只見川を遡ります。
新郷ダム
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