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山郷ダム

堤高22.5m
G/P 1943年 東北電力

2012.10.6見学

泥だらけの貴公子。


阿賀野川水系のダム巡り、どんどん上流に向け車を走らせます。
上野尻ダムからおよそ10km、山郷ダムのダムサイト右岸に到着。

管理所入口の門が少し開いていましたが、自由に入れる雰囲気ではありません。
ひとまず、敷地の外を散策する事にしました。

IMGP8800.JPG

敷地の外周に沿って歩きます。
手前に見えるゲートは山郷発電所の取水ゲートです。

1943年に日本発送電によって建設された山郷ダム、発電所は当初からの山郷発電所と、平成になって増設された第二山郷発電所の二つの発電所を持っています。

IMGP8802.JPG

少しだけ上から眺める所に来ました。
写真右端が第二山郷発電所の取水ゲートです。

先程も見えていた山郷発電所のゲートを挟み、その向こうに山郷ダム本体が見えます。

IMGP8803.JPG

阿賀野川水系の他のダムと同じく、沢山のゲートが並ぶ山郷ダム。
ですが、今迄のダムとは少し様子が異なります。

全体に泥を被ったようにくすんだラジアルゲートは、全門が一番上まで開けられ、低い湖面がフリーフロー状態を示しています。

2011.7.31
上流の只見川から阿賀野川にかけ、記録的な豪雨が襲いました。。
未だ癒えぬ災害の爪跡・・・。

やや右岸側に見慣れない構造物があります。
これは何でしょうか??。

IMGP8805.JPG

車で迂回して左岸を目指します。
蛇行した川のカーブにある為、下流の車道からダムの姿が見えました。

やはり全門フリーフローとなっています。

IMGP8808.JPG

渋いワインレッドのラジアルゲート。

ピア上の巻揚機部分はリビングブリッジです。
また、それとは別にピア中程に歩廊が渡されています。

ピアの形も整った美しいもので、日発らしい気品に溢れた、とても上品な姿です。
それでいて、何処かしら男っぽい雄々しさがあり、直感的に「貴公子」という言葉が頭に浮かびました。

IMGP8810.JPG

広いコンクリートのタタキに、白く流れる水のカーテン。
辺り一面、水のイオンが舞い、ひんやりとした空気が漂うオールドダム。

いいなぁ、とても綺麗だ。

IMGP8820.JPG

フリーのゲートから滑り落ちる水の透明感。

阿賀川の水が綺麗な事もありますが、何よりも丁寧な施工が無ければこのような水の表情は産れないでしょう。

水音に包まれ、しばらくうっとりと眺めていましたが、これが本来の山郷ダムの姿ではなく、災害からの復旧中の仮の姿である事を思うと、少し複雑な気持ちになります。

IMGP8817.JPG

対岸の先程までいた右岸に目をやると大きな山郷発電所の建物が見えます。

アーチ状のくり抜きは発電所からの放流口だと思うのですが、その上を魚道が通過する関係で、大小のアーチが並ぶ洒落た外観となっています。

IMGP8816.JPG

上流側で観た謎の構造物は、下流にも突き出していました。

これはきっと船を通過させる為の設備跡だと推測。
かつては船がダムの上下を行き来したのでしょう。

IMGP8814.JPG

水害から一年以上経っていますが、水が無く、未だ復旧していない山郷ダムは何処か魂が抜けてしまったかのように寂しげに見えました。

激しい戦いのあと、今は休息の貴公子。
いつかまた、満面の湖水を湛える事を想って・・・。

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山郷ダム
★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム福島県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
はたばん file.24


地元で毎朝、通勤途中で目にするはたばんです。

何時でも観れる、撮れると思うと、観に行かないもので、はたばんの写真を撮り始めてからも、毎朝遠くから眺めるだけで、ずっとスルーしていました。

他にも何台か目を付けているはたばんがあったのですが、あるとき、そんな中の1台が撤去され無くなっていました。

ショックでした。いい感じに草に覆われたキャリイでした。



急に心配になって、早速、初めてちゃんと会いに行きました。

この子は、春も、夏も、秋も、冬も、一年を通して出勤途中の僕を楽しませてくれるお気に入りです。
この子が気になるようになって、もう3年くらいになりますが、一度もドアーが閉まっている所を見た事がありません。

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はたばん file.23


そもそも、何故「はたばん」の写真を撮る様になったのか?。

写真やカメラはダム巡りをする様になってから始めたので、ほとんどダムしか撮った事がありません。

ダム以外のモノを撮る事で、ダムの写真に活かせる事があるのでは?と、思ってちょこちょこ撮るようになりました。
ダム写真の訓練の一つといった所でしょうか。



はたばんを撮る時は、周囲の環境や雰囲気も入れる様に心がけています。
おかげで、僕の「被写体に寄りすぎる病」も多少は改善した気がします。

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上野尻ダム
堤高30m
G/P 1958年 東北電力

2012.10.6見学


阿賀野川の豊実ダムから上流におよそ12km、その間に県境を越え上野尻ダムからは福島のダムとなります。
阿賀野川も名前が変って、福島県内は阿賀川です。

静かな水面に淡いブルーの鉄骨トラスがゆらいで見えていました。

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巻揚機によるものか、ピア頂上の建物には凹凸があります。
今朝見た揚川ダムのピアによく似ています。

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ダムサイトの左岸は建設時のプラント跡が小さな公園になっています。

つる草に覆われたバッチャープラント、その中にはベンチが置かれていました。
春には桜が咲き誇る憩いの場になっているのだろうと、想像しただけで、のほほんとした気分になります。

IMGP8795.JPG

記念植樹でしょうか?木の根本にこんな碑がありました。
東北電力創立40周年記念とあります。
ひょっとしたら、上野尻ダムは東北電力として最初に建設されたダムなのでしょうか?

上野尻ダムは戦後の1956年着工、1958年完成です。
日本発送電が解体され、電力9社(当時はまだ沖縄電力は無い)に再編されたのが1951年なので、上野尻ダムの工事とは少し間があります・・・。
うーん、微妙。

IMGP8797.JPG

公園から少し歩いて下流側に来ました。

第一印象で、思わずわっ!となってしまいました。
なんだかダムが「起立」しているようで、とてもユニークな姿に見えたのです。

ゲート配置はローラーゲートが8門。
それと手前の左岸には2門の自然越流の洪水吐・・・?

IMGP8770.JPG

んんん?
この2門は洪水吐???。

ダムが起立して見えるのはローラーゲートのピア形状と、この越流吐の切り立った下流面にあるようです。
こんなに下流面が立ってたら、越流した水が下で湧きあがってエライ事になりませんか???

と、言うよか・・・。

IMGP8771.JPG

ローラーゲートよりも越流吐の方が高いですね・・・。

勿論、洪水でローラーゲートから放流を始めれば、ゲートを開けた分、ゲート上部も高くなりますが・・・。
ローラーゲートの上部が少しエグレていて、多少ならゲート上を水が越えてもOKに見えるのも気になります。

うーん、謎だ。

IMGP8764.JPG

すくっ!と立ち上がった堤体とは対照的に、下流は広い水面が広がっています。

IMGP8772.JPG

天端上は県道です。
今日は天端が入れないダムが多いので、なんだか久しぶりの天端の気分です。

車道部分は一車線半程の幅ですれ違いは難しそう。
でも、橋の下流側にちゃんと分離式の歩道が設置されています。

IMGP8765.JPG

ちなみにダムは上野尻ですが、天端は柴崎橋と呼ばれているみたいです。

IMGP8767.JPG

その柴崎橋からダム直下。

減勢ブロックが並んでいます。
その下には、水面からコンクリート片がランダムに顔を出し、激しい戦いの跡を思わせます。

IMGP8778.JPG

右岸の発電所。
これまた建物が大きい!。

IMGP8779.JPG

ダム本体の右岸はそのまま発電所に繋がっています。
発電所上に大きなクレーン。

IMGP8782.JPG

右岸から発電所の取水口。
取水口とダム本体が一直線上に並んでいます。

IMGP8781.JPG

貯水池側を観て、ぎょっとしたのが300mほど上流にある廃橋です。
上野尻ダムの上を県道とする事で、ダム完成に伴い廃橋となった旧柴崎橋です。

ダムの完成から50年以上も経っていますから、それこそ奇跡のような廃橋ですが、廃墟、廃道マニアの中ではちょっとした人気の橋のようです。

人が渡らないように路面は落とされ、行ってみると鉄骨しか残っていないので、そりゃーマジに怖いらしいです。

IMGP8784.JPG

上野尻ダム
★★★


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豊実ダム

堤高34.2m
G/P 1929年 東北電力

2012.10.6見学


鹿瀬ダムから阿賀野川を上流におよそ12km、豊実ダムも鹿瀬ダムと並び阿賀野川を代表する名堤です。

川に沿って走る国道から俯瞰でダムが見えました。
堤高34.2m、堤頂長233.2m。
鹿瀬ダム完成の翌年、1929年に完成しています。
竣工当時はまだ日本発送電の発足前で、東信電気という電力会社によって造られました。

IMGP8727.JPG

眼下には広大なダムワールドが展開されています。
鹿瀬ダムと同じで川の蛇行点に造られていますが、カーブ手前の鹿瀬と違い、カーブを抜けたポイントにあります。

右岸を取り囲む水路は第二豊実発電所への導水路です。
美しいカーブを描く導水路。
残念ながら手前の雑草が邪魔をして、思ったような写真が撮れませんでした・・・。

IMGP8728.JPG

ラジアルゲートが川幅いっぱいに連なるダム本体。
当然ながら1歳年上の鹿瀬ダムによく似ています。

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対岸の左岸には竣工当初からの豊実発電所があります。
左岸の壁に取水口からの導水路が見えます、少し複雑な形にドキドキ。

IMGP8732.JPG

そのすぐ下の豊実発電所は大規模な改修工事の真最中でした。
改修と言うよりも、新たに新築するような勢いです、建物がでかい!。

IMGP8730.JPG

発電所が工事中とあって、人も車の多いのですが、残念ながらほとんど近寄れないダムのようです。
ダム直下に行けそうな道もこんな感じでゲート封鎖。

IMGP8738.JPG

柵の隙間から望遠レンズをにゅっと出して撮影。
ゲートの色が渋いです。
赤い中部電力と、茶色の北陸電力の中間って感じ?。

ちなみに中電のゲートは赤い赤いと言われてますが、実はそれほど赤いゲートのダムが多い訳ではありません・・・(話題脱線)

表面が傷んで見える下流面、竣工から80年を経た渋い表情です。

IMGP8743.JPG

また少し移動して国道脇の空地(資材置き場?)の片隅に来ました。
工事中の発電所が目の前です。

IMGP8759.JPG

象の肌のようなコンクリートの表情。
80年前のダムですが、人間に例えると幾つくらいなんでしょうか?。

老朽化が著しくて廃ダムになった発電用ダムってあまり聞いた事がありません。
って事は、現役のダムであればみな現役世代(定年前)って事ですよね。

この豊実ダムだって、案外、人間だったら働き盛りの40代だったりして。
げ、俺と一緒じゃん(笑)

IMGP8748.JPG

大小さまざまなクレーン、沢山の人の姿が見えます。
真新しいコンクリートの放水口が二つ見えます。

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発電所の下手に古い魚道があります。
ちゃんと水が流れていて現役のようです。

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ダム本体と違い、良いコンクリートが使えなかったのか?それとも凍害によるものか?
痛みが激しい魚道に豊実ダムの長い歴史の片鱗を観るような気がしました。

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オールドダムと新しい発電所。

「商売道具新調したさかい、まだまだ若いもんには負けへんで!」
そんな気合充分な豊実ダムでした。

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豊実ダム
★★★★

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新小荒ダム

堤高19.2m
G/P 2003年 東星興業(株)

2012.10.6見学


鹿瀬ダムを後にさらに阿賀野川の上流へ向かいます。
順番から行くと次は豊実ダムなのですが、少し寄り道して新小荒ダム(小荒ダム)に向かいます。

谷川の狭道を登って、予め調べておいたダム地点に到着しましたが、ダムらしき物は見えません。
山の上から水圧鉄管が降りて来ています。
んん?この上に調整池があってそこが小荒ダムなのか??

IMGP8722.JPG

水圧鉄管が引き入れてある建屋。
「東星興業株式会社新下平発電所」と記されていました。

うーん、新下平か・・・小荒じゃないのか、じゃあ小荒は別の何処かにあるのか?

そんな事を思って周辺をウロウロしてみたら・・・。

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発電所の大きな建物の裏手、谷の下にダムが見えました。
探していたのはこれです!新小荒ダム。

大正時代に造られた古い小荒ダムを元に、再開発したのがこの新小荒ダムです。

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それにしても水が綺麗。
堆砂により多少浅くなっているとは思いますが、水底が丸見えです。

IMGP8678.JPG

ダムまでの道を降りて行きます。
管理橋を越えて登山道につながっているのか?特に規制線はありません。

IMGP8679.JPG

管理橋を渡ります・・・。

ひーっ!
現れたな!宿敵グレーチング!!

でもダム好きも4年目になると高所も多少なりと慣れて来ました。
と、言っても10mも無いと思いますが(笑)

(レンズ効果で足が長く見えるぞ!わーい)

IMGP8701.JPG

管理橋から下流を観ます。
ダムサイトは険しい岩盤に挟まれた渓谷です。

円弧を描いたアーチ型の副ダムを有していました。

IMGP8703.JPG

副ダム下の左岸には、素掘りの仮排水トンネルがぽっかりと、大きく不気味な口を開けています。

副ダムをよく見ると水流に削られ鉄筋が露出しています。
再開発前からの物でしょうか?、ひょっとして日本ダム史上最古参の副ダムかも?。

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管理橋を渡った右岸からダムの全景です。
堤高19.2m、堤頂長24.2mの小柄な取水ダムです。

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貯水池は小さく、ダム湖と言うよりもダム淵といった感じ。
効率的に取水する為か、谷川の合流点にあるのが特徴です。

IMGP8698.JPG

堤体左岸に集まっているダム設備。
新小荒発電所への取水口と、排砂ゲート。
小柄なダムながら、がっしりした頑丈そうな造りです。

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堤高の割に敷き幅のある分厚い堤体です。
再開発の元となった石張の小荒ダムは堤高23mと現在の堤体よりも堤高がありました。
広い敷き幅はその名残かもしれません。

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排砂ゲートの直下だけスカート部がさらに厚く、そして鋼材で補強が施されていました。
うーん、プリミティブ。

IMGP8705.JPG

日本のコンクリートダムで17番目に古い小荒ダムを元に、リニューアルした新小荒ダム。

かつての石張の姿は想像するしかありませんが、深い渓谷と澄んだ水が印象的な、閑静なダムであった事が伺えます。

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新小荒ダム
★★

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鹿瀬ダム

堤高32.6m
G/P 1928年 東北電力

2012.10.6見学


揚川ダムから上流におよそ10km、蛇行する阿賀野川に沿って国道459から鹿瀬ダムが姿を見せました。

竣工は古く1928年(昭和3年)、日本有数の水力発電地帯である阿賀野川水系で、最初に本流に建設されたコンクリートダム、それが鹿瀬ダムです。

それは、オールドダムが好きな僕にとって、本州最後の大物というダムでもありました。

IMGP8646.JPG

着工前に既に完成していた木曽川の大井ダムを参考に、半川締切工法によって建設されたそうです。

堤高は32.6mと既に50m級であった大井には及びませんが、ラジアルゲートが並ぶ堤頂長は304.2mと大井よりも25mほど長く、堂々たる堤体です。

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ダム右岸にあるのが第二鹿瀬発電所です。
ダム完成から半世紀を経て1973年に増設された発電所です。

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少し場所を移動しました。
ダム直下は大きく開けています。

手前に第二鹿瀬発電所、竣工当初からの鹿瀬発電所は対岸の左岸にあります。

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川の蛇行点に建設された鹿瀬ダム。
阿賀野川はダム直下で大きく左にカーブしています。

蛇行箇所は直進部分よりも川幅が広く、30m級の高さでも、長い堤体を築く事により、貯水容量を確保したのかもしれません。
また、水量の豊富な阿賀野川にあって、洪水を流下させる為に必要な放流能力を確保しようとすると、おのずとクレストゲートは多連化してこの様な姿になるのかも。

当初からの発電所が川のカーブの内側にあるのも設計意図があるのだろうと思います。(洪水から施設を守る、堆砂が少ないなど)

IMGP8654.JPG

20連のうち1門から放流中。
渋い赤のラジアルゲート、Kトラスが実によく似合います。

日本発送電の発足以前の堤体である事を、角のある平坦なピアの造形に感じます。
どこか黄色味を感じるコンクリートの色は、付近の川床の岩盤の色を感じました。

IMGP8656.JPG

対岸にある鹿瀬発電所。
この向きからだと小さな建物に見えますが、実はずっと奥行きがあり、6台の発電機を持つ大きな発電所です。
また、この建物の奥には魚道もあります。

IMGP8668.JPG

発電所よりも気になるのが、すぐ横にあるコンクリートの壁です。
壁の向こうは発電所への送水路なので、壁の上部の穴は余水吐かもしれません。(積極的に水が出るようには見えません)

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右岸の天端近くに来ました。
残念ながら天端は立入禁止のようです。

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川幅は広くゆとりがありますが、堤体の両岸はそれぞれ発電所に占拠され無駄なスペースはほとんどありません。電気の工場感が漂います。

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静かな湖面と多連ゲート。
貯水池は山水画を思わせる景勝地となっていて、遊覧船も運航されています。

IMGP8666.JPG

昭和初期に建設された大規模ダムである鹿瀬ダム。
ここで造られた電力は電気化学工場に送電され、日本の国力の源となりました。

300mを越えるコンクリートの堤は、当時の人々にとって初めて目にする、壮大な建造物であった事と思います。
一つの時代の象徴であった鹿瀬ダムは、今現在も現役で人の暮しに役立っています。

ダムという物が、いかに長い歳月にわたり使う事の出来る施設であるかを感じ、文句なしの日本の名堤 鹿瀬ダムを後にしました。

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鹿瀬ダム
★★★★


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揚川ダム

堤高19m
G/P 1963年 東北電力

2012.10.6見学


10月某日、阿賀野川に来ています。
福島、群馬を源に日本海へ注ぐ阿賀野川水系は、古くから発電用のダムが沢山造られてきた河川です。
戦前から本流に鹿瀬ダム、豊実ダム、新郷ダムなど多くの発電用ダムが造られ、戦後には支流只見川に田子倉ダム、奥只見ダムなど日本を代表する大型ダムが相次いで建設されました。

揚川ダムはそんな由緒ある水力発電地帯のしんがりを務める、最下流に位置する発電用ダムです。

川幅いっぱいに並ぶゲート群、オールドダム風のスタイルですが竣工は1963年と思ったよりも新しく、田子倉、奥只見の後に完成しています。

IMGP8594.JPG

無機質なゲートピアの造形を観ると、たしかに戦後産まれである事が分かります。
ゲートの下流に並ぶ減勢ブロックは、この水系のダムに多い共通のディテールです。

ドライな肌のコンクリートと水鏡の組合せ、見事なコントラスト。

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淡いブルーの鉄骨組のゲートピア。
大河川の下流域とあって、吉野川の池田ダムを思い出しました。

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上流側のコンクリートはドライな下流側と対照的に深く苔生していました。

蛇行して流れる河川が真南を向いている場所にあり、上流面が北向きと言う事もあるのかと思います。

IMGP8641.JPG

ピア頂上の機械室、上流側は少し複雑な形状をしていますね。

IMGP8640.JPG

対岸に目を向けると、軍艦のような護岸の上に管理所が見えます。
その下は発電所への取水設備など。

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天端を散策します。
車道になっていて、往来自由です。

IMGP8606.JPG

沢山ならぶピア部分にはバルコニーが付いています。
鋼管の欄干の仕様は実用的なものですが、綺麗な形状に設計者の美的感覚を感じます。

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天端は意外と車通りが多く、バルコニーが飾りではなくて、待避所としての役目がある事を身を持って体験します。

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フェンス越しとなる天端からの貯水池の風景。
新しい橋が建設中でした、国道の新バイパスかと思います。

IMGP8610.JPG

例のバルコニーから下流側を観ます。
ダムのほぼ中央に壁が立てられ、下流側が仕切られていました。
棚状のタタキ(ダム本体?)から下流は自然の河床が広がっています。

IMGP8620.JPG

左岸まで歩いて来ました。複雑な鉄骨の配置にどきどき。
高い鉄骨ピア頂上と、コンクリート壁の上にある管理所とは連絡橋で結ばれているようです。

IMGP8624.JPG

すぐ近くには壁と一体化してバッチャープラントが残されていました。
かなり大きなバッチャープラントです。

IMGP8623.JPG

左岸端からはローラーゲートを間近で観る事が出来ます。
上を走るトラックと比べて、かなり大きなゲートである事がわかると思います。

脇の小さなゲートは取水口付近に集まった流芥を落とす為のものかと思います。

IMGP8629.JPG

ローラーゲートのクローズアップ。
これだけよく構造が見えるのは珍しい気がします。
上下2段の連結構造である事もよく分かります。

IMGP8630.JPG

見所満載の揚川ダム、最後は国道に戻って管理所の高さから眺めました。

鉄骨ピア、無機質なコンクリート、ずらり並ぶ減勢ブロック。
上から俯瞰で観るとICチップみたいに緻密に見えます。

今日は阿賀野川を遡って、日没まで周れるだけダムを巡りたいと思います。
長い一日がここから始まりました。

IMGP8643.JPG

揚川ダム
★★★★

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