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ブログ3周年記念特別企画 三永水源地堰堤再訪レポ
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2012.07.30 Monday 12:14
堤高14.2m
G/W 1943年 呉市営
2012.5.12再訪
戦前のプレキャスト。
7月も終わろうとしていますが、今月をもちまして「THE SIDE WAY」は無事3周年を迎える事が出来ました。
ダムを観に出かけるようになって1年を過ぎた頃、撮った写真の有効活用と言う事で始めたのがこのブログです。
仕事では毎日パソコンを相手にしていますが、正直あまり詳しくなく、未だスマートにリンクを貼れないようなブログですが、記事を読みに訪問して下さるダムファンのみなさんに改めて感謝しています。いつもありがとうございます。
ブログをスタートした時点で既にストックが150基ほどあり、1年以上前の写真と記憶を頼りに、常に季節感のないレポート(笑)をだらだらと続けて来ましたが、3年掛かりでストックが尽き、これからはようやく訪問直後の新鮮なネタが書けるようになりそうです。
その反面、気軽に行ける範囲のコンクリートダムは、ほぼレポートしてしまったので、ダム訪問レポ以外のネタも挟まないと間が持たないよなぁ。なんて事も思っています。
さて、
前置きが長くなりましたが、ブログ3周年特別企画として、再訪問物件のレポートです。今まで自分が初めて訪れたダムのみブログに書いて来ましたので、再訪の事を詳しく書くのは初めてだと思います。
取上げるのは広島県呉市の三永水源地堰堤です。
呉市の市営水道として戦前から戦中にかけて造られた重力式コンクリートの堰堤は、堤高14.2mと現在の区分では堰堤に属しますが、100mもある堤頂長は当時の水道ダムとしては規模の大きな堤体です。
水道水源として厳重に管理され、一般には一切非公開の施設ですが、敷地内にある藤棚は西日本一と謳われる立派なもので、藤の花が咲く春の数週間だけ園内が公開されています。
今回の中国遠征の大トリとしていざ三永水源地へ!、前回訪問時のリベンジです!!。
(前回のレポはこちら http://side-way.jugem.jp/?eid=661)
ガードマン常駐の受付で記帳をして園内に足を踏み入れます。
ここ三永貯水池の藤棚は結構有名のようで、公開期間だけ仮設の駐車場も設けられるほどです。
湖畔に並ぶ立派な藤棚・・・。
但し、花の見頃はとうに過ぎており、探さないと花はありません。
実は、今日は開放期間の最終の週末で、今日を逃すと来年まで堰堤を目にする事はできないのです。
でも、今日の目的は堰堤です。
咲き誇る藤の花と堰堤というのも素敵ですが、前回訪問時に苦労しただけに今日と言う日をどれだけ楽しみにして来た事か!。
広い敷地内を堰堤方面に急ぎます。
花は無くとも、園内は手入れが行き届き心地よい庭園となっています。
しばらく歩くと水源地の概要を伝える看板がありました。
着工昭和13年、竣工同18年。
およそ70年前に造られた歴史あるコンクリートダムです。
看板から左に曲がり、藤棚の下をくぐるとダムサイトです。
わくわく、どきどきー!。
わー!
三永水源地堰堤だー!!
中心でアーチ状の円弧を描く優雅な美堰堤、それが三永水源地堰堤です!。
決して背の高いダムではありませんが、たっぷりとした長さと、広い敷幅は堂々と威厳に満ちたものです。
そして、三永水源地堰堤を、三永水源地堰堤とたらしめているのはこの見事な高欄です。
重厚なコンクリート造りの高欄は、それぞれ凝った装飾を施すオールドダムの中でも決定版と言えるものです。
優美なアーチ状の堤体と共に、オールドダムの造形の模範としてこの堰堤は登録有形文化財として指定を受けています。
しばらくポーッと見事な高欄を眺めていましたが、ダム探究者として気になるのは堰堤の構造についてです。
浄水場への取水設備は堰堤の中程に見えていますが、洪水吐が見当たりません。
堰堤の下流に河川がある事は地形や地図でも確認していましたから、ダムサイトに洪水吐があるはずです。
堰堤の真下は対岸まで庭が広がっています。
その左岸の岸際をよく見ると、石碑があり、その近くに鋼管の赤い手摺のようなものが見えます。
どうやら左岸端に横越流式の洪水吐があり、赤い手摺は管理橋のものではないかと思います。
そこまで行って確かめたいのは山々ですが、一般開放されているのは敷地右岸の藤棚のある庭園部分のみで、堰堤本体や天端までは近寄る事も出来ません。
てっきり天端まで行けるものと勝手に期待していたので少し残念ですが、現役の水道水源なので当然と言えば当然です。
また、貯水池の岸辺も近付く事が出来ません。
ぐるっと金網のフェンスで厳重に囲まれている事もありますが、岸に連なる藤棚の中は立入禁止なので、藤棚が分厚いガードとなって湖面を覗くのも難しいのです。
なんとか別のアングルで堰堤が見えないものか?
園内をうろ付いて、敷地の下流側の端に来ました。
しかし堰堤下に行く道も当然のごとくフェンス封鎖。
そこから遠くに覗く堰堤クレスト部。
いつかはあの天端を歩いて、直に高欄に触れてみたい・・・。
近くには、アヒルとタチコマのトピアリー。
いやいや、鶴と亀ですね。
その横には水道関連の鉄管でしょうか?
柵の向こうに並べてあるので一応展示物だと思います。
再びフェンス越しに天端をしばし眺めて、藤棚の近くに戻ってきました。
開放最終週ですが快晴の陽気に誘われてか次々とお客さんがやって来ます。
今回の遠征や、前回来た時の事を反すうしながらのんびりとしばし休憩。
この後、自宅まで500km以上高速を走ります。
何処か座る所・・・。
と、思って園内に置かれているベンチに近寄ると・・・。
!!!!!。
これはもしや!。
広い園内に点々と据置かれたコンクリート製のベンチ。
分厚いコンクリートで出来たベンチは・・・。
そうです!これは堰堤に使われている高欄のパーツを、そのままベンチとして利用した物に間違いありません!。
さっきフェンス越しに観た天端の高欄。
柱状の部分の縦筋が何よりの証拠です。
つまり、三永水源地堰堤の高欄は現代で言う「プレキャスト」で造られていたのです。
確かに彫が深く複雑な造形は現場施工では難しく、予め別の場所で成型したパーツを使用した方が効率も良く仕上がりも上々だった事だと思います。
ベンチに使われているバーツは、きっと築堤時に余った物だと推測します。
(ベンチの為に設計されていないので、ものすごく座り心地が悪い!笑)
プレキャストと聞くと、最新の合理的な施工法のイメージなので、戦前のダムでの施工例は驚きました。
しかし、よく考えると日本の古来からの木造建築は全て加工済の木材を搬入して、現場では組み立てる(プレファブ)工法であり、これはプレキャストと共通する発想と言えます。
つまり、日本のダムに限って言えば、古いダムだからプレキャストが珍しいとは言えないのかもしれません。
(あるいは、西洋のダムを模範としてきた日本のダムが、この時期には日本的な建築工法のミックスを試みるに至ったか)
藤棚の切れ目から湖面と堰堤が望めるスポットがありました。
水は澄んでいて、美味しそうな水に見えました。
庭園は美しく管理され、水源地がしっかりと守られている安心感からそう見えたのかもしれません。
堰堤左岸を望遠で。
例の赤い手摺はやはり洪水吐に架かる管理橋のようです。
ようやく観る事が出来た三永水源地堰堤。
庭園の中の美しいその姿は実に素晴しいものでした。
天端を歩き、高欄を触れて愛でる事は叶いませんでしたが、園内のベンチに触れて充分に満足する事が出来ました。
ああ、来てよかった。
しみじみと感じる心に残るダム見学となりました。
三永水源地堰堤
★★★★
ちなみに毎年春にはこの三永水源地の他に、同呉市水道局の本庄水源地のお花見開放日や、少し足を延ばせば北九州の養福寺堰堤の開放日などがあります。
よい日を選べば貴重な見学困難物件を一度に観て周る事も出来るので、オールドダムのファンの方は要チェックです。
三永・本庄水源地(呉市水道局)
公開期間が決まり次第、毎年予定が水道局HPにアップされています。
本庄水源地 3月末〜4月初旬(?)
三永水源地 4月初旬〜5月(?)
http://www.water-kure.jp/customer/event/kaihou.html
養福寺堰堤(新日本製鐵 八幡製鐵所)
毎年3月末〜4月中程の約2週間のようです、開花状況で変わります。
遠方の方は、3月末頃に開放の予定を問い合わせされる事をお勧め。
http://www.nsc.co.jp/yawata/about/index.html -
渡之瀬ダム
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2012.07.27 Friday 12:13
堤高34.5m
G/P 1956年 中国電力
2012.5.12見学
御庄川ダムから東に広島県に入りました。
自宅のある岐阜にじわじわと帰りつつ、渡之瀬ダムに立ち寄る事にしました。
近くには温井ダムと並ぶ広島の主峰、弥栄ダムがありますが以前に訪問した事もあり今日はスルーします。
貯水池の左岸に沿ってしばらく走るとダムサイトに到着。
トンネルの手前から向かうダムサイトは、同じ広島の二級ダムのデジャブみたいに良く似ています。
ダム本体の手前に休憩スペースがありました。
門の外なので常時開放されているようです。
決して立派なものではありませんが、整然と綺麗に清掃され、手入れが行き届いています。
ベンチの後ろには周辺のダムも含め発電所の案内看板があります。
手描きの看板は味わいがあります。管理者様の大作でしょうか?
天端入口の門は開けてあり、中に入れます。
堤高34.5m、堤頂長125.6m。
中国電力の発電用ダムです。
丸みが可愛いコンクリート欄干。
建設の時代からするとミッドセンチュリーですが、モダンというよりも無国籍。
角が無いので欠けたり、ヒビが入りにくいとか、意外と機能重視のデザインなのかも(想像)
クレストゲートは大きめのローラーゲートが2門。
巻揚機が天端上にあり、通路の上をワイヤが走る「中国四国型」です。
ダムから下は両岸ともに林になっています。
ダム便覧では真下からの写真があるのですが、下に降りて行ける道は解りませんでした。
赤土の岸に、波の跡が綺麗なラインを描いています。
複雑な岸の地形は趣があります。
左岸のトンネルを抜けて、ダムの顔が見えるポイントを探りましたが、こんな写真が精いっぱいでした。
渡之瀬ダム
★★★ -
御庄川ダム
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2012.07.25 Wednesday 12:17
堤高21.8m
G/F 1958年 山口県営
2012.5.12見学
まだまだ沢山ある山口の県営ダム軍団ですが、岐阜までの帰り時間を考えて、徐々に東に向かう事にしました。
山陽自動車道でワープして向かったのは、岩国市にある御庄川ダムです。
県道から脇道に入ってわずか200m、乗馬場の奥に進むと直ぐにダムサイトです。
治水専用の防災ダムですが、山奥ではなくて集落のすぐ近くにあります。
ベランダの手摺のような簡素な高欄。
天端は歩く事が出来ますが、中程でフェンスで塞がれて対岸までは行けません。
貯水池はそれほど大きくありませんが、ちゃんと五瀬ノ湖と命名されており、地元にとって大切な場所である事を感じます。
堆砂が多く、全体に浅くなっているのが少し気になります。
以前はダム下へ行くには、一度乗馬場まで戻る必要があったみたいですが、左岸に真新しい階段が付けられていました。
レジャー施設ではないので、急な管理用の階段です。
しっかりと手摺を掴んで慎重に降りてみます。
見上げ御庄川。かなり個性的な風貌です。
重厚な印象は治水専用ダムの特徴でしょうか?
この春に訪れた和歌山の小匠ダムと同じ匂いがします。
但し、御庄川ダムは堤高21.8m、堤頂長101.5mと、小匠よりひと回り小さな堤体です。
変な所から伸びている堤体導流壁に注目。
左右シンメトリーに開けられた丸い放流口、穴あき型の防災ダムなので常に流入量と同じ水量が流れ出ています。
穴の内面は鋼板で補強が施してあり、さながらF-4ファントムのエンジン噴射口といった感じ。
放流量を調整する機能は持っておらず、大雨で水量が増すと豪快にアフターバーナーが点火される事となります。
さらに特徴的なのはセンターのクレストゲートです。
明らかに空家になっています。
ぽっかりと大きく空いた空間は、巣立って都会に出てしまった後の子供部屋のような寂しさです。
明らかにラジアルゲート用のピアです。
円弧状のガイドレールや、回転軸も埋め込まれています。
管理の合理化などの理由で取払われてしまったのでしょうか?。
たしかに何らかの都合でクレストゲートが撤去されてしまう事例はある様です。
写真は滋賀県 姉川ダムの真下にある関西電力 曲谷ダムです。
こちらは双子が揃って都会に出てしまった様です。
(過去のレポはこちら http://side-way.jugem.jp/?eid=165)
しかし、曲谷ダムの状況と比べ、かつて鎮座していたはずの巻揚機の痕跡や、ピアの壁面に使用感がまるで無いのが引っ掛ります。
ひょっとして、竣工当初からこの姿だったのかもしれません。
防災専用として造られたダムですが、将来的には積極的に貯水を行い、多目的ダムへの転用なども想定されていたのかも・・・。
クレストを見上げ、またいつもの様に勝手な想像を膨らませますが、足元には既得水利権(?)と思われる送水設備がぽっかりと口を開けていますから、落水して送水先の田んぼの肥料にならないよう注意が必要です。
一体このダムに何が起こったのか?
あるじのいない空っぽのゲートピアに、御庄川ダムの人生を垣間見たダム訪問でした。
御庄川ダム
★★★ -
末武川ダム
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2012.07.23 Monday 12:18
堤高89.5m
R/FWIP 1991年 山口県営
2012.5.12見学
温見ダムを後に、海の方へ下って行くと、すぐにまた湖面が見えてきます。
県営の多目的ダム、末武川ダムです。
ここまでコンクリートダムばかり見て来ましたが、末武ダムは山口県ではちょっと珍しいロックフィルダムです。
左岸に駐車場があり、車を降りて歩いて天端を見学します。
天気の良い休日とあって、散歩の老夫婦、家族連れ、ジョギングの人などなど、沢山の人の姿があります。
貯水池は水没地の地名から、米泉湖と命名されています。
そして、ダム周辺の道路脇には、俳句や詩が刻まれた石板がいたる所に飾られていて、米泉湖文学碑プロムナードと名付けられています。
天端の柵はロックフィルダムで時々見かける岩をチェーンで繋いでいるものですが、並んでいる全ての岩に石板が付いています。
詩とか俳句とかよく分かりませんが、ずらーっと並んでいるので思わずひとつひとつ読んでしまいます。
こういうちょっとユニーク(?)な俳句って、どこまで真剣で、どこから冗談なんですかね?
ともあれ、人生いろいろ、人の数だけ人生もある訳ですなあ〜。
飾られている俳句や詩は、公募で集められた一般の方々が多いのですが、しれっと芸能人とかも混ざっています。これは故・丹波哲郎さん。
山口らしい広い空。
湖面は蒼く、水も綺麗、心地よい貯水池です。
堤高89.5m。
雑草が少し目立ちますが、きれいな整形リップラップの雄大な下流面です。
文学碑プロムナードなどの見所はあるのですが、肝心の堤体を眺めるポイントが少ないのが少し残念。
右岸は岩盤を大きく削って、地山の上に長い長い洪水吐が作られています。
視界の向こうは採石場のようです、ひょっとして原石山だったのかもしれません(未確認)。
長ーい洪水吐、300mくらいはありそうです。
スロープの上部にスリットがあり、オリフィスゲートからの水が出るようになっています。
下流の山の向こうは下松市の市街です。
そういや去年の暮れに大谷堰堤の探索で来たよなあ。
最近、同じエリアを何度も来てる気がする・・・。
振り返って、貯水池側は大きくカーブした先にバスタブタイプの非常用洪水吐。
結構迫力もあります。
写真右手の高い壁の裏側に、オリフィスゲートの越流部とゲートがあります。
洪水吐部分を別角度から。
手前の直線部分が非常用洪水吐。その奥にある半円がオリフィスです。
半円の中にあるゲートを閉める事で、洪水を貯める事ができるようです。
ろっくふぃる
たまにみるのも
いいもんだ。
末武川ダム
★★★ -
温見ダム
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2012.07.20 Friday 12:13
堤高36m
G/AWI 1960年 山口県営
2012.5.12見学
ふるさとのダム。
菅野ダムから瀬戸内海に向かって南進すること10km。
静かな湖面の向こうに温見ダムが見えました。
温見ダムもやはり山口の県営ダムで、ダム目的に工業用水を持っている事も共通です。この辺りの海沿いには、古くから日立製作所をはじめ沢山の大きな工場があります。
右岸よりクレスト部。
階段で一段上に上がるクレストゲート、その向こうにはクラシックな半円形の取水設備が見えます。
とても趣きがあり、古い校舎を観るような何故だか不思議と心が和むクレストです。
下流面の横顔です。
高欄のすぐ下から大きな弧を描くバケットカーブ。
いいですね〜いいですね〜。
以前、ダムのプロの方にバケットカーブについて質問した事があるのですが、バケットカーブには特に機能的な役割は無いそうです。
バケットカーブの有無は、設計者の美的感覚次第で、採用したり、無かったり、カーブを大きくしてみたりという具合だそうです。
竣工は1960年。
50年代前後のダムに、時々見受けるテイストです。
シンプルで飾り気は少ないけど、何処か温かみのある造形だと思います。
ダムサイトには温見ダム建設の父と銘打って、木原六郎という人の記念碑がありました。当時の下松市議で、地元の名士と言った方のようです。
県の養鶏組合連合会長も務め、割れた卵を有効活用して煎餅や卵ボーロの商品開発をした人物として地元で有名な方だとか。
それがすごいのか、どうなのか、良く解らないけど、きっと凄い人だったのだと思う・・・。
天端は開放されていて立入自由。
と、言ってもクレストの階段の上はゲート巻揚機の建物が占領しているので、対岸に行ける訳ではありません。
こういう天端の場合、立入禁止となる事が多いのですが、大らかなダムの表情のように、とっても開放的なダムです。
階段の上から下を見下ろします。
ストレートな堤体導流壁。副ダムはが無く、導流壁の幅と同じ幅の川にシームレスに繋がっています。
その向こうに、里山の風景が広がっています。
いいなあ・・・
なんだか下から吹き上げる風まで心地よく感じます。
里山の外れの優しいコンクリートダム。
竣工から半世紀、温見ダムはすっかり里山風景の一部になっているように見えました。
温見ダム
★★★ -
水越ダム
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2012.07.18 Wednesday 12:15
堤高18.8m
G/P 1965年 山口県営
2012.05.12見学
菅野ダムから2kmほど下流に向かうと、水越ダムに到着します。
水越ダムは県営の発電用コンクリートダムです。
堤体の右岸端に取水スクリーンがビルトイン、堤高18.8mの小振りなダムですがダム式の発電所を持ってます。
ボートの舳先のように尖ったゲートピア。なんだか妙に戦闘的です。
クレストゲートはラジアルが3門。
天端は車道ですが立入禁止となっています。
天端を渡った右岸はダム管理所があるだけで行止りです。
釣り人の立入や迷惑駐車で困っているのか、いたるところに立入禁止の表示があります。
仕方ないので国道から距離を置いて見学するしかないのですが、ゲートの建物がキンキラキンでとにかく眩しい。(鍍金鋼板?)
少し下流へ移動。
真赤なラジアルゲート、ダムの高さと比べてとても大きいゲートです。
それにしてもゲートの建物が眩しい。
鈍い色のコンクリート、真赤な鋼鉄のゲート(Kトラス!)、そしてメタリックな建物。
なんですかこのアクの強さは?
ジャーマンテクノですか。
天端に入れず、いまひとつ眺望に恵まれていない水越ダム。
下流にまわってみましたが、このアングルが精一杯でした。
水越ダム
★★ -
ちょっと遠征。
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2012.07.17 Tuesday 18:49連休を使って、ちょっと遠征してきました。
走行距離 467.6km?
いえいえ、デミオ号のトリップメーターは3桁表示なので、
ぐるっと回っています。
1回転?
いやいや、さらにもう1回転(笑
詳細レポートは後日!
(3年掛かって、やっとの思いで記事のストックが無くなったのに、またもや増えちゃった。それに、訪問先のダムで自分の書いたレポの間違いを見つけてしまった、訂正しなければ・・・汗) -
菅野ダム
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2012.07.13 Friday 12:17
堤高87m
G/FWIP 1965年 山口県営
2012.5.12見学
山口県周南のダム密集エリア、続いてやって来たのは菅野ダムです。
近所の他のダムと同様、このダムも山口県が管理しています。
山口県の県営ダムは沢山ダムカードを発行していますが、生憎日曜で1枚もゲットできていません。
堤高87m、堤頂長272mの立派な重力式ダムです。
クレストには3門のラジアルゲート。
そして手前の異様に大きな出っ張りが目を引きます。
その出っ張りの上には、これまた巨大な建物。
選択取水設備の機械室です。
大きな出っ張りの上は、広いテラス状の空地になっていました。
取水設備の保守工事などの為のスペースなのかと思います。
テラスから下を見下ろします。
直下の建物は発電所です。
発電所への取水口は選択取水とは別に、コンパクトな取水設備があります。
青色の鉄管は発電用の取水設備とは別に、選択取水からも発電に回せるように別ルートがあるのかと思います(詳細は不明)。
2車線の車道が通る天端、国道434が通過しています。
やっぱり選択取水の建物が目立ちます。
手前に並んでいるのはクレストゲートの機械室。
見事にプレハブ住宅っぽいゲート機械室。
郵便受けを付けたら、年末年始の郵便配達のアルバイトが誤配してしまうであろう・・・。
閑静な貯水池です。
山口県内では、阿武川ダムに続いて大きな貯水容量を持っています。
阿部川ダムも県営なので、県営ダムが大活躍の山口です。
貯水池の真中にぽっかりとボートが浮かんでいます。
望遠で見てみると無人でした、ワイヤーが張ってありますが、乗る時はどうするんでしょうか??。
菅野ダム
★★★ -
向道ダム
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2012.07.11 Wednesday 12:15
堤高43.3m
G/FWIP 1940年 山口県営
2012.5.12見学
多目的ダムの老舗。
川上ダムから北へ5kmほど、県営の向道ダムにやって来ました。
この辺りは地形が複雑なのか、川上ダムの上流っぽい場所ですが、全く別の河川にあります。
僕好みのクラシックなクレストが示す通り、竣工は古く戦前の1940年です。
そして驚いた事に、古いダムなのにダム目的はWIPに洪水調節が加わり、なんと多目的ダムとなっています。
洪水調節は後々に追加されたのかと思ったのですが、調べてみると竣工当初から担っており、実はこの向道ダムは日本で最初の多目的ダムなのだそうです。
ダムサイトから横顔。
残念ながら天端へは入る事が出来ませんでした。
いい感じの天端です。
巻揚機を収めている建物の窓も、シンプルながらちょっと洒落た外観です。
ちょっと不器用な感じも味わいの一つ。
重厚な導流壁です。
少し道を下って下流面に降りてみました。
手前は発電所、中国電力が運用していて、山口県との共同管理となっています。
天端は立入禁止でしたが、真下は特に注意看板もなく割とフリーになっています。
見上げる距離からの向道ダム。
クレストゲートが奥まった所にあり、随分と堤体が分厚い感じがします。
勝手に四国中国形と名付けているクレスト部。
高いピアにゲート室がパイルダーオン!。
このコクピット感がたまりません。
クラシックなローラーゲートは白く塗装され、快晴の青空を背景にオールドダムらしからぬ若々しくて爽やかな印象です。
足元は滑らかな臼状に丸くなっています。
直下に天然のままの河床がのぞいていました。
戦前に既にあった日本初の多目的ダム。
湖畔は春には桜が咲き誇り、周囲は自然に囲まれキャンプ場などもあります。
FWIPの他にも、地元の方々の憩いの場というダム目的も持っている向道ダムでした。
向道ダム
★★★ -
川上ダム
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2012.07.09 Monday 12:14
堤高63m
G/FWI 1962年(1979年再開発) 山口県営
2012.5.12見学
島地川ダムを観た後は、周辺のダムを観て周ります、島地川ダムから西にかけて、工業用水を確保する為、古くは戦前から沢山のダムが建設されて来たエリアです。
島地川ダムからおよそ8km、県営の川上ダムに到着です。
ダムの直下に県道の橋があり、真正面から観賞する事が出来ます。
赤いクレストゲートが3門。
直線的な造形がクールでなかなか恰好がよろしい。
その下にも1門、放流設備を持っていますが、オリフィスにしては位置が低いけど、洪水調節も行うダムなのでやっぱりオリフィスかなあ?。
ちなみに河川維持放流は、一番下の別の放流管から出ています。
天端のレベルまで来ました。
朝日を受けてシャープな堤体が輝いています。
スクエアなゲート設備が幾何学的な影を落としています。
ダム湖は菊川湖と命名されています。
貯水は上水道と工業用水に使われています。
管理所のガラスに、外に向けて川上ダムの紹介写真が貼られていました。
それによるとこの川上ダムは、周南工業地帯の水需要の増大に対応する為に、嵩上による再開発が行われたそうで、写真は再開発前の姿です。
嵩上の元となった先代は堤高46.5m、1962年の竣工。
再開発は1971年に着手、16.5mほど嵩上し、1979年に堤高63mの現在の姿になりました。
左岸の管理所の下に、行止りの道があります。
最初に右岸から眺めた時、中途半端な所に道があるなと思いましたが、どうやらこの道は再開発以前のダムサイトの名残ではないかと思います。
天端を散策していたらクレストゲートの真上辺りで鋼板が敷かれていました。
クレストゲートの門数だけ、鋼板も並んでいます。
あれ、これはひょっとして。
上流からクレストを確認すると、ピアの中に戸当たりがありました。
例の鋼板の部分には、角落しを入れる穴があるようです。
きりりとした精悍な表情。
重力式ダムらしい重厚感、なかなかの男前の川上ダムでした。
この後も周辺の県営ダムが続きます。
川上ダム
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