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大又沢ダム

堤高18.7m
G/P 1917年 東京電力

関東のご意見番。


複数の流入を持つ丹沢湖(三保ダム)、その西側の流れ込みを遡った場所にとても古いコンクリートダムがあります。

1917年完成、現在は東京電力が管理する大又沢ダムです。
三保ダムを見学する前にこの大又沢ダムにも行ってみました。
(先に三保のレポをアップしましたが、個人的に本命はこっちだったりします)

丹沢湖の西の端、世附川の流れ込みからは車両通行止です。
大又沢ダムまではここから4、5キロの道程を歩いて向かいます。



ゲートの先の谷は管理釣り場になっていました。
ここから数百メートル進むと、谷が二手に別れるので、向かって右の谷が大又沢です。



訪問した時は、林道が災害復旧の工事中でした。
護岸が崩壊し完全に道が無くなっている箇所があり、危険な所は大きく迂回する為、普通に林道を歩く何倍もの労力なので、正直、全くお勧めできません。

工事は長期間続くと思いますので、大又沢ダムに行くのはしばらく待った方が賢明です。

と、大又沢のガマも言ってました。



道すがら出会った昆虫採集のおじさんと談笑しつつ、時間をかけてダムに到着しました。おじさんは、この先まで行ってみるそうです。

帰り道にも採集網を持った別の人に出会ったので、この林道は昆虫マニア界のホットスポットなのかもしれません・・・。



緩やかなアーチを描く堤体。

堤高18.7m、堤頂長90.4m
スペックに端数があるのは、オールドダムとあってインチで設計されたのかも。
1914年竣工、1917年完成のこのダムは、関東随一の古いダムです。



クレストは越流式のゲート3門と、左岸寄りに2門の可動ゲート。
古いダムですが、全面ゲートではなく、両岸に少ないながら非越流部もあります。

以前はダム直下に降りて、ゲートを見上げる事が出来た様ですが、現在は岸が崩れた箇所があり、真下への歩道は立入禁止となっています。



フェンスの隙間から撮影。
施設内は立入禁止です。



ダムの正面を見て、ちょっと驚きました。
貯水池の水が完全に無くなっていて、湖底の砂も白くカラカラに乾いていました。

電力供給がひっ迫した夏だったので意外な感じでしたが、林道が崩れている為、設備の管理の問題から取水を休止していたのかもしれません。(未確認)



堆砂の進んだ貯水池(貯水地?)。
アーチ状の堤体は古さを感じない滑らかな肌・・・・。

オールドコンクリートダムファンとして、必ず押さえておきたかった大又沢です。
このダムを訪問して、現地でどうしても確認しておきたい事がありました。

それは、ここ大又沢ダムは、石積ダムなのか、それとも型枠成形なのかという点です。



天端の端っこのプレートに、まず一つ目の答えがありました。
外観から予想していた通り、現在の堤体は改修工事を経た姿である様です。

それでは、改修が施される以前の堤体はどうだったのでしょうか?

石積を脱ぎ、我が国で初めて型枠を使って築堤した大井ダムと、この大又沢ダムの建設時期とほぼ同時期なので、どちらであっても不思議ではありません。



改修されたオールドダムを訪れて、こういった場合に確認したいのは付随する関連設備です。
貯水池に水が無かった事もあり、運良く対岸の取水口が丸見えになっていました。

取水口の扶壁、石積です!。

堤体保護を目的に、最近でも下流面に石を貼る事はありますが、この部分の石積は明らかに大正時代の竣工当初からのものだと思います。

つまり、大又沢ダムは、竣工当初は石積ダムだったと、結論付けたいと思います。



石積のオールドダムは、改修を受けながら、国の為、人の為、電気を作り送り続けて90年。
関東で最も古いこのダムは、小粒ながら御意見番といった貫禄がありました。



大又沢ダム
★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム神奈川県 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
三保ダム

堤高95m
R/FWP 1978年 神奈川県営

2011.7.17見学

想定外!


国交省の新鋭堤体ラプター宮ヶ瀬をはじめ、相模ダムや城山ダムなど有名ダムが密集する神奈川県ですが、まだ見ていない大型ダムがありました。

県営の多目的ダムである、三保ダムです。

夏休み直前の連休とあって、渋滞ぎみの幹線道路を抜けてダムサイトに到着。
世間一般には、三保ダムと言うより、丹沢湖といった方が名前が通るのは小河内ダムと奥多摩湖と良く似ています。
丹沢湖はレジャースポットとして人気があり、駐車場には売店もあり家族連れで賑っていました。



そんな駐車場と比べ、人気のない天端を歩きます。
ロックフィルの三保ダムですが、下流面は一面芝生で覆われていて、一見するとアースダムにも見えますが、高さ100m級の巨体なのでアースではありえない迫力。

下流面に付けられた(残された?)道路は、徒歩でなら散策する事が出来ます。
だれか車を下にまわしてくれるのなら降りて行きたいのですが、往復する勇気はありません。



天端が少し閑散としていますが、それは三保ダムのレジャー施設がダムの下に集中している為です。
下の公園は、後で行ってみることにします。



中ほどで軽く折れ曲がっている堤頂部を歩いて行くと、右岸端に放流設備が見えて来ました。

えっ?!
と、思わず声が出てしまう、予想外のルックスです。

「ミホミホのバキはカッコええ」

ダムマニアの基礎知識として知ってはいたものの、いざ実物を見て改めて驚いていまうのは、それだけ三保ダムの洪水吐がカッコ良すぎるからです。



わくわく、どきどき。
洪水吐まで来ました。

立ち並ぶクールなゲートピア。
一棟づつ管制塔のような部屋になっています。



ラジアルゲートの上から見下ろす眺めは、完全に重力式コンクリートダムの眺めです。
エキスパンドメタルの細かいフェンスが邪魔をして、よく見えないのが玉に傷・・・。



右岸の地山の上から下流面です。
スケール感のある広大な景色、山並みも美しく心地よい眺望。

減勢工の右は茶畑になっています。

さすが静岡!
(テンションが必要以上に上がって、記憶中枢がマヒしています)



放流設備の周辺は複雑にコンクリートが打たれ、その風貌は要塞の様です。

通路やアンカーの具合にゾクゾクします。(変態かっ!誰がじゃ!俺じゃ!)
よく見ると、監査廊の入口のような扉まであります。



放流設備の正面はこんな感じです。
ラジアルゲートと、越流式のバスタブの組合せが独特です。

有りそうで、少し珍しいゲート配置だと思います。



堤頂部分を堪能した後、車でダム下に来ました。
駐車場の下には、広い公園になっています。



青空の下、芝と木々の緑が眩しいです。
いい具合に風もあって、温かい夏の空気がちょうどいい心地よさ。

若者からお年寄りまで沢山の人が、それぞれの休日を楽しんでいました。

見上げれば三保ダムの堤体。ダムファン憩いのひと時。



公園の中を散策すると、丹沢湖の向うに堤体が見えてきました。



三保ダムです。
(但し、縮尺1/50です)

洪水吐からはちゃんと放流もできるみたいですね。



三保ダム名物のミニダムを見た後は、本物に会いに向かいます。
広い公園を歩いて行くと、見えて来ました・・・。



おっ!カッコいいぞっ!!



キターーーーーーーーッ!!!

(って感じを、写真で表現してみました 笑)



ロックフィルの三保ダムですが、その放流設備は、重力式コンクリートダムにしか見えません。

噂には聞いていましたが、これほどまでパーフェクトな姿だったとは!!

まさに想定外!
もちろん、こういう想定外は大歓迎です!



カミソリのように薄くシャープな導流壁。
斧のように力強いゲート間の扶壁。(鶴田に似ている!)
ブルーのゲートが印象をよりクールなものにしています。

下から見上げるゲートは、大空に向かって咆哮する巨大な野獣を思わせます。

うれしい事に減勢工の下に橋が架かっていて、真正面から見る事が出来ます。
橋の上を少し歩いて移動・・・。



もいっちょ!
どっきゅーーーーーーーーーーーーん!(笑)



どうですか、この威風堂々とした佇まい。
本物の重力式でもこんなに力強いダムはなかなか巡り会えないと思います。

ロックフィルの表面が芝生のグリーンという事も、重力式コンクリートに見えてしまう要因ですね。



美しい丹沢湖、緑豊かな公園、大らかで頼もしいダム本体。
そして、重力式よりも重力式らしい洪水吐。

最近、カッコいいダムを見ていないなあ。
そんな方に是非ともお勧めしたい三保ダムでした。



三保ダム
★★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム神奈川県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
東富士ダム

堤高22m
FA/A 1971年 静岡県営

2011.7.17見学

オジサン天国!


7月のよく晴れた朝、やって来たのは静岡県の東富士ダムです。
自衛隊の駐屯地に向かう道から脇道に入ると、乗馬クラブがあります。

朝の運動中の馬を驚かせないように、そっとダムに向かいます。



すぐにダムの真下に到着です。
広い青空に負けない広大な堤体です。



堤体の向うには、富士山もよく見えます。



アスファルトフェイシングという、ちょっと珍しい形式の東富士ダム。
珍しいのは形式だけではなくて、ぐるっと貯水池全周が堤体という形状も独特。

およそ400m四方の四角い堤体なので、堤長は1597.5mと、この形式では全国1位の長さになります。

ちなみに、2位は同じ様に貯水池1周が堤体の東京電力 沼原ダムの1597.0m。
沼原ダムはこの東富士ダムの2年後に完成していて、追い抜こうと思えば、簡単に1位になれたと思うのですが、両者の間に微妙なパワーバランスでもあったのでしょうか(笑)



四角い人造湖の水は、すべて離れた河川から引いてきた水の様です。
インレットには沈砂池もあって、ダム全体がシステマチックになっています。

(90式?かっちょいい♡)



余水吐を兼ねた取水塔。
流入が人為的に管理できる(?)ので、非常用の大きな余水吐は無いみたいです。



余水吐からの水の出口が円筒分水を思わせる丸い面白い形をしていて、このダムのハイライトの一つなのですが、周囲はフェンスに囲まれ、良く見えません・・・。



余水吐をあきらめて、堤体を散策します。
下流面にアスファルトの道路がありますが、こちらも立入禁止。



堤体下の道をフェンスに沿って進み、四角いダムの角を曲がると小高い丘のような原っぱに出ました。

正面に富士、フェンスの向こうに天端があり、ダムの左岸になっています。



フェンスがあり天端には入れませんが、フェンス越しに貯水池が見えました。



対角線上の奥に取水設備が見えます。
コンクリートの取水部分の上面が平になっています。
余水吐は、朝顔吐のようになっているのかもしれません。



右手に見えるのは、インレットの沈砂池です。
貯水池内に副ダムのような堤が見えます。

ぐるっとアスファルトの護岸なので、溜った土砂を出すのも楽にできそうです。



一周およそ1.6kmのアスファルトフェイシング。

アスファルトの斜面が、サーキットのバンクみたいです。
1.6kmなので1周ちょうど1マイルのコースです。



この左岸近くの原っぱですが、奥の木陰に停まっていたジムニーから、上半身裸のおじさんが出てきて、おもむろにラジコン飛行機を飛ばしたかと思えば、
オープンのスポーツカーで乗り付けたおじさんは、缶ビール片手にうろうろしてるし、(朝の7時だ!)まさに、おじさんの楽園状態です。
(ビールは昆虫採集のエサだと思います・・)

そういう僕も、妻子ほったらかしで、朝っぱらからダムを見て興奮してるオジサンなんだけどね。



なにはともあれ、今日も楽しい楽しいオジサン日和なのだ。



東富士ダム
★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム静岡県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
おすすめっ。

♪ ハイホ〜 ハイホ〜 しごーとが好きっ ♪



なんと、

その方、今週のブラタモリは、荒川特集と申すか。
荒川の歴史から、最新の洪水対策まで放送すると申すか。

http://www.nhk.or.jp/buratamori/



皆の者!
録画じゃー、録画を準備せいっ!



むむぅ。
木曜夜10時が楽しみじゃわい。

| あつだむ宣言!(清水篤) | - | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |
三国川ダム

堤高119.5m
R/FNWP 1993年 国交省

2011.6.11見学


車を飛ばして、本日最後に訪問したのは新潟のロックフィルを代表する大型ダムの三国川ダムです。

堤高119.5m、堤頂長419.5mの巨体。
洪水調節、河川維持、水道、発電とマルチに活躍する国交省の多目的ダムです。



本体右岸の非常用洪水吐、上の方にゲートピアがのぞいています。



非常用洪水吐の横にあるのは、常用洪水吐の放流口と、利水放流設備。
サバザバと大きな音を響かせ、利水放流中。



右岸の道を登ってダムサイトに到着。

管理所の一画が展示室になっていましたが、夕方遅くの為既に閉館していました。
案内看板によると、監査廊の見学もできるみたいです。

他のダムと見学順を入れ替えたら良かったかなあ・・・。
でも、所々に見落としを残す事で、次に再訪するきっかけにもなるので、良しとします。

また、雪深い地とあって、11月〜5月の間も休館だそうです。



展示室の目の前は非常用洪水吐のバスタブです。
さっき下から見えていたゲートがあります。



吐の上から下流を眺めます。
大規模ロックフィルならではの、この奥行き感!。



堤体はゆるく大らかに湾曲して、さらに左岸付近は地山の上を覆うようにリップラップが広がっていました。

ものすごく広大な下流面を持っている三国川ダムです。



100mを超える高いダムなので、天端からは、ずっと先まで見通す事が出来ます。

遠くに見えるのは、南魚沼の集落です。
稲もまだ小さいので、水田が鏡のように西日を反射して輝いて見えました。



洪水期制限水位の貯水池、しゃくなげ湖と名前が付いています。



右岸に集まっているダム施設。
選択取水設備の横の赤い構造物は、インクラインです。



しゃくなげ湖の左岸には、山肌を大きく削られている斜面が見えます。
未確認ですが、ロック材の採取地かもしれません。



天端を散策すると、休憩スペースの他にブロンズ像がいくつも飾ってありました。
さながら小さな野外美術館といった感じです。



400mを超える長い天端を歩いて左岸に来ました。
天端の道はそのままトンネルに入りますが、トンネルの入口の上が展望台になっていました。

下流と上流の両方が一望できる感じが、いかにもフィルダムらしくていいですね。



ダムの真下に、天端から見下ろして気になる施設が見えていました。

天端を散策した後に、再びダム下に行ってみたら、そこはなんと露天風呂でした。

洪水吐の真横の露天風呂。
放流中はさぞかし野趣あふれる豪快な風呂になると思うのですが、残念ながら、現在は営業されていないみたいです。



でも、せっかくなので岩風呂の中に入って温泉気分だけ味わってみました(笑)



ひとっ風呂浴びた後は、階段を上がってダムの真下に来ました。
減勢工の横は広場になっていて、常設のイベントステージが作られていました。



広場と綺麗に整形されたリップラップは、何の規制もなくバリアフリーに繋がっていて、ステージイベントの時は、リップラップの上も観客席になるのかもしれません。

巨大ロックフィルらしい大らかさに、心和む三国川ダムでした。



三国川ダム
★★★★

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二居ダム

堤高87m
R/P 1978年 電源開発

2011.6.11見学

琥珀と翡翠。


JR東日本の宮中ダムを観た後、スノーリゾートとして有名な湯沢町に来ました。

国道17(三国街道)から山に入り、林道を進みます。
スキー場のゲレンデを横切り、延々と登った先に・・・。

なんと、ここまで来て立入禁止!
実はカッサダムを目指していたのですが、あと数キロの所でゲートに阻まれてしまいました。
今日は思いつきで新潟に来たので、事前の調べをしていなかったのでした。
(やっぱり事前調査は大切)



気を取り直して国道に戻り、傾く日差しと競争しながら大急ぎでやって来たのは、電源開発の二居ダムです。
カッサダムとの間で揚水発電を行っていて、二居ダムは下池になります。

国道を右折してトンネルを抜けると・・・。

どーん!と、いきなり洪水吐の直下です!。



ド迫力の洪水吐に不意打ちを食らって、パーキングに車を停めると、正面には綺麗なPR館がありました。

ここに来るまで、OKKY(オッキー)って目立つ看板があったのですが、この施設の名称だった様です。



早速、館内に入ると、またもや不意打ち。

エントランスに入って、真正面のガラスの向こうは大空間の発電所になっていました。奥清津第二発電所です。

ちょこちょこパンチが効いてる二居ダムです。



入口から1フロア降りると、これまた綺麗な展示スペースがウエルカム状態。
片方の壁は全面ガラス貼りで、発電所の光景が広がっています。

たまたまこの日は点検中でしたが、通常は予約無しで発電所内部まで見学できるそうです。

PR館と発電所が合体したと言うか、発電所の一角にPR館が間借りしている感じで新鮮です。
ちょっとだけ落した照明も雰囲気を盛り上げます。



壁面には見る事の出来なかったカッサダムの模型が・・・。

カッサダムの貯水池左岸にはスキー場のゲレンデが広がっていて、冬はスキーをしながらダム湖が観れるらしいです。



OKKYこと、奥清津第二発電所の脇から観た二居ダム。
建物が密集しているので、なかなか全容を見せてくれません。



その横は、綺麗な庭園になっています。
この辺りからダムの方を観ると・・・。



こんな感じで洪水吐を観る事が出来ます。

複雑で、ぎゅっと凝縮したイメージ。
トンネルを抜けていきなりこの空間ですから、まさに秘密基地といった感じ。



堤体の方へ歩いて行ってみる事にしました。
開閉所脇の道は、歩いてなら奥に進めます。

開閉所の隣には、奥清津発電所があります。



ダム本体の裾野まで来ました。見上げるリップラップ。
堤高87m、堤頂長280mのロックフィルです。



堤体の右脇に沿って遊歩道もあります。
健脚じゃないと厳しそう。

天端の中央辺りに、四角い出っ張りが見えますが、ここからは用途不明です。



ダム本体の天端へは、徒歩でなくても車で行く事が出来ます。

翡翠色をした湖面が神秘的。
整形されたリップラップは、黄色味の強い琥珀色をしたロック材が使われていて、湖面の色と鮮やかなコントラストを魅せていました。



天端は柵がなく開放的な雰囲気。
所々に説明看板が設置されています。



路面の舗装は不規則に蛇行したデザインをしています。
川の流れをイメージしているのではないかと思いました。



下から見えた出っ張りは、展望スペースの様でした。



天端からの眺め、手前が奥清津発電所です。

奥清津発電所と、奥清津第二発電所を合わせた最大出力は160万kWを誇り、国内最大クラスの揚水発電所のひとつです。

少し不思議なのは、揚水下池なのに、何故か発電所がダムの下にあるんですよね・・・?
もっと丁寧にPR館を観たらその謎も解けたと思うのですが、ここで施設の施錠時間となりました。

琥珀色のロックフィル、翡翠色の湖面。
充実した発電所PR館と見所たっぷりの二居ダムですが、今回は閉館ぎりぎりだった事もあって、あまりにも時間が足りませんでした。

さあ、今日は、もういっちょ行くぞっ。



二居ダム
★★★★

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宮中ダム

堤高16.4m
G/P 1938年 東日本旅客鉄道(JR東日本)

2011.6.10見学


続いてやって来たのは、信濃川の宮中ダムです。
大正時代に着工、完成は昭和13年(1938年)のとても古い発電用ダムは、信濃川本流で唯一のハイダムです。

川幅いっぱいに並んだ赤いローラーゲート、中心部の2門は水煙を上げて放流中でした。



ダムの下流で何かの作業中でした。
人間と比べて、ゲートの大きい事!。



下流の橋を渡ってダムサイト左岸に到着。

クレストに並ぶゲート建屋は防護ネットで覆われていました。
ゲート室の屋根の工事が行われていて、この日は天端は立入が出来ませんでした。



工事は8月までとの事なので、現在は工事が終り、天端は通行可能だと思います。



手前の建物は古い管理所だと思います。
すぐ近くにもう少し新しめの建物がありますので、現在はそちらがメインの管理所だと思います。



その、新しい方の建物の外壁に JR のマークが・・・。

あっ!このダム、JRなんだ。
この時、初めて気が付きました。



説明図にもちゃんとJRのマークが。

宮中ダム(写真左上端)で取水した水は、千手発電所、小千谷発電所、小千谷第二発電所など、複数の発電所に送られます。

それぞれの発電所は沢山の調整池とトンネルで複雑に結ばれていて、川の水は大切な資源と言う事がよく解ります。



ダム本体の天端が歩けないので、見所が無いかと思えばそれは見当違いで、古くて大きい取水ダムは見所満載です。

こちらはダム本体の左岸にある水門です。
信濃川からの取水口と、沈砂池の間にあります。

シャビーシックな外観が素敵です。



宮中ダム本体と、水門の位置関係です。
奥が宮中ダム、右が上流です。

水門の屋根上のパイプは融雪装置でしょうか?。


水門から下流は広い沈砂池が広がっています。
はるか向こうには、同じ造りの水門がある様です。



取水口辺りからの眺め。
取水口から水門まで、カーブに合わせて3本の壁が綺麗にユニゾンしています。



宮中ダムの正面側です。



左岸を見学した後は、天端は渡れないので下流の橋を渡って右岸に来ました。

ゆったりと流れる魚道。
よく見ると、幅広の魚道の脇に、もう一筋魚道があります。
遡上する魚種によって、造りの違う魚道が用意されている様です。



右岸では魚道の工事も行われていました。

穏やかな湖面の向こうには、さっき観た取水口とは別の取水口が見えます。
こちらは宮中第二取水口で、主に小千谷第二発電所へ水を送っています。



右岸で驚いたのは、この階段の造形です!。

無骨でバランスを欠いた造形は、お世辞にも美しいとは言えませんが、妙に引っかかる色気があります。
こういった代物って、設計者が図面を引いていて、「なんとなく出来ちゃった」という形なんだと思います。

悪くないですよね、いや、むしろ素晴らしい。



さて、宮中ダムを訪れたら、必ず行ってみたい場所がありました。
ダム協会の第8回のフォトコンで、この宮中ダムで最優秀賞の作品が撮られていたからです。

右岸下流の家畜小屋の脇から川に出ると、目の前に写真で見覚えのあるアングルに出ました。

なるほど流石、最優秀作品を受賞される方は、いいアングルを知っておられます。
正に、宮中ダムのベストアングルです。

でも、なーんか違うんだよなあ・・・。
自宅に戻って、最優秀賞の夜鷹さんの作品を改めて観たら、魚道のコーナーの形状が改修され変わっていたので驚きました。



宮中ダム
★★★

(今年7月の水害が心配です、大丈夫だったのかなあ・・・)

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穴藤ダム

堤高55.3m
G/P 1972年 東京電力

2011.6.11見学


高野山ダムを後に、次に向かったのは同じ東京電力の穴藤ダムです。

深く切れ込んだ山間に発電所がありました。
高野山ダムから水が送られている中津川第一発電所です。



発電所の背後にはぐっと上まで伸びた水圧鉄管が見えます。
この上の台地に高野山ダムがあるのですが、頂上付近は霧に覆われて見えません。
(さっきまで、あの霧の中に居ました)

高野山ダムまでは、直線距離で2キロ程ですが、有効落差は400mを越えています。



そして、その中津川第一発電所のすぐ上流に鎮座しているのが穴藤ダムです。
見るからに頑丈そうなゲートピア、重厚な佇まいが特徴です。



堤体の右岸付近にはスチール板で囲われた建物が付いています。
小渋ダムのエレベータ棟を連想しますが、たぶん中は階段だと思います。



入口にはこんな注意がありました。
ダム管理って、大変な仕事ですね。



右岸側で軽く折れた堤体、
天端は車道となっていて、天端を渡ると中津川第一発電所があります。



大きなゲートピア。
70年代の発電ダムらしく、装飾的な部分は皆無です。



ダム湖は長細く上流に延びています。

霧が掛かって幻想的な雰囲気。
谷が深いので、ちょっと不気味な感じさえします。



天端からの眺望です。



中津川第一発電所は、大正13年(1924年)に完成しています。

壁などのデザインが凄い事になっています。
特に、壁面の屋根の形なんか、サリーちゃんのパパみたいな事になっています。



ダム本体の左岸端に取水設備があり、ダムの正面を横から観る事が出来ます。

大きなゲートはすぐ目の前です。
ゲートは上流面なのに補強のリブがあり、二段式のローラーゲートの様です。



再び、天端より下流の眺め。
直下には大きな減勢池が広がっています、下流にも貯水池がある様に思えるほど

それにしても広い減勢池です。
あまりに広く妙に不自然な感じさえします、他のダムと根本的に何処か違う様な・・

あ!。



不自然に見えて当然でした。

穴藤ダムの減勢池は、導流壁を越えて非越流部まで水没した形になっていました。
どうりでやたらと広く見えたはずです。

水没している下流面。
秋葉ダムも下流面が沈んでいますが、あくまでも導流壁の内側なのでこのパターンとは少し違います。

唯一これと近いのは、今まで観たダムでは、石川の上寺津ダムくらいかなと思います。



天端を渡って左岸下流から。
このダム、実は堤高は55.3mもあります。



一見すると、とても55mもある様に見えません。

下部分が水没している事も要因ですが、やたらと骨太で重厚な造りと、遊び気ゼロのシンプルな形の為、スケール感が狂ってしまうのかもしれません。



穴藤ダム
★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム新潟県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
イベント情報~。(おまけ追加)
もう既にご存じかと思いますが、今月、来月とダムイベントが開催されます。

まずはこちら、11月19日から神奈川県は相模湖で開催されます
「第1回 ダムマニア展」
http://www.sagamiko-kouryu.jp/event/index.html#gallery20111119

そして続きましては、12月8日に京都大学で開催の、
「どぼくカフェ with Dam★Night in Kansai」
http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranB/Konogoro.cgi?id=271

どちらも楽しみなイベントです。
特に、with Dam★Night Kansaiは、ポスターの写真が凄く良いですよね〜!(笑

冗談はさておき、ダムマニア展では「ダムマニアたちが集めたレアなコレクション展示」というブースがあるそうで、僕もダムファンの一人として幾つか出品します。

現在、発送準備中。
まだ公開前なのでモザイクかけておきます。



↑ たくさん出品するみたいですが、写真には、みかんとか、晩御飯のおかず(ひじき煮)等が混入してます(笑)

ダムマニア展にお越しの際は、よろしくご覧ください~。



おまけ。

本日、時間が出来たので試験湛水中の丹生川ダムの様子を観て来ました。

以前はダムサイトに近づく事が出来ませんでしたが、本体工事が終わり、昼間であればダムの姿を観る事が出来る様です。(周辺の工事は継続中で、天端へは行く事が出来ません)

十二単(じゅうにひとえ)のような堤体導流壁がお洒落です。
それとも、飛騨のダムなので、ひだ状にデザインしたのでしょうか・・・?
それでは、お洒落じゃなくて、ダジャレですなぁ・・・。

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桜咲く頃。















ダムサイトの桜が咲く頃、何かが始まり、何かが終わろうとしている。




その名前は既に末梢され、上流の別のダムの名前が上書きされていた。






全門開放のゲート、二度と降ろされる事はない。














ほんろうされたのは誰?。










そこには、どんな想いがあったのだろう。




ペイントの補修に残る人の臭い。




雨。














だれも言わないのなら、僕は言おうと思う。



お疲れさま、

そして、ありがとう。





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