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片田ダム

堤高26.6m
E/W 1929年 津市水道局

2010.5.29見学

一年以上前からずっと行ってみたいと思っていたアースダムがありました。
それが津市水道局の片田ダムです。

行きたいのであれば、行けばいいじゃん、と言われそうですが、この片田ダムに限っては季節限定で行くべき時期が決まっているのです。
片田ダムの堤体には、一面に丸く刈られたツツジが植えられ一斉に花を付けると、ピンク色のポンポンが並ぶとても可愛い姿になるのです。

片田ダムのツツジは開花時期が遅く、毎年5月末から6月上旬に咲くのだとか。
開花時期に関しては、管理事務所に問い合わせるのが一番だと、「雀の社会科見学帳」の夜雀さんからも聞いていたのですが、先月は奈良でツツジの花を見て、今月も多々良木ダムで綺麗に咲いたツツジを見ていたので、もう居ても立ってもいられなくなって、いそいそと見学に来たと言う訳です。

堤体の下には津市水道局の管理事務所、それに資料館があり、一般も自由に見学できる施設となっていますが、いつもの事ながら早朝の為、見学時間外でした。



敷地の周囲にそって、堤体の方向に歩きます。
生垣の隙間から水道局の敷地内を覗くと、綺麗に整備された芝と木漏れ日の小道、それにモニュメントや木造の資料館が見えました。

片田ダムの完成は1929年(昭和4年)。とても歴史ある堤体で、当時としてはかなり立派なアースダムなのです。



敷地にそって堤体に近づくと、例のツツジのポンポンが見えました。

実はここまで歩く途中からでもまだ咲いていない・・・のは見えていましたが、近くで見てもやっぱり咲いてませんでした(涙。

でも、初夏を感じさせる空の下、堤体の芝の上に青々と茂る若葉のポンポンも、ちょっと小躍りしたくなる可愛さです。



全景を見たくて、少し離れた場所までやって来ました。
1株だけ早咲きなのか花を付けていますね。

後は想像力を働かせ、全ての株がピンクのポンポンに染まるのをイメージましょう(笑。

散歩途中の地元のおじさんに聞いてみると、一番の見ごろは6月中ごろかなあ、そりゃ綺麗だよ。と、言ってみえました。



さっきお話を伺ったおじさんは、途中で二人のおばさんと合流して、ダムの下をトコトコ歩いて行きます。

片田ダムは80年もの間、水道の水源として働き、初夏には愛らしい姿を見せて来ました。
これからもずっと、地元に愛され続けて行く事でしょう。



片田ダム
★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム三重県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
安濃ダム

堤高73M
G/A 1989年 農水省

2010.5.29見学

今日は三重県の灌漑用コンクリートダム 安濃ダムにやって来ました。
安濃ダムに蓄えられた水は下流で幾つもの頭首工を経て一帯の農地を潤します。

民家の奥にどっしりとした姿を魅せる安濃ダム。
朝日に堤体が輝いています。



途中で大きな猿に遭遇しつつ、まずは先に車で天端の方へ登って来ました。
取水設備やエレベータ塔などが整然と配置されたクレスト部。



車を降りると、冷たい北風が吹いています。
5月末だと言うのにダウンジャケットを着込みます。

天端は「通行禁止」
早朝だからか?日中は入れるのか?よく解りませんでしたが、看板が常設っぽいので、日中も通行禁止だと思います。

管理棟は対岸の左岸にあります。



天端の右岸脇から見下ろす減勢工、放流バルブから勢い良く放流中。
副ダムの下流にブロック群が見えます。



早朝6時。
朝日に水面が反射して、ねっとりとした水の波紋が見えます。

いろいろなダムを観て巡っていますが、時々見せるさまざまな水の表情も楽しみのひとつですよね。



天端を後に、堤体の直下に来ました。
減勢工の右岸にも利水放流口があります。



堤高73m、堂々とした堤体の安濃ダム。

訪れた時は早朝と言う事もあり、空は薄ぼんやりしていましたが、快晴の青空が似合いそうなスカッとした表情の堤体でした。



安濃ダム
★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム三重県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
糀屋ダム・徳畑ダム・茂利ダム

堤高44.1m(糀屋ダム)
R/AI 1989年 農水省

2010.5.8見学

兵庫県の翠明湖は、灌漑と工業用水の為に造られた人造湖で、主堤体として糀屋ダム、副堤体として徳畑ダムと茂利ダムの合計3基のロックフィルダムによって構成されています。

近くには、第1ダムから第5ダムまでの5基のダムを持つ太田ダムもあり、この一帯は、ラン&ガンの数打ちダムマニアにとっては格好のボーナスエリアと言えます。

僕も太田ダムの後に訪問したので、貯水池の上流からのアクセスとなりました。

まず最初に現れたのは徳畑ダムです。
堤高15.4m  堤頂長85m



とても可愛い、小さなロックフィルです。
副堤体なので洪水吐や取水設備も無い事もあり、通りすがりではダムだとは気が付かないかもしれません。



こちらは貯水池側。湖面が近いです。



徳畑ダムの天端を通過し貯水池の左岸を進むと、茂利ダムに到着です。
堤高17.1m  堤頂長96m

徳畑ダムよりほんの少し成長した感じの堤体。
ダムの袂に祠があり、そこから撮影。



徳畑ダムも茂利ダムも、裏側に道等はありませんが、小さな堤体なのでサクサクッと直下に降りてみる事も出来ます。
20m未満の小さなフィルダムに迫力を求めるのは無理がある様で、下から見上げても、のほほんとしたのどかな表情をしていました。



茂利ダムから貯水池を望む。
対岸の右岸側にメインの道路があり、副堤体のあるこちらの左岸は車通りもほとんどなく、静かな湖畔の森の中、といった感じです(カッコウは鳴いていませんでしたが)



茂利ダムを後に左岸沿いに車を進めると、ようやくダムらしい堤体が見えて来ました。

主堤体の糀屋ダムです。
堤高44.1m  堤頂長306.2m



残念ながら堤頂は立入禁止。



ごくスタンダードな非常用洪水吐です。



整形リップラップの滑らかな下流面。
岩の隙間にうっすらと雑草が生え始めているのも、灌漑用の里山ダムらしい味と言えます。



対岸の下に大きな建物が見えます。
灌漑用水などの施設だと思います。



堤体の真下にやって来ました。
広い芝生の向うに立派な堤体。広角レンズでもまるっきり画面に収まりません。



車で全容の写真が撮れる間合いまで離れました。

ダムの真下から耕地が広がっています。
時折行き交う地元の車も、軽トラか原付ばかりで、糀屋ダムには独自のゆったりとした時間が流れていました。



糀屋ダム・徳畑ダム・茂利ダム
★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム兵庫県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
太田第1ダム〜太田第5ダム

堤高55.5m(太田第一ダム)
R/P 1995年 関西電力

2010.5.8見学

奥多々良木発電所の多々良木ダムと黒川ダムを見学した後は、大河内発電所の揚水発電上池の太田ダムにやって来ました。
3週間前に下池の長谷ダムを見学しましたが、日没の為にその日は諦めた太田ダム、今日はリベンジなのでした。

関西電力の水力発電は、堤高日本一を誇る黒部ダムや、古くから電源開発された木曽川や庄川などが有名ですが、近年開発された大河内発電所は、奥多々良木発電所と共に、このエリアは現在、関西電力随一の水力発電地帯となっています。

長谷ダムの右岸の山頂にある太田ダム(上部調整池)は、第1〜第5までの5基のロックフィルダムにより構成されています。

第5ダムの近くにパーキングがあり、小さな公園が用意されています。

5基の天端を渡り、貯水池をぐるり一周できる道がありますが、関電の管理道路となっていて、関係者以外は立入禁止となっています。



山頂の盆地を利用した太田ダムですが、意外と眺望に恵まれておらず、第五ダム脇の公園からが各堤体を見る事の出来る唯一のポイントとなっています。

この辺りの地形は、切り立った山々が広がるエリアなのですが、太田ダムの湖畔は低く小さな山々に囲まれています。山頂にある貯水池は、とても不思議な感覚を覚えます。



公園のすぐ脇にあるのが太田第5ダム。
堤高26.5m  堤頂長101.5m

5基の内で一番可愛らしい小さな堤体です。
天端の右端に門があり、ここから先は立入禁止です。



太田第5ダムの向うに見えるのは、太田第1ダムの堤体です。
堤高55.5m  堤頂長175.3m

5基の中で一番背の高い第1ダム。
実際は、天端の標高は皆同じですから、ノッポと言うより、足が長いといった感じでしょうか?


赤い屋根の管理所の向うに太田第2ダムがありますが、残念ながらその姿を観る事は出来ません。

堤高44.5m  堤頂長397.1mの太田第2ダム。
高さは第1ダムに譲りましたが、たっぷりとした堤頂長を持ち、一番大きな堤体です。
ここからは見えませんが、衛星写真や地形図を見ると、太田第2ダムの堤体の右岸に非常用洪水吐らしきものがある様です。



反統計周りに貯水池の周囲を見て行きます。

奥まった入り江の向うにリップラップが見えますが、ダムではなく護岸だと思われます。
堤の真上に林があり、下流面は無いようです。



対岸に見える大きな2箇所の取水設備。ここから4基の発電電動機に水が落とされます。
向かって左が1・2号機への取水設備、右が3.4号機への取水です。

取水設備の左に見えるのが太田第3ダム。
堤高23.5m  堤頂長208m



地山を挟み、一番左に見えるのが太田第4ダム。
堤高29.3m  堤頂長406m

5基の中で一番長い第4ダム、ここから見えるのは全体の一部分です。



天端はどのダムも立入禁止の太田ダムですが、パーキングからの道を下ると、堤体の下を進む事が出来ます。

まずすぐに現れる太田第5ダムの裏側。
此方に下流の河川がある訳ではないので、下流側よりも「裏側」の方が表現としてしっくりします。



その先に車を進めると、堤高55.5mの太田第1ダムの裏側に到着です。
第5と同じ整形リップラップできっちり築かれたロックフィルダムは、女性的な優しい表情です。

真っ直ぐに伸びる階段もリップラップと同じ天然石で造られており、ちょっとした古代文明の遺跡にも見えます。



その先に太田第2ダムがあるはずですが、残念ながらここから先は立入禁止です。



車をUターンして、さっき左端にちょっとだけ見えていた第4ダムの左端に来ました。
やはり門があり、天端は立入禁止となっています。



400mを超える第4ダムの長い堤体。
取水設備も吐もありませんから、いたってシンプルな表情です。



この場所から対岸を見ると、第1ダム(左)、第5ダム(右)が見えました。
太田ダム(上部調整池)は結構広い貯水池です。

元々この場所には、明治時代に造られた太田池という人工の溜池があり、灌漑用水と、小規模の発電が行われていたそうです。
大河内発電所の開発により、太田池は再開発され面積は10倍ほどになりました。

地形図で見ると細い流れ込みがあるものの、現地で確認する限りこの太田ダムの貯水池に直接流れ込む河川は無い様に思われました。
そうです、驚いた事にこの太田ダムの湖水はほぼ100パーセント、下池の長谷ダムから水車によって吸い上げてきた水なのです!。

これだけ広大な貯水池なのに集水エリアと言える範囲はほとんど無く、あえて言うなら湖面上に直接降った雨水くらいなのです。



揚水発電の上池の太田ダムを観た後は、先日も訪問した下池である長谷ダムに再訪です。

堤高102m
男前の長谷ダムです。やっぱり格好いい!



再び関西電力のPR施設であるエル・ビレッジを訪れます。

前回訪問時は、閉館まぎわでろくに見学できませんでしたが、今日はここから出発する大河内発電所見学にも参加します。



見学の申し込みを済ませ、ちょっと一休み。

電力会社のPR館なのに、よくある様な発電に関する展示物がほとんど無いエル・ビレッジ。
発電に関する見学は、是非シャトルバスに乗って発電所を見学ください。と言う事でしょう。



時間まで、長谷ダムを見上げながらオープンテラスでお茶でもしようかな?

でも、壁に貼られた関西電力の番付け表を見つけて、ニマニア眺めているうちに、あっと言う間に出発時間となりました。




エル・ビレッジからマイクロバスに揺れれる事数分、ダム右岸の地下にある大河内発電所に到着です。最大発電出力128万kWは、揚水発電では日本4位の規模を誇ります。

高浜原発の深夜電力により太田ダムに吸い上げられた水は、4基の発電電動機によって電気が作り出されています。
1・2号機は三菱製、日立製の3.4号機は、周波数調整が出来る可変速型が採用され、より高度な発電システムとなっています。

4基全てがフルパワーで発電を行うと、たった6時間で太田ダムの水が底をつくのだとか。凄いです。

この時の見学ツアーは、たまたま参加者は僕一人だけで、シャトルバスも案内人の方も貸切状態だったので、いろいろとお話を伺う事が出来ました。



太田第1ダム〜太田第5ダム
★★★★

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黒川ダム

堤高98m
R/WIP 1974年 関西電力

2010.5.8見学

最大出力192万kW、関西電力 奥多々良木発電所は現在日本最大の出力を誇り、世界的にも有数の高出力の揚水発電所です。

下池はアスファルトフェイシングの多々良木ダム、そして上池はこの黒川ダムとなっています。



堤体の直下はどうぞと言わんばかりにお近づきになれます。
100m級のロックフィルは迫力充分です。

非常用洪水吐のスロープには別の放流設備が隠れていますね。

黒川ダムは揚水発電のほかにも、兵庫県により上水道や工業用水に湖水が使われる多目的ダムとなっています。



天端は徒歩で散策できます。

堤高98m、堤頂長325mという巨漢の黒川ダム。
ロック材にチェーン張りのガードが大型ロックフィルらしいゆったりとした表情です。

下流側にツツジの植栽があるのは下池の多々良木ダムと同じなのですが、沢山咲いていた多々良木と比べ、こちらはまだ蕾も付いていません。

揚水発電の有効落差387.5m、天端の標高が多々良木ダムより高い為でしょうか?。



山奥に築かれたハイダムなので相対的に周囲の山並みも低く、心地の良い情景が広がります。
ダム下の里には温泉もあります。



湖畔には風車。
関西電力の黒川風力発電所です。
黒川ダムの下からでもその姿がよく見えました、この地のシンボル的な存在です。

なみなみと湛える湖水。きれいな湖水は冷たそう。



堤頂上を往復した後は、ゲート付近の見学です。

洪水吐はラジアルゲートが1門、下池の多々良木ダムの余水吐よりゲート数が少ないのは、発電用の取水設備より水が送れるからでしょう。

そして、関電名物ブラックゲート。



黒川というダム名らしい、黒いロック材が使われるリップラップ。
ロックフィルには珍しく、犬走りがあるのも特徴的です。

ダムより上流には集落もなく、ちょっぴり矢木沢にも似た「さいはて」感も漂います。
周囲の景観もすばらしく、四季を通じて楽しめそうな黒川ダムでした。



黒川ダム
★★★


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生野ダム

堤高56.5m
G/FNWI 1972年 兵庫県営

2010.5.8見学

アスファルトフェイシングの多々良木ダムのカッコ良さにしびれつつ、揚水発電の上池である黒川ダムを目指します。
上池・下池の関係である二つのダムですが、直通で向かう道が無く、黒川ダムへは大きく迂回して国道429からのアクセスとなります。
その国道429沿いにあるのが県営の重力式コンクリートダムの生野ダムです。ダムは国号脇にありますので道に迷う事はありません。

飾り気の少ない実直な雰囲気の天端。



パーキングや公衆トイレの近くに、謎の構造物を発見。
丸いガラス窓がありますが、曇っていて中も良く見えません。

観測装置?水槽?モニュメント??

答えはどうもタイムカプセルらしいです。

そういえば、僕も小学校の卒業記念に同級生とタイムカプセルを作りましたが、今となっては出来れば永遠に埋まっていてほしい気がします・・・。
何を書いたかまで覚えてるので、タイムカプセルの意味も無いですし(笑)



下流を見下ろすと、河川維持の放流中です。

峠道の途中で脇道に入るとダムの真下への道がありますが、少し手前で金属チェーンにより車両で近寄る事は出来ませんでした。
たしか立入を禁ずる表示は無かったと思うので、徒歩でならダム下から見上げる事も可能かもしれません。

今日は、夕方になるまでに必ず辿り着きたい物件を控えていたので、先を急ぎます。ごめんね生野ダム。



天端から貯水池を見下ろすと、堤体のすぐ脇に有名外来魚の姿。しかもかなりのビッグサイズ。
50アップは確実にあります。

注)天端からの釣りは禁止されています。



貯水池は生野銀山が近い事もあり銀山湖と呼ばれています。

グッドサイズのブラックバスの写真を載せてしまうと、ひょっとして生野ダムの管理に迷惑がかかるかな?と、思っていたのですが、天端の見学後に湖畔沿いに車を走らせると、バサー向けのレンタルボート屋もあり、湖畔にはエレキ装備のボートがあちらこちらに。どうやらこの銀山湖は超メジャースポットだった様です。



クレストに2門のラジアルゲートを備える生野ダム。

巻揚機も露天設置で質実剛健な感じの生野ダムですが、ポリカの屋根が付けられていました。
この辺りだと、雪もそれほど積らないのかなあ?。



天端を左岸まで歩くとアバットに階段があり、ちょっとだけ登れるようになっていました。

実直で、シンプルな造りが渋い生野ダムでした。



生野ダム
★★★

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多々良木ダム

堤高64.5m
FA/P 1974年 関西電力

2010.5.8見学


関西電力のアスファルトフェイシング 多々良木ダム。
アスファルトフェイシングのダムは今回初めての訪問です。この時はまだロックフィルダムの亜種くらいのモノだろうと、まるっきり油断をしていました。

坂道を登ってダム本体の右岸に到着。一般見学者の駐車場はちゃんと用意されているのですが、気が付かず天端脇に駐車させて頂きました。

天端は基本的にクローズですが、日中は徒歩で散策できる様に開放されているようです。



右岸端にラジアルゲート2門の余水吐。
一直線のスロープ、フィルダムのごくスタンダードな仕様です。



素晴らしい天端からの眺望。これぞ日本の山村といった情景が広がっていました。
天端にはツツジが植えられ、競うように沢山の花を付けています。



美しい植栽と風景に誘われてか、天端にやたらと人がいます。

ハイキングのグループかな?と、思ってましたが、どの方も画材を手に風景スケッチをするポイントを探しておられる様子。

あちらこちらに、行き来されているのはスケッチの場所選びだけで無い様で、
「何処かに水道が無いか?」 「水があらへん」 と、筆洗い用の水を探している方も。
多々良木ダムは一企業の発電設備と言う事もあり、天端の両岸付近には公衆トイレは無いようです。

「こっちになんぼでも水あんのやけど・・・・」 恨めしそうに天端からダム湖側を見下ろすおじさん。

その声を聞いて、僕もつられてダム湖に目を向けました。
そういや、ツツジや下流の風景ばかり見ていて、肝心のダム湖の方をまだ見ていなかった・・・。

どれどれ?



!!!!!!!

目の前に広がるアスファルトの斜面。

0.5秒で多々良木ダムに秒殺です。

堤高64.5m、基礎地盤まで湖水の中もずっとこの黒い壁が続いている事を想像すると、鳥肌が立ちました。それに、アスファルトの巨大な斜面を見下ろして眺めていると、頭から湖面に吸い込まれそうな錯覚を覚えます。

しばらくいろんな角度からアスファルトを鑑賞します。



蒼い湖水にオレンジ色の網端が映えます。
両岸の岩盤の険しく、ゴツゴツした表情も印象的です。



再び天端の端っこに停めた愛車に戻ると、管理所の奥に駐車場がある事に気が付きました。車を移動し駐車場に停めると、そこからはアスファルトフェイシングが良く見えました。
ああ、最初からここに停めれば良かったのだ。

駐車場にはダムの案内看板のあり、揚水発電の上池の黒川ダムと比較する感じで略図も描かれていました。黒川ダムは通常のロックフィルダムとなっています。

略図ですが通常のフィルダムよりも勾配がきつい事が解ります、それに形状も上下面で同じ勾配。
勾配が急なのは、緩い傾斜と比較してアスファルトの舗装面積が少なく済む為なのでしょうか?

この多々良木ダムと良く似た、東京電力の八汐ダムを見学された「雀の社会科見学帳」の夜雀さんによると、八汐ダムの場合、舗装を行う施工機械の能力に関係があるとの事です。
舗装にはスリップフォームのような専用の機械が使われるのだと思います。納得。

そして、さらに驚いたのは断面の略図・・・・
コ、コアが無い・・・・!!!

後から思えば、コアが無いからアスファルトで表面遮水している訳で、いまさらコアが無い事に驚く方がおかしいのですが、とにかく、この略図を見た時は、本当にたまげました。
それと同時に、まるっきりこのダム形式について理解していなかった事に大きく反省です。

多々良木ダムは近隣に適切なコア材の採取地が無く、このダム形式が選ばれたそうです。



一直線に伸びた天端、それと平行にやはり真っ直ぐに走る湖面との境界線。
広大な黒い壁は、とてつもない迫力と存在感です。
これはフィルダムとは完全に違う、もちろんコンクリートダムとも違う。今まで見たどのダムとも違うオーラに満ちています。

子供の頃、
空って凄いな、宇宙まで空気ばっかりだ。
海も凄いな、海底まで水ばっかり。

意味も無くそんな事を思っていた時期がありました。
案外、今でもその思いは変わっていない自分です。
何故が解りませんが、「延々と同じ材質」と言うものに興味があったり、心惹かれるのです。

湖底までずっとアスファルト、そして中身は全てロック材。
個人的に、そのビジュアル以上に多々良木ダムに魅力を感じてしまうのは、きっとその為だと思います。



すっかり天端で時間を食ってしまいました。
それもこれもアスファルトフェイシングが魅力的すぎるからなので仕方ありません。

天端からダムの真下に公園のような施設が見えていました。
車で移動してみると、それは「あさご芸術の森美術館」でした。
美術館の周辺には、屋外にも彫刻作品が多数展示されています。

天端のスケッチ画の方々との接点がつながり、妙に納得。



本日の特別展は安藤広重でした。
東海道五十三次に代表される、人情味溢れ、ちょっとコミカルな広重の浮世絵。

実はファンなので、グラッと来ましたが入場してしまうと、今日のダム巡りはここで終了してしまいそうなので、ぐっとこらえてスルーします。



館内と、堤体直下の野外展示は有料スペースとなっています。
垣根の隙間からダムの真下を覗いてみました。

きれいに整備された青々とした芝生の上に、いくつもの彫刻が展示され、背後には巨大なダムの堤体が迫っています。
勿論、これは偶然ではなく、計算された空間なのです。

ダムと彫刻、まさに現代アートの競演やあ〜と、まで言ってしまうとさすがにマニア目線でも飛躍しすぎですが、ダムの堤体が美術品の背景として実に有用である事を示した好例です。

奥河内発電所のエル・ビレッジなどの例もあり、関西電力はダムの魅せ方が上手いと思います。



関西電力のアスファルトフェイシング、多々良木ダムは、そのビジュアル的な魅力は勿論、美術作品とのコラボという他には無い魅力に溢れた凄いダムなのでした。



多々良木ダム
★★★★★

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大路ダム

堤高32.1m
G/FNW 1998年 兵庫県営

2010.5.8見学

兵庫県の県営多目的ダムの大路ダムに来ました。
播但連絡有料道路の和田山インターにとても近く、アクセスは良好。
ダムの目的は洪水調節や水道用水などです。



車を降りてまず目を引いたのは、湖畔のガードレールです。
凹凸のあるペイントで天然木風の仕上げ。モノがモノなので本物の木材には見えませんが、景観への配慮が感じられます。



天端は徒歩で散策できます。
小さな貯水池、網端の位置が下流側1/3くらいです。

対岸の湖畔は公園の様にも見えるのですが、大量の土砂で埋まってる様に見えます・・・。



天端を歩いて左岸に来ました。
シンプル&クリーン。白いコンクリートが良く似合います。



フーチングの階段。
ダークブラウンの手摺が良いアクセントになって、快晴の日差しに映えています。



減勢工もシンプルな造形。

大路ダムは堤高32.1m、堤頂長138mの小柄でとてもかわいい堤体です。



左岸の管理所から。

貯水池にはインクラインも巡視船も見当たりません。
小さな貯水池は管理所の窓から池の全容が見えるので、たしかに巡視船は必要なさそうです。

その代わりに管理所の玄関には救命用の浮き輪が用意されていました。



小さな貯水池を車で周ってみました。あっと言う間に対岸に到着。
天端から見た公園のような場所ですが、やはり谷川からの大量の土砂に埋まっていました。



下流正面からの大路ダム。
福井の永平寺ダムが仏像ならば、こちらはコケシのような顔に見えます。

あれ?
口の中に何かある・・・。



望遠で覗いてみると、浮かんでいる網端が見えました。



大路ダム
★★

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豊富用水池

堤高28.6m
E/A 1952年 豊富用水土地改良区

2010.5.8見学

満水豊穣。


今日は京都福知山のアースダムにやってきました。

豊富用水池は、戦争での工事中断を挟み13年の歳月を要して1952年に完成した農業用のため池で、京都府内の農業用ため池の中では最大規模の貯水量を誇っています。

里山の少し奥まった所にある豊富用水池、左岸には「満水豊穣」の石碑。



天端を散策します。

小島みたいな取水設備、現在は堤体から桟橋が架けられていますが、以前は左岸から吊橋があったみたいで、橋台だけが左岸に残されています。


のどかな貯水池の風景。
山並みに新緑が映えます。

貯水池は透明できれいな水を湛えています。



右岸には自然越流の洪水吐、岸にそってカーブする越流部は、なかなかの色気です。



そのすぐ横にもう1箇所洪水吐があります。
こちらはスライドゲートを持った非常用洪水吐でしょうか。
ゲートから下流はトンネルとなっています。



芝生の中に見つけた散弾の薬きょう。
子供の頃、よく拾って集めていました。



左岸から堤体の真下へ道があったので歩いて降りてみました。
真下には放流設備があり、水路が横切っています。



水路はダムの真下を横切った後、先ほどの洪水吐からの水と合流します。
木々に隠れてよく見えないのですが、自然越流の吐からの水だと思うのですが、トンネル式の吐の行き先はよく解りませんでした。



日本晴れの春の空。
飛行機雲が真っ直ぐ伸びていきます。

灌漑用のアースダムの気持ち良さって、格別なものがありますよね。
空気もきれいだし、周辺は決まって沢山の緑に囲まれているからでしょうか。



豊富用水池
★★

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三瀬谷ダム

堤高39m
G/IP 1966年 三重県営

2010.4.30見学

今回の遠征の最後に県営の三瀬谷ダムを訪れました。

先程の宮川ダムでお腹いっぱいになったので、この三瀬谷はまた次の機会でも良かったのですが、紀勢自動車道のインターの直ぐ側なので簡単に立ち寄る事が出来ました。

高速から降りて訪れた場合、右岸に着くと思いますが宮川の上流から来たので左岸から見学開始です。

IMGP0001.JPG

天端は車道となっていて、付近にお住まいの方の生活道路になっている様です。
時間的に帰宅時間と言う事もあり思いのほか通行があります。

「ム」

今までこんなに巨大な「ム」を観た事があるだろうか。
あほな事を思いつつ、ふと下流面に目をやると驚きの光景が広がっていたのです。

IMGP0019.JPG

んぎゃー

なんだこれは。

IMGP0003.JPG

見た事も無いモノが減勢工の中に点々と。

瞬間にして三瀬谷ダムの虜になってしまいました。
恐ろしや三瀬谷、恐ろしや魅惑のブロック。

IMGP0015.JPG

右岸には黒ずんだコンクリートとは対照的に、綺麗な外壁の発電所。

三瀬谷ダムの発電所は2004年の台風21号により被害を受けています。
洪水調節の無い発電用ダムなので、台風などの出水時は、流入量=放流量となりますが、その時は4門ある大きなゲートの全開放流量をはるかに上回る流入がありました。

現在は発電所も復旧し、当時建設中だった新しい管理棟も完成し毎日元気に電気を産み出しています。

IMGP0018.JPG

天端からの眺望。

真正面はJR紀伊本線の鉄橋です。
高いコンクリートの橋脚と鉄骨トラスの組合せの鉄橋はとても味があります。

電車を待ってシャッターを切ります。

IMGP0007.JPG

ダムの長さと同じくらいの幅で、上下に長い貯水池。
もうすぐ日没です。

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クレストゲートの1門にはフラッシュボードが装備されています。
他の多くのダムと同じように開かずのボートになっているのでしょうか?

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場所を移動して右岸の下流側へ来ました。

さっきの鉄橋も良く見えます。
名のある有名な鉄橋なのかなあ。

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そして三瀬谷ダム。
歩いてここに来る間に外灯に明りが点りました。

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三瀬谷ダム
★★★

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