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双六ダム
 堤高19m
G/P 1954年 富山共同自家発電(株)

2008.10.12見学

清流のホスピタリティ。



岐阜県高山市の外れ、ひっそりとした山里の奥にある、富山共同自家発電(株)の重力式コンクリートダムである。
今回は有峰林道の帰り道に山之村集落から山吹峠を下り訪れた。

ダムは集落の突きあたりにある。ダムの下流200mあたりに最後の民家があり、その手前にスクールバスの回転場があるので、車をバスに邪魔にならない様、極力すみっこに停めさせて頂いた(日曜だったのでスクールバスは来ないかもしれないが)。

堤高は19mと小ぶりであり、越流面の勾配もどこかなだらかな印象。
越流面下のテーブル状のたたきがどこか幼児用すべり台を思わせ、デザイン的なゆったり感を出している。
このダム下流面は、地元の子供達の恰好の遊泳池になると思った。(まさかそんな事は無いと思うが)
小振りなローラーゲートは控えめな、ニュートラルな色で塗装される。
うっすらとアーチを描くピア頂上と、さらにその上の勾欄も小品の良いもので、このダムには重力式コンクリートダム特有の威圧感と言うものがほとんど感じられない。

また、あまり広くないダム湖は、湛える水がとても綺麗であり、この重力式コンクリートダムが、他にないホスピタリティを感じさせる大きな要因だろう。

試しに豆粒ほどの小石をダム湖にポツンと投げ入れててみた。

ゆらゆら最初泡を咬みながら蛇行しながらゆっくり、ゆっくり沈んで行く小石は、最後音もなく湖底に着地した。
もちろん堆砂で水深はとても浅いと思うが、目を凝らせば湖底のさっき投げた小石もずっと見えている。そういて観ていたらヤマメだろうか、のんびりと泳いで行くのもみえる。

堤体に戻る、越流部は、こんな山深い山林にあるダムとしては異例なほど白く見えるが、これは絶えず越流水に削られ、黒ずむ暇など無いのだろう。

美しい清流を湛え、マイナスイオンたっぷりの癒しのダムであるが、やはりここも水との戦いの場でもある様だ。

透き通った水、癒しのダム。双六。
★★★
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祐延ダム
 堤高45.5m
G/P 1931年 北陸電力

2008.10.12見学

有峰の語りべ(ちょっとこわ面)



祐延ダムは有峰林道小口川線沿いにある北陸電力の重力式コンクリートダムである。

その歴史は古く1931年竣工、日本でほぼ最初に揚水発電を行ったダムである。(昭和9年5月に真立ダムを下池に揚水発電を開始したが、現在は行なわれていない)
また、発電所への有効落差621.1mと言う日本有数の高さを誇る。
有峰の電源開発の生き証人と言うべきダムである。

自由越流式の天端はクレストゲートを持たないが、勾欄などの金属部分は特有の渋い環境色に塗装され、ゲートは無くとも北陸電力のダムである事が良く解る。

堤体正面の越流部の表情は実に荒々しく、何度か表面だけ改修も行われていたかの様にも見える。
その表情はいかにこの地の冬が厳しい環境であるかを凄い迫力で伝えてくる。

ダムのおでこの所にバッサリ切られた刀傷のような亀裂があり、そこには草も茂っていた。

ダムは一面の紅葉の森の中にある。訪問時は少し見ごろは過ぎていたが、それでもこれだけ美しい紅葉は、田舎育ちの僕でも初めて見る美しさである。

訪問時(2008年)には竣工から数えて77歳、祐延ダムにとって喜寿の祝いの年である。
しわだらけで眉間に刀傷、厳しい形相のおじいちゃんも、きれいな紅葉に囲まれて今日はちょっと嬉しそうにも見えた。

外国人観光客の若者がおどけながらダムを背景に写真を撮っている。
彼らの眼にはどう映っているのだろう。

ちなみに、祐延と書いて「すけのぶ」と読む。
現地で有峰林道の標識の読み仮名を見るまで「すけのべ」だと思っていました。
ずっと勝手に、スケベで、のんべえな、とんでもないじっさまをイメージしてました。
ごめんね、じっちゃん。

※パンフレットを見直したらやはり「すけのべ」と記載がありました。本当はどちら?

有峰の生き証人 祐延ダム
★★★
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有峰ダム
 堤高140m
G/P 1959年 北陸電力

2008.10.12見学

北陸電力の王者



富山県の有峰ダムは北陸電力が総力をあげ社運をかけて建造した発電用巨大ダムである。

有峰ダムへは有峰林道(有料)を通って向かう、富山市側から向かうのが一般的であるが、僕の場合岐阜県神岡町から鉱山のテーリングダムを横目に、山之村地区から越県し有峰林道へ入る。

訪問した時期は10月の第二週の週末で山野は一面紅葉の世界だったが、やや見頃を過ぎた感もあり、見ごろは前の週末ごろだったかもしれない。(その頃は高瀬ダムの高瀬渓谷にいたが、高瀬渓谷の見ごろはまだまだ先の様だった)

岐阜県側のルートだと、まず巨大なダム湖が現れる。
県立自然公園にも指定されている湖畔はキャンパー達も多いが、同時にクマのテリトリーあり、充分な注意が必要だそうだ。

堤長が500mと言う巨大ダムである。今回はダムサイト左岸のパーキングから折畳み自転車で見学する事にした。

有峰ダムは独自の形状をしている、Z形、S形、ろ形、諸説あるが、数字の2を左右反転した形が近いと思う。

天端は有峰林道の一部として車両通行可であるが両岸にある信号機で片側相互通行に規制されている。

どっしりとした姿は北陸の王者にふさわしい貫禄をもつ。

自転車にまたがる僕は自動車なら従わねばならない片側相互通行も関係なく気の向くままゆっくりと見学する事が出来た。

天端から見下ろすクレストゲートの越流部はひたすら長く、減勢池がはるか遠くに見える。

右岸まで来ると次は息を切らして有峰記念館まで登らねばならない。

右岸には堤体を望眺できるスペースもあり多くの人が車を止めしばし巨大なコン
クリートの壁がなみなみと水を湛える雄姿を眺める。
長く、うねる様に反転2の字を描く堤体の上をミニチュアの様に車が車列を作り行ったり来たり。
どこかダムと言うより、もっと規模の大きい、たとえば海峡をまたぐ橋のような、そんな風にも見える。

湖面ははるか向こうからダムに押寄せるように、巨大なダムはそれを受け止めるように・・・。

やはりダムの主役は水だな、
ダムは料理に対する皿の様なものだ。ダムは主役(水)を入れる器にすぎないのかもしれない。

そんな事を思いながら、僕はダムが眺められるベンチに腰を下ろし、持ってきたコンビニ弁当をパクつく事とした。

北陸電力の王者 有峰ダム
★★★★
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名倉ダム(堰堤)
 堤高13.5m
G/P 中部電力

2008.10.11見学

赤いゲートと鉄骨トラス組が清流に映える



飛騨川は中部電力の発電施設やダム、堰堤が連続する地域である。
その中のひとつ、名倉ダムは堤高が15m未満であり、河川法でいうダムには該当しないが、塔の様にそびえ立つゲートピア、真っ赤に塗装されたゲートが「俺もダムだぞ」と、強くその存在をアピールしている。

また、飛騨川・中部電力ダムのひとつのベーシックスタイルと言うべき、巻き上げ機部分の鉄骨トラス組もとても美しい堰堤である。

付近に駐車場が無い為、バス停の端に駐車させて頂き、近くへ見に行くと、この手のダムとしては珍しく天端に立ち入れる様だ。
天端へ登る階段の前に注意事項が書かれている。
たしか「通路は立入禁止であるが、やむをえない場合は注意して渡る事」の様な禅問答みたいな事が書かれてあったと思う。
さらに「子供はおぶるか、必ず手を繋いで渡る事」とも書かれていた。
やはり、多少の危険は覚悟がいる様だ。

今の僕はやむをえない状況であるかのか?少し迷ったが階段を登り、天端を歩いてみた。

そこは天端と言うより、ゲート巻上機が並ぶピア頂上の通路で、高い所が苦手な僕にとっては相当な高さである。(あの鉄骨トラス組の上なのである)
一般人も渡るからと言って特別な配慮はなく、巻き上げ機と通路は手摺で隔離されるが、やはり手軽に通れると言う風情ではなかった。

早々と下界に降りる、ああ〜やっぱり哺乳類には地面が必要だ。

ゲートを観ようと下流側の土手を降りる。
ダムの敷地の直ぐ隣には地元の方の菜園が広がっていた。

僕にとっては不思議な光景であるが、ゲート上の通路を生活道路で使っておられる方にとっては、このダムは、なんて事ない存在なんだろうな、と思った。

飛騨川には15m未満のダム(堰堤)が他にも複数点在している。
15mを超える「ダム」を中心に見学している為、実は今現在(2009年7月)もまだ見学をしていない施設が沢山ある。いずれ見学に行きたいと思っている。

名倉ダム(堰堤)
★★
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細尾谷ダム
 堤高22.4m
G/P 1926年 中部電力

2008.10.11見学

謎多き堤体



飛騨川に流れ込む谷川、細尾谷にあるとても古いダムである。

国道沿いでとても判り易い上麻生堰堤とは対照的に、飛騨川をはさみ対岸の、少し判りずらいロケーションの為、付近まで来てもスルーしてしまう愛好家も多いのではないでしょうか?。

飛騨川右岸を下流から向かう場合、JR高山本線の線路を幾度か縫う様に沿って進むと「細尾谷林道」と記された脇道が現れるが、決してこの道に侵入してはいけない、いかにも・・と言う道であるがその先には目指すダムは無い。
ほどなく、道路右に大岩が現れ、それを過ぎると民家が2軒見えてくる。
ダムはその下流方向から2件目のすぐ裏山に鎮座している。

車は1台であればダム下にある橋の路肩に停める事が出来るが、もしくは先ほど通過した大岩の所が河原にある祠や釣人の駐車スペースとなっている様だ。

ダムをもっと近くで観たい人は、徒歩で1軒目の民家の裏から高山本線脇のあぜ道を使うと接近する事が出来る。
そう、このダムの敷地へはたとえ中部電力の職員であっても、車両で乗り付ける術が無いのだ。(細尾谷林道の何処からか雑木林に隠されたルートがあるかもしれない・・・)

1軒目の家には、仕事熱心な番犬がいるので、注意が必要だ。
それよりも、高山本線の列車に要注意である。線路は単線であるが、そこそこ通過する本数があるのだ。
ダムは高山本線のすぐ後ろにあった。
線路とダムは尋常でないほどの近さであり、減勢工の上を線路が通過している状況にある(このダムに減勢工はないが)

また、民家とも近い距離にあり、他のダムにはありえないロケーションにもこのダムの醍醐味だといえる。

堤体に近ずき下流面を観賞する。
敷地内には平地が無く、導流壁の裏にへばりついて覗く格好となる。

地面には何かの電線が這っている。んー、実にプリミティブ。

堤体には排砂ゲートらしき穴が設けられ、かんぬきのステップが打たれる。
全面越流式のぎゅっと凝縮した分厚い堤体、両岸の導流壁も独特の形状をしている。
減勢工も減勢池も無い下流は、玉石敷きの様であるが、汚泥が蓄積しよく判らない。

小振りながらえもいわれぬ迫力がある。こんな堤体は日本にダムは3000基あると云われるが、そうそうある物では無いと思う。

ダム湖は小規模で、散策するとすぐ上流の細いインレットが見えてきた。
そんな頼りない流入河川であるが、このダム湖から発電所へ水を送るトンネル状の取水口を観察するとゴンゴンと、トルクフルに大量の水が送られている。
実はこのダム湖の水の多くは飛騨川上流の上麻生堰堤で取水し、送水管で送られて来た水なのである。

上麻生堰堤とは竣工時期も同期で、姿形は違うものの、この細尾谷ダムと上麻生堰堤は、双子ダムと言っても良い血縁関係にあると言える。

再びダム本体に戻り、堤体の肌を見る。
かなり年季の入ったコンクリートの肌である。

しかも所々から内部より水分が染み出している。
越流により湿っている訳ではないので、本当に水が出ている様だ。

あくまでも僕の仮説であるが、この細尾谷ダムは竣工当時は上麻生堰堤の様に全面石貼りの堤体だったのではないかと思う。
その後、表面にコンクリートが上塗りされる改修工事があったのではないだろうか。
現在染み出している水はオリジナルの石貼り表面と、コンクリートの皮の間に水が溜まり染み出ているのではと思う。

細尾谷ダム
僕が古い重力式コンクリートダムに魅かれるきっかけとなる。
★★★★

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上麻生堰堤
堤高13.18m
G/P 1926年 中部電力

2008.10.11見学

飛騨川の女王



飛騨川の女王の異名を持つ、大変美しい貯水堰堤である。

堤高が河川法でダムと定める15mに満たない為、正式にはダムと呼ぶ事は出来ないが、中部電力の銅板には上麻生ダムと刻まれる。
竣工が古く1926年であり、この上麻生は現在の河川法のはるか前よりダムを名乗っているのである。

低く、長いローリングゲートを支える扶壁は、レンガ形状の石貼りでとても美しい。
その上に並んだ左右とセンターでデザインの異なる3棟のゲート室が特徴的である。
また、ゲート室の外壁のレリーフが美しい。

関東エリアの愛好家であれば群馬県の大津ダムを連想させる堰堤であるが、こちらはセンターのゲート扶壁も柔らかな曲面での石貼りがされていたり、周辺の岩盤などの情景がさほど厳しいものではない事もあり、どこともなく女性的な品の良さが漂う。

白い石貼りとオレンジかかったゲート室の外壁塗装が夕日に映える。
そこには凛とした美しさがある。

その姿、どこがスッと背筋が伸びた、着物を来た大人の女性の様だ。

いずれにせよ、大正末期の建造物が交通量も多い国道のすぐ脇に現役である事に驚くと同時に、管理事業者である中部電力の施設への強い愛情を感じる。

良く観察すると堤体越流面は石貼りではなくコンクリートの滑らかな肌を持つ。
これは竣工後改修工事によるもので、オリジナルは扶壁と同じく石貼りであったのかもしれない(未確認)

基本的には左岸沿いの国道41号の路肩(十分なスペース有り)に駐車してガードレールから眺める事になるが、より詳しく観たい、正面から観たい、そんな欲望が抑えられない愛好家は下流側の路肩を注意深く探すと川原に下りるルートが見つかるかもしれない。

飛騨川の着物美人 上麻生堰堤
★★★★

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下原ダム
 堤高23.9m
G/P 1938年 中部電力

2008.10.11見学

飛騨川慕情



飛騨川は中部電力のダムが並ぶエリアである。
下原ダムは岩屋ダムのある支流馬瀬側の合流地点から少し上流に遡った所にある発電目的のダムである。

ダムは飛騨川に沿う様に走る国道41号からよく見えが、敷地内は立入禁止で国道の路肩(駐車スペースは十分にある)からフェンス越しに見学する事となる。

ゲートピアのデザインが特徴的、コンクリートのコーナーはエッジのあるシャープな形状であるが、全体のシルエットは何処か植物を思わせる柔らかさも併せ持つ。

越流部の肌も有機的な艶やかな曲面を持つが、減勢池の平面形状は直線的で、やはり有機物と無機物の融合的なデザインとなっている。

また、ピア上部のゲート巻上機の部分は鉄骨トラス組フレームであり、やはりこのダムでしか味わえない独自の美しさがある。

さらに注目に値するのが上流面の情景である。
ゲートピアのコンクリートは、赤カビと深い緑色の苔を蓄え、明るいグレーの鉄骨とのコントラストが実に美しい。

また外部階段の勾欄が無骨な鉄筋コンクリート造りで、下原ダムのキャラクターをいっそうオリジナリティのある物に演出している。

この様な、何気ない小規模な堤体でも、ドキッとする様な堤体は、偶然か、必然か、間組の施工である事が多い様に思う。下原ダムもまた、間組による施工である。

車からは右岸からフェンス越しに眺めるだけとなるが、沿線のJR高山本線の車窓からも素晴らしい情景が楽しめると聞く。

ひとつ不思議なのは越流部の曲面に沿って、ゲート扶壁に取り付けられている赤いリフレクターである。
夜間放流状態を目視する為なのか?それとも光電センサーの類が装備されているのか?
今の僕には謎である。
(何方かご存知の方は教えてください)

飛騨川の美堤体 下原ダム
★★★★(少しサービス)



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高瀬ダム
 堤高176m
R/P 1979年 東京電力

2008.10.4見学

言葉はあまりにも無力。



堤高日本一、黒部ダムと山一つ隔てた渓谷に築かれた堤高日本二位のスーパーロックフィル。

このダムのスケール感は僕のつたないレポートではとても伝えきれない。
まだ見学をしていない愛好家の方には、是非とも訪問して頂きたいので、いくつかある見学手段の情報を、僕が行った徒歩での見学方法を中心に書く事とした。
高瀬ダムが、どの様なダムであったかは、是非ご自身で確かめてもらいたい。


高瀬ダムを見学するには、いくつか手段がある。見学無料バス、タクシー、徒歩、の3つの方法だ。

一番手軽に見学するには、東京電力高瀬川テプコ館へ電話をして、発電所見学バスに申し込みすると良いだろう。高瀬川テプコ館は大町ダムよりも下流にあり、ここから毎日数回、無料の見学ツアーが実施されている。
但しこちらは主たる見学目的は発電所である為、心行くまで巨大ロックフィルを堪能する事は時間的に制約されるバスツアーでは満足できないかもしれない。
また、見所のひとつでもある洪水吐きを近くで見えるかどうかは、運次第になると思われる。
通常、洪水吐き付近にはバスは停車しない、貯砂を運び出す大型ダンプの通過待ちがあれば、写真の様に洪水吐き近くで数分間、通過待ちをする様だ。

二つ目の手段、タクシーは、東京電力の許可のあるタクシーが七倉ダム湖畔の入り口ゲートから利用する事が出来る。僕が行った時は数台のタクシーがゲート付近で客待ちをしていた。
高瀬ダム天端にも、時によってタクシーが客待ちをしている。
天端にタクシーが居ない場合は天端から迎車を呼ぶ事も出来る様だ。
但し、運賃は片道¥2000-弱していたと記憶している。
(利用を計画する時は要確認下さい。多分テプコ館でも教えてくれると思います)

実際、僕が実施したプランは3案目の「徒歩」である。
実は折畳み自転車を持ち込めば交通機関を利用しなくともダムまで楽勝と策略していたが、事前にテプコ館へ問合せると、管理道路の自転車乗り入れはNGであるとの事だった。
徒歩であれば、登山道として開放している為、通年(冬季も)全く問題ないとの事だった。

七倉ダム湖畔に駐車場がある。僕の行った時は、登山客の車で8割は埋まっていた。

入口ゲートは有人遮断機付きの立派な物で、狭いトンネルや管理道路上で車両がすれ違わない様、無線連絡し車両の通行が制御されている様だ。
徒歩の場合、遮断機脇の歩道から管理道路へ進む(進入に、特に許可や、記名等は必要ない、ガードマンに軽く会釈して通過すれば良い)

さあ、後は歩くだけだ。
ダムまでの道は3キロでしか無いと言う、しかも堤体の下に到着するまでアップダウンはほとんど無い。楽勝である。
但し、ただ「ダムまで行く」のと、「天端まで上がる」のでは大きく事情が異なる。
延々つずら折れが続くダム本体正面の道は、それだけで2キロの道程があると言うのだ、無論その全て急な登り坂が延々続く事となる。

管理道路の工程の半分はトンネルである。
トンネルの中は涼しく、道もフラットなので歩き易いが、タイミングが悪いと貯砂を運び出す大型ダンプのコンボイに出くわし肝を冷す。
ダンプ軍団が接近した時はトンネル内外に関わらす必ず極力路肩に寄り、歩かず止まっている事が管理道路のルールの様だ。(後で高瀬ダムのガードマンに教わる)
また、このルールは堤体のつずら折れ上でも同じで、ダンプ接近時は必ず「舗装路からリップラップの中に入って、全てのダンプが過ぎるまで立ち止っている事」が歩行者のルールである。
普通、何処のロックフィルでもリップラップは立入れないのが通常であるだけに、ちょっと面白く、マニア的にも嬉しい。

管理道路をてくてく歩く、山はまだ緑が美しく、聞こえるのは鳥のさえずりのみ、実に気分が良い。
すると山の斜面と木々の間からゲートピアが少しだけ見えて来た。
「むむっ!、た、高い。」
今まで何度かこんな場面を経験したが、そのどれよりも視線の角度が急である。

そしてまた歩く。やがて4つ目のトンネルの先にあわられたのは・・・・!


言葉はあまりにも無力。

追加情報
七倉の駐車場に売店、飲物自販機あり、徒歩の場合、管理道路内に飲料水はありませんのでご注意。
堤頂右岸、旧展示施設が開放され中で休憩できます。

高瀬ダム。言葉を無力にする超弩級ロックフィル。
★★★★★


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七倉ダム
 堤高125m
R/P 1978年 東京電力

2008.10.4見学

高瀬への登竜門



大町ダムと高瀬ダムの間にある東京電力のロックフィルダムである。

堤高さは、125mとかなり立派であるが、上流の高瀬ダムとはスケールが違いすぎて少し分が悪いようだ。

堤体へは左岸の道路より洪水吐きに架かる橋を渡り、ダム本体の下流面下1/3辺りへ車で乗り入れ、堤体道路を通過しダム下へ降りる事が出来る。

2門のゲートを持つ非常用洪水吐きはスキージャンプ式である。
吐きの導流壁は薄く、そしてエッジが効いたシャープな造形、そしてなにより大きい。

天端へは遊歩道があり徒歩で登る事が出来るが、次に控える高瀬ダム見学に向け、体力温存の為今回はパスした。

この七倉ダム湖畔までは一般車両も自由に訪問する事ができる。
そこから上流へは東京電力管理道路となり、許可車両(東京電力見学バス、許可のあるタクシー)以外は進む事が出来ない。

七倉ダム、高瀬ダムへ逸る心をおさえつつ。
★★

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大町ダム
 堤高107m
G/FNWP 1985年 北陸地方整備局

2008.10.4見学

美しい公園、美しいダム。



長野県大町市は、堤高日本一黒部ダムへの長野県側の入口として有名であるが、黒部ダムと山ひとつ隔てた高瀬渓谷に黒部ダムに続く日本二位の高さを持つ高瀬ダムが存在する事は、一般にあまり知られていない。

大町ダムは高瀬渓谷の入口に位置する北陸地方整備局の多目的ダムである。

堤高は100mオーバーのハイダムであるが、それにまして338mの堂々たる堤長が目を引く。

ダム下の公園は広々とした芝生がとてもきれいに整備してあり、公園の周囲は広葉樹が植えられ、訪れた10月初旬はまだ見頃には早かったが、あと一週間も過ぎれば美しい紅葉が観られると思う。

ダム下やダムサイトに親水公園や市民の憩いの場が造られているダムは多いが、環境、規模、美しさ、行届いた管理と言う点で、この大町ダムはとても気持ちよくすばらしいダムのひとつではないかと思う。

今日は独りだけど、またいつか家族で来てキャッチボールしたいな。と、素直に思った。

上流にある七倉ダムへ続く湖畔の道にはダム湖を望む展望台も整備されている。
この後に控えた七倉、高瀬、2基の巨大ロックフィルに向けて展望台でコンビニ弁当を食べた。

大町ダム、またいつかファミリーで訪れたい。
★★
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