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大石ダム

堤高87m
G/FP 1978年 国交省(北陸地方整備局)

2012.10.8見学

人と水害、水害とダム。


山形、福島を源流に、越後平野北部を横断し日本海に注ぐ荒川。
その荒川に沿って走る国道113号で西へ向かいます。

道すがら、赤芝ダムや岩船ダムが見えました。
実は7月の東北遠征でも立ち寄っていたルートなのですが、その時は前日に宮城の被災地を歩きまわり疲れていたり、生憎の雨天だったりで、横川ダムや大石ダムは未踏となっていました。

鷹の巣温泉を過ぎた辺りで山なみが開け、そこから南側の集落に入って行きます。
集落の奥を少し山に入ると大きなコンクリートダムが姿を現します。

北陸地方整備局の多目的ダム、大石ダムです。
朝日を背中(ダム的には正面)に受けて、渋い色の堤体がより黒く見えていました。

IMGP9421.JPG

2門の赤いラジアルゲート。
無駄の無い辛口の外観は、1970年代のコンクリートダムの特徴と言えます。

1967年、この地を襲った集中豪雨は、100名を超す方々が亡くなるという未曽有の大水害となります。その羽越水害を契機にいくつかの防災ダムが整備される事になりました。
大石ダムはその中の1基です。

IMGP9427.JPG

遠くからダムを観ていたのですが、何処かから誰かに見られているような強烈な視線を感じます。

天端に沿って左岸を観ると・・・・。

IMGP9424.JPG

とりあえず歩いて天端に向かいます。
天端右岸端に展示施設もあります(訪問時は閉まっていました)

IMGP9429.JPG

真面目さが滲み出ている天端の様子。
しゃきっとしてます。

IMGP9432.JPG

ずらっと並ぶプランター。
ダムは冷たいコンクリートの塊ですが、こんな所に管理者さんの顔が見れる気がします。

IMGP9435.JPG

とろんとした表情の貯水池。
ダム目的に発電を含んでいますが、実質的には防災ダムとなっています。

「二度と水害犠牲者を出さない。」
低い湖面はそう言っているように見えます。

IMGP9438.JPG

右のクレストゲートから直下を観ます。
細長い減勢池が見えました。

IMGP9459.JPG

ホェ〜ホェ〜
何処かから、ずっと尺八の音が聞こえていました。

辺りを探すと、ダム下の小さな公園で尺八を吹いている人がいました。
朝の谷間に響く尺八の音、なかなか趣があります。

IMGP9440.JPG

天端を横断して左岸に来ました、大石ダム名物「大したもん蛇」です

た・い・し・た・もん・だぁーーっ!!

IMGP9447.JPG

大したもん蛇は、地元関川村で営まれる、大したもん蛇祭りで使われる蛇の形の御神輿で、その長さ82.8mは、世界一長い蛇の御神輿としてギネスブックにも載っているという事です。

関川村に伝わる「大里峠伝説」は、村を流れる荒川を堰き止め、巣となる湖を造ろうとする大蛇の民話で、最後に大蛇は僧侶や村人より退治され、村は水没から守られるという伝説です。

地方によって蛇行しながら谷を駆け下る土石流を「蛇抜け」と呼び、大蛇に例える事例があります。
大里峠伝説は土石流(大蛇)によって発生した河川閉塞(土砂ダム)による水害がモチーフになっているのかな?なんて想像が膨らみます。

そして、大したもん蛇祭りは、この大里峠伝説を題材とした、水害犠牲者への鎮魂のお祭りなのだそうです。

IMGP9449.JPG

大したもん蛇が安置してあるトンネルは、グラウチングトンネルを兼ねていると思いますが、途中でカーブしていて、貯水池左岸に抜ける事が出来ます。

IMGP9451.JPG

頭部だけ安置された大したもん蛇は、トンネルの送風機みたいでちょっと悲しい・・・。

トンネルの天上には吊下げ用の金具がずっと並んでいるので、以前は長い胴体まで全部安置されていたと思うのですが・・・。

ちなみに大したもん蛇の本来の全長82.8mは、羽越水害が発生した8月28日にちなんだものだと言う事です。(なんだかジーンと来てしまいました・・・)

IMGP9452.JPG

トンネルを抜けた左岸から。

水害を思わせる伝説が残されている通り、この地方はその昔から大水害に度々見舞われていたのだと思います。
そして未曽有の被害をもたらした羽越水害。

その後、大石ダムができました、さらに上流には横川ダムも完成しています。

村々に伝わる古い伝承、伝説は、過去の災害を後世に伝え、今を生きる人々を戒めるものであったと思います。
関川村に伝わる水害をもたらす大蛇の伝説は、ついに本当の伝説として、過去のものになろうとしているのかもしれません。

IMGP9458.JPG

最初、見た目の面白さから一度観てみたいと思っていた大石ダムの大したもん蛇ですが、少し調べて行く間に、実は深い意味がある事が解り、驚いてしまったダム見学となりました。

人々と水害、水害とダム。
いろんな事を教えてくれる大石ダムでした。

大石ダム
★★★



| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム新潟県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2013/02/06 6:07 PM posted by: マック
おばんです。

大石ダムは天気が良かったのですね♪
湖面の写真が綺麗です!

私が行った時は雨だったので、こんなに綺麗に見れませんでした…。

「大したもん蛇」も迫力あります〜♪
2013/02/06 8:01 PM posted by: あつだむ宣言!
マックさん、毎度です〜

そうです、天候が一転して快晴になりました!

>「大したもん蛇」も迫力あります〜♪
ズーム流しでちょっと遊んでみました(笑)

大したもん蛇、かなりいたんでいました。
最近は新しく作られていないんでしょうか?

お祭りも機会があれば見てみたいです。
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