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藤沼ダム

堤高18.5m
E/A 1949年 福島県営

2012.10.7見学


福島県 藤沼ダム。
今回の旅路で、訪れるべきか否か迷いがあったダムでした。

2011年3月11日。
東日本大震災、東北の太平洋岸を襲った巨大津波。

あの日、太平洋沿岸とは程遠い内陸部でありながら、集落を襲い、多くの人の命を奪ったもうひとつの津波がありました。
それが、かんがい用アースダム、藤沼ダムの決壊です。

ダム湖上流から向かう藤沼ダム。
上流部の公園に車を停め、湖の方へ歩み寄ります。

そして眼前に見えて来た光景・・・。

IMGP9180.JPG

かつての湖畔の遊歩道。

大きく波打ち、貯水池に崩れ落ちている路面は、あの日、ここで何が起きていたかを無言のまま伝えています。

IMGP9177.JPG

かつて藤沼湖と呼ばれていた空虚の向こうには、土が露呈した一画が見えていました。方角的に貯水池右岸にあった副堤ではないかと思います。

ダム本体と同じ構造であった副堤も、同じように崩れていました。

IMGP9176.JPG

公園辺りに通行止の看板がありましたが、予告的なもので、自由に車が出入りしていました。
僕も徐行しながら先に進みます。

IMGP9171.JPG

所々路肩が痛んでいるものの、いたって普段どうりといった湖畔の車道。

ただ、干上がった湖底の情景を除いては・・・。

IMGP9192.JPG

その先に藤沼湖自然公園のレジャー施設があります。

コテージやキャンプ場、バーベキュー施設、それに温泉まであります。
震災以来それらは休業中という事でしたが、唯一パークゴルフ場は営業を開始していて、青々とした芝がお客さんを迎えていました。

空き気味の駐車場にはお昼寝中の方々も。
秋空と暖かい日差し、穏やかな心地よい空気は、いつもと違う緊張ぎみの僕の心を少しだけ解してくれました。

IMGP9185.JPG

先程見えた副堤が、少し近くで見えました。

あの日、この藤沼ダムの決壊をニュースで知り、信じられない思いと大きなショックを受けました。

過去の歴史を紐解けば、ダムの決壊は、ごくまれに起きていた事が解ります。
弘法大使が修繕したという満濃池も、現在に至るまで何度も破堤と再建を繰り返しています。
また、大きな事故では明治元年の「入鹿切れ」なども知られています。
ですが、それらは遠い昔話ではなかったのか、正直、そう思っていたのです。

何故、藤沼ダムは破堤したのか。
かつてない強い揺れが、締め固められたはずの堤体に液状化をもたらしたのでは?。
そんな事も思ったのですが、素人の僕が安易に推測する事は控えたいと思います。

ダム便覧から原因調査報告書がリンクされていましたので貼りつけます。
http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranB/Konogoro.cgi?id=310

IMGP9190.JPG

ここから左岸にそって300mも行けば、ダム本体のはずですが、これより先は進む事が出来ません。
看板によればこの先で地質調査、測量などを行っているそうです。

IMGP9187.JPG

一旦国道まで戻って、下流側からダムへ向かう事にしました。

かんがい用のダムが壊れて、今年の農作物に影響は無かったのだろうか?
車を走らせながらそんな事を思いましたが、稲作も終わった季節と言う事もあり、車窓からの風景からはよく解りませんでした。

IMGP9196.JPG

藤沼湖自然公園への案内看板。
至る所に案内看板があり、人気のレジャースポットだと言う事がよく解ります。

ただ、今はなんとなくその看板も寂しげに感じます。

IMGP9193.JPG

案内標識や、地図を読みながらダム本体に向かいますが、どの道も手前で通行止めとなっていました。

里山のアースダムと言うのは、大抵は集落の外れにあり、下流側は集落に向け開けている場合が多いのですが、この藤沼ダムに限っては、堤体直下は森となっているようです。
堤体を押し流した湖水は森を貫き、甚大な被害を及ぼした事を考えると、いかに水の力が大きなものであったかが想像されます。

IMGP9194.JPG

ダムマニアや、ダムファンを名乗り、このブログを書き初めて3年半が経ちました。

興味のある人に楽しく読んでもらえるように、ダムに対しては肯定的な内容を中心に書いていますが、基本的には、常に中立でありたいと思っています。
盲目的にダムを称賛するよりも、一歩下がって俯瞰で物を見て、感じた事を素直に書くことが大切だと思っています。

そんな思いもあって、避けては通れないこのダムを観て来ましたが、湖水の抜けてしまった藤沼湖のように、ぽっかり空いた気持ちの整理は、まだ当分整理が付きそうもありません。


| あつだむ宣言! | ダム福島県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2013/01/15 10:03 PM posted by: マック
行きたくても怖くて行けないダムです…。

私も龍生ダムの後に行こうかと迷いましたが、結局行きませんでした。

福島県は津波、原発事故、ダム決壊と、大きな被害を受けたので、新聞の県内版で記事を読んでましたが…。

まだ傷跡が有りありと…なんですね。
2013/01/16 5:48 PM posted by: あつだむ宣言!
マックさん、こんばんは。

藤沼ダムで亡くなった方々の事や、行方不明の方の家族の事など、いろんな事が頭から離れませんが、津波、原発事故と、とにかくあの日起こっていた事と、それから今日までの事があまりにも大きすぎて、どう書けば良いかまったく浮かびませんでした。

現地では減反等で元々休耕田だったのか区別が付かなかったのですが、やはり多くの水田で作付できない状況のようです。

必要な貯水池ですので、いずれ再建されると思います。
湖畔のレジャー施設も良い所です。
亡くなられた方々が戻る事は出来ないのですが、それでも、いつの日か以前のような長閑で美しい湖面が戻って欲しいな・・・と、僕は思いました。

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