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三春ダム
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2013.01.18 Friday 12:15
堤高65M
G/FNAWI 1997年 国交省(東北地方整備局)
2012.10.7見学
福島県中通り、郡山市の東に隣接する三春町にやってきました。
東北地方整備局の直轄ダム、三春ダムに向かいます。
ダムサイト右岸に到着。
大きな管理所のほか、資料館もあります。
駐車場から貯水池に向かって真っすぐ歩くと、ダム湖を望むこんな展望広場がありました。
休日とあって、結構お客さんも居ます。開かれたダムといった三春ダム。
実はここ、巡視艇の艇庫屋上を利用したスペースだったりします。
広い空が示すように、三春ダムは平野に近い丘陵に建設されました。
展望スペースからダム本体。
堤高65m、堤頂長174m。
現代的な雰囲気のコンクリートダムです。
左岸は上水道用の取水塔、ダム本体の取水設備はダム下流への利水用で、直下にある施設管理の発電の水もこちらから取水しています。
ダム貯水池はさくら湖と命名されています。
さくら湖上流部には、天然記念物に指定されている名木滝桜があり、樹齢1000年以上という巨木は、江戸時代の歌人にも歌われているとか。
湖名碑の左は、全日本建設技術協会 全建賞の記念碑。
それらの碑を観た後、開放されている天端に向かいます。
天端脇の小道を歩くと、ハーブのいい香りがしました。
職員さんの手でセージが植えられています。
こういう職員さんの顔が見えるようなダムサイトは、散策して気持ちが良いですね。
モダンなイメージの天端。
照明機器が高欄の手摺裏に隠してあり、スッキリとしています。
そして、これが三春ダムの姿。
・・・・・。
そう、以前ダムナイトで、ダムライターの萩原さんが、化粧型枠を使った独特の外観デザインについて「どーすんだこれ」と紹介したあのダムです。
ダムナイトは自宅で中継(録画だったかも)で観たのですが、実物を観ないとよく解らないなぁ、と言う事で、いつかは自分の目で実物を観なければとずっと思っていたのです。
で、実物を観てみたら、うーん、やっぱり今一つ・・・???。
何が問題で、どうすれば良くなるのか?
今日は僕なりにもう一歩踏み込んで考えてみたいと思います。
まず、問題としたいのが型枠整形の石のパターンだと思います。
石張ダムファンの僕として、三春ダムのデザインがイマイチだと思う理由は・・・。
なんでダムやのに、
「布積」じゃないの!?
って事なんですが(笑)、古くは三春藩の城下町として栄えた三春町と言う事で、ちゃんと考えて選ばれた型枠パターンと言う事のようです。
この城壁風のパターン無くして三春ダムに非ずといったコンセプトならば、一介の石張堰堤好きが茶々を入れる隙はありません。うむ。
では、このお城風の石垣パターンは、三春ダムとして切り離せないとしたら、あと、何がいけなかったのか?、そして他の化粧型枠のダムと何がどう違うのか??。
型枠のパターンこそ違いますが、化粧型枠を使ったダムとして群馬の四万川ダムが有名です。
ダムマニアの中で化粧型枠を使う事に対しての賛否はあるものの、個人的には良くまとまった外観デザインだと思っています。
四万川ダムには三春ダムを一目観て感じる、違和感のようなものを感じません。
それは、四万川ダムの堤高89.5m、堤頂長330mの巨体に対して、化粧型枠一つ一つのサイズが程よくマッチしているからだと思います。
じゃあ、三春は四万川よりも小柄だから化粧型枠が似合わないとかと言うと、三春よりもさらに小さい宮ヶ瀬副ダムの事例を観てみると・・・。
これが悪くないのです。
要は堤体のサイズと、化粧型枠のパターンサイズの関係性ではないかと思われます。
改めて三春ダムを観てみると、石垣の石がちょっと大きいんじゃないかと。
亀の子のような石の形も、形そのものにインパクトがあり尚更です。
勿論、実物の城壁などを参考にしたのかもしれませんが、問題は石の大きさだけではなく、その範囲にもあります。
クレストゲートの非常用洪水吐です。
当然、水が流れ落ちる導流部には、水流の妨げになる化粧型枠は使う事が出来ません。
だとしても、これは無いと思うんです、扶壁の側面は手付かずのすっぴん状態。
もう、イミテーションだってモロにばれちゃっています。
前途の石のパターンが大きい事も、嘘臭さに拍車をかける悪循環。
石垣の模様は飾りだけど、「本当に石垣みたい、石垣に見える」って事が大切だと思うのですが、これでは表面にぺったんことシールを貼ったみたいで、石垣の重厚感がまるで感じられません。
マジックショーのステージイベントで、客席最前列の一番端の席から観たら、タネも仕掛けも見えてしまって、目のやり場に困ってしまうと言う感じ、どうせなら上手くだまして下さい。
気になって、昨年末に香川県の化粧型枠を使ったダム、門入ダムを観て来たのですが、こちらは側面にもちゃんとパターンが施され、さらには、クレスト放流の越流水深ぎりぎりまで化粧したこだわりは、まさにグッショブと言える仕上がりです。
(施工に融通が利くスチロール型だからこそ、三春もがんばって欲しかった)
と、ここまで書いてみて、言葉ばかりでよく解りずらい、あつだむは一体全体何が言いたいのか?と、いう声が聞こえてきそうなので・・・。
これが三春ダムの外観デザインです。
お城の石垣のモチーフは、地域性要素のキーワードとしては悪くないと思うのですが、いかんせん、決して大きくない三春ダムの堤体と比べて化粧型枠の石のサイズが大きい。
尚且つ、施工範囲が中途半端で、折角の石垣が嘘臭い・・・。
で、まず、石垣のパターン形状はそのまま、石のサイズを控えめにしてみます。
ちょっとの事ですが、石が仰々しくなく、これだけで落ち着きが出て来ます。
さらに、問題のピア側面にも化粧型枠を施し、デザインにリアリティを加えます。
どうでしょうか?
ダムに相応しい落ち着いた趣きも出てきました。
でも、これではお城からどんどん離れていってしまう、三春藩のお城の石垣は大きくなくては。
と、言う事であれば、こんな感じで部分的にあしらってみるデザインも良いかと思います。(多分、デザイン検討段階で挙がっていたのではと思うのですが。)
こんな使い方の方が、フェイクであってもなんとなく構造として意味がありそうで、リアルな感じがします。
個人的には、ダムならやっぱり間知石の布積でしょう〜(笑)
三春ダム、布積Ver.
布積は見慣れている事もあって、しっくり来ますね〜。
ついでと言ってはなんですが、こんなのはどうですか?
スタンプを押すように同じパターンを繰り返す化粧型枠です。
三春ダムや、三春町にはそれぞれのマークがあるので、折角なのでこんなオリジナル型枠なんてどうですかね???
三春ダム モノグラムVer.
おしゃんてぃ〜(笑)
でも、なんだかんだ言って、これが一番だったりして。
(元も子もないハナシ・・・)
すっぴんの三春ダム、水資源のダムみたいに案外カッコいい形をしていた事に気が付いてしまったのでした。
いやはや、困った困った。
三春ダム
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Comment
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2013/01/18 9:27 PM posted by: マックお次は三春ダムでしたか…。
予想外れっぱなしです(苦笑)。
それにしても石垣の大きさでイメージ変わりますね。
お城のイメージを持たせるなら、天端の機械室も天守閣や隅櫓風にすれば良かったのかも…瓦屋根にして…。
色々とイメージを膨らませられるダムって、ある意味楽しいかも…(苦笑)。 -
2013/01/19 8:10 AM posted by: あつだむ宣言!マックさん
一応念押ししますが、決してこのダム嫌いではないです。
賛否いろいろある三春ダムですが、街からも近く沢山お客さんが訪れていました。
そう言った意味では、お城風も何も装飾性のない無表情なダムよりも良いデザインだと思います。
このダムの為に住み慣れた土地を離れた方もいらっしゃるので、その方々の為にも、立派で親しみあるダムにするのはとても大切だと言えますよね。
さてさて、三春の次は何処でしょうか?(笑)
次は当りますでしょうか??
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2013/01/22 9:20 AM posted by: おざ拝見しました。
なるほどの考察ですね。
ゲートピアの横の型枠ですが、おそらくゲートが最大の開度となったときに流れる水流(の横)が当たってしまうので化粧型枠を使わなかったのだと思いますよ。
三春は放流量も大きいので、中途半端な化粧型枠になってしまうのではないでしょうか。
門入ダムも水面形に合わせて化粧型枠を外していますよね。
ダムデザインの先駆者ですのでいろいろとあれですねー。 -
2013/01/22 12:26 PM posted by: あつだむ宣言!おざさん、こんにちは。
そうか、放流量がだいぶ違うのですね。
いっその事、ピア部分は型枠無しでスッキリさせると、印象もまた違ったかもしれませんね。
三春ダムは決して悪い訳ではないのだけど、ちょっと詰めが甘い感じを受けちゃうんですよね〜。 -
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