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旭ダム

堤高16.1m
G/P 1935年 昭和電工(株)

2012.10.7見学


大川ダムと大内ダムの2基の大型ダムを観た後は、堤高16.1mの小さなダムに向かいます。
巨大ダムの迫力も凄いけど、小さいけど魅力に溢れたダムもいっぱいあって、それがダム巡りの面白さだったりします。

古くからの街道筋といった趣きの国道から、少しだけ路地に入ります。
その先はごく普通の住宅や町工場が軒を並べています。
ダムサイトの道がすごく狭そうな予感がするので少し手前に車を置いて向かいます。

IMGP9045.JPG

これが目的の旭ダムです。
って、岸際の雑木が邪魔でよく見えませんね。

IMGP9031.JPG

ダム本体の左岸から。
旭ダムは昭和電工(株)という会社の発電用ダムです。

どこかしらひなびた漁村の風情が漂っていますが、それもそのはず、竣工は古く、戦前の1935年までさかのぼります。

「うー、全然見えへんやんけー」
あまりの見えなさに愕然としていると、対岸を犬の散歩のおばさんが歩いているのが見えました。

あっ!
どこかのダムと勘違いして、左岸からしか見えないものだと思っていました。
いそいそと車に戻り、対岸の右岸に向かいます。

IMGP9036.JPG

おおー!

堤高16.1m、堤頂長84m。
堤体積も1万㎥に満たない小柄なダムです。

IMGP9061.JPG

ピア頂上の昭和電工(株)の看板が誇らしげ。
川幅いっぱいにならぶ7門のクレストゲートが、その名の通り昭和(初期)らしい風貌です。

左岸よりのピアは最近補修が施されたのかコンクリートが真新しく見えます。

IMGP9065.JPG

そしてこの旭ダムの一番の特徴はこのラジアルゲートのアーム部分の造りです。
鉄骨トラスで組んだ3本の四角錐を頂点で連結したような構造なのです。

今まで割と多くのダムを観てきましたが、このようなゲートはかなり珍しく、この旭ダム以外では唯一、岐阜県 岩屋ダム上流にある中部電力 西村ダムがあるだけだと思います。

IMGP9063.JPG

こちがその西村ダムです、西村ダムもそんなに大きなダムではありません。
竣工が1938年と、旭ダムとほぼ同期というのが興味深いです。

IMGP0205.JPG

そしてこれが西村ダムのラジアルゲートです。
こちらも鉄骨トラス組のアームを採用しています。

井川と同じ、裏中電カラーのグレーがよく似合います。
(念の為言いますが、軍用ではありません)

IMGP0214.JPG

折角なのでもう少し寄ります。
四角錐を形造るトラスはより細かく、中程で連結している部分まで及びます。

リベットがいいですね、リベットが!
(もう一度言いますが、旧帝国海軍ではありません)

IMGP0214.JPG

写真は旭ダムに戻ります。
西村ダムのアームと比較すると、こちらはずっと穏やかな表情に見えます。

IMGP9068.JPG

どうせなので、こちらも寄ってみます。
淡い塗装色のイメージもあって、のほほんとした感じ?

なんだろこの感じ、哀愁と言うか・・・鉄塔ぽく見えるから?
名前は旭だけど、夕焼け小焼けが似合いそう。

それはそうと、西村のとは、ゲート本体の門扉の構造も何処か似てますね。

IMGP9066.JPG

旭ダムは古いダムとあって、魅力はゲートだけではありません。

岩を削ったかのようなゴツゴツとした表情のコンクリート。
あと100年もしたら化石になって、本物の岩盤になってしまいそう。

IMGP9062.JPG

右岸から川下を観ます。
ダムのすぐ下で川幅が狭くなっています。

IMGP9060.JPG

岸際のコンクリートも味わいがあります。
少し不器用に見えるのも、この時代、この規模のコンクリートダムの持ち味です。

IMGP9071.JPG

たっぷりと水を湛えた穏やかな湖面は、自然な姿に見えます。

IMGP9069.JPG

両岸ともすごく狭いダムサイトですが、それを補うかのようにピア下を使って、ちょっとした作業スペースが造られていました。
ありそうで、なかなか無い感じの工夫です。

IMGP9058.JPG

左岸に可愛い感じの民家がありますが・・・。

IMGP9057.JPG

いやいや、この建物こそ旭ダムの管理所です。
柱に「技術員駐在所」の看板が上っています。

「技術員駐在所」と言えば・・・。

IMGP9054.JPG

以前、このブログで紹介したこの看板。
僕の務める会社の上司宅に、古くからあった謎の看板です。
上司の父親が昔、中古住宅を購入した時に、購入した家に置いてあった物なのだとか。

当初、白山水力の発電所か取水堰堤、ダムなどに掲げてあった物ではないか?との事でしたが、その後、調べてもらったら、どうもその住宅に掲げてあったものだと言う事でした。

当時は、発電所管理者さんの自宅に看板を掲げて、何かの時に連絡をしてもらう感じになっていたのかもしれませんね。

旭ダムの管理所も、かつては「ダム守さん」が住まわれていたのかもしれません。
そして、そういう古い看板が残っている所が、社有ダムの味だったりする訳で。



右岸からたっぷりと堪能した後、少し戻って下流にある橋の上に来ました。
実はいろんな角度から楽しめる旭ダム。

岸の天然の岩盤の表情が凄いです。
そして、その真上まで迫っている民家。

IMGP9073.JPG

ごつごつした岩盤をよく見ると謎の穴が・・・。

放流路のようなコンクリートの造作が覗いています。
仮排水のトンネルでしょうか?それとも・・・??

IMGP9076.JPG

岩盤と、コンクリートと、そしてまた岩のようなコンクリート。
天然の物と、人工物が混然として一体となっているオールドダムの味わいです。

IMGP9080.JPG

7門あるはずのクレストゲートですが、ダム直下で川幅が狭くなっている為、真下からはこんな感じとなります。

旭ダム。
小型なから見応えのあるコンクリートダムでした。

IMGP9077.JPG

旭ダム
★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム福島県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2012/12/25 9:14 PM posted by: マック
おばんです〜♪

ちょっと南下しましたね。

もっと南下して栃木に抜けるのか、それとも西に向かって新潟に抜けるのか…。

次回も楽しみです!

2012/12/25 9:58 PM posted by: あつだむ宣言!
マックさま、毎度です〜。

予想は当りましたでしょうか?
さてさて、この後はどの方角へ〜

次回のアップは今年の総括ネタなので、レポートの続きは年始の予定です〜。

お楽しみに!!
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