無料ブログ作成サービス JUGEM
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | - | - | pookmark |
←prev entry Top next entry→
早瀬野ダム

堤高56m
R/A 1985年 農水省(東北農政局)

2012.7.15見学

アスファルト・ミュータント。


遠部ダムを後に次に訪問したのは、遠部ダムから10キロ弱の所にある灌漑用のロックフィル、早瀬野ダムです。
最近、ダム便覧で存在を知って、ちょっと気になっていたロックフィルなのですが、これが途方もない曲者でした・・・。

奥羽本線碇ヶ関駅前から集落を奥に入りしばし、車のワイパーの向こうに目的のダムが姿を見せ始めます。

むむ・・?壁??
運転しながら初めて目にする早瀬野ダムの姿は、高いコンクリートの壁に見えたのです。
しかし、そんな事で驚くのはまだまだ早かった。

IMGP0933.JPG

えええーーーっ!!!???

事前情報で 「それ」 を知識として知っていたものの、実物を目の当りにすると迫力がまるで違うのです。

IMGP0934.JPG

慌てて車から飛び出してもう一度。

ええええええーーーーーーっ!!!!!??????

実は、早瀬野ダムはロックフィルダムでありながら、表面にアスファルトフェイシングを施した、フィルダム界の突然変異(ミュータント)なのです。

しかも、しかもですよ。
通常、アスファルトフェイシングは遮水の為に上流面を舗装します。下流面は傾斜は急ですが岩を敷き詰めた表情はスタンダードなロックフィルと大きくは変りません・・・。

そしてこれが早瀬野ダムの 「下流面」 です。
写真は決して貯水を抜いた状態の上流面ではありません・・・。

いやあ、面白い、面白いよ早瀬野ダム。
こんな面白いダムが青森の山の中に人知れず潜んでいたのです。

IMGP0937.JPG

敷地の中にはフェンスがあり入る事が出来ません。
それでも雨に濡れた真っ黒な斜面を目の当りにして、ただただ茫然と立ち尽くすのみです。

しかもこのダムの堤高は56m、堤頂長も285.9mもある巨体です。
こんなに変っていて、なおかつ巨大。

名古屋人で言うと、トーストの上にマーガリンと小倉あんをダブルで塗って食うくらいのテンションアップです。

僕も思わずメガネが汗で曇ってしまうほどのハイテンションな光景がそこにはありました。

IMGP0935.JPG

一旦車に戻り、右岸の坂道を登り天端まで来ました。
そのまま車で天端を通過して、左岸に管理所、その裏手に一般車両のパーキングがあります。

ごく普通の大規模ロックフィルのダムサイトです。
でも、そこから見える光景はロックフィルとはまるで違う異次元の世界が広がっています。

上流面も真っ黒なアスファルトが雨に濡れ光って見えています。
天端の付近はコンクリートブロックが敷き詰めてありました。

IMGP0385.JPG

そしてやはり見所は下流面です。

高さ56m×長さ286m。広大なアスファルトの一枚板。
アスファルトフェイシングダムでは関電の多々良木ダムに匹敵するサイズ。
全長なら東電の八汐ダムを上回ります。

多々良木も八汐も広大なアスファルトフェイシングを上流面に持っていますが、貯水により水面から上部しか見る事が出来ず、巨大なアスファルト舗装の全貌は、工事誌の資料写真を観るか、頭の中で想像するするしかありません。

そしてこの早瀬野ダム下流面。
全て剥き出しの巨大アスファルト舗装。

これが凄くないはずがありません!。
そう思いませんか??。

IMGP0377.JPG

今日はダム巡りには辛い生憎の天候ですが、雨はアスファルトを黒々と見せています。

堤体の一番下部が雨樋のように、アスファルト舗装の表面に降った雨を集めるような形状になっているようです。

IMGP0368.JPG

大きな堤体に相当する広大な貯水池です。
水も澄んでいて綺麗なダム湖です。

IMGP0370.JPG

左岸にあるゲート&スロープ式の洪水吐。
赤い2門のラジアルゲートが真っ黒な堤体によく似合っています。

IMGP0379.JPG

減勢工の端に、じゃばじゃばと音を立てている水がありました。
堤体表面に降った雨が集められ、減勢工に注がれていました。

IMGP0380.JPG

他で類を見ない不思議な構造の早瀬野ダム。

どうやら建設当初はごく普通のセンターコアを持つロックフィルとして建設が進められたのですが、この川の水質がロック材に悪影響を与え劣化させるものだと解り、水とロック材を遮断する為にアスファルト舗装が施されたのだそうです。

一見すると明らかなアスファルトフェイシングフィルですが、表面遮水のアスファルトフェイシングダムと異なり、ちゃんとセンターコアも持っており、アスファルト舗装は二次的な表面保護のような構造のようです。

IMGP0357.JPG

ロックフィルのミュータント。
度肝を抜かれた早瀬野ダムでした。

★★★★





| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム青森県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | - | - | - | pookmark |
Comment
2015/08/27 7:38 PM posted by: ヒロカル
通りすがりスイマセン。
今日、早瀬野ダムを作った方に、偶然お会いしました。
ダム史に載らないアスファルトフェイシングの理由を伺えて、感動しました
2015/08/28 5:45 PM posted by: 清水篤(あつだむ宣言!)
ヒロカルさん
ようこそお立寄りくださいました。
アスファルトフェイシングを施した理由は、私のつたない説明で正しかったでしょうか?
ダム史に載らないのがもったいない不思議なダムですよね。
name:
email:
url:
comments:
Trackback
トラックバック機能は終了しました。