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一の渡ダム

堤高15.6m
G/P 1931年 東北電力

2012.7.14見学


秋田で藤倉水源地を訪れた後、そのまま青森まで脚を伸ばしました。
明日の天気予報が雨なので、雨が降る前に落として於きたい物件があったのです。

堤高91m、堤頂長330mを誇る浅瀬石川ダム。
立派なこのダムは以前に訪問していて、今日のターゲットではありません。

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角が取れ丸みを帯び、淡く赤い色に塗られたダム設備。
津軽のりんごをモチーフにしているのでは?郷土愛に満ちた浅瀬石川ダムです。

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本日強行軍で向かうのは、浅瀬石川ダムの貯水池、虹の湖上流部にあるという、一の渡ダムです。

ほとんど無名のダムですが、存在を知っているダムファンなら「えっ!」と、きっと驚く見学困難物件です。(実は、本当にダムまで行けるのか、この時点でも解っていませんでした)

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虹の湖を南進して上流部に向かうと、湖面から上部を出したコンクリートの塊が静かに佇んでいました。

浅瀬石川ダムにより水没した沖浦ダムです。
1933年に着工、1944年に竣工した沖浦ダムは発電と共に洪水調節も行う多目的ダムの先駆けとなったダムでした。

ダム便覧から消えたダムとしてダム便覧保存館に当時の写真が残っていました。
http://damnet.or.jp/Dambinran/binran/Hozon/HzKietaFr_205.html

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今日の目的はこの沖浦ダムでもありません。

沖浦ダム跡から橋を渡り対岸へ、ダート林道を突破して到着したのが東北電力 一の渡発電所です。

以前、対岸から谷を奥に分け入った二庄内ダムへの道も酷いラフロードでしたが、この発電所までの道も劣らないデスロードです。(余裕が無くて林道の写真はありません)

IMGP0322.JPG

発電所に水を落としている水圧鉄管。
水は浅瀬石川ダムの水を使ったものではなく、ダム湖上流の川から導かれたもので、発電所を通った水が浅瀬石川ダムに注がれる仕組みになっています。

ターゲットの一の渡ダムはこの水圧鉄管の上にあるとされる調整池で、ここから徒歩でアタックとなります。

IMGP0321.JPG

電子国土を見て予想した通り、水圧鉄管の付近に巡視歩道がありました。
熊鈴を盛大に鳴らしながら葛折れの歩道を急ぎます。

まだまだ日没が遅い時期ですが、30分以内に到着しなかったらタイムアウトと決めていました。

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歩道の途中で振り返ると浅瀬石川ダムの湖面が随分と下に見えました。

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さらに坂を登り続けると、大きな丸い構造物が見えました。
発電所のサージタンクです。

どうやら、ほぼダムのある高さまで登り終えたようです。

IMGP0312.JPG

サージタンクからは山の斜面を水平に奥へ奥へと道は続いています。

この感覚・・・。
富山の真立ダムを訪れた時にそっくりです。
但し、距離的には真立ダムの10分の1程度なのでダイジェスト版といった感じ。

IMGP0310.JPG

ところが、なかなかダムに到着しません。予想ではそろそろ・・・と言った距離なのですが。
さらに道は尾根を越えて緩やかに下り初めました。

えっ?まさか道が違ってる?
暮れていく日差しに心寂しくなって来ました。

でも、長野のセバ谷も、尾根を越えた先にあったよな、もう少し先に行ってみよう。

IMGP0309.JPG

坂道を下ると視線の奥に人工の構造物が見えて来ました。
一瞬、山を越えて関係のない所に出ちゃった!?と、思いましたが華奢な手摺は目指す一の渡ダムのものだと直ぐに確信しました。

あと少しです。

IMGP0306.JPG

そしてようやく到着、
煙突のある建物は管理所ではなく、流芥の処理設備のようです。

IMGP0303.JPG

フェンス沿いに裏手に周るとありました!

堤高15.6m、堤頂長63.6m
1931年に竣工した一の渡ダムです。

IMGP0287.JPG

強行スケジュールでこの山の中のダムに挑んだのは理由がありました。
そうです、この一の渡ダムは石張ダムなのです。(我ながら酔狂だ)

ダムの敷地内は立入禁止で下流からも堰堤を観る角度は限られて、近寄る事も出来ません。
レンズ越しに見る一の渡ダムの石張は、これまた不思議な個性的な表情です。

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張られた石は正方形の間知石ですが、目地がやたらと細く、波打っていて不自然です。

どうやら完成から後に何らかの目的で、表面にセメントが吹き付けられたようです。
不自然に見える目地は、セメントの上に描かれた筋模様かと思います。

茂った木々で全容が見えない事もあり、全体に同じ処理が施されているのか、部分的なのか詳細は解りませんでした。

IMGP0294.JPG

鋼管の手摺の向こうに調整池の湖面が見えました。
なみなみとした水面も見えます。

IMGP0291.JPG

その奥に上流から水が送られて来る送水口が見えました。
周囲を人工的に作られた調整池は、地図ではほぼ正方形の形をしています。

IMGP0301.JPG

石張が示す通り、1931年竣工の一の渡ダムは東北では最も古いダムのひとつです。
その後に沖浦ダムが着工しています

沖浦ダムは浅瀬石川ダムにバトンを渡し、湖面に沈む事になりましたので、一の渡発電所は、以前はもう少し低い位置(沖浦ダムの湖畔)にあったのかもしれません(想像です)。

IMGP0288.JPG

今回、発電所から徒歩で山を越えて到着しましたが、現地までデスロードの車道が来ていましたので、何処からか車で来られる可能性もあります。(車両進入禁止かもしれないので可能性とします)

苦労して辿り着いてもあまりよく見えないので、お勧めは出来ませんが、こっそりこんな石張ダムを隠している東北は、侮れないエリアであると感じつつ下山しました。

一の渡ダム
★★★



| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム青森県 | comments(5) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2012/08/19 9:02 PM posted by: 東日流人
>デスロード
あの道…チャリで登り降りしました(しかもロードバイクで)。若かった…(遠い目)
2012/08/19 9:18 PM posted by: あつだむ宣言!
お久しぶりです(笑
全国区ではほぼ無名のダムですが、地元の方々は果敢に攻略されているのですね〜。
二庄内ダムですが、ひょっとして青荷温泉の方から攻めた方か良いのでしょうか??
(前回来た時、道を間違えてた??)
2012/09/25 8:05 PM posted by: marc
お久しぶりです
一の渡りダム、自分が行ったときは反対の道(デスロード?)から普通に車で登れちゃいました(^_^;)特に立入禁止の表示はありませんでしたよ
2012/09/25 9:16 PM posted by: あつだむ宣言!
こんばんは、ご無沙汰してます。

ああ、やっぱり車で行けましたか!
電子国土を観てアタック計画を立てたので、てっきり歩道でしか行けないダムなのだと思っていました。
デスロードの途中で分岐があり、怪しいなあとは思ったのですが・・・。

ごめんなさい、IDを持ってないので雨畑の話、ここで良いですか??。

崩落した道から以前は河原に降りる事が出来ました。
下流左岸の林は、ダムに近くなると崖になり、道も途絶してしまいます。
結論から言うと、諸先輩方が撮影された下流面のビューポイントへは現在向かう事は不可能です。

崩落した道は日本軽金属さんの私道だと思いますし、管理上関係ないみたいなので、今後永久にビューポイントへは無理だと思います・・・。

(他にチラ見できる場所を見つけました、10/5にレポ公開予定に向けて書き中です)
2012/09/26 5:52 AM posted by: marc
おはようございます

雨畑情報ありがとうございます
意味のないアタックをせずに済みました(^_^;)
10/5のレポ楽しみにしてます♪
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