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沈堕ダム

堤高5.5m
G/P 1909年 九州電力

2011.11.4見学


大分自動車道 大分米良ICで降りて、一般道を南下します。
北川ダムに行く途中で少し寄り道をして、沈堕ダムに向かいます。

沈堕ダムは九州電力の発電用取水堰堤で、大抵の地図で「沈堕の滝」と記された場所にあります。

国道502(日向街道)から脇道に入ると、滝を眺める展望スペースがありました。
そこから真正面に沈堕ダム(沈堕の滝)が見えます。

IMGP1623.JPG

「で、でかい!!」

沈堕ダムは、たかだか高さ5.5m程のローダムと聞いていました。ところが、目の前に轟々と水飛沫を上げる滝の迫力に、自然と驚きの声が出ていました。
「沈堕の滝」の高さはおよそ20m、その滝の上にあるのが取水堰堤の「沈堕ダム」。一体化した滝と堰堤のシナジー効果で、迫力の情景を創り出していたのです。

何故こんな滝の上に取水堰堤を造ったのか?

現在は九州電力が管理している堰堤ですが、歴史は古く、明治末期に豊後電気鉄道に使用される発電施設として造られました。

当初は普通に川を堰き止めて造ったスタンダードな堰堤でしたが、下流にあった滝が崩落を繰り返し、次第に堰堤に近づいて来たと言うのです!。

現在では全面越流の堰堤と、滝は完全に一体化して見えます。
知らなければ、滝の直上に取水堰堤があるなどと気が付く人も少ないと思います。

IMGP1631.JPG

沈堕の滝は、150年ほど前は、現在よりも240mも下流にあったそうです。
このまま滝の後退が進めば、やがて沈堕ダムも滝と共に崩落してしまう運命にありました。

そこで、1998年、九州電力によって、川床や滝の壁面の補強が施され、滝の崩壊が食い止められ、現在の姿になったとの事です。

IMGP1626.JPG

県道脇の展望スペースから移動して、近くの集落の中へ入ると、滝の下流は小さな公園になっています。
明治に建てられた最初の発電所が、公園の中に遺構として残されています。

現在の九州電力の発電所は、3キロ下流の別の所にあります。

IMGP1636.JPG

遺構の中の散策路を滝に向かって歩きます。
太古の昔から滝が崩壊を繰り返し、上流へ後退し続けた跡を辿る、ちょっと不思議な散策路。

150年で240mも後退したとなると、毎年1.6mのペースで滝が移動した事になります。自然の力って凄いですね〜。

IMGP1638.JPG

散策路は、滝が近くで見える所で終点。
この先に、発電所への取水設備がありますが、関係者以外立入禁止です。

盛大に流れ落ちる沈堕の滝、ダイナミックな水の景観です。

豪快な滝にばかり目を奪われてしまいますが、滝の上の沈堕ダムも、全面に白く越流した水が美しく、上流の水面の静けさとのコントラストが印象的です。

IMGP1663.JPG

九州電力により、補強が施されたという沈堕の滝。
ぱっと見ても、人為的に手が加わっている様には見えません・・・。

実は元々の天然の岩に混じって、擬岩が配置されているのだとか(!)
でも、色も形も全く違和感が無く、僕の目では、どれが擬岩なのか解りませんでした。

やろうと思えば、全体をコンクリートで覆ってしまう事も出来たはず。
しかし、九州電力は擬岩まで使用し、かつて水墨画で有名な雪舟も見たとされる名瀑を再現したのです。
うーん、素晴らしい!!。

IMGP1656.JPG

対岸を観ると、魚道のような遺構が見えます。

堰堤と滝に挟まれ、今となっては用を成す事はありませんが、その昔、滝はずっと下流にあった名残と言えます。

IMGP1655.JPG

対岸の切り立った岩盤。一見、堅そうに見えるのですが、阿蘇山も近く、見た目よりも脆いのかもしれません。

この沈堕ダムの、およそ20km上流には、日本三大美堰堤のひとつ、白水堰堤があります。大分の美堰堤めぐりとして、セットで訪問されるのも乙かもしれません。

IMGP1645.JPG

最後は広角レンズに交換して全景を撮影。

岩盤に囲まれた丸い滝壷は、ここだけの特別な別世界をイメージさせます。

ダイナミックな地形の変化と、九州電力の技術と景観への想い、そんな素晴らしいコラボレーションによって産れた美堰堤。そんな沈堕ダムでした。

IMGP1650.JPG

沈堕ダム
★★★


| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム大分県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2012/05/31 8:22 PM posted by: だい
行ってみたーい!

でも今回のルートから外れてる(笑)
2012/05/31 9:31 PM posted by: あつだむ宣言!
うんうん。
たしかに結構遠いです。

白水堰堤みたいにもっと有名になっても良い物件だと思いました。
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