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夜明ダム

堤高15m
G/P 1954年 九州電力

2011.11.4見学

夜明けの夜明け。


大分自動車道のSAで車中泊をして、遠征二日目はまだ夜が明けないうちに移動をしていました。
この日は、午前に別府に寄った後、そのまま南下して宮崎に入り、高千穂まで走る強行軍です。その強行スケジュールを割ってでも見ておきたいダムがありました。
筑後川本流を堰き止めている夜明ダムです。

今回の遠征で、どのタイミングで訪れようか思案したのですが、折角なので「夜明の夜明」を観てやろうと、まだ真っ暗なダムサイトに到着しました。

夜明ダムは幹線国道のすぐ脇にあります。
安全な所に車を停めて、三脚を立ててしばらく、東の空から明るくなって来ました。朝の川風が、辺りの枯草をカサカサと鳴らしています。

やがて暗闇の川の中に、夜明ダムの姿がぼんやりと浮かび上ってきました。



全てが藍色に染まる単調なモノカラーの世界に、高いピアの上の歩廊が、緻密で美しい姿を魅せています。



刻一刻と表情を変える夜明けの情景。
辺りが明るくなるに連れて、夜明ダムの全貌が露になりました。

カメラを持つ手に鳥肌が立ったのは、冷たい川風の性だけではありません。

堤高15mと数値の上では大した事のないダムですが、川幅一杯に巨大なローラーゲートを配し、異様とも思えるほどの迫力に満ちていたのです。
(残念ながら僕の腕では、その迫力を写真に収める事が出来ず・・・残念)



すっかり朝になり、詳細な部分も見えて来ました。
左岸は高く台地のようになっていて、その上にもゲートがある様です。

築後川は県境になっていますので、右岸の此方は福岡県、対岸の左岸は大分です。



8門の大きなゲートを支えるピアも巨大なもので、壮観な眺めです。
このタイプのダムでは、島根の浜原ダムも迫力ありますが、夜明ダムの方が一枚も二枚も上です。



シルバーに塗装されたローラーゲートは、径間15.6m×扉高11m。
1954年の竣工時に於いては、かなり大きなゲートであり、実は、扉体は上下2分割に独立した構造になっていて、リンクで結合されているそうです。

さらに、巨大なゲートによる大きな水圧を受ける為、ゲートのローラー部分に初めてロッカービームが採用されています。(上下2個のローラをビームで結び、ビームの中心に設けた、偏心軸の作用で扉体を水密ゴムに圧着させる)

このロッカービームの初採用に関しては、水門の風土工学研究委員会による「鋼製ゲート百選」でも、‘大型ローラゲートの実現を可能ならしめた「技術の夜明け」’と、委員会もダム名に掛けたノリノリの解説がされています。



九州を代表する河川である筑後川は、過去に何度も水害を出して来ました。
1953年の大水害では、当時建設中であった夜明ダムにも容赦なく襲いかかり、大きな被害を受けたそうです。

ダムは大きく川が蛇行する直前のポイントにあります。
川が蛇行すると言う事は、この辺りは強固な岩盤があり、ダムサイトに向いていた?
地形とダムサイトの位置関係を観ると色々と想像が膨らみますが、本当の事は判りません。



国道は左岸の岸際まで迫っていて、フェンス越しにダムを観て歩くには、車通りに要注意です。

九州電力さんもよく認識しておられる様で、フェンス伝いに国道脇を歩くと人感センサーが感知して、安全の注意を促すアナウンスが流れます。



発電所への取水スクリーンはこちらの右岸にあります。
でっかい除塵のカニ爪クレーン。



広い川幅を大きな多連ゲートで堰き止めるこのタイプのダムは、ダムファンの中でも特別に注目される事のない、マイナーなキャラクターかもしれません。
しかし、この夜明ダムの壮大な風貌は、巨大建造物として非の打ちどころの無い壮観なものです。

筑後川をガッチリ受け止めるその姿は、まさに雄姿という言葉が相応しい男気溢れるダムでした。



筑後川の雄姿
夜明ダム

★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム福岡県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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