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嘉瀬川ダム

堤高97m
G/FNAWIP 2012年 国土交通省

2011.11.3日見学

嘉瀬川の新しい風。


九州道鳥栖JCTから長崎道に入り、佐賀大和ICで高速を降ります。国道323を北に向い、約10Kmで、九州地方整備局が建設を進めている嘉瀬川ダムに到着します。

快晴の青空に、真新しい白いコンクリートが眩しく栄えています。
クレストに連なる洪水吐、まだ工事の続く真下に行くと、壮観な光景が目の前にありました。

嘉瀬川ダムは、水道水、工業用水、灌漑用水の供給、さらには発電も行う、なんでもできるスマホの様な新鋭ダムですが、やはり役割として大きいのは洪水調節です。

佐賀県庁をかすめるように佐賀市街を縦断し、有明海に注ぐ嘉瀬川は、天井川という事もあり、幾度となく大きな水害を繰り返して来ました。
嘉瀬川の上流には北山ダムがありましたが、農政局が管理する灌漑用のダムである為、大きな洪水調節容量を持った多目的ダムとして、新しく建設されたのがこの嘉瀬川ダムです。



クレスト中央に、取水設備、コンジットの予備ゲート室、エレベータ塔などが、すっきりとレイアウトされています。

その造形はシンプルで、特に主張する事もなければ、変に隠してしまう事もせず、「あるべき所に、あるべき物を取付けた」と、いった感じで、潔い清々しささえ感じます。



この嘉瀬川ダムのデザインに関しては、ダム便覧で、デザインされた方の詳しいインタビューが記事になっています。
http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranB/TPage.cgi?id=502

ですので、僕があれこれ書いても受け売りになってしまうので、デザインに興味のある方は是非、便覧を読んで頂きたいのですが、この記事を拝見して、実際に現地に行ってみると、「なるほど〜」と、納得する事ばかりでした。

と、言うのも、堤高は97mと100mクラス、そして堤頂長も454.5mもある巨体なのですが、スペック程の大きさを感じません。
かと言って、僕の目の前には紛れも無く、そのサイズ通りの巨大建造物が実在している訳で、他のダムにはない、嘉瀬川ダムだけの独特の「雰囲気」を持っているのです。

現実には、「巨大コンクリートダム」を観ているのですが、何故かダムではなくて「大きな真新しい橋」を観ているようなイメージなのです。

重力式コンクリートダムの「重さ」を感じない・・・と、言った感じでしょうか?。



何故そんな風に見せているかは、インタビューを読むと、意図していた事が解ると思います。

でも、単純に押し出しを抑えて、シンプルに作れば良いと言う訳でもなく、細部を観ると、取水塔の角を大きく面取したり、洪水吐のピア先端部の角も落とすなど、コンクリートのマス感を意図して抑え、計算されたデザインが施されている事が分かります。



見学に訪れた2011年の11月初旬は、サーチャージに向け試験湛水も大詰の時期でした。
ダム本体の施工は完了していますが、管理所付近など、ダム敷地内にはまだ入る事が出来ません。

管理所もダム本体とお揃いのデザイン。
何処か、どうお揃いなのか?と、聞かれそうですが、お揃いの「雰囲気」と言うのがミソです。

入口の軒下には、新品の巡視艇(?)が仮置きされていました。



450mを超える長い天端。
街路灯が流行の高欄埋込みではなく、オーソドックスな物ですが、これも意図して採用しているのかと思います。

訪問時は未だ立入禁止でしたが、今年の4月から天端も入れる様になったそうです。(夜間は立入禁止)



ダムサイト右岸のすぐ上流には道の駅ならぬ、「ダムの駅」がオープンしていました。
嘉瀬川ダムは佐賀市街から玄界灘に抜ける国道323沿いにあり、家族連れの車や、ツーリングのライダー達で溢れていました。



ダムの駅の裏手から。
並々と水を湛える嘉瀬川ダム。



一年以上前の、昨年の10月から試験湛水を開始。
現在サーチャージまであと数メートルといった所です。

見学した2週間後の11月19日に無事サーチャージを迎え、越流の様子は一般公開されたそうです。(惜しいなあ、観たかったなあ)



ダムの駅の裏手からは、湖畔を散策できる公園になっているみたいですが、試験湛水に伴う水没の為立入禁止。

100年に1度の大洪水を想定していますが、こうやって咽かに湛水の様子が見えるのは、これが最後でしょう(大洪水の時は、それどころじゃない)



ダムを眺める湖畔には芝生とベンチ、秋の日差しも柔らかで、和やかな感じ。

地元の方々の目に、嘉瀬川ダムはどう映っているのでしょうか。
嘉瀬川ダムは、度重なる水害から守ってくれる頼もしい存在です。



結構真剣に読んでます・・・。
ダムガールとして将来有望??。

彼女が大きくなる頃は、かつて佐賀市で水害があった事は、きっと遠い昔話になるのです。



3月20日にめでたく竣工式が行われ、無事完成した嘉瀬川ダム。

街を守り、人々の暮らしを支え、背負う責務は重いけど、
秋空の元、颯爽とした佇まいは清々しく、
その姿は、ダム界に吹く新しい風を感じさせるのでした。



嘉瀬川の新しい風

嘉瀬川ダム
★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム佐賀県 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2012/09/27 2:45 PM posted by: yasu
はじめまして、楽しく拝見させて頂いてます。

嘉瀬川ダムに1年前に来られたんですね。

今は季節もよく堤体上を歩くにも最高ですよ。

ちなみに管理庁舎の写真には私の車が写ってました(・o・)
 
2012/09/27 5:35 PM posted by: あつだむ宣言!
yasuさま
はじめまして、コメントありがとうございます。

残暑もひと段落して、ようやく心地よい陽気になって来ましたね。
真新しい天端、いいですね〜是非散策してみたいです。

昨年訪問した時はまだ工事中でしたので、yasuさんは関係者さんなのですね!
2012/10/06 11:45 AM posted by: yasu
あつだむ宣言!さま
こんにちは、コメントへの返信ありがとうございました。

嘉瀬川は涼しく、過ごし易い季節になりましたね(*^_^*)
この連休期間も人が多いのではと思っています。

私自身は一応関係者ですかね、去年の試験湛水から携わり、今年はダム管理支援業務をしています。
気候もいい時期のお越しをお待ちしております♪
2012/10/08 9:07 PM posted by: あつだむ宣言!
yasuさま
こんばんは、ダム管理のお仕事お疲れさまです。

竣工して初めての秋ですね。
この連休は天候にも恵まれ、沢山のお客さんで賑わっていた事かと思います。

九州は遠くてなかなか行けませんが、まだまだ行ってみたい所が沢山あります。
次に九州を訪れる時は嘉瀬川の天端も必ず訪れたいです。
今後とも宜しくお願いします。
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