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普当池

堤高17m
R/A 1956年 高知県営

2011.10.8見学

ミステリー・ゾーン。


最新鋭の綺麗なダムも好きですが、どちらかと言うと古くて渋いダムが好きです。

一日で幾つものダムを巡る時は、古いダムは極力落とさずに見学しています。
いつもコンクリートダムが主体ですが、ロックフィルも特徴があったり、竣工が古いものは観るようにしてきました。

日本のロックフィルで、歴史ある古いダムベスト3はこの3基です。

第一位
日本最古のロックフィルは、岐阜県の小渕防災ダム。
完成は1951年です。
丸山ダムや小里川ダムなども近く、古いダムですが比較的訪れやすいダムです。
ダム湖の上を東海環状自動車道が通過しており、知らない間に通過しているという人も多いのではないでしょうか?



第二位
岩手県の石淵ダム。
小渕防災ダムよりも着工が早く、見方を変えればこちらの方が古いとも言えます。
小渕防災ダムは、1948年着工、1951年完成。
石淵ダムは、1945年に着工、完成は1953年です。
現在真下に胆沢ダムがほぼ完成しており、やがて胆沢ダムの湖底に永久保存される事となっています。



第三位
天空の楽園こと、群馬県の野反ダム。
こちらは1953年着工、完成は1956年です。
非常に美しいロケーションの中にあり、とても好きなダムのひとつです。



さて、日本のロックフィルを古い順に3基ほど観て頂きましたが、この3基が一般的なロックフィルとは少々違う事に気が付かれたでしょうか?。

そうです、この3基全て表面遮水型なのです。
鉄筋コンクリートの遮水壁で水を留めている、ごく初期のロックフィルに採用されていた型式です。
そうとなれば、ある疑問が生れるのは至極当然と言えます、その疑問とは・・・。

「日本で最初にコアを持ったゾーン型ロックフィルはいったいどのダムなのか?」

ダム便覧で調べてみると、野反ダムに次いで4番目に古いロックフィルは、高知の「普当池」というダムである事が判りました。

しかし、ダム便覧には写真が1枚も無く、遮水の型式も、どの様な姿のダムであるかも判りません。
それどろか、位置さえ未確認であり、普当池というダムが本当に実在しているかも確証がありませんでした。

と、言う事で、位置未確認の普当池を発見し、表面遮水であるか、それともゾーン型であるのか、その疑問を解き明かす為、四国は高知へと向かったのでした。

地形図と衛星写真で、事前に目星を付けた池に向かいます。
土佐湾の海原を右手に見て国道55号を東進、御殿ノ鼻という小さな岬の辺りで左折して山側の集落の中へと車を進めます。

河川は赤野川水系赤野川・・・ん、何処かで聞いた事ある・・・。
しかも、この道は見覚えがあるぞ、わりと最近この道を通ったな・・・。
実は、半年前に訪れたジル蔵池のすぐ近くだったのでした。

目星を付けていた池に到着。
堤体の上はアスファルト舗装の農道となっていて、堤高はどうみても5m程度。

これが普当池なのか?。
しかも、堤体の造りはどうみてもごくありふれた野池であり、もし堤高を満たしていてもアースダムに分類されるものです。



わざわざ高知まで来て、なんか違う感じの野池だった・・・ではあまりにも中途半端です。
周辺の農道を行き来して、周囲をくまなく探査しましたが、結局それらしい池の発見には至りませんでした。

こうなったら、現地で情報収集です。
農作業中の地元のおじさんに声を掛けてみました。

「こんにちは、すみません、あそこの野池は何という池ですか?」
「あ、あれは〇〇池だ」 (池名は念失)

「そうですか、普当池という池を探しているのですが、ご存じありませんか?」
「普当池?・・・あんた、どうせこれじゃろ」
(ルアーロッドを振るジェスチャー、バス釣りが嫌われている様だ)

「いえいえ、釣りではなくて、溜池の調査をしています」
「あ、そうですか!、えーっと、普当池はですね、この道を・・・」

と、いうやりとりを経て、ついに普当池の場所が判りました。
「溜池の調査」という言葉がかなり有効に働いた様で、かなり詳しく教えて頂く事が出来ました。調査と言っても、バス釣りと同じで個人的な遊びには変りないのでかなり恐縮。

何はともあれ、ともかく普当池と名の付く池が、実在している事はこの時点で確定しました。

集落の外れから林道に入ります。
500mほど進むと、コンクリート舗装が終わり、道はダートになります。
このコンクリート舗装の終点が普当池の目印です。



路肩に車を停め、林道の下を見ます。

あった!

林の木々の向こうに水面が西日を反射して輝いて見えました。



林道からダム本体までの道は、獣道的なラフロード。
つる草に足を取られ、転びそうになりながら水面の方に向かいます。

見えて来ました。
これが、四国初、いや、近畿以西で最初に完成したロックフィル。
そして、日本初のゾーン型ロックフィルダムなのでしょうか!?。

ざざざざざっ・・・。
はやる気持ちを抑える事が出来ず、斜面を駆け下ります。



がさがさがさ・・・・。

斜面を駆け下りると、いきなり左岸端の洪水吐の中に降りていました。
吐の上に橋が無く、左岸から天端へ向かう場合、洪水吐の中を横断する事になります。

そして、この洪水吐の中から普当池の堤体を観ます。

どきどき。



んんん・・・・・・?

なーんかイメージ違う。

ロックフィルダム・・・と、いうか。

・・・アースダム???。



草むら状態の天端を進みます。
ほとんど人が訪れる事が無いのか、踏み跡もありません。



天端から下流。
堤体の真下は当然といった感じで林になっています。

そこそこの堤高があり、目測ですが普当池の堤高17mと合致しました。
ここが普当池と考えて間違いなさそうです。

ただ問題は、そこにはロックフィルらしいリップラップはなく、天端の草むらがそのまま下流面全体を覆っています。



天端を渡って右岸に来ました。
岸に耕運機が置いてありました、右岸にも道があるみたいで本当はこちら岸から行くと良いのかもしれません。

水面の上に見える石貼は、見様によっては整形リップラップに見えない事もありません。
山林の中なので、完成後半世紀の間にリップラップ全体が雑草に覆われてしまったのでしょうか?



下の写真は、同じ水系で3キロほど上流にあるアースダムのジル蔵池です。
竣工は普当池の前年の1955年なので、同じ時期に造られたダムと言えます。

普当池と良く似ています・・・。
素人なので外観でしか判断できませんが、同じと言っていいと思います。



疑った目で観ると、アースダムにしか見えない堤体です。

ダムの周辺は赤土の山林で木々が茂っています。ロックフィルの主な材料である石材が沢山取れるような感じではありません。
この場所にロックフィルを築堤するには、別の遠い所から原石を運び入れる必要がありそうです。

また、投石法で築堤したとすると、トロッコの軌道の名残があっても良さそうですが、その様な遺構も見つける事はできませんでした。

ダム友の夜雀さんに意見を伺ってみると、
堤高が17mしかないのなら、均一フィルのアースで充分築堤可能な規模である。
ゾーン型にしろ、表面遮水にしろ、ロックフィルで造らねばならない理由が無い。
との考察を頂きました。おおおお、流石は少佐、指摘が鋭すぎる。



結局、表面遮水ではないと言う事は解ったものの、ロックフィルダムであるかについては結論に至る事ができませんでした。

また、位置未確認ダムを確定するには石碑や銘板などでダム名か、池の名称を確認し、本当にそのダムであるかの確認が必要なのですが、位置未確認物件の捜索は初めてで、僕の調査力ではそれらを発見するに至りませんでした。

その後、位置未確認ダム探査の東の雄、D侍さんの現地調査により銘板が発見され、この池は正式に普当池と確定される事になりました。
現在はD侍さん撮影の写真と共に、ダム便覧に位置情報も記載されています。

また、ダム協会から普当池の管理者様にダム型式の再確認を行なって頂いたのですが、「ロックフィルダムである」という回答であったそうです。

うーむ。謎が謎を呼ぶダムミステリー。

ミステリー・ゾーン。
普当池
★★


ちなみに、普当池を探して林道に入った時、ダムの水面を見落として、ダート林道をそのままずっと奥まで行ってしまいました。

轍掘れ掘れダート。
下手に停車すると亀になってしまいそうだったので、突っ切ったらフロントが大変な事になっていました。
これもダムを見落として行き過ぎた為でしたが、自分のダム巡り史上最も過酷なダートでした。
普当池に行かれる人は、くれぐれもご注意を!。

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム高知県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
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Comment
2012/03/21 8:35 PM posted by: だい
レポお疲れ様でした。
実は浦法の雑草を引き抜いたら岩が見えるのかと思いちょっと抜いてみたのですが・・・(あくまで調査の為)岩は見えませんでしたww

Rと言えど現在の工法では景観保護の為に土を被せてるとこも有ります。
ですが50年以上前にそんな事が行われていたとは思えないですね・・・

まあ、疑問は残りますが個人的に位置未確認ダムが減った事は良かったと思っています。


PS
デミオ君のラバーリップ。
よく残ってますねw
岡山でのレンタカーがデミオでしたが溜池天国の岡山であのラバーリップ、べろべろに取れましたwww

2012/03/21 9:43 PM posted by: あつだむ宣言!
まいどです!。

普当池、現地で半分諦めかけていたのですが、粘ってみて良かったです。
ほとんど人影も無いし、場所を教えてくれたおじさんに出会ったのも奇跡でした。


ラバーリップ。
既に何度も外れてます(笑
バンパーがごっそり外れかけた事も(汗

岐阜に帰ってから隙間に詰まった赤土をほじって落としてたら、親指くらいの木の枝が挟まっていましたー。

ほんとは足回りいじって、少し下げたいのですが、この趣味を続ける限り無理ですね〜(笑
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