無料ブログ作成サービス JUGEM
←prev entry Top next entry→
三縄ダム

堤高17m
G/P 1959年 四国電力

2011.10.8見学


若宮谷ダムを観た後、そのまま県道32を北上すること約12Km、県道から見下ろす位置に見えるのが四国電力の三縄ダムです。

堤高17mと低いのですが、ゲートピアがとても高く、ふたまわりは大きなダムに見えます。もし堤高がピアの頂上という事だったら、堤高は30m近いかも。

そのあたりはダムキング佐久間と同じで、ちょっと損をしています。
佐久間ダムもピアの高さまで含めたら、間違いなく奥只見ダムを軽く超え、重力式では高さナンバー1のはずです。



県道からダムへ降りる道は車両進入禁止です。

歩いて行ってみようかな・・・?。少し迷って諦めました。
不審者には違いないから、迷惑になるかもしれないので。



高いピアをやや上流から。

水の透明感も印象的。
白っぽいコンクリートと、淡く明るいグレーのペイントもよく似合っていて、蒼い湖面に映えます。
白い部分と、少し黒ずんだ部分の比率がなんだか白馬を連想させ、妙にカッコよく見えたりします。



明谷ダムにも通ずる角ばったゲートピア。
両岸にある自然越流のゲートは、対照的に丸く分厚い感じ。

そして、ローラーゲートの下流面に注目。



そうです、またしても石張りです。

三縄ダムの竣工は1959年。
堤体の整形目的ではなく、完全に表面保護を目的とした石張りです。

このタイル状に貼られた三縄ダムの石張りは、NASAの宇宙開発計画に影響を与え、
スペースシャトルに採用した耐熱タイルへと繋がりました。


うそです。



澄んだ水面の下には所々石張りが痛んで剝れていました。
それだけ激しい川だと言う事でしょう。

NASAが総力を注いで開発した耐熱タイルだって、最初の頃は時々剝れて問題になったくらいなので、石張りだってはがれる事もあります。



四国のダムを観ていたら、ダムの石張りには、実は色々な種類があるという事が良く解りました。

整形の型枠を兼ねて石を積み、内部にコンクリートを充填して堤体を築いた石張りダム(メイソンリーダム)と比べ、この三縄ダムは、石張りでありつつも、メイソンリーとは呼べないタイプだと言えます。

このタイプの石張りは決して三縄ダムだけでなく、例えば仁淀川の筏津ダムでも、左岸端のゲートに採用していたと思います。(筏津ダムの場合は、さらに鋼板で重武装)

四国以外でもきっと見つかるとは思いますが、四国のダムの特徴のひとつと言えると思います。



スペースシャトルが初飛行した頃、僕は小学生で、
「NASAが開発したくせに、表面はタイル貼りなんだー」
と、風呂場の水色やピンク色のタイルを連想して、なんだか微妙にガッカリした記憶があります。

戦後10年以上経過して、型枠でのコンクリート整形が確立していても、一見時代遅れに見えるけど採用されていた石張りに、なんだかスペースシャトルの耐熱タイルがオーバーラップしてしまうのでした。

三縄ダム
★★


おまけ。

先日、明谷ダムのレポートで「石積み」と「石張り」の違いについて書いたところ、先祖代々石積み職人の家系という詳しい方からアドバイスを頂きました。

石積みと石張りの区分は勾配によるのではなくて、もっと設計上の違いによるものとの事でした。
具体的には、石を外しても設計上の安定条件を満たし、構造として成り立つものを「石張り」、そうでないものを「石積み」と区分されるそうです。

そうなると、今まで「石積堰堤」として紹介してきたダム達も、表面の石を外しても内部のコンクリートでダムとして自立し、ダムの堤体として水を遮断する事が出来ますから、全て「石張堰堤」と言う事になります。

但し、これらの考え方は各土木分野で統一されたものではなく、分野によって異なり、それが全てではないとの事ですが、メイソンリーダムは下流面の傾斜に関係なく、「石積」ではなく、「石張」と表現した方がより正しい様です。

土木の世界って、知れば知るほど奥深くて面白いですね。

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム徳島県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
name:
email:
url:
comments:
Trackback
http://side-way.jugem.jp/trackback/843