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若宮谷ダム

堤高32.2m
G/P 1935年 四国電力

2011.10.08見学

ミステリアス・ビューティー。


名頃ダムの後で無事に給油を済ましたあと、国道439から県道32に右折します。

祖谷川にある高野発電所を過ぎた所で、趣のある姿に車を停めて見入ってしまったのが、明谷ダムのレポでも紹介した、四国電力栗寄取水ダムです。
今から目指す若宮谷ダムは、この取水堰堤から水が送られています。

ガラスのように透き通った祖谷川の水に心が洗われます。



祖谷のかずら橋など観光名所をスルーして、西祖谷中学校の手前から細い山道に入ります。
若宮谷ダムは中学校のすぐ裏山にあります、500mも登らないうちに渋いコンクリートの堤体が見えてきました。

若宮谷ダムに限らず、ダムと学校というのは意外と近い場所にある事が多いです。
多くは、水没集落にあった学校の移転が想像できます。(岐阜だと横山ダムや、高根第二ダムなど)
若宮谷ダムの場合、水没範囲も狭く、戦前の古いダムなので、建設プラントや資材置き場などの平坦で広い跡地が、後の学校の建設地にうってつけだったのかもしれません(想像)。

洪水吐を持たない若宮谷ダム。
とてもシンプルで綺麗な堤体というのが第一印象でした。



シルエットがシンプルな事もあり、クレストのコンクリート高欄が際立っています。
高欄から垂直に落ちた下流面は、大らかなバケットカーブに繋がっています。



オールドダムで時々見かける、堤体表面のコテ跡のような模様。
佐世保の菰田ダムでは、もっとはっきりした模様が確認できます。

縦横の継目が汚れで目立つ事を避ける為、表面にモルタルを塗っているのかな?
と、思いましたが、そんな施工方法の存在も含め、僕の想像です。



調整池のような役割の若宮谷ダムには洪水吐がありません。
一番下部にあった穴は、排砂や仮排水などかと思います。



中学校から登ってきた道から脇道に降りると天端へ行く事ができます。
意外にも天端は解放されていました。

登ってきた道は、ダムが終点ではなく、この先にも集落がある様でした。



親柱がすごいボリューム。
柱の上に立派なブロンズ像を飾りたいほどです。

その間の通路は幅1.5mといった感じで、真っ直ぐ左岸に通じています。



右岸から天端を歩くと、最初に目に飛び込んで来たのは、この謎の構造物です。

奥の丸い物は、発電所への取水口と観て間違いありません。
上部がアーチ状に丸いスクリーンが洒落ています。

問題はその手前、湖面にせりだしているコンクリートの物体です。



大小、上下2段に、くちばしの様にせり出している形。
せり出しの下面に穴等があり、水か空気でも出入りするのか?と思ったのですが、水面の鏡越しで観察する限りでは、そんな穴がある様にも見えません。側面の太いダクトも気になります。

調整池のような若宮谷ダムですが、一応上流から流れ込んでいる谷川もあります。
ひょっとしたら洪水時の吐のような働きをする「何か」?・・・かも。
うーん、全くもって何なのか解りません。



不思議な構造物に目を奪われがちですが、この青い湖水も驚きです。

群馬の四万川ダム、長野の豊丘ダム、静岡の大間ダムが、僕が見た日本3大青色湖水ダムですが、それに続く第四位の青さです。

さっき見た、祖谷川の栗寄取水ダムの水は、澄んでいましたが色味はだいぶ異なります。
このダムが堰き止めている、若宮谷川の水が青い色をしているのかもしれません。



貯水池は小さく、幅はダム本体の部分が一番広く、奥行きも100m強といった大きさです。
上流部の左岸に見える構造物は、祖谷川からの水の出口かと思います。

その奥にもコンクリートの堰堤が見えます。
ひょっとして、このダムは上下2段になっているのかも。



天端から下流を見下ろします。
堤高32.2m 堤頂長93m。

非常にバランスの良い整った逆三角形の堤体です。



天端から左岸を観ると、巨石文明を思わせる構造物が見えます。
ダム建設時の遺構でしょうか?。



天端を渡って左岸に来ました。
綺麗なV字の堤体がとても美しいダムです。

ゲートが無く、下流面に導流部のないシンプルな形状

祖谷川を堰き止め、ここに水を送っている栗寄取水ダムは、全面を切石で覆った石貼堰堤でした。
同じ時代に建設されたこの若宮谷ダムは、当時、既に当たり前となっていた型枠整形によるコンクリートダムです。

この事からも、四国のダム(堰堤)は、コンクリートダムの築堤にもはや石積を必要としなくなっていても、河川の中に築堤する場合は、激流による摩耗を防ぐ為に、表面に石材を採用し続けていた事が推測されます。

また、それは、四国の河川というのはとても荒く激しい川である事を物語っているのかもしれません。



左岸の巡視路は立入禁止なので、一旦右岸に戻り、車で来た道を登ります。

苔とカビの色が味わい深し。
蒼い水とのコントラストはファンタジーの世界。



祖谷川からの水の出口と思われます。ずいぶんと複雑な形をしています。

それにしても水が青い!。



小さな貯水池の最上部にある堰堤ですが、若宮谷ダムの小型版といった感じで、下流面勾配もあり、ちゃんとした重力式コンクリートダムの形をしています。

しかし、残念ながら立木に阻まれてほとんど見えません。
この上流の堰堤に行く道は、立入禁止だった左岸の巡視路しか無く、これ以上は不明です。

上流に水面は無く、水は貯まってはいないなので、砂防目的の堰堤なのかもしれません。



四国のオールドダムのひとつ、若宮谷ダム。
非越流タイプのその姿は、大分の女子畑第二を思い出しました。

蒼い湖水のヴェールをまとったミステリアスな美女、といった若宮谷ダムでした。



若宮谷ダム
★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム徳島県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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