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高西ダム

堤高16.8m
A/FA 1954年 徳島県営

2011.10.8見学

行く価値無しなんて言わないで。


昨年の秋、4月に続いてこの年2回目の四国遠征に行って来ました。
四国はダム巡りでしか行った事がありませんが、景色は綺麗だし、どのダムも魅力的でお気に入りの場所です。

四国の形をざっくりイメージすると、四隅が尖った四角い形をしていて、4箇所の角には、それぞれ特徴のある個性的なダムが鎮座しています。
南東の室戸岬には、イナズマ模様のロックフィル・魚梁瀬ダムがあり、土佐湾を挟んで南西の足摺岬には階段状の下流面を持つデザインダム・中筋川ダムが。
その中筋川から北上して北西には迫力溢れるダンディ・野村ダムがどっしりと構えています。

そして、四国の鬼門である北東の個性派のダムこそ、今回の四国遠征の最初のターゲット、コンクリートアーチの高西ダムであり、いつか必ず行かないと、四国のダムを観た事にならないと思っていたダムでした。

しかし、今までこの高西ダムを訪問したマニアが口を揃えて言う言葉があります。

「ああ、高西ね。あそこは行かなくていいよ」 「高西ダム?わざわざ行く価値は無いねえ」

こちらから質問をしたつもりも無いのだけど、高西ダムという名前を耳にしただけで、行った事のあるマニアは誰もがそう第一声を発するのです。

行く価値が無いなんて・・・・しかもレア形式のアーチなのに・・・。

そんな事前情報に少し不安になりつつも、ダムへ向かう道の入口に到着。

徳島道を土佐インターで降りて数キロ。
高西ダムへ向かう道は、ほんとうにこの先にアーチダムがあるのか?と疑わずにいられないほど、ひっそりとした道です(ひっそりと言うか、こっそりという感じ)

ダートの山道は、以前は軽トラくらいなら通れそうな道でしたが、この日は路肩の崩壊が激しく、4輪は物理的に走行不能な状況でした。

うーん、不安だ。

長靴に履き替え、いざ四国の鬼門を守る高西ダムへ。



さらに不安がつのる謎の立て看板。

罠!??

僕は生きて帰ってこられるのか???



ダムへの道と言うのは、管理者が時々巡視する為、普通それほど荒れてはいないものです。
現役のコンクリートダムへ向かう道としては、最高ランクのラフロード。

左手の崖下に川があるので、とりあえずこの道を歩けば高西ダムに行き付くはずです・・・たぶん。

途中、いくつか石積の砂防堰堤を観ました。



湿った土が匂うダートを歩くこと15分。

立木の向こうに水面が見えました。
水面に気付かないと、通り過ぎてしまいそうです。
ダムへの道と同じで、ひっそり、こっそりと、高西ダムはありました。



アーチダムのダムサイトはどこも狭いものですが、このダムの狭さはまた違った意味での狭さ。
道と言うよりも、護岸のコンクリートの上面といった感じ。
これ道?。



そして天端、苔生して滑るコンクリート。

貯水池側は一切ノーガード。
下流側は一応手摺がありますが、錆色の華奢な手摺は信頼出来そうもありません。



アーチダムと言うと、山深い所に多く、その事もあり発電用ダムのイメージがありますが、高西ダムは灌漑用のダムです。

また、便覧によるとFAとあるので防災の役割もある様です。
さっき見た石積の砂防のイメージが頭に残っていました。
防災→砂防?、灌漑兼砂防アーチ???(あくまで僕の思ったイメージです)

最近、その防災の仕事をしたのか貯水池は濁流に淀んでいました。



ぎゃはぎゃはぎゃは。
大きな羽音を立てて水鳥が飛び立ちました。

誰も居ない静まり返った山中なので、結構驚きました。これも罠か?。



慎重に天端を移動。

水通しのようなゲート部。
ヒレのような支柱には板が入るようなスリットがありました。
スリットは現在は使われてはいないと思いますが、板の取り外し、危なくないですか?

ゴミ等を取るのか?天端には竹竿が常備。

手前はスピンドルのハンドル。



そーっと下を覗いてみました。
堤高16.8m、堤頂長37.5m
日本に50数基あるアーチダムでは、最も小さなダムです。(15m以上のダムとしては最小)

ぎりぎりダムと名のつく高さなので慣れっこの高さですが、水が淀んで不気味な上に、手摺が信用出来ないのでいろんな意味でかなり怖いです。



垂直な下流面に沿って伸びるスピンドルシャフト。
設備が無防備なのは、ダムが好きだと言う理由で、こんな山の中に人が来る事を想定していない為です。
管理者様を裏切らない為にも、絶対にスピンドルには触らないように。



妙に後付けっぽい気がしないでもない板を入れるヒレ。
本体とはコンクリートの整形の仕方が違うから後付のように見えるのかも。

なんて見ていたら、越流部分の表面・・・あ、石だ。



1954年に完成したコンクリートアーチの高西ダム。
コンクリートダムが石積で造られていたのは、もう既に昔話になっていた時代です。

一見、硬そうに見えるコンクリートも、土砂混じりの濁流に対しては激しく摩耗してしまいます。
かつてコンクリートダムが石積で造られていた理由は、整形の型枠という事の他にも、石はコンクリートに比べ耐摩耗性に優れる、という理由もありました。

近代的な宇奈月ダムであっても、排砂設備にはステンレスプレートに混じって天然の石材が採用されています。



こっそりと林の中に隠れるように日本最小アーチの高西ダムがありました。

石貼のクレストゲート。
メジャーな石積ダム(メイソンリー)が少ない四国ですが、こんな部分的な石使いが四国のダムの特徴なんじゃないかと気が付いたのは、今回の四国遠征の中盤以降になってからでした。

そんなヒントをくれた高西ダム。

人に行くことを勧めれるダムかと聞かれれば、もっと他に行くべきダムがあると言うのが正しい答えでしょう。但し、個性的なダムである事には間違いありません。



高西ダム
★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム徳島県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2012/02/28 10:53 PM posted by: 夜雀
更新お疲れ様です。

わぁお。
高所恐怖症なのによく行きましたね。
お勧めできなかったのはそういうところもあるからなんですが。

最近、やっぱり高所恐怖症、治ってきているのでは?

アーチ形砂防堰堤に酷似しているけど立派な貯水ダムの高西です。

位置特定するときは苦労しましたが今はメジャーの仲間入り。

    夜雀 拝
2012/02/29 12:33 PM posted by: あつだむ宣言!
お疲れさまです。

はい、夜雀さんの調査のお陰で迷うことなく現地に到着しました。
夜雀さんが探してくれてなかったら、たぶん辿り着けていないと思います。感謝感謝。

高所恐怖症。
高西は高くないからなんとか行けました。
でも、上から見下ろしてる写真は腕を伸ばして山勘で撮ってます(笑)
テレビでバンジージャンプとか、絶叫マシンとかの映像も未だにダメな時があります。映像でも無理なので、まだまだかなあ。
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