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愛本堰堤

堤高不明(洪水吐ゲート高さ3.5m)
G/AP 1973年 富山県営

2011年6月某日見学


ダムに興味がないと言う人でも、名前くらいは誰もが知ってる黒部ダム。
黒部ダムがあるのは黒部川ですが、黒部ダム以外にも沢山のダムがある川です。

その黒部川のダムの中で、最下流にあるのが愛本堰堤です。



現在の愛本堰堤は1973年に完成した2代目です。
先代は現在よりもひと回り小振りで、ローリングゲートを持った堰堤でした。

3000m級の北アルプスを源流とし、わずか85kmで富山湾に注ぐ黒部川は、日本有数の急流河川です。
そんな黒部川に昭和7年に完成した先代の愛本堰堤は、幾度となく水害に会い、その度に補強や改修をしてきましたが、1969年に発生した大洪水により甚大な被害を受けてしまいます。
また、この大洪水は流域全体に大きな被害をもたらし、上流の宇奈月ダム建設のきっかけになりました。

現在の愛本堰堤は、先代の堰堤の上流150mの位置に造られました。

上流左岸からの愛本堰堤。
エメラルドに澄んだ水は黒部川独特の色合いをしています。



対岸の右岸に見える取水設備。
取水設備はこちらの左岸にもあり、両方から水を取っています。

主に農業用水を取水する富山県の設備ですが、北陸電力さんにより発電と管理も行われています。

また、農業用水は田畑を潤すだけではなく、下流の都市部では防火用水や、消流雪用水としてもこの水が利用されています。



高いゲートピアにニョキニョキ生えた建物。
ごちゃっとした階段の間をよく見ると鉄管が見えます・・・。

ゲートピアの上を鉄管で送水している様ですが、何であるかはよく解りませんでした。



対岸(右岸)を観ると立派な発電所が見えます。
こちらは関西電力の愛本発電所です。黒部川の関西電力では最下流の発電所です。
最上流の黒部ダムから幾つもの発電所を経た水は、ここでようやくゴールです。



左岸にはこんな可愛い建物がちょこんと建っていました。
「国土交通省黒部川河川事務所、愛本陸閘等操作員待機所」と、ありました。

有事の時には、河川事務所の職員さんが、ここに詰めるのでしょうか?
暴風雨の中では少し頼りなく感じる小さな建物ですが、金属製の窓のガードが本気です。

ちょっと散策しただけで、北電、関電、国交省といろいろな名前が出てくる場所です。それだけ重要な場所という事かと思います。



少し歩いて堰堤の左岸に来ました。
ここは北陸電力さんの建物の様です、建物は堰堤本体と一体になっています。

車道の上を例のピア上の鉄管が渡っています。



左岸を建物が占領していて、真横から堰堤を観る事は出来ません。
見上げると、ピアの上の建物が、怪しいダムファンを見下ろしています。

うむむ、監視されてる気分〜。



少し歩いて愛本堰堤の下流に架かる愛本橋に来ました。
下流真正面からの愛本堰堤です。

洪水吐として2門のシェル構造ローラーゲート。
左岸に土砂吐のローラーゲートと階段式魚道を持っています。



遠目で観るとスケール感が湧きませんが、洪水吐のシェルゲートは高さ3.0〜3.5m、幅は1門で37mもあります。青い土砂吐ゲートも4.2m×10.0mと、決して小さくありません。

青い水が爽やかです。
訪れたのは6月ですが、まだまだ雪解けの水も混じっている事かと思います。



愛本橋から右岸を観ると、古いコンクリートの遺構が見えます。
これは先代の旧愛本堰堤の取水口だそうです。



上流に宇奈月ダムか完成して、かつての様な大洪水には見舞われなくなった愛本堰堤。よくやく本腰を入れて本来の仕事ができるって感じでしょうか?。

急流河川黒部川は、この愛本堰堤から平野になっています。
愛本堰堤の用水系統図を観ると、この愛本堰堤から扇を開いたかの様にに、無数の用水に送水されている事が解ります。

とっても働き者の愛本堰堤なのでした。



愛本堰堤
★★

2012.2.10 訂正
「川ではない、滝だ」と、言われた川は黒部ではなく常願寺川でした。
また、その言葉を発したのはデレーケと言うのは諸説ある様です。
そのほか、内容訂正しました。


おまけ。
堰堤下流左岸にある川灯台。
平成5年に建てられた物の様です。

これって、同じ黒部川で似た物がありますよね。
そうです、宇奈月ダムの湖畔にある関西電力新柳河原発電所(お城みたいな発電所)です。

ひょっとして、新柳河原発電所のデザインルーツ??。
現在、この場所に川灯台があるのも謎ですが、かつでこの場所に、このデザインの元となる灯台があったのでしょうか?。

建てられた平成5年と言うと、旧柳河原発電所が撤去された年でもあります。
ひょっとして、旧発電所となにか関連あるデザインなのでしょうか???。

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム富山県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2012/05/06 12:11 AM posted by: たんご
別のことを検索していましたら、貴サイトが目に留まりました。
気の付いたことを2−3点書かせてもらいます。
ゲートピアの上の鉄管は、愛本発電所の貯水槽から分水取水されて宮野用水へと送水されている鉄管です。
堰堤下流左岸にある川灯台は愛本における流水量などを監視するカメラが設置してあると聞いています。データー送信用の設備もあるのかと思います。愛本は黒部川の水がすべて集まりかつ川幅も60mほどに狭くなっています。
それゆえこの地点は河川管理の上で重要な場所なのだと思います。
2012/05/06 9:35 AM posted by: あつだむ宣言!
たんご様
はじめまして、こんにちは。

情報ありがとうございます。
川灯台に監視カメラですか、なるほど納得です。

ダムに興味を持つようになって、数年になりますが、ダムって社会全体のインフラに広く関っていたりするのでまだまだ知らない事が多いです。

ですので、ダムマニアではない他分野の方のコメントはとても勉強になります。
ありがとうございます。
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