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天王ダム

堤高33.8m
G/F 1980年 兵庫県営

2010.06.04見学

神戸の守護神。


今日は神戸に来ています。
神戸は港町のすぐ背後に、険しい山を控える独特の地形です。
天王ダムも、神戸の中心である三宮から直線で4〜5kmしか離れていません。

まずはダムの上流側からファーストコンタクト。
公園の奥にコンクリートの堤体が見えて来ましたが、ちょっと他のダムとは景色が違います。



それもそのはず、天王ダムは治水専用のダムなので、普段の水位は極端に低く、水の無い湖底を車で走ってここまで来られるのです。




今まで岐阜や静岡、三重などで同じような治水専用のコンクリートダムを訪問しましたが、水没するエリアに立ち入れるダムはこの天王ダムが初めてです。

しかも、水没範囲の中には野球場まであり、公園として地元の方の憩いの場として利用されています。
水没するエリアに公園なんて!?と、ちょっと驚きですが、河川敷のグランドや公園と同じですね。



堤体の中央にゲージに囲われた放流設備。

貯水ダムのオリフィスとは付いている水深が違いますが、一応水位を調節しているゲートなのでオリフィスと呼んで差支えないですよね。

穴あきダムとして紹介される事の多い天王ダムですが、オリフィスゲートで「水位」を調節していますから、「穴あき」と言うよりも「極端に水位の低いダム」なのかと思います。
(今まで観て来た他の穴あきコンクリートダムは、カラカラに水が無い)



見上げると非常に天地に薄いクレストゲートが並んでいます。

橋梁のようにクレストに鎮座する天端。



ダムを見上げた位置から天端へ行く道を探しましたが、それらしい道は途中で途切れていました。
天端へは、一旦国道428へ戻りトンネルの脇の狭道を入って行きます。



湖畔沿いの曲がりくねった道を進むと、ダム管理所があり、さらにその奥が天端です。天端の横には、兵庫県のダムではおなじみのタイムカプセル。



シンプルな天端です。
ですがカラータイルの路面は、お洒落な神戸っ子を主張しています。



天端から上流方向。
遠方に鈴蘭台の街が見えます。

ウエーディングのバサーが居ますが、本来は釣り禁止です。
(ウエディングじゃないですよ、水の中に立ち込んで釣りをする事をウエーディングと言います)



こちらは下流面です。

すぐ真下に国道428が通過しています。その国道からもダムは見えますが、交通量が多く、駐車できる場所も無いので、走行中の瞬間だけしか見る事は出来ません。
(根性据えて遠くから歩けば下流から見上げる事が出来るみたいです)

折角なので真下に駐車スペースを造って欲しい気もしますが、不法投棄の防止から難しいのかも。
また、非常にタイトな谷なので、物理的にスペースを確保する事は無理っぽいです。



右岸まで歩いてきました。
バケットカーブの無いクールな表情です。



上流側はこんな感じ。
対岸の白い建物が管理所です。



上流側に降りていける階段があるのは、水を貯留しないダムならではですね。



再び折り返して左岸へ戻ります、これはクレストの洪水吐の越流部です。
天端が少し下流にオフセットしているので越流部を上から観る事が出来ます。

自然越流の洪水吐は、沢山の門数をクレストに並べる事で、越流する水の厚みを薄くする事が出来ます。それはダムの堤高を抑える事に繋がり、同じ放流能力を維持しながら建設コストを抑える事が出来ます。

さらに、こんな感じで越流部の直上をオープンにすれば、ゲートの天地をより薄く出来て、より効果的なのかなぁ?と、空想。

それにしても、越流部が壁の様に薄い!



そうです!
もうお気づきでしょうが、この天王ダムは天端側水路を持っているのです。



左岸から下流面を観ます。
センターに天端側水路で集めた水の放流ゲートがあります。

クレストには薄い隙間がありますが、これはゲートでは無くて、天端側水路上の天端は橋梁の構造となっている為です。



もっと、正面から見えないかなあ・・・。

一応もう少し下流側まで行けるのですが、ズラッと養蜂の巣箱が鎮座していて、ミツバチが盛んに飛び回っているのでこれ以上は無理でした・・・。



何故、この天王ダムに天端側水路が?
ヒントは下流が非常にタイトな独特の立地にあるのでは?と思われます。

ダムの直下は真正面に別の山が壁の様に立塞がり、水は国道の手前で右に急ターンを強いられます。スムーズに下流の河川に水を流す為には、放流部分はストレートに、尚且つセンターにまとめたかったのではないか?。
憶測ですが、そんな風に思いました。



特徴的な天端側水路を持つ天王ダム。
そのデザインのディテールも、また他にない特徴があります。

マニア目線で観て、見逃せないのがこのクレストから曲面で立ち上がる導流壁の襟元です。
なかなかカッコイイ造形だと思うのですが、ただそれだけでは無くて、某有名ダムに似たデザインエッセンスを感じるのです。



例えば、
宮ヶ瀬ダムの、導流壁の立ち上がり部分の曲面。



さらには、こちらは比奈知ダム。
これも同じく導流壁の立ち上がり部分。



勿論、天端側水路だから導流壁の立ち上がりが曲面になる、と、いう直接的な話ではありません。

機能とは関係の無いデザインの細部に、歳の離れた兄弟のような血筋を微かに感じるのです。
何処でどう繋がっているのかは定かではありませんが、なんとなく近い物を感じるのです。



天王ダム
★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム兵庫県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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