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鹿沢ダム

堤高18.2m
E/P 1927年 東京電力

2011.5.21見学

忘れ物を巡る旅。


多くのダムを持つ群馬県。
群馬は過去何度もダム巡りに訪れていますが、その度に時間が無かったり、他のダムを優先して未踏だったりの物件が点在していました。
そんな未踏物件を繋げると、なんとなくダム巡りが出来そうなルートが浮かび上がりました。

5月のとある土曜日、そんな忘れ物を巡る旅に出かけてみました。

まず最初に来たのは嬬恋村にある鹿沢ダムです。長野との県境に近く、10kmほど西にある管平ダムまでは来た事があります。

東西に長い鹿沢ダム。まずダム本体の東の外れ(左岸側)に来ました。
辺りは広大な畑(キャベツ?)が広がり、蝶が舞う心地よいロケーションです。

鹿沢ダムはアースダムですが、東京電力の発電用のダムです。
周囲はフェンスで取り囲まれ、見学は終始フェンスの外からしかできません。



フェンス沿いに林の中を歩くと、鹿沢ダムによってできた田代湖が見えました。
周囲の標高は1.000mを超えており、高原の静かな湖となっています。



さらに松林の中を進むと、ダム本体が見えて来ました。
ここが鹿沢ダムの左岸端のようです。



真横まで来ました。
アースダムなので下流面はご覧の通り青々した下草に覆われています。

足元からずーっと先まで、田代湖に突き出した岬をも貫いて伸びる鹿沢ダム。
右目1.5、左目1.0の僕の視力の限界の先まで堤体が伸びています。



さらに、堤体は中程でカーブしており、視線を湖の対岸に移すとまだまだ長いダムが続いています。
堤頂長はなんと981.8m、とても長い長い鹿沢ダムなのです。



左岸付近は下流側から様子を伺うのは難しく、車で右岸側に移動。
ようやくアースダムらしい堤体が見えて来ました、先ほど遠目で見えていた堤体辺りです。



鹿沢ダムの堤高は18.2m。
多分右岸寄りのこの辺りが最も堤高の高い場所かと思います。
とても幅広の犬走り、この幅なら象でもハマーでも走れそうです。



坂道を登るとダムと湖が一望できる開けた場所に付きました。
遠くに見えるのは浅間山かと思います。

鹿沢ダムの竣工は古く1927年まで遡ります。
当時、なぜこんなに長い堤体を築いてまで、この地にダムを作ったのか?。
素朴な疑問が湧いてきました。

田代湖は堤高18mの貯水池としてはかなり広大で、周囲もなだらかな地形となっています。
ひょっとしたら、元々今より小さな天然湖が存在していて、それを利用し嵩上する方法で現在の田代湖が出来あがったのかも。
半ば妄想の推測ですが、関西電力大河内発電所の揚水上池である太田ダムは、既存の溜池から現在の大きな貯水池に拡張した事例もありますから、可能性としてはアリかなと思います。



関電の太田ダムの湖水は、全て揚水下池である長谷ダムから汲み上げた水です。
地形図で田代湖を見ると、湖に直接流れ込む天然の河川は無いようで、太田ダムによく似ています。

写真は近くを流れる吾妻川から人工的に導かれた水です、結構な勢いでザブザブと流れ込んでいました。
田代湖の水は全てこの水なのかもしれません。



この高原の美しい人造湖は、漁協によりワカサギの採卵が行われているそうで、日本全国で放流されるワカサギたちの故郷の一つになっています。(但し、釣りをはじめ一般人は立入厳禁です。)



フェンス伝いに散策してみます、
足元にはたんぽぽが咲いていました。



たんぽぽ伝いに少し歩くと、湖と比較してとても小さな余水吐がありました。
湖の流入が人工的に調節できるのであれば、余水吐もこの程度で十分なのかと思います。



この鹿沢ダムの特徴として避けて通れないのは、堤体内にコンクリート製遮水壁を持つ、少し変わったアースダムと言う特徴です。

写真は再び左岸端からの様子です。
左から土盛りの堤体、切り立った薄いコンクリートの壁、緩い斜面のコンクリートという構成です。
よく見ると、コンクリートの斜面と湖面の間に再び土壌の部分も見えます。

堤体内に遮水壁と聞くと、外部からは見えないとイメージしていたのですが、この緩いコンクリートのスロープこそ遮水壁そのものなのかもしれません。
(↑ これは妄想でした、実際の遮水壁は見えているコンクリートとは別に、ちゃんと堤体内にあるとの事です 2011.9.13 加筆)

浅間山が近く、周辺は火山性土壌の為、現地の土質材料では遮水性に不足があり、コンクリートの遮水壁が採用されたのかもしれません(2011.9.13 加筆)



高原の心地よい風と暖かい日差し。

1926年に造られた古くて長い発電用アースダム。
一風変わった不思議なダムは、すっかり周辺の景観の一部に溶け込んで見えました。



鹿沢ダム
★★★

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