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大美谷ダム

堤高31.5m
A/P 1960年 四国電力

2011.4.29見学

徳島の妖精。


「ダムマニアの心のオアシス」と呼ばれているダムに、仙台の青下3ダムがあります
(写真は青下第2ダム。特別な許可を経て立入禁止エリア内から撮影)



東日本のオアシスが青下3ダムなら、西日本のマニアのオアシスはここしかない!
今回、そんな素敵なダムを見つけました。それは徳島県 四国電力の大美谷ダムです。

長安口ダムのダム湖上流部から国道193号を北上して、脇道に入り集落の中を奥に進みます。
長安口から10kmの近さですが、行く手を道路工事による時間通行停めが阻みました。(今現在は、工事は終了していると思います)

1時間於きに、10分間しか通行出来ません。
次の通行時間まで時間があったので、迂回路が無いかと付近の脇道を奥へ奥へと突っ込んでみましたが山腹にある神社で行き止まりでした。
無駄骨を食っいる間に丁度時間となり、工事現場を無事通過。目指す大美谷ダムはすぐそこです。



ほどなくダムサイトに到着。
山深くの発電専用のダムですが、小さいながらもパーキングがあり、案内看板に音声案内も完備。

音声案内では、「この大美谷ダムは四国では2例しかない大規模アーチダムで・・・他には小見野々ダムがあり・・・」と、紹介。
高西ダムは小っちゃすぎてノーカウントですか?ちょっと可哀想。



堤高31.5m、堤頂長86mのドーム型アーチ、それが大美谷ダムです。

かっ、可愛いっ!!!。

ダムの形容詞に可愛いってのも変ですが、とにかくもうそれしか頭に浮かんできません。完全な一目惚れ。

そもそも、アーチ式は堤体に使用するコンクリートを節約するのが主目的の型式なので、ほとんどの施工例は大規模なダムばかり。堤高日本一の黒部ダムも、アーチ式だから成し得たハイダムだと言えます。
重力式ならこのサイズのダムは星の数ほどありますが、「一目で全てが視野に収まるアーチダム」と言うのが、とにかく凄く新鮮で、可愛い~っ!と、なってしまうのです。



さらにはサイズが可愛いだけでなく、大美谷という名前に負けないかなりの美人ダムなのでした。

小さくて、薄く繊細な羽根をぱたぱた。
擬人化するならチャーミングなティンカーベルって感じ。(妖精なので擬人化ではないけど)

堤体の下から3分の一辺りにキャットウォークが一筋。
その下は水が溜まっていますが雨水だと思います、堤体の直下はいわゆる枯川の状態。



でも、岩盤ひとつ下流には河川維持の放流が見えます。

発電用の取水口などのダム設備は対岸の左岸に纏まっていて、維持放流の設備も向こう岸にあるみたいです。



山奥の無人のダムとあって、天端は立入禁止です。

親柱に長沢ダムと同じ赤い文字で、大美谷堰堤と刻まれています。
アーチダムでも堰堤。うむ、渋いですな。



フェンス越しの天端。
ダム本体に放流設備もない事もあって、いたってシンプルです。



右岸を歩きます。
時間通行止めで、しばらくここに孤立状態なので、時間を気にせずゆっくり散策する事にしました。

堤頂長が100mに満たない小さなダムですが、アーチの曲線はかなりきつく、貯水池側の傾斜からも、かなり強いドーム形状である事が伺えます。

この大美谷ダムの完成は1960年、国内初のアーチが1953年の三成なので、日本のアーチダムの中ではかなり古い方になります。
この小さく美しいアーチは、後に建設されたより大きなアーチダムの「テストケース」的な役割を想像させます。

大美谷ダムの本体施工は西松建設です。
当時のアーチダムの施工は鹿島と前田の二強時代なので西松建設の施工は少ないのですが、丁度大分で、下筌ダム建設の用地収用をきっかけに「蜂の巣城紛争」が湧きあがっていた時期であり、その下筌ダムの本体施工は西松建設と言う事で、この二つのアーチには何らかの関連があるかもしれません(根拠のない推測です、鵜呑みにしないように・・・)



対岸には発電所への取水スクリーン他、関連施設が集まっています。



ざわざわと水音に誘われ足元を見ると、思わず声を上げ驚いてしまいました。

うわーっ!めっちゃ水綺麗!。

ダムのすぐ脇に他の谷筋からの流れ込みがあり、結構な勢いで流れ込んでいます。
気泡が白く帯のように長く伸びていました。



ガラス色に透き通った水。

やたらと透明度が高く、ずっと深い所から気泡が湧いて上がってくるのも丸見えです。
ダム本体も美しく素晴らしいものですが、この水を観に行くだけでも充分な価値があります。

今まで水の綺麗なダムはいくつか訪問しましたが、この大美谷はその中でも最高レベルです。



右岸を奥に進むと貯水池には吊橋が架かっています。



橋の上から糸を垂らす釣り人。

魚釣りがOKの湖かは不明ですが、他にも何人かの釣り人の姿がありました。
午後の食い渋る時間帯と言う事もあり、みなさんのんびりムードの様です。



吊橋は大嫌いだけど(高い所が苦手なので)、満水の水面まで近く今回は余裕でした。

吊橋の上から上流を観ます。
堆砂が多いのか、上流の水は少し濁り気味でした。



小さなダムなので、周辺をゆっくり観て周ってもまだまだ時間はたっぷり余っています。

通行止めで車は来ないので、車道のアスファルトに座って丸いアーチを眺めながら、いつものカロリーメイトで遅すぎる昼食。



透き通った大美谷の水。

水の音に耳を澄ますと、コップに注いだ炭酸水の様に、ぱちぱちと気泡が割れる音まで聞こえてきます。

気泡は底の方から幾つもの光の環になって湧き上がっては消えを繰り返していました。
産まれたばかりの本当に純粋な水たち。

観ていて飽きる事はありません、いつまでも観ていたい気分。



路肩には、たんぽぽが午後の日差しを受け風にゆれています。
柄でもない写真を撮ってみたりして。

優しい春の日差しは、早起きした旅人の揺りかご。
上のまぶたと下のまぶたが仲良くなって来ました。

こうして、僕はこのダムがすっかり気に入ってしまったのでした。



最後に右岸の斜面を少し登ってみました。
小さく可愛い大美谷ダム。

ガラスのように澄んだ冷たい水を湛えるその姿は、氷の妖精とも呼ばれているクリオネを思わせる、とても可愛いアーチダムでした。



大美谷ダム
★★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム徳島県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2011/06/15 10:11 PM posted by: 夜雀
お疲れ様です。

私が行ったときは全く姿が見えなかったというのに・・・。

どれだけ大美谷に気に入られているんですかっ!!
羨ましいっ。

四国の妖精か。
なるほどなー。
堤体可愛いし。
確かにある水は鑑賞に堪える価値のある素晴らしいものだと思います。

高西は可哀そうな子だからそっとしておいてあげて。最近までアーチかどうかというより所在地すらはっきりしなかった子だから。

   夜雀 拝
2011/06/16 12:42 PM posted by: あつだむ宣言!
こんにちわ、お疲れさまです。

たまたまですが、下流の雑木林を伐採したてだったみたいでとても良く見る事が出来ました。

時間通行止めで、最初にチャレンジした迂回路ですが、途中から徒歩で突き進むとダム湖の吊橋に出るみたいです。(お勧めはしません 笑)

高西。
気になるう〜。
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