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新成羽川ダム

堤高103m
GA/IP 1968年 中国電力

2011.4.16見学

デザインクオリティ。


昔々、高校の部活は文化系でしたが、とても熱心に打ち込んでいました。
今思うと、高校は部活をする為に通っていた気がします

2年の春、新入生が入部してきました。
女子が沢山入部してきたのですがその中で、田中さんと、畑中さんという子が居ました。
二人とも控えめな性格で、背格好も近く、学校からみた家の方向も同じで、苗字もなんとなく似てたので最初の頃はどっちが田中さんで、どっちが畑中さんなのか区別が付きませんでした。
その後、部活の指導をしながら会話をするうちに、よく似ていたはずの二人は、当然ながら全く違う個性を持っている事が解ってきました。

何故、こんなどうでもいい事を話すかと言うと、ダムに興味を持ち始めた頃、まるでその時の、田中さんと畑中さんのように区別が付かなかったダムがありました。

ひとつは阿武川ダム、そしてもうひとつが新成羽川ダムです。


田原ダムの左岸を上流に向かって車を走らせます。
ほどなく新成羽川ダムに到着しました。

パーキングスペースに車を停めると同時に、堤体が見えるポイントにダッシュ!。

ぐわー!!かっこえーっ!!

大きく広げた美しい両翼。
縦横の継ぎ目ごとに異なる表面の色が翼から生える羽根のよう。

凛とした佇まいは、気品と共に心地よい緊張感を持ち、ピンと張り詰めたオーラが漂います。



クレスト中央に6門の洪水吐。
垂直に切り立った扶壁にはゲートのアームが見えています、ラジアルゲートですね



導流壁に沿って視線を降ろします。
堤体の直下は棚のようになっています。

右岸にガントリークレーンが見えますね、そう、この広大な棚の下には発電所が隠されているのです。

越流面のサーフェースにも注目。
センターが隆起した有機的な形状になっていました。



ちなみに、ダムサイトの駐車場で、一刻も早く車から降りてダムに駆け寄りたいと思うのはダム愛好家の性ですが、車からダッシュで飛び降りる時は、慌てずちゃんと「P」に入れて降りましょう。

以前、ダムが見えて興奮のあまりシフトが「D」のまま飛び降りた事が・・・
・・・2度あります・・・。
慌てて無人の車を追いかけたり、自分の愛車に轢かれそうになりますから、くれぐれもご注意を(汗)。

何故、今回のレポートは関係のない話題でやたら尺を伸ばそうとするかと言うと・・・・。

なんと取水口の工事の都合で通常入れるはずの天端に立ち入る事ができなかったのでしたー。
工事は平成23年の5月10日までとの事なので、現在は天端に入れるのではないかと思います。



仕方ないので、別のアングルを探してパーキングから少し歩いてみましたが、あまり良いポイントは無さそうです。

こりゃ、対岸の右岸に行かねばなるまい。
車に戻り、再び下流の田原ダムまで戻って、今度は対岸の右岸から再アプローチです。



田原ダムからの道中。
田原ダムの湖面から古いレンガ造りの壁が覗いていました。
建物の雰囲気から発電所の遺構に間違いありません。

新成羽川ダムと言うからには、旧成羽川ダムと言うのもあるのでは???
と、勝手に妄想を膨らましていたのですが、実在した(!)旧成羽川発電所はこれとは別に残っているそうで、じゃあ、この遺構はと言うと1902年に運用が開始された笠神発電所ではないかと思います。

成羽川は岡山県で最初に発電所が造られた河川ですが、この笠神発電所こそ岡山県最初の発電所なのだそうです。
また、この発電所へ水を送った取水堰堤も田原ダムの湖底に永久保存されているそうです。



思わぬ遺構の発見にわくわくしながら登ってきました。
視界が開けると、まさに目の前に新成羽川ダムがドーンと構えてこちらに睨みを効かせていました。

蛇に睨まれた蛙のように、ただ立ち尽くして眺めるばかりです。



洪水吐のジャンプ台を兼ねる発電所を内蔵した大きな棚。
群馬の園原ダムも似たレイアウトをしていますが、園原よりも低く構えすっきりとしています。(園原+畑薙第一÷2=新成羽川 ??)

また、壁面はスクリーン状の構造物が並び、どうなっているのか詳細がつかめずミステリアスです。

手前のトンネル状の穴は仮排水でしょうか?。



ほぼ正面からの堤体。
睨みを効かしていた6門のラジアルゲート。

ゲートが小さく見えますが、新成羽川ダムは堤高103m、堤頂長289mの大きなダムです。特に103mの堤高は、重力式アーチダムでは国内1位の高さを誇ります。

事業者は中国電力、ダム目的は発電の他に工業用水にも使われています。



じわじわと坂道を登り、表情の変化を楽しみます。

通常はこちらの右岸からもダムサイトや天端に行く事が出来るはずですが、県道から脇道に入るダムサイトまでの道は中国電力の私道の為、この日は例の工事の都合で通行禁止となっていました。

残念。



堤体の下部に太い水圧鉄管が露出し、滑らかなボディのアクセントとなっています。

コンクリートから突き出した、剥き出しの金属パーツ。
こういう部分もダムの魅力のポイントではないかと。

観ていたら、頭の中が痺れてきました。
ダムジャンキーには毒だね、このカッコよさ。



ずっと以前から観たいと思っていた新成羽川ダム。

重力式の重厚さと、優美なアーチ式の特徴を併せ持つ重力式アーチ。バランスも良く、美しい滑らかなボディ、独創的な発電所のレイアウト。
ひとつのオブジェとして鑑賞しても、この新成羽川ダムのスタイルはかなりの完成度ではないかと思います。

また、どう眺めても、細部に目を凝らしても、装飾的な部分はどこにも存在していません。それなのに、僕の心を鷲づかみにするクオリティの高さはいったい何処から来るのか。

全ての要素はダムの機能に裏打ちされ、一切の無駄も、スキもありません。
このダムを設計された方の高い志と、優れた美的感覚をひしひしと感じるのでした。



新成羽川ダム
★★★★★

ちなみに、もう阿武川ダムとは区別が付きますョ(笑)


おまけ。

新ダムメニューとして開発した「新成羽チャーハン」です。
仕上げにレタスを加えてひと炒め。

熱を通して、しんなりした葉物野菜のレタス入り。
しんなり葉・・・・しんなりは・・・



えっ?

新成羽は、「しんなりは」じゃなくて、「しんなりわ」だってぇ!?

がびちょーん。

おわり。

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム岡山県 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2011/05/26 11:14 PM posted by: cantam
本日新成羽川ダムへいってきまして、笠神発電所と旧成羽川発電所を確認してきました。
湖底の遺構は普段はお目にかかれませんが、旧成羽川発電所跡(ご覧になられたとおもいますが)、運送屋の看板もあったりして不思議に思っておりました。

ついでに天端を車で二往復しておきました (^^)
2011/05/27 12:16 PM posted by: あつだむ宣言!
cantamさん、こんにちは。

いつも行きあたりばったりなので旧成羽川発電所は見過ごしていましたー(汗
もう少し予習して行けばいいのですが・・。

天端、通行できましたか?
いいなあ。上から発電所の棚を見てみたい。
岡山・・・遠いなぁ
2011/05/27 10:55 PM posted by: kaiyu
新成羽川ダムはまだ行ったことないので是非行きたいダムですね。

阿武川ダムと区別がつかなかった理由は?

なかなか、遠出できないんでねぇ....
2011/05/28 8:02 AM posted by: あつだむ宣言!
kaiyuさん、こんにちは。
新成羽川ダム、お勧めですよ。
事前に申し込めば見学も受け入れて下さっていたと思います。

>阿武川ダムと区別がつかなかった理由は?

うーん。
まだダムを巡り始めたばかりで、「西の方にあるGA」と、言う感じでごっちゃになっていたと思います。
センターを中心に左右シンメトリーにクレストゲートがあるのもなんとなく似ていて、どっちがどっち?、って言う感じでした。
今思うと、阿武川と似てるのは二瀬なんですけどね。
2012/09/22 12:34 AM posted by: denwaban@川西
僕が行った時は天端はゆうゆうと・・・
でもガードとなる壁の部分と足元のコンクリの境目が所によってはスカスカなので、一瞬足がすくみますね。
阿武川の方がスッキリしてるように感じるのは堤体下の発電所の有無なのかもしれません
2012/09/22 8:14 AM posted by: あつだむ宣言!
いいですね、僕も天端歩きたかった・・・。

新成羽の堤体は日本有数のスタイリッシュな物件ですね。
プラモが出たら、真っ先にゲットしたいくらいです。
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