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本河内高部ダム

旧堤体  堤高18.8m
              E/W 1891年 長崎市営

新堤体  堤高28.2m
              G/FNW  長崎県営

2010.10.9見学

日本で2番目に古いコンクリートダム本河内低部ダムのすぐ上流にあるのが、こちらは日本で最も古い水道用ダムと言われる本河内高部ダムです。

鎖国時代から唯一海外との繋がりがあった長崎は、明治なってからも海外貿易が一早く盛んになった港町でしたが、同時に海外から伝染病が持ち込まれる事も多く、当時の長崎はコレラが猛威を揮っていました。
このような背景から、長崎は全国に先駆けて、横浜、函館に続き近代的な水道が造られる事になります。
この時に建設されたのが、本河内高部ダムです。

1982年の長崎水害を受け、緊急ダム事業の一環として、既存のアースダムの直ぐ上流に重力式コンクリートの新堤体を建設する工事が進められています。
この緊急ダム事業とは、新たに2基のダム建設に加え、既存の5基のダムに改造を施し総合的に治水能力を高めるものです。

写真の青々とした堤体がアースダムの旧堤体、そのわずが数十メートル上流に見える真新しいコンクリートの壁が新堤体となっています。



新堤体の右岸端から。

ダム本体の工事は既に完了していて、既に上水道への送水も再開されています。
直下の本河内低部が現在水を抜いて工事中なのでバトンタッチした感じですね。
(両方の貯水池を同時に空にする訳には行かないので)

現在、天端は徒歩でなら通行が出来ます。



新堤体はシンプルな形状ですが、取水設備の位置や外観の形状が面白いと思いました。
今世紀に建設された新鋭のコンクリートダムなのですが、とてもクラシックな外観の取水設備が付いています。

旧堤体の取水設備は、アースダムの裾野辺りから貯水池の真ん中に突き出した取水塔だったので、ひょっとしたら取水設備の位置自体は変わっていないのかもしれません。
(既存の取水塔の位置に合わせて、新堤体の位置が決まった?)

背後の住宅地にも注目、こんな住宅密集地にあるダムも珍しいです。



左岸から見る新堤体。

こうして見ると基礎地盤まで垂直の壁に思えますが、地中には通常の形状の堤体が埋まっています。
旧堤体と新堤体の間を埋める土は、下の本河内低部ダム工事の残土が使われているそうです。

下流面が盛り立ててあるコンクリートダムは小豆島の内海ダムなどがあるそうですが、まだ観ていない事もあり個人的には山梨の頭佐沢ダムに似ているなと思いました。
(頭佐沢ダムは謎だらけの堤体です、何方か詳しく調査してくださいっ!)



丁寧に保存がされている旧堤体の一部。
これは底樋の一部切り取ったもの、明治24年完成の古いダムには、赤レンガが使われています。



同じく、保存されていた何か・・・。
現地では皆目検討も付かなかったのですが、旧取水塔の頂上部なのだそうです。



旧堤体の名残としては、石積の洪水吐の一部がそのまま残されています。



現在の旧堤体と新堤体の間は、まだ工事事務所も建っていて、いささか殺風景な感じなのですが、旧堤体の遺産を上手く使った親水公園として計画されています。
非常に美しい公園になるようですので、完成がとても楽しみです。



新堤体を一通り散策した後、旧堤体を観てみます。
ダムの下は水道関連の施設になっていて、関係者以外は立入出来ません。



明治に造られた水道用アースダム。

シンメトリーのデザインには、建築物としての気品を感じます。
細部もとても丁寧な造りです。



これは古い浄水場の跡地でしょうか?
周囲は赤レンガで囲まれていて、旧堤体の底樋との関連性が見受けられます。



旧堤体の高さ18.8mから、28.8mの新堤体へ少し背の高くなった本河内高部ダム。本河内低部をはじめ、周辺のダム達が洪水調節容量を作る事によって目減りする利水容量をカバーする事になっています。

本河内高部ダム
★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム長崎県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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