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本河内低部ダム

堤高28.3m
G/W 1904年 長崎市営

2010.10.9見学

街の風景となったダム。


長崎は坂の街。
坂が多い為、自転車に乗る人が少なく、一説には多くの長崎市民は自転車に乗れないらしい。たしかに、自転車はほとんど見ないが、その代わりにやたらと単車ばかり見かける。
それに、路面電車は走るは、バスは多いわ、路上駐車は多いわで、長崎市街はとても走りにくい。
極めつけは練り歩く龍の神輿、実はたまたま長崎くんちと言う祭の最終日に当たっていたのだ。

市街をノロノロ、ウロウロしながら、ようやく目的の本河内低部ダムに到着。
本河内低部ダムは、神戸の布引五本松に次いで日本で2番目に古いコンクリートダム。
現在、1982年の長崎水害を受け、緊急ダム事業の一環として大規模な改造工事の最中である。



込み入った住宅地の奥に、黒ずんだ重厚な石積ダム。

まずは、密集した住宅地や団地に囲まれているロケーションの特殊さに驚く。
もちろん、ダムは周囲のどの建物よりも先に築かれたと思うが、ダムにより衛生的な水道が完備された事で街が発展したとも言えるかもしれない。

立入禁止の門の横は団地の小さな公園があり、なんとか全容を写真に収めようと、遊具の上に立ってみるが、さほど風景は代わり映えしなかった。



工事の看板から。
水道専用のダムとして築堤された本河内低部ダム。
ほんの500〜600m上流には先駆けて築堤された本河内高部ダムがある。

現在行なわれている工事は、水道専用であったダムに、洪水調節機能を加えるものである。
100年以上経過した貴重な土木遺産の改造は、既存の下流面に手を加える事なく行われている。



ダム本体の上流面に新たに堤体を加える工事の他に、既存の越流式の洪水吐に代わって、トンネル式の洪水吐が建設されている。
リニューアルされる本河内低部ダムは、目的に洪水調節と河川維持が追加され、FNWとなる予定である。
洪水調節容量の確保の為、常時満水位はぐっと下げられる事になるようだ。



重厚なクレスト部。
切石の凹凸を使った装飾が見られる。

先ほどの標準断面図によると、下流側の表面は「コンクリートブロック張り」とされている。
マルチプルアーチの豊稔池堰堤も実は下流面はコンクリートブロックであるらしく、当時としては案外一般的な仕様なのかもしれない。
いずれにしても、工事中の為、近寄って確認する事が不可能なのがもどかしい。

天端にヘルメット姿の作業者が見える。
ダムの左岸を長崎街道(国道34)が通過しており、車窓から正面側の工事風景も見られたが、交通量が多く、駐車場所も無かった為写真の撮影は出来なかった。

このダムを訪れるには、一番困難な時期に来てしまったようだ。



100年以上の歴史ある堤体、改修工事により、さらに次の世代へバトンが渡される。

風土工学によれば、人の手による土木建築物も100年を経過する事で、景観から風景となるのだと言う。

ダムの顔である下流面に一切手を加える事なく行われている改良工事は、まさにこのダムが長崎の風景の一つとして根づいた事を示すものだろう。

本河内低部ダム
★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム長崎県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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