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小ヶ倉ダム

堤高41.2m
G/W 1926年 長崎市営

2010.10.9見学


鹿尾ダムを後に、上流の小ヶ倉ダムへ向かう。
この二つのダムを結ぶ河川は、大きく180度カーブしている為、地図上では二つのダムは並列した並びになっていて、上下流の関係にある様に思えない。

小ヶ倉ダム下流左岸からアプローチ、坂道を登って、天端左岸に到着。
大正末期に建設されたダムなので、天端に自動車を通す事などは考えられていない。
天端に向かう入口は堅く閉ざされていた。

湖周の道路も一車線の狭路で、周囲は緑豊かな山林となっている。
Uターンする場所も少なく、そのまま貯水池左岸を進む。実はこの先に1基ダムがあるはずなのだ。



小ヶ倉ダム本体から500mほど左岸を進むと、うっそうとした木々の中にコンクリートの塊が見えた。

小ヶ倉ダム越流堤である。

1982年の長崎大水害では、小ヶ倉ダム下流の180度カーブの場所が氾濫を起こし、周辺の住宅地に水害を起こしてしまう。
小ヶ倉ダム越流堤は、鹿尾川総合開発事業として鹿尾ダムと共に建設されたもので、既存の小ヶ倉ダムに洪水調節容量を確保し、洪水調節を行なえるものとする設備である。

下の写真、水面は小ヶ倉ダムの貯水池である。



堤高15.3m、堤頂長73.8m
ダム便覧には未掲載であるが、堤高は15mを超えており立派なダムと言える。

ここから放流された小ヶ倉ダムの水は、洪水吐トンネルを通り、直接鹿尾ダムの左岸に送水される仕組みとなっている。



この小ヶ倉ダム越流堤が、鹿尾ダムと兄弟である事が解る正面側の構造。
オリフィスゲートは、鹿尾ダムと共通のシュート式が採用されている。
良く似た兄弟であるが、別の貯水池にあるので異母兄弟といった所か。

クレスト部分のサーチャージ EL 92.3mは、既存の小ヶ倉ダムと同じレベルにあり、オリフィスゲートの越流部が常時満水位となり、EL 90.6m。
その間の1.7mが新しく設けられた洪水調節容量となる。

大正時代に造られた小ヶ倉ダムはオリフィスゲートを持っていないが、この越流堤によって、オリフィスゲートを得た事になる。



越流堤の脇で車をUターンさせ、小ヶ倉ダム本体の下流まで戻ってきた。

小ヶ倉ダムの真下は小ヶ倉水園と言う公園になっている。
遊歩道の先にダムがあるはずだ。



雰囲気のある遊歩道、左手はダム下流の河川が流れる。



程なく、霧にぼんやりと霞む石積ダムが見えてきた。
小ヶ倉ダムである。



大きなアーチ状の副ダムを持っており、その下流にも石を積んだ歩道が造られている。
副ダムから立ち上がる靄が幻想的な雰囲気を作り出していた。



この副ダムも石積で造られている。
滑りやすい足元に注意して慎重に近づくと、副ダムはすぐ目の前だ。



堂々とした小ヶ倉ダム。
堤高さは40mを超えており、石積ダムでは、上田池、河内、等に並び最も高い部類に入る。

石積の利水ダムは堤体に半円形の取水塔を備えるものが多いが、小ヶ倉にはそれが無く、クレストは非常にすっきりとして、小さな洪水吐と共に、品の良さを醸し出している。



美しく整えられた公園から。
朝の小ヶ倉水園には、犬の散歩の方がみえた。



ぐっと、堤体に近寄ってみる。

布積みで整然と築かれた下流面が美しい。
切石一つ一つも整っていて、ピンと張り詰めたような緊張感が漂う。
赤茶けた副ダムとは対照的に、グレートーンの色合いがクールだ。



石積ダムらしい開口部の狭い洪水吐。
越流面に滑らかに繋がる扶壁が素晴しい。
直線的な装飾で、少し控えめな印象であるが、丁寧で確かな造りである事が伺える。

小ヶ倉ダムは品格に溢れた名堤の一つである事には間違いない。



美しい小ヶ倉ダム。

長崎市には、日本ダム史に名を刻む本河内底部や西山ダムなどがあり、少し印象の薄い小ヶ倉ダムであるが、霧雨の中の石積の表情はしっとりとして、独特の落ち着いた佇まいを魅せていた。



小ヶ倉ダム
★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム長崎県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2010/12/18 12:04 AM posted by: 夜雀
こんばんはです。

メイソンリーマニアを前にして言うのもなんですが、私は・・・小ヶ倉ダム越流堤の方が好きだっ!!
ごめん。
このシュート部ぎりぎりまでたまっている水が何ともいえず素敵だっ。

ダム便覧に乗せてもらおう。
そうしよう。

   夜雀 拝
2010/12/19 7:37 PM posted by: あつだむ宣言!
こんばんは〜

>このシュート部ぎりぎりまでたまっている水が何ともいえず素敵だっ

むふふふ。
湖面に波ひとつなく静まっている所もいいでしょー。

石積の小ヶ倉よりも好きとは!
でも、地味だけど頑張ってる感は負けてませんね。

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