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南向ダム

堤高7.6m
G/P 1929年 中部電力

2010.9.25見学

福沢桃介の遺産。


南向ダムは天竜川にある発電用堰堤です。
ローリングゲートのダムがあると言う事で、米沢発電所取水堰堤を観た帰りに立ち寄りました。今日は、小粋なローダム巡りと言った一日です。

左岸上流からアクセスしてダムの下流に回りこみます。
丁度いい所に橋があり、まずは真正面から拝見です。



長細いローリングゲートが4門。
シンプルな四角いゲートピアは岩のような重厚な造りです。
堤高は7.6mと決して高くはありませんが、オールドダムの風格に溢れています。

電力王こと福沢桃介は、木曽川で大同電力の発電所を次々と手がけた後、天竜川電力を設立して天竜川の電源開発に乗り出しました。
この南向ダムは天竜川の電源開発のごく初期に造られたダムのひとつです。



橋を渡って、ダムの右岸にやって来ました。

右岸の入口、ごく普通の民家の門みたいです。
門は勝手に開けて入ってよいものか判断がつかないので諦めました。

右岸は崖になっていて、門の先はダムまで降りる階段が付いています。
表札が南向ダムではなく吉瀬ダムとなっていました。



門の近くのガードレールに登ってダムを拝見。

対岸の白い建物は中部電力の南向ダム管理所です。
ここの管理所は、職員さんが常駐の立派な管理所となっています。

視線をダム本体に移すと、ピアの上流側に鉄骨トラス組の味のある管理橋が見えます・・・。

!!!



なんだこのゲートピア!

真正面からは単純な四角い形状に見えていたのに、横顔はこんなに色気のある形をしてたなんて。
遊郭風の丸窓といい遊び心のある粋なデザインです。

うーん、魅力的にも程があるぞっ。



右岸の道を少し戻って、ピアが斜めから見えるポイントを探しました。
先端が丸まったシルエットも洒落てますが、なんたって丸窓がいいです。



車をぶっ飛ばして、対岸の左岸に来ました。
南向ダム管理所の脇の道を降りるとダムの左岸です。

こちらの表札もやはり吉瀬ダム。
吉瀬はこの場所の地名です。南向というのは下流の発電所の地名だと思います。
地図なんかだと、ゼンリンの調査員がこの表札を見るのか吉瀬ダムと記載されてたりします。

こちらの門にはゲートが無く、オープンな状況だったので、念の為、管理所のインターフォンで立入の許可を頂きました。
普段から開放しているとの事ですが、不審者と間違われないように一声掛けて見学される事をお勧めします。

(管理所には、ひと通り見学を終えた後、パンフなどが無いか再びお邪魔しました、帰宅される所を呼び止めてしまいましたが、中部電力の職員さんはとても親切に対応して下さいました。どうもありがとうございました。)



天端を歩きます、真っ直ぐに伸びる管理橋。
橋の入口部分、ペケ印の鴨居が可愛いです。いい感じ。



一番左岸寄りのゲートから、水煙を上げ放流中。



ラックとギヤ。
ローリングゲートの構造もよく見えます。

リベット打ちのゲート本体もいい味してます。



ゲートピアのプレート。
一号ゲートではない、「一号ローリング」。



貯水池の表情。
独特のグリーン味を帯びた笹濁りの色。

この色の水を見ると、ああ、天竜川だねぇ〜、と、しみじみ思う。



夕暮れが迫ってきました。

ピア側面の窓の日差しが素敵。



この部分だけ「出航」して行きそうなデザインですね。
なんだかパーマンのバッチにも見えなくないけど。



丸い小窓ですが、ワイヤー巻揚のリールの位置を暗示させているのかも。
パッケージ的デザインと言った感じです。



このダムを手がけた福沢桃介は、南向発電所の建設を最後に現役を退きます。

以前、桃介記念館で聞いた話の中で、「桃介は手がける全ての発電所やダムにそれぞれ違った意匠を施し、同じデザインは二つと無い」と、聞いた事をふと思い出し、この南向ダムの洒落たピアのデザインに合点が合いました。

そう、この南向ダムは正真正銘の桃介チルドレンの一基なのでした。



南向ダム
★★★★

堤高、竣工年などのデータは、「水力ドットコム」Hisaさんに頂きました。
ご提供ありがとうございました。

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム長野県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2010/12/14 3:23 AM posted by: 夜雀
お疲れ様です。
これは素晴らしー!!
この近さでローリングゲート愛でられるのはほかにないんじゃないかな。
丸窓かわいい。
U15の世界は奥深いという好事例。
ええ物見せてもらいましたー。
   夜雀 拝
2010/12/14 3:04 PM posted by: あつだむ宣言!
U15は、極端に情報が少ないのですが、探せばまだまだ魅力的なダムが潜んでいるという楽しみがありますね。
堤高が高かろうが、低かろうが、いいダムに出会えた喜びは同じ。(情報が少ない分、新鮮です)
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