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神戸堰

神戸堰(旧堰) 高さ1.8m  長さ115.8m(川幅、堰自体はおよそ90m)
神戸堰(可動堰) 高さ3.05m  長さ198m

2010.9.4見学

神戸堰の歴史は古く、完成は1928年(通水した年、堰の完成は前年の1927年であるらしい)。
灌漑用の取水堰堤であった神戸堰は、他では類を見ないマルチプルアーチの堰堤で、流れ落ちる水も美しく、土木学会の日本の近代土木遺産にも選ばれていました

しかし、斐伊川神戸川治水事業に伴う新堰の建設に伴い撤去される事が決定。
土木学会と日ごろから神戸堰に親しんでこられた地元住民の強い要望もあり、新しく造られる新堰の下流に復元される事になりました。

これが新しく生まれ変わった神戸堰です



護岸され拡張された川幅一杯に連なる16連アーチ。
流れ落ちる水が涼しげな表情を見せています。

旧堰は高さ1.8m、ひとつのアーチの幅は9mほどでした。
新しく復元されたアーチはそれよりもひと回り短く、低く見えます、川幅が広げられた事による錯覚でしょうか?。

また、旧堰のアーチ数は竣工時8連、その後中程の2連に魚道を設置したのに伴い、右岸から2連、魚道、4連の連結となっていました。



アーチ状に切り取られた水面は、見る方向により表情を変えます。

多連アーチの形状は旧堰を受け継いでいますが、6連アーチから16連に大幅にアーチ数が増した事により、一つのアーチから落ちる水量は確実に減少していると考えられます。
それが神戸堰の持っていた流水の美しさや、迫力といったものにどう影響しているかは旧堰を見ていない僕には解りません。

ただ、土木学会の日本の近代土木遺産としては、復元として評価ランクはAからCに降格しています。



旧堰では川の中心にあった魚道は両岸に移動、新鋭の設備らしく魚道のタイプも複数設置され、さまざまな魚に遡上を促します。



復元された神戸堰の数十メートル上流に建設されたのが、現代の神戸堰の本体と言うべき可動堰と、神戸堰橋と名前が付けられた管理橋です。

可動堰は高さ3.05m、長さは198mほど。
4門の幅広の転倒ゲートを持ち、ゲートの機械部分には管理橋からアクセスする様になっています。
管理橋は新堰に伴い架けられたもので、元々この場所に橋はありませんでした。
管理橋の上は公道となっています。

管理橋の下面が緩いアーチになっているのは、旧堰へのオマージュでしょうか。



転倒ゲートのクローズアップ。

ゲートの上端面がチロル式のようなスクリーンになっていて、ゲート内部を水が通過する構造になっているようです。



管理橋の欄干、背景は上流になります。
奥に見える鉄橋はJR山陰本線神戸川橋梁です。

旧堰は、この神戸堰橋(可動堰)と鉄橋の間にありましたが、今年の1月に取り壊され、取り除かれています。

新しい神戸堰に伴う工事は、堰や管理棟は完成しており、現在は河川敷の整備工事が続けられていました。
地元の方の要望で、旧堰のアーチは1箇所だけ移設されているとの話もあるのですが、取り壊し前に下流の新しい多連アーチは既に完成していますので、取出された旧堰の移設先は解りませんでした。
いずれ案内看板などが設置され説明がなされると思いますが、モニュメントのような形で展示公開されるといいなと思いました。



かつての神戸堰は写真でしか知ることは出来ませんが、両岸は土や葦の土手が残る自然な姿だった事を思うと、現代の神戸堰は両岸をコンクリートの魚道に挟まれ少し窮屈そうに見えてしまいます。(川幅は倍近くに広がってるはずなのに)

それに、下流から多連アーチを観た場合、背後の可動堰と管理橋には目立たない配慮は感じるのですが、やはり巨大で、異物的な存在感がある事は否めないと感じました。



地元や流域の住民でない僕が、新しい神戸堰について結論じみた評価は慎むべきであり、また、僕が現地で観て感じた事は、景観に関する事だけで可動堰を含む新しい堰の役割の核心部分ではありません。
それに、現状はまだ周辺の環境が工事中の為、全ての工事が終われば受ける印象もまた違ったものになるでしょう。

多くの方々の要望により復元された神戸堰。
その要望に応えるものであるかは、全ての工事が終わった時点で、地元や流域の方々が結論を出して下さるのではと思います。



神戸堰
★★

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