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千本貯水池堰堤
堤高15.8m
G/W 1918年 松江市営

2010.9.5見学

千本貯水池堰堤は、ダム便覧でその存在を知ってから、ずっと訪問したいと思っていた島根県松江市にある古い上水道用の石積ダムです。

ダムが造られたのは大正7年(1918年)、それまでの松江市は井戸水や湖水が原因とするコレラ等の水系伝染病が多発し、衛生的な上水道の整備が急務とされていました。

昭和に入ってからは水道人口の増加に伴い、上流に新たに大谷ダムなども作られましたが、この千本貯水池の歴史が、そのまま松江市の水道事業の歴史とも言えるかもしれません。

日本土木学会推奨土木遺産のプレート。
また、2008年には国指定の登録有形文化財にもなっています。



ダム天端は立入禁止。
フェンスのデザインに時代を感じます。

堤体は車道よりも若干低い位置にあるので、うっかりすると見落としてしまうかもしれません。

 

フェンスの上から天端を見ます。
向こう岸の左岸は越流式の余水吐となっていますので、天端通路はこちら側半分までしかありません。

堤体のちょうど真ん中辺りに水道の取水設備があります。



貯水池側から見た取水設備です。
形状はオールドダムらしい半円形、天端通路はこの取水設備に向かう為の道といった具合です。



ちょっと下流に戻って、堰堤の下に向かいます。
ダムとは無関係の工事中ですが、立入には問題は無いようです(要現地判断)



堤体の石積はきれいな谷積み。
その為か、堰堤よりも日本の城の城壁の雰囲気があります。

石材の面はわりとでこぼこしていて、這い上がっているつる植物と共に味わいに深みを加えています。




非越流部の下半分は越流部と同じ直線的な勾配、そこからゆるやかなカーブを経て、垂直の雨落しに繋がっています。

寺勾配とも宮勾配とも違う、いわばダム勾配(※そんな言葉はありません)といった表情です。



天端の高欄も手の込んだ造りです。

でも、ちょっと他よりも新しい感じです。
1988年からの3年間で、堤体補強工事が行われていますので、その時に補修を受けているのかもしれません。

いずれにせよ重厚な意匠は、全体としてシンプルな堤体に良いアクセントになっていて、とても似合っています。



堤体真下の建物にも味わいがあります。

鉄製のドアーには鍵は掛かっていますが、耳を当てると機械の運転音が響いてきました。
位置的にも取水設備の関係だと思います。



左岸側半分を占める越流部です。
しばしば越流するのか表面の色合いが非越流部とまるで異なっています。

裾の部分は天然の岩盤が覗いているのも、オールドダムらしい表情です。



大正時代の古いダムですが、早くもちゃんとした副ダムを持っています。

その上に架かる4連のアーチ橋(千本貯水池堰堤管理橋)も、同時に造られた古いコンクリート造りの橋で、ダム本体と共に登録有形文化財の指定を受けています。
現在は橋の上には送水管(?)が鎮座しており、人は渡る事が出来ない感じになっています。



90年以上も前に造られた貯水池が今もなお第一線で活躍をしているのは、比較的小さな面積の貯水池でありながら常に貯水率が高く、効率のよいダムであった事が上げられますが、それ以外に、この千本貯水池に愛着や誇りを持って、大切に管理、保全を行って来た水道局の方々の力が大きいのではと思います。

市営の施設なので展示施設などはありませんが、是非たくさんの方に愛でてほしいオールドダムでした。



千本貯水池堰堤
★★★★
| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム島根県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2010/11/03 12:04 AM posted by: りえま
いいですねーココ♪
ボコボコ感や高欄、ラストの写真の雰囲気
がたまらないわー。
いつか行けるといいな。
2010/11/03 8:59 AM posted by: あつだむ宣言!
おはろーさまです。

なぜか堰堤よりも、日本の城の城壁だとかの雰囲気があるのです。
谷積みだからかなあ、きっとそうだ
(記事に追記しておこう)

近くまで高速が伸びてるのでアクセス良好、いけるいける。
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