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丸沼ダム

堤高32.1m
B/P 1931年 東京電力

2010.7.17見学


2003年に国の重要文化財の指定を受けている丸沼ダム。
そんな貴重な建築物なのに、今現在も発電用ダムとして現役なのがこのダムの凄いところです。

薗原ダムを後に国道120号を北上してやってきました。
国道脇に未舗装の駐車スペース。でも、まだ堤体は見えません。
舗装のスロープを下って行くと堤体の左岸のはずですが、この日はチェーンが掛けられ訪問者を拒んでいました。

でも、堤体を真下から見上げるポイントがあると事前に聞いていたのでうろたえません。潔くチェーンの先は諦め、その脇の遊歩道を降りて行きます。



この遊歩道は丸沼自然遊歩道と名前も付いていて、ダムの真下まで降りた後、対岸に渡って右岸を散策する事が出来ます。

じっとりと湿った苔と土の匂い。
シダ植物が盛大に群生していて、いきなり恐竜とか現われそうな雰囲気です。



急斜面の歩道を下ること数分。

ついに憧れの丸沼バットレスが姿を見せました。
堤高32.1m、国内で建設された8基のバットレスダムの中で最高峰です。



堤体の下部は水面が迫っています。

マンションの骨組みにも見えるバットレス構造。
その最下層の1室は、外壁や屋根が付けられていて、右岸にそって通路も見えます。

管理所が堤体右岸にあるはずなので、通路は管理所方面へ通じていると思います。



事前に聞いていた遊歩道の渡し舟「牧水の渡し」
これに乗ればバットレスを真正面から見る事が出来るはずです。

両岸にワイヤーが張られ、吊るされたロープを手繰り寄せる事で前に進みます。
ボート自体もワイヤーに吊り下げられていて安定感抜群、とても上手く出来ていて、決して転覆するような事はありません。

この設備はダムを管理する東京電力ではなく、地元の丸沼の愛好家の会が設置したものです。大切に使わせていただきました。



おおーっ!

迫り来る丸沼ダム。

傾斜した遮水壁を扶壁によって支えるバットレスダム。
梁と扶壁の奥に遮水壁が見えます。



よく見ると、バットレス内部は空っぽではなく、梯子や通路、配線等が意外と沢山配されています。天端から降りてきている2本のパイプはプラムラインですね。
下流から観るバットレスダムは、コンクリートダムのスケルトン模型を見るような面白みがあります。

通常のコンクリートダムと風貌が余にも異なるので気が付きませんが、この丸沼ダムには余水吐のような放流設備が見当たりません。
真川調整池や、奥津発電所の懸崖水槽にだって余水吐はありましたが・・・。



丸沼ダムはヒョウタン形をした天然湖の、くびれ部分に築堤されました。
堤体から下流側は大尻沼、上流側が丸沼と呼ばれています。

大尻沼の流れ込みにダムを築いて、新しく丸沼が生まれたのかな?
と、現地で推測していたのですが、帰宅後に改めて地形図を見て、丸沼の地形を読むと、それは憶測にすぎず、ダムの上流側も元々沼だった様です。
勿論、面積は現在よりもひと回り小さなものだったと思いますが。

大尻沼と丸沼は、ボートから釣りが楽しめます。二つの沼を1年交代で開放しているそうです。今年2010年は下流側の大尻沼が開放されていました。

ボートからフライフィッシングを楽しむ釣り人。
標高1400mの高地なので、トラウト狙いでしょうね、きっと。



空は薄曇りですが、時々雲の隙間から日差しがこぼれます。

昨日までの雨でボート内に水が溜まっていて、乗船する時に片足がスノコごと溜まった水に没してしまいました。

ずぶ濡れのスニーカーと靴下を脱いでのんびりと乾かします。
たまにはこういう見学も楽しいね。



ボートからの眺めは視線が水面に近くとても新鮮な眺めです。
湖水も澄んでいて、浮遊しているような錯覚を覚えます。



日本に6基ほど現存するバットレスダムは、その全てが70〜80年以上経過するオールドダム達です。

扶壁を太く改修した笹流、三滝、恩原ダムと、竣工当時の姿を今も残す真川、真立、そして丸沼ダム。
きっと扶壁に肉を付けて補強する方が、今後の堤体管理も楽かもしれません。

真川、真立ダムは陸路は徒歩でしか向かう事の出来ない山岳地、この丸沼ダムは直下が水を抜く事の出来ない天然湖であり、その事が大掛かりな改修を困難にして来たのでしょうか。
でも、そのお陰で丸沼ダムの堤体は、実にバットレスらしい繊細な表情を魅せています。

重要文化材の指定を受けた名堤 丸沼ダム。
これからも東京電力さんの手で、繊細で美しい姿が守られて行く事でしょう。

美しいバットレスよ永遠に・・・。



丸沼ダム
★★★★★



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