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多々良木ダム

堤高64.5m
FA/P 1974年 関西電力

2010.5.8見学


関西電力のアスファルトフェイシング 多々良木ダム。
アスファルトフェイシングのダムは今回初めての訪問です。この時はまだロックフィルダムの亜種くらいのモノだろうと、まるっきり油断をしていました。

坂道を登ってダム本体の右岸に到着。一般見学者の駐車場はちゃんと用意されているのですが、気が付かず天端脇に駐車させて頂きました。

天端は基本的にクローズですが、日中は徒歩で散策できる様に開放されているようです。



右岸端にラジアルゲート2門の余水吐。
一直線のスロープ、フィルダムのごくスタンダードな仕様です。



素晴らしい天端からの眺望。これぞ日本の山村といった情景が広がっていました。
天端にはツツジが植えられ、競うように沢山の花を付けています。



美しい植栽と風景に誘われてか、天端にやたらと人がいます。

ハイキングのグループかな?と、思ってましたが、どの方も画材を手に風景スケッチをするポイントを探しておられる様子。

あちらこちらに、行き来されているのはスケッチの場所選びだけで無い様で、
「何処かに水道が無いか?」 「水があらへん」 と、筆洗い用の水を探している方も。
多々良木ダムは一企業の発電設備と言う事もあり、天端の両岸付近には公衆トイレは無いようです。

「こっちになんぼでも水あんのやけど・・・・」 恨めしそうに天端からダム湖側を見下ろすおじさん。

その声を聞いて、僕もつられてダム湖に目を向けました。
そういや、ツツジや下流の風景ばかり見ていて、肝心のダム湖の方をまだ見ていなかった・・・。

どれどれ?



!!!!!!!

目の前に広がるアスファルトの斜面。

0.5秒で多々良木ダムに秒殺です。

堤高64.5m、基礎地盤まで湖水の中もずっとこの黒い壁が続いている事を想像すると、鳥肌が立ちました。それに、アスファルトの巨大な斜面を見下ろして眺めていると、頭から湖面に吸い込まれそうな錯覚を覚えます。

しばらくいろんな角度からアスファルトを鑑賞します。



蒼い湖水にオレンジ色の網端が映えます。
両岸の岩盤の険しく、ゴツゴツした表情も印象的です。



再び天端の端っこに停めた愛車に戻ると、管理所の奥に駐車場がある事に気が付きました。車を移動し駐車場に停めると、そこからはアスファルトフェイシングが良く見えました。
ああ、最初からここに停めれば良かったのだ。

駐車場にはダムの案内看板のあり、揚水発電の上池の黒川ダムと比較する感じで略図も描かれていました。黒川ダムは通常のロックフィルダムとなっています。

略図ですが通常のフィルダムよりも勾配がきつい事が解ります、それに形状も上下面で同じ勾配。
勾配が急なのは、緩い傾斜と比較してアスファルトの舗装面積が少なく済む為なのでしょうか?

この多々良木ダムと良く似た、東京電力の八汐ダムを見学された「雀の社会科見学帳」の夜雀さんによると、八汐ダムの場合、舗装を行う施工機械の能力に関係があるとの事です。
舗装にはスリップフォームのような専用の機械が使われるのだと思います。納得。

そして、さらに驚いたのは断面の略図・・・・
コ、コアが無い・・・・!!!

後から思えば、コアが無いからアスファルトで表面遮水している訳で、いまさらコアが無い事に驚く方がおかしいのですが、とにかく、この略図を見た時は、本当にたまげました。
それと同時に、まるっきりこのダム形式について理解していなかった事に大きく反省です。

多々良木ダムは近隣に適切なコア材の採取地が無く、このダム形式が選ばれたそうです。



一直線に伸びた天端、それと平行にやはり真っ直ぐに走る湖面との境界線。
広大な黒い壁は、とてつもない迫力と存在感です。
これはフィルダムとは完全に違う、もちろんコンクリートダムとも違う。今まで見たどのダムとも違うオーラに満ちています。

子供の頃、
空って凄いな、宇宙まで空気ばっかりだ。
海も凄いな、海底まで水ばっかり。

意味も無くそんな事を思っていた時期がありました。
案外、今でもその思いは変わっていない自分です。
何故が解りませんが、「延々と同じ材質」と言うものに興味があったり、心惹かれるのです。

湖底までずっとアスファルト、そして中身は全てロック材。
個人的に、そのビジュアル以上に多々良木ダムに魅力を感じてしまうのは、きっとその為だと思います。



すっかり天端で時間を食ってしまいました。
それもこれもアスファルトフェイシングが魅力的すぎるからなので仕方ありません。

天端からダムの真下に公園のような施設が見えていました。
車で移動してみると、それは「あさご芸術の森美術館」でした。
美術館の周辺には、屋外にも彫刻作品が多数展示されています。

天端のスケッチ画の方々との接点がつながり、妙に納得。



本日の特別展は安藤広重でした。
東海道五十三次に代表される、人情味溢れ、ちょっとコミカルな広重の浮世絵。

実はファンなので、グラッと来ましたが入場してしまうと、今日のダム巡りはここで終了してしまいそうなので、ぐっとこらえてスルーします。



館内と、堤体直下の野外展示は有料スペースとなっています。
垣根の隙間からダムの真下を覗いてみました。

きれいに整備された青々とした芝生の上に、いくつもの彫刻が展示され、背後には巨大なダムの堤体が迫っています。
勿論、これは偶然ではなく、計算された空間なのです。

ダムと彫刻、まさに現代アートの競演やあ〜と、まで言ってしまうとさすがにマニア目線でも飛躍しすぎですが、ダムの堤体が美術品の背景として実に有用である事を示した好例です。

奥河内発電所のエル・ビレッジなどの例もあり、関西電力はダムの魅せ方が上手いと思います。



関西電力のアスファルトフェイシング、多々良木ダムは、そのビジュアル的な魅力は勿論、美術作品とのコラボという他には無い魅力に溢れた凄いダムなのでした。



多々良木ダム
★★★★★

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