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旭ダム

堤高86.1m
A/P 1979年 関西電力

2010.4.30見学

リトル黒部。


日本で一番広い村、奈良県十津川村に旭ダムはあります。
旭ダムは関西電力 奥吉野発電所の揚水下池を担う発電専用のアーチダムです。

R168から山道を登り、ダムサイトにやって来ました。

堤高86.1m、堤頂長199.4mの旭ダム、サイズ的にはアーチダムで一番多いボリュームゾーンの規模です。
ですが、貯水池側から観たアーチは、そのサイズ以上にグラマーな堤体です。

IMGP9785.JPG

道路のある左岸側に管理棟があります。
天端は手前の門で締め切られ立入は出来ません。

電力会社のダムだから立入禁止と言う訳でなく、関西電力では他に自由に見学できるダムはいくつもあります。あの黒部ダムだって関西電力さんですから。

IMGP9803.JPG

管理所近くから堤体を鑑賞。
うわっ。なんちゅーアーチっぷりの良いダムなのだっ!。

写真は広角レンズでディフォルメしていますが、肉眼での印象に近いと思います。

深いオーバーハングも特筆ですが、そこから左岸にかけての変化が、異様なほどにダイナミックなのです。
左岸にかけて、ぐりん!と裏返る感じの下流面。手前のフーチング付近には重力式ダムのように下流面の勾配があるほどです。

ダムのコンクリートは、雨に当たる所と、そうでない所で表面の黒ずみ具合が異なります。
表面の色の具合でも堤体のうねる感じがイメージできるかなと思います。

IMGP9800.JPG

大きくオーバーハングした堤体、クレストの上端はバッサリ水平にカットした形状です。

クレストゲートの放流口もオーバーハングに合わせ、下向きのこんな形になっています。アーチダムでも伝家の宝刀、関電ブラックゲートは健在です。

IMGP9789.JPG

堤体の下部に視線を落とすと大小2条のバルブが見ました。
小さい方のバルブから放流中、河川維持放流でしょうか。

大きい方のバルブは、そのサイズからハウエルバンガーかなと思いましたが、形状からするとホロージエットの様に見えます。
ホロージエットなら、けっこう大口径のものではないでしょうか?

ドームのオーバーハングが強く、堤体のこの辺りは雨に濡れる事が無いので、「去年竣工しました」と言えるほど表面は真っ白です。

放流を観ていたら、ダム職員の方が巡回に周られているのに気が付きました。

IMGP9795.JPG

複雑な曲面を持ったドーム形アーチ。
この時代だとダムの設計は、現在のようなCADソフトはなく、図面もドラフターを使った手書きかと思います。
私事ですが、普段CADを使って設計をする仕事をしているので、よくこんな複雑な曲面の設計が出来るなあと、率直に感動します。(素人っぽいですね 笑)
僕の場合、年齢的にドラフターも使っていた最後の世代なので、両方の経験があるから余計にそう思ってしまうのか?。

ちなみに、この旭ダムが設計された1970年代は、時期的に1981年に初飛行したF-117 ナイトホーク が開発真っ只中なのですが、実はあのステルス機も全て手書き図面なのだとか。(レーダーの反射を抑える機体の設計を、なんと手書き図面で!!)

CADの無かった時代の設計って凄いなあ〜。ダムを造るって本当に大変。

てな、事を考えているうちに、職員さんがぐるりと巡回されて此方に登って来られます。

もちろん、ダムは完成してからも、毎日の管理も大変ですよね。
おつかれさまです。

IMGP9801.JPG

天端は立入出来ませんが、貯水池の上流、開閉所の近くに関西電力のPR館 旭エレハウスがあります。
少し小さめのこじんまりしたPR館ですが、ここでダムカードもゲット出来ます。
旭ダムは、電力会社系のダムですが、実はダムカードがあります。(近畿地方ダム連絡協議会制作)

アーチダムらしい険しい岩盤のダム湖。
谷の深さや、岩の表情は関電アーチのビッグボス・黒部ダムの貯水池にそっくりだと思いました。

この崖の上に100m級のロックフィル(瀬戸ダム 見学不可)があると言うのだから驚きです。そしてそれは有効落差505mだと言うから、さらに驚愕。

対岸の崖に峠道、瀬戸ダムへの関電管理道路です。
その下にコンクリートの構造物。柱のような物が6本見えます。
奥吉野発電所は6基の発電機を持っていますから、発電所からの放流路と見て間違いないでしょう。

IMGP9805.JPG

旭ダムは、大雨後の濁流対策としていち早くバイパス放流設備を持つなど、技術的な話題に溢れた、素晴らしい発電施設郡だと思いました。
山奥にあり、アクセスは決して良い場所ではありませんが、このエリアに来たら是非とも見学をお薦めしたい逸基でした。

旭ダム
★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム奈良県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2010/08/11 7:24 PM posted by: 東日流人
>F-117 ナイトホーク
何、この釣り針w
そんな餌で俺様が釣られクマ――

・・まぁ、それはそれとして。

F-117の外形は、当時設計ノウハウなど全く無かったため、模型を作っては電波反射を測定し、理論もクソもなく実験結果の積み重ねだけで作り上げた、とかいう話を聞いた事があります(余談ですがスカンクワークスですらそのザマだったのですから、ゴータ・ホルテンHo229の先進性は恐るべきものですね)。

どんなに異形に見えたとしても、それは求められる機能を極限まで追及した結果。そういうデザインには一種独特の凄みがありますね。このダムの不思議な曲面にも同じ匂いを感じます。

・・もちろんAMX-13にも(笑)
2010/08/12 8:47 AM posted by: あつだむ宣言!
こんにちは。
ふふふ、東日流人さんを誘い出すコツが解りましたよ。

なるほど、F-117は検証実験が造った造形なんですね。
唐突にいきなりあの機体をデザインしたら、会社クビになりますよね。

AMX-13・・・
砲塔が上下するところを見てみたい(笑)


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