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大滝ダム

堤高100m
G/FNWIP 2012年 国交省

2010.4.29見学

津風呂ダムを後に、国道169号で紀の川の上流を目指します。
やがて、進行方向に大滝ダムが見えて来ました。

それは、白亜の宮殿の様に見えました。

IMGP9633.JPG

長い歳月をかけ計画、建設されて来た大滝ダム。
2012年の竣工に向けあと一息です。
現在の大滝ダムは二度目の試験湛水に向けて工事が進められていました。

クレストにゲートや取水設備などの突起が無く、代わりにアーチ橋をモチーフとした意匠が施されています。ダムの外観は地元住民の方々の意見も取り入れてデザインされました。

深い減勢工の両岸は盛り土され、非越流部の裾が一直線にスッキリと伸びている事もあり、クレストの意匠がより際立って見えます。

IMGP9609.JPG

アーチ形の装飾の下に4門のラジアルゲートが隠されています。

非越流部のアーチの下には回廊が見えます。
訪れる前からこの部分の写真を見て、神社の回廊の様だと思っていたのですが、実物を見てもそのイメージは変わりませんでした。
個人的に大滝ダムには、宮殿や神殿のような厳かなイメージを持っているのですが、この辺りのデザインの影響だと思います。

金属フェンス張りの回廊は、通行する人も外部から丸見えとなります。
人もデザインの一部に取り込んでしまう狙いがあるのかもしれません。

IMGP9611.JPG

クレストのアーチ橋デザイン上の橋脚の上はバルコニー状になっています。
こんな細かい装飾の積み重ねが大滝ダムのデザインの完成度を高めています。

全体的に、ダムに見えないダムデザインというコンセプトでしょうか。
その狙いは成功していると感じました。

IMGP9613.JPG

試験湛水を待つ大滝ダム。

現在は川の水をそのままスルーさせています。

上流にある大迫ダムが利水専用で充分な洪水調節が出来ないので、大雨の時には否応なく洪水に曝されますが、そんな時こそ大滝ダム本来の活躍の時と言えるでしょう。
大滝ダムは本格的な運用はまだ先ですが現在でも洪水調節を行っているそうです。

左岸側に選択取水設備、その右にクレストゲート4門、下にコンジット3門。

コンジットは、センターだけ高い位置にあり、上下二段に配置されています。
より深い位置の方が効率よく放流できるのですが、湖水は下層ほど水温も下がるため、冷水による下流の影響を考慮して、通常は上段の1門が使われ、両脇の下段2門が開けられるのは大規模な洪水の時に限られる事になります。

IMGP9618.JPG

竣工後はここまで水位が下がる事はありません、インクラインのフロートも空中にあります。

インクライン左のスクリーンは、大滝ダムの第四の放流設備と言える 計画水位維持放流設備 のものです。
コンジットでは少量の流量調整が難しく、かといって利水放流設備では放流量が不足するような場合に用いられます。(放流能力80㎥/s)
用途的にはオリフィスゲートの様な使われ方になるのでしょうか。

IMGP9620.JPG

現在の一般用パーキングは工事見学用に用意された場所の様で、そこからダム本体までかなり歩きますが、がんばって歩けば現在は天端も自由に入る事が出来ます。

軽バンが走って行きますが、これは工事関係者の車です。
対岸にケーブルクレーンが見えます。

IMGP9624.JPG

減勢工が深く両岸が高く盛り土されているので、下流から見てそれほど高く見えない大滝ダムですが、クレストゲートの上から見下ろすとやはり100mクラスのハイダムである事を再認識しました。

そして、とても驚いたのが・・・。

IMGP9625.JPG

ゲートの開閉がワイヤー巻揚げではなく、油圧シリンダを用いていた事です。
後から知ったのですが、日本で初めて採用されたそうです。

ちなみに、油圧シリンダは3門のコンジット(高圧ラジアルゲート)にも使われています。

IMGP9626.JPG

天端から下流を眺めます。
深く、長い減勢工が伸びます。計画水位維持放流設備の放流口は手前右岸の壁にあります。

副ダムの下流には関西電力の発電所、さらにその下にあり、副ダムの様にも見えるのは、ずっと以前からある古い発電用取水堰堤です。



洪水調節、水道水、工業用水、発電・・・。
沢山の目的を持つ大滝ダムは、あともう少しで本当の産声を上げます。

その時は何かお祝いをしてあげなくてはね。

水位の低い空っぽの貯水池を見て、僕には大滝ダムの堤体が、水を貯めたくてうずうずしている様に見えました。



大滝ダム
★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム奈良県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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