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坂本ダム

堤高103m
A/P 1962年 電源開発

2010.4.3見学

ストイック侍。


クチスボダムを後に国道425を登って行きます。
峠道は舗装され乗用車でも問題ないのですが、秘境度は満点。
いきなり100m級かと思わせる滝が何の観光案内もなく現れたり、とにかく飽きさせません。

やがて峠の途中で川の流れの向きが代わり、またしばらく走ると険しい表情のダム湖の先にグラマーな坂本ダムが見えて来ました。

IMGP8813.JPG

大きく弧を描く天端。
クレストゲートは自然越流式という事もあり、とてもシンプルです。

装飾的なディティールも無く、照明さえも無い天端は究極的にストイック。ダム名碑さえも高欄の端に埋め込まれるシンプルさ。
唯一の特徴と言えば、ダム湖側と下流側で高欄が異なる事くらいでしょうか。

ここで先ほどクチスボダムで見かけた横浜ナンバーのヴィッツと再会します。
ひょっとして、と思い声を掛けると、彼の目当てはダムではなく「道」であるらしい。
「険道マニアなのですか?」と、聞くと、「いえ、酷道マニアです」との事。
それがどの様に違うのか、マニアの世界はどこも奥深いのでした。

IMGP8854.JPG

酷道マニア氏と名刺交換をして別れた後、ゆっくりと歩いて天端を散策します。
天端は自動車も通行可の様ですが、全く車通りはありません、対岸には集落なども無く、さいはて感が漂います。

険しいダム湖の表情。
ごつごつした岩盤がアーチダムならでは。

「坂本」と聞くと何故か親しみを込めて 「さかもっちゃん」と、呼んでしまうけど、それが「さかもとくん」→「坂本さん」→「坂本教授」(?)と、心の中で呼び方が変わるのに、さほど時間は必要ありませんでした。

IMGP8819.JPG

103mを見下ろします。すぐ下は池原貯水池です。
水がきれいですね、透き通った水の底にコンクリートの構造物が見えますが、副ダムと呼べるほどの物では無い気がします。

IMGP8853.JPG

対岸の右岸近く、下流側の高欄にスチールパイプの籠のような物が有りました。
鮫を撮影するダイバーが入るような感じのものです。

IMGP8850.JPG

それは、下流面に設置された監視カメラへ向かう為のものでした。
絶対に落っこちない様に配慮されていますが、もし僕が降りようものなら、魂だけ抜けて落っこちると思う。

アーチダムの右岸端はスラストブロックになっていました。

IMGP8820.JPG

車を止めた左岸もそうなのですが、とにかくダムサイトがやたらとタイトな坂本ダム。

特に右岸のダムサイトは車が方向転換できるだけのスペースしかありません。
慰霊碑もクラウチングトンネルを利用して、落石ガードの屋根の中にコンパクトに安置されています。

発電所への取水口も、堤体とは別の場所にあります。
巡視艇をおろすインクラインなんかは、ダム本体とは何キロもかけ離れた湖畔にありました。とにかく尋常じゃないタイトなダムサイト。

写真左奥には、キャットウォークへ通じる巡視路。

IMGP8821.JPG

アーチの下に見える放流設備。ハウエルバンガーのようです。
素っ気ないほどのシンプルなデザインが坂本ダムの特徴。ここへ向かうにはキャットウォークしか無い様です。

薄いドーム型アーチの坂本ダムは、巡視用エレベータはおろか、内部に監査廊さえ無いように見えます。
実際、堤体や、キャットウォークの何処にも堤体内に入れそうなドアーが見当たりません。

IMGP8825.JPG

灰さんのDVD 「ザ・ダム 放流」 の中で、この坂本ダムの夜間越流の映像が収録されていますが、周囲に何も無い険しい山中での夜間撮影は想像しただけでチビリそうです。

このアングルからの坂本ダムは、クレストが自然越流吐だからか、黒部ダムによく似てる気がします。ストイックなダムに共通する、男臭さがあるからかもしれませんね。

IMGP8855.JPG

究極まで贅肉をそぎ落とした発電用巨大アーチは、研ぎ澄まされた日本刀のようなクールさ。
男前の坂本ダムでした。

坂本ダム
★★★★★

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