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女子畑第二調整池

堤高34.3m
G/P 1931年 九州電力

2010.3.22見学

見返り美人。


女子畑第二調整池。
ちょっと萌え系な名前のこのダムは、九州電力女子畑発電所へ水を送っている重力式コンクリートダムである。
ロケーションは険しい山間部ではなく、田畑の広がる丘陵地帯の中にあるのだが、すぐ脇に第一調整池がある都合で、周辺は広範囲にわたりフェンスで封鎖され、以前から謎に包まれているダムである。



公道から見える唯一のポイントから。
クレストにはゲートや取水口の類は無いようだ。間瀬湖に似た高欄のデザイン。美しいダムの予感。
これは是非とも下流面からの姿を観たい堤体である。



調整池の左岸の農道を進む。

丘陵の複雑な地形の為、少し調整池から離れると方向感覚も鈍る。ナビの画面を手掛かりにダム本体に近づけそうな農道を進むと、作業中のトラクターに行く手を阻まれた。
 
チャンスだ。
「すみませーん、ダムが見える場所、無いですかーっ、コンクリートの壁が見える場所でーす!」
 
トラクターを運転していた親父さんは、傍らのおばさんと顔を見合わせた後、運転台の上に立ち上がり振り返ると、大声で、
 「一本、手前の道ーっ」「コンクリ舗装の坂ーっ」「行き止まりまで行くーっ」「その後、かなり歩くー」と、オーバーぎみのジェスチャーを交え、道を教えてくれた。
 
なんだか、つげ義春の温泉旅情シリーズに登場するじっさまに思えて楽しかった。
 
教わった道はすぐ判った。
農道の行き止まりは広くなっているので、普通車なら方向転換もできる。ここからは徒歩で向かう。



直ぐに調整池が見えて来た。写真の左に堤体、右がインレット側になるが水は動いていない。流れ込みは天然河川ではなく人工の水路で、流入も操作されていると思われる。 



やがて堤体が見えて来た。
貯水池の奥に見えるのが発電所への取水口、女子畑発電所の出力2万6750kWは、竣工当時は日本を代表する最新鋭の発電所であった。



そしてついに堤体の正面に対面。

おおーっ。

勾配が緩やかに見えるシンプルな下流面。
大きな曲面を描くバケットカーブ。
高欄から下流面がストンと垂直に落ちて始まるので、余計にバケットカーブが大きく見える。

全体としては裾が広くどっしりとした安定感があるが、堤頂幅が狭く、クレスト付近は繊細な印象も感じる。

施工は間組。
後に、丸山ダム、佐久間ダム、黒部ダムなどを施工し、ダムの間と呼ばれる事となる間組であるが、堤高30mを超える築堤はこの女子畑が初であったそうだ。



高欄はアーチ形にコンクリートがくり貫かれ、鉄格子がはめられる凝ったもの。

今年で竣工から89年を経ている女子畑第二調整池。
今でこそ、この様な意匠は珍しいかもしれないが、ダムは橋などに比べ耐用年数が格段に長いので、ダムが完成した1930年頃は、きっと日本中のコンクリート橋でこのような美しい装飾が見られていたのかもしれない。

高欄上部の丸みが素晴しい。出来る事なら、直接なでなで、すりすりしたい。
手や頬が血だらけになるかもしれないけど。



対岸に車道が見える。
九州電力の管理道路だろう。天端への入り口は厳重なゲートで封鎖されている。



下流方向。
遠くに見えるコンクリートの構造物は、隣の第一調整池の設備ではないかと思う。
女子畑第二に向かう管理道理は、ずいぶんと手前でもゲート封鎖されている。この女子畑第二調整池が、ほとんど愛好家を寄せ付けなかったのが判る。
 
日本全国のダムを精力的に巡り、「ダム巡りのペースが変わらない、だた一つのダムマニア」 こと、だい〇ん によると、第一調整池は既に廃止されており、現在はすっかり埋立られてられているのでは?との事であった。実際、最近ダム便覧から第一調整池は削除されたようだ。



もう少し下流方向に行ってみよう。
雰囲気のある廃道をゆく。



ダムの下流側を見下ろすと、下には道がある様だ。
あそこまで行けるかな?行けないかな?いや、行けるかもしれない。



えい、こうなったら。

後先を考えず、とりあえず斜面を滑り降りる。帰りに登れるかは、その時に考えよう。
自宅から1000キロ近く離れた場所で、こんな事をするつもりではなかったのだが。

がさがさがさ。



なんとか、ダムの下流側に降りる事ができました。

ダムからの水は右岸のトンネルを通って発電所に送られるので、ダム下に河川はありません。調整池なので流入も操作しますから、余水吐も必要ないのです。

息を切らしながら近づくと、茂った木々で、あまり良く堤体が見えません・・・。

木製のフェンスから向こうは植樹林となっていました。
実は、この場所は、女子畑いこいの森と名付けられ、自然観察などの場として課外授業や子供会などで利用が出来るようです。

http://www.kyuden.co.jp/environment_activity_onagohata_index.html

ホームページを閲覧するとラブリーなイラストになんだか少し肩透かし。



落ちていた棒切れを杖にして、なんとか斜面を登って、元の場所に戻りました。
V字形の整った正面形状をしています。男前?、いや、やはり美少女でしょうか。

でも今じゃ、すっかりおばあちゃんかもしれませんね。



女子畑第二調整池
★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム大分県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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