無料ブログ作成サービス JUGEM
←prev entry Top next entry→
千苅ダム

堤高42.4m
G/W 1919年 神戸市営

2009.11.28見学

日本の名堤。


千苅ダム。それは神戸市水道局が管理するいわずと知れた名堤である。
ダムまでは、下流の水道局千苅貯水場から向かう事となる。
大正時代に築かれた貯水池には、車が通る事を前提とした道は無い。

貯水場の門の脇から敷地を迂回するように歩道がある、川沿いに歩くと千苅ダムは、やがでその姿を現した。




想像していたよりも大きく、迫力のある下流面。
はじめて見る切石布積みの美しさに言葉を失う。いや、何かしら歓喜の声をずっと言っていた気がする。

昭和初期に6mほど嵩上げされて現在の姿になったというが、一目には工事の痕跡は感じられない。
石積みをくまなく観察すると、平行に、ほんの少しだけギャップに感じるラインがある。ひょっとして嵩上げのラインだろうか。

17門のスライドゲートが頭上から見下ろし、僕は少し神妙な気持ちになる。
各ゲートのアーチが美しい。


遊歩道は右岸を天端の高さまで葛篭折れに登り、そのまま湖畔へ続いている。
下流面は一直線ではなく、下側に向け美しい弧を魅せる。



クレスト部分のクローズアップ。
ゲート部のアーチもしっかりと切石で形作られている。

この辺りは確実に昭和に入ってからの改築部分だろう。内部はモルタルの地肌となり、切石積みは見られない。
大正8年の竣工から、昭和6年の嵩上げ工事の間は、ダムの施工法の中で、型枠を使ったコンクリート整形が確立されていった時期と言える。
この期間の間に、初の型枠整形のコンクリートダムと言われる大井ダムが完成している。(工事期間 大正21〜24年)



天端高さまで来ました。
遊歩道のすぐ脇にある記念碑。英語でも刻まれているのが、神戸らしい。



振り返ると天端が伸びる。
雰囲気のあるフェンス。神戸市水道局のマークは、ペイントではなく切り出した金属板の加工品。昔の人は仕事が丁寧だ。


遊歩道をそのまま進み湖畔へ。
少し終わりかけていたが、それでも充分に紅葉が美しい、神戸の紅葉がこれほど見事だとは知らなかった。

貯水池側に丸く突き出した所が水道用の取水口だろう。



スライドゲートをクローズアップ。

湖面はゲート上部まで溢れんまかりの満水状態。
放流設備はクレストのスライドゲートの他に、左岸にトンネル式の余水吐を持っているとの事だ。

初めて見る構造のゲート。現存するスライドゲートでは最古のものだそうだ。
ゲートの昇降はワイヤーではなく、ロッドで行なわれている。つまり、ゲート自体はそれほど重くなく、下降は自重ではなく積極的に駆動させてやると言う事か。
ロッドにはラックの歯も見えなかったのだが、どの様な構造になっているのだろうか?。



先ほどのフェンスに張り付いて天端を覗く。

高覧は装飾性は無いものの、支柱は貯水池側にもシンメトリーに配置されており、設計者のこだわりと、様式美を感じる。

スライドゲートの駆動部分、巨大な減速機が対岸まで続く。その数17門×2基。
モーターが意外と小さいが、さすがに当時の物では無いかもしれない。手前には手動のハンドルが付いており、モーター以外にも手動操作が出来るようだ。
この辺りは、天端が厳重に立入禁止となっている要因の一つかもしれない。



再び、元のダム下まで戻る。

スライドゲートの上から溢れた湖水が、薄く石積みの上を滑ってゆく。
季節ごとに美しい姿を魅せてくれる事だろう。



千苅ダム
それは美しい、石積みのダム。

★★★★★





| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム兵庫県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2013/09/30 10:19 PM posted by: Shun
良いですよねー千苅ダム。
強く印象に残る石積みダムです。
僕が訪れたときは放流中で、
堤体が見えたときには感動しました!!
2013/10/01 5:38 PM posted by: あつだむ宣言!
Shunさん

千苅は比較的放流のチャンスが多いようですが、何故か僕はフラれてしまいました。
下流から歩いて行くと、登場の仕方はとても劇的ですよね。
name:
email:
url:
comments:
Trackback
http://side-way.jugem.jp/trackback/378