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石淵ダム

堤高53m
R/FAP 1953年 国土交通省

2009.10.11見学

石の老兵。



日本で最初のロックフィルダム。着工は戦後間もない1945年、竣工は一足先に岐阜県の小渕ダムが1951に完成した為、石淵ダムは着工順としての日本最初のロックフィルとなる。

胆沢ダムの建設現場を後に石淵ダムへ向かう。
既にかなり前から胆沢ダム建設に伴う住民の移転が完了しているのだろう、石淵ダムの周辺は枯ススキのなびく原野の趣がある。

訪問時はオリフィスゲートの工事の為、天端は立入禁止。
ダム湖の水はつい先日の台風18号の影響か茶色く濁る。



石淵ダムは全国でも施工例の少ないコンクリート表面遮水壁型のロックフィルである。
まだ技術の含蓄が多くなかった初期のロックフィルに多い形式と言える。
2008年6月に発生した岩手・宮城県内陸地震により、石淵ダムは堤頂部を中心に被災するが、幸い表面遮水壁には異常は見られなかった。
特徴的な取水塔(以前から使われていない)もダメージを受けたようだ。



左岸の放流ゲート部には雪囲いで覆われた管理通路が開放されており、ゲート部分を下から観ることができる。
中心に2門のオリフィス、左右に2門づつ非常用のゲートを配置。
コンクリートの味わいが半世紀もの歴史を語りかけてくる。


ゲートから下流にかけて幅広のスロープが伸びる。
その後、滝のように一気に減勢池へ放流される。
この形状は東京都の水がめ小河内ダムの洪水吐によく似ている。




今立っている地点がダム下のようにも感じるが、堤高53mのこのダムにとってこの場所は五合目辺りにあたる。

僕がこの歴史あるロックフィルを見学して意外に感じた事は、リップラップが綺麗な整形タイプであった事だ。
荒々しい表情の岩屋、御母衣、九頭竜などを見て育った僕は、整形リップラップはつい最近の工法のイメージを持っていたからだ。これは考えを改めねばならないと思った。

半世紀以上にわたり、流域の安全と生活を支えてきた石淵ダム。
やがて沈み行く老兵は、眼前に築かれつつある自分よりも何倍も大きな胆沢ダムを見てどう考え、何を想うのだろうか。

石淵ダム
★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム岩手県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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