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黒部ダム

堤高186m
A/P 1963年 関西電力

2009.6.3見学

黒部ダム。
あまりにも有名な、日本の高さNo.1のダムである。

黒部ダムへは、富山の立山からと長野県の大町からのルートがあるが、今回の訪問に合わせ小説 黒部の太陽を読んだ事もあり、もちろん大町から関電トンネルを通って向う事にした。

関電トンネルの扇沢駅には、今春テレビで放送されたドラマ版 黒部の太陽の展示などがありバスの改札が開くまで気分を盛り上げてくれる。

定刻となりバスに乗り込む。迷う事なく一番前の席に座るダム愛好家。
関電トンネルは黒部ダムの為に貫通され、ダム建設時には大動脈となったトンネルである。
専用のトロリーバスでしか通行できないそのトンネルは、アップダウンやカーブが多く、たしかに一般開放には向いていない工事用の隋道だ。
トンネル工事で最大の難所であった破砕帯は青い照明が取り付けられアナウンスで紹介される。



堤体を見る以前にもうすでに、テンションMax状態のダム愛好家。

ほどなく黒部ダム駅に到着する。
駅は地下鉄構内の様な立派なもので、地下通路を抜けるとそこは黒部ダムの右岸である。



でかい。
グラマラスなアーチダムが長いウイングダムの先に見える。

僕はじっくり味わうように、ゆっくり散策する事にした。

今日は欄干の塗装作業などが行われていた。
高さ186mの作業現場。安全な天端からの作業だとしても、高所が苦手な僕には有り得ない。



黒部ダムの堤体の周辺には大小さまざまな建設時の遺構が残る。
中でも右岸のクレーン架台は、巨石文明の神殿を思わせる荘厳なものだ。

年間何万人もの観光客が訪れる黒部ダムは、売店や食堂も充実している。
売店では見逃していたNHKプロジェクトXのDVDが販売されていて、見本としてテレビに映されていた。食い入る様に観ていたら、結局丸々1本立ち見してしまった。

堤体を鑑賞できる展望スペースも充実していて、いろいろな角度、高さから堤体を眺望する事が出来る。
一番高い展望スペースはクレーン架台の脇にあり、クレーン台へ登る道の途中にある。



オーバーハングの深いアーチには複雑なキャットウォーク。
竣工当初の写真を見るとキャットウォークは横一直線の回廊が等間隔で並び、今よりも本数が多い。その後必要な部分だけ残し、不要なキャットウォークは外され現在に至る様だ。

左岸の岩盤補強の幾何学的な法面が恰好が良い、ステルス戦闘機の様だ。

このダムは減勢工にコンクリートの構造物が無い。
常用の放流バルブは水を拡散させるフィクスドコーンスリーブバルブであり、クレストの越流式非常用洪水吐も、この高さであるから放流水は空中で分解され強固な減勢工を必要としないのかもしれない。

この高さから感じる黒部ダムはアーチの深さと同時に、両岸のウイングダムの重厚さを強く感じる。
アーチ両端が、ぐっと下流にせり出している姿は、通常のアーチ式とはまた別の、特別な形式に見える。
アーチ直下には、白い塊となって残雪が残る。

夏から秋にかけては豪快な観光放流が人気のダムであるが、今日は放流は行われていない。
ダム愛好家としてはまず、バルブそのもの見たいと思い、あえてシーズンを外し訪問したのだ。
上から黒部ダムを観た後は、下からも見るべきだろう。そしてバルブも正面から観てみたい。

堤体の下流側にはダム建設時に作られた旧日電歩道があり、河原まで降りる事が出来る。
旧日電歩道は下流で欅平から伸びる水平歩道へ通じる登山道で、毎年秋の限られた時期しか開放されていないが、今回は関電トンネル黒部ダム駅で、確認と許可を経て歩道へ向える事となった。

旧日電歩道へは、関電トンネルのトンネル内にある脇道を使う。
駅の改札内に進入し、トンネル構内を徒歩で通過する必要があり、当然、黒部ダム駅の駅長室で立入の許可を得る必要がある。(最近、無許可で入った人が居て問題になったそうだ)
また、帰路も同じく関電トンネル内へ戻る為、トロリーバスの発着時間を把握しておく必要がある。
トロリーバスは構内に人が立入っている場合、緊急停車をする事になっており、必ずバスが居ない時間帯を見計らって立入る事が求められる。

旧日電歩道は道の状態が悪く、決して安全な歩道では無いので最新の状況を知る上でも、必ず駅長室で確認をして頂きたい。今回は駅職員さんが直々に歩道入口まで案内して下さいました。

旧日電歩道は崖を転がるように下る急な部分もあり、安全には充分注意が必要だが、目的地がはっきりしている為、道すがら不安になる事は無い。
黒部ダム駅の高さから、ダム下の河原まで、およそ180mの高低差を一気に下る。
林の向こうに白い河原が見え出して来たら、ゴールはすぐそこである。

見上げる黒部。

大きく翼を広げた堂々たる姿は、厳しい環境を耐え抜く力強さと、王者としての威厳に満ちていた。



天上天下唯我独尊。黒部ダム
★★★★★


2011.12.6 追記

下流から見上げた黒部の写真ですが、旧日電歩道の橋から、黒部ダム方向へ100〜150m程度上流まで行っています。

訪問時は旧日電歩道のシーズン前に行われる整備の前で、本来は橋から上流は立入禁止かもしれません。訪問時、規制線がなく意識せず上流に向かいましたが、改めて考えると整備前で規制線が流されていた可能性があります。

黒部駅に戻った後に、駅長室で橋から上流への立入について尋ねた所、「常識の範囲内なら」という事で、事後承諾ですが許可を頂きました。
「常識を超えて」黒部ダムに近づいた場合(ダム天端から観て、すぐ下に人が居る・・と見える場合)、関西電力からかなり厳しい措置をとられる事になります、事実、過去に事例もあるそうです。

訪問時の黒部駅での対応ですが、黒部駅(関西電力)の好意によって対応頂いたものです。
ですので、現在、及び今後同じように対応頂けるとは限りません。
また、僕のこのブログを過去の事例(実績)として交渉される事は、好意で対応頂きました黒部駅(関西電力)に対して申し訳なく、私の本意ではありませんのでご遠慮下さいます様お願い致します。

ちなみに、観光放流を行っていない時期であっても、黒部ダム直下の左岸の谷より常に流入があります。降雨後や、雪解けシーズンは放流が無くても水量が多く、危険を伴う場合がありますので、旧日電歩道で直下に行かれる場合は、くれぐれも気を付けて下さい。

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム富山県 | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2013/09/30 10:07 PM posted by: Shun
やはり黒部ダムは“高い”というより“大きい”
というイメージですよね〜
展望台が整っていて見学しやすかったのが良かったです。
僕も下流から眺めて見たかったです。
2013/10/01 5:35 PM posted by: あつだむ宣言!
Shunさん、コメントありがとうございます。

新しい展望台が出来たと言う事で、8月に再訪してきました。
日本のダムの大ボスらしく、いろいろと充実していますね。

下流からの眺めですが、登山道の状況を知る上でも、トロリーバスの駅長室で許可を頂く事をお勧めします。
2018/08/08 4:57 PM posted by: CAO
 はじめまして。こんにちは。
 先日、黒部ダム〜日電歩道(内蔵助谷出合の手前)まで歩いてみました。
 日電歩道が全線開通するのは9月末ごろですが、この季節ですと出合までは通行できました(ダムを出たところに掲示してありました)。
 なお許可については、特に必要はないのではないかと思います。そのような掲示もありません。ダムサイトに出るトンネルのところに係員がいたので「登山道に行きます」と声をかけましたが特に反応はありませんでした。それよりも警察に「登山計画書」を提出した方が良いでしょう。私も富山県警本部に出しておきました。
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