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馬ヶ城ダム

堤高16.6m
G/W 1933 瀬戸市営

2009.6.7見学

馬ヶ城ダムは、愛知県瀬戸市営の上水道用貯水池のダムであり、昭和8年に瀬戸市の中心街に水道が通されて依頼、馬ヶ城浄水場は休む事なく市内の水道水を送り続けている。

通常、馬ヶ城浄水場(及び馬ヶ城ダム)は関係者以外立入る事は出来ないが、毎年、年に1日だけ一般開放されると言うので車を飛ばして行ってみました。

馬ヶ城浄水場の敷地内は庭園の様に整備され、落ち着いた雰囲気の中に小川が流れ、小さな橋が架かる。



管理事務所は、レトロ趣味で後に建てられたものではなく、浄水場が作られて以来、大切に使われて来た由緒ある木造の建物である。
現代の建築からすると、一室が狭いこじんまりとした間取りで、床や壁、照明器具も当時のままの様に思われた。
木製サッシュのガラスも趣味の良い形ガラスで、勿論今では入手できない。お聞きするとまだ数枚予備のガラスがあるそうで、やはり古い物を大切に使い続けるにはそれなりの心配りや苦労がある様だ。



事務所の手前に流れる小川は、馬ヶ城ダムの放流水の水路であり、庭園の中を流れの上流に歩くと木々の間から堤体が見えて来る。

幅の広い自然越流式洪水吐を持つ小柄な堤体から、純白のレースのカーテンが初夏の風になびいている。



この馬ヶ城ダムは美しい越流を魅せる事で名高い名堤であるが、常時越流している訳ではなく、限られた開放日の中で、これほどのはっきりとした美しい鱗模様を拝見出来るのは奇跡的である。

後で職員の方にお聞きしたのだが、実は、越流が最も美しくなる様に、数日前から貯水池の水位を調整されたとの事で、まさに、管理職員さん認定のベスト越流なのである。

今日、こんなに美しい越流が見れる事は奇跡では無かったが、美しい鱗模様はそれ自体奇跡であり、それが鑑賞できる事が幸運である事は間違い無い。

堤体は高さ16.6mの小柄のもので、左岸の林の歩道を登ると簡単に天端にたどり着く。
純白のレース編みの左右は一面グリーンのベルベットで覆われ、青い土のアロマが香る。



貯水池は堤体の規模からすると立派なもので、周囲は水際まで眩いほどの緑輝く森に囲まれる。

この地は焼物の名産地でもあり、ダムが完成した当時は、森の木々は焼き釜のくべ物として完全に燃やし尽くされ、日本三大はげ山のひとつと呼ばれた土地だったらしい。
現在の美しい森からは全く想像できないが、自然の治癒力と、長い歴史を感じさせるエピソードである。
現在でも貯水池周辺の森を散策すると陶器片がたくさん見つかるそうである。

水を磨く浄水場へは、普段は付近の天然河川から送水される。
この貯水池は、天然河川の水量が不足する時、水の取り入れ口を逆流させ、河川へ水が送り戻される仕組みとなっている。
堤体の貯水池側に水の取入口、兼、取水口があり、今日は河川から此方へ水が送り込まれていた。

さわさわと音を立て、流れてゆく鱗模様。
馬ヶ城ダムの越流部が、何故この様な美しい模様を描くかはよく解らないそうだ。
コンクリート表面の肌の影響もありそうだが、水の流量と、堤体の傾斜角の組み合わせにより、コンクリート面で水泡が生まれ、転がる様に鱗を描く様に思えた。

時間をかけ、ゆっくりと見学をしていたら、すっかり日が陰り一般公開の終了時間になってしまった。
さっきまで日が当たりキラキラと輝いていたカーテンは、しっとりとした落ちついた表情を見せている。



手前の植栽は楓、秋にはまた違った美しい情景がある事だろう。

「秋には公開されないのですか?」

後片付け中の職員さんに尋ねると、

そう言って頂けるのは本当に有難い事です。
ですが、少ない職員で、お見せできる庭に保つのは大変であり、水道施設という性質上、見学回数を限定せざるを得ないのです。と、お話下さいました。

毎年、水道週間の日曜に行われる馬ヶ城浄水場一般開放。
とても楽しく見学させて頂きました。

純白のレースのカーテン。馬ヶ城ダム
★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム愛知県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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