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桂貯水池堰堤

 堤高12.4m
G/W 1900年 舞鶴市営

2009.4.4見学

妖精の住む堰堤。



桂貯水池堰堤。

19世紀最後の年に完成という堤体は、現在の河川法で言うダムには満たない堤高であるが、同年、わが国初の重力式コンクリートダムである布引五本松ダムが、この堰堤の半年前に完成しており、日本最古級のコンクリート製堤体という事には変わりない。

また、舞鶴旧鎮守府水道施設として、国の重要文化財に指定される銘堤体でもある。

堰堤は岸谷ダム正面の道を数百メートル奥へ分け入った所にある。岸谷ダムとは距離的には近いが、川筋は別の谷川である。
道路地図で観ると岸谷ダムと相向かいに、名も無い貯水池が描かれている事が多いが、この池は桂貯水池とは無関係であり注意が必要だ。実際の桂貯水池は地図には載らないほど小さな池なのだ。

ダムは林道を車で進むと右手に見えて来る。
ダムサイト近くまで林道を登ると堰堤はよく見えるが厳重なフェンス越しの見学となる。
狭い林道であるが、車は手前のカーブの路肩に停める事が出来る。
岸谷ダムと同じく、舞鶴の軍港の給水施設として旧日本海軍により作られたが、現在も市の水道の水源として現役の貯水池なのである。

より堰堤に近づきたい場合は下流に小さな社があり、神楽などを奉納できる空き地があるので、その奥から歩道が通じている。但し、みだりに立入る事が禁止されているので注意が必要だ。

ここから先は幽玄な谷川と森の世界だ。

ふかふかの地面はもちろん、谷川の岩肌や、森の立木までが鮮やかな緑色の苔に覆われる姿に言葉を失う。
念の為、長靴と軍手を着用、見事な苔の芸術を剥がしてしまわない様、何も触らず、ルートを吟味して進む。
一歩一歩、地面を踏みしめる度、腐葉土と苔のみずみずしいアロマが湧き上がる。

桂貯水池堰堤は、その奥にじっと、しかし堂々と姿を現した。

茶色く湿った石貼りの堤体。
自然越流式の吐きには青々とした水草(苔ではない)を生やす姿は、掛け軸の亀が尻尾の様に苔を生やしている姿を連想する。

下流面の水が流れる部分は少し窪んだ形になっており、両脇が導流壁の役目を持っている。
天端から流れるように自然なカーブを描く下流面はドレープと表現したい美しいもので、クレストの越流部の石柱も、積み上げる石の材質や形状を切り替えるなど凝ったディティールを持っている。
それは、最古のコンクリートダム、海軍の施設という生い立ちから想像もできないエレガントなものであった。

谷川の全てを覆う苔、美しい曲面をすべり落ちる清流、時折ポタポタと木々からの雫が傘を揺らす。
100年前も、これからも。

桂貯水池堰堤
★★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム京都府 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2009/09/01 7:47 AM posted by: 夜雀
おはようございます。
おお。桂♪

かなり暗い写真になってますね。
お天気悪かったんでしたっけ?

幻想的な桂にはやっぱり剣と魔法と妖精がぴったり。
だけど木々の植生が日本というギャップ。
やっぱり桂はいいですね〜。

    夜雀 拝
2009/09/01 12:22 PM posted by: あつダム宣言!
おはろうさまです♪

写真が暗いのは下手なだけかも、ははは。
ずっと雨降りだったので、傘さして写真撮るのは苦労しました。
でも、おかげで越流していたのでラッキーでした。

こんなに苔生してる場所って、カメラの広告写真でしか見た事ないので驚きでした。
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