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山口堰堤
堤高17.1m
G/砂防 1934年 愛知県

2009.2.28見学

愛知県瀬戸市 海上の森の中に赤い壁は確かにあった。

山口堰堤 昭和9年、既存の砂防堰堤を改修し、農業用水の利水を行った多目的ダムの草分け的存在であるらしい。
但し、その後取水は行われなくなり、現在は再び砂防堰堤として、道さえない森の中でその余生を送っているのだと言う。

海上の森の駐車場へ車を停める。早春の森を散策するハイカーで駐車場は賑わっている。
整備された歩道へ向かうハイカーを背に、独り空き地から藪を漕いで突き進むダム愛好家。

今日は長靴を履いて、河原に降り遡上してダムを目指す。
「川あれば上流にダムあり」
河原に降りる事が出来ればダムまでは一本道、迷う事は無いだろう。

藪を漕いで河原へ降りる。森の中とは言え、都市近郊であり生活ゴミが目に付く、まだ2月だと言うのに、水にはすえた匂いも感じる。夏季にはとても訪れる事が出来ないだろう。

悪戦苦闘、しかし読みは的中し、目前に山口堰堤が姿を表わした。


 
砂防堰堤の頂上に小振りのラジアルゲートを並べた姿は、今迄観たどの堤体と明らかに異なる。
右岸の堤体の一部は一段低く水通しになっており、川の水が溢れ、階段状の岩盤補強の上を滝の様にこぼれ落ちてゆく。
 
錆付いた鋼のラジアルゲートの粒子達が、垂直に近いコンクリートの壁を朱色に染めている。それはカルシウムの粒子が長い年月をかけ鍾乳石を作るかの様だ。


 
しばらく赤い壁を眺めていたら、まだ春は遠いと云わんばかりに冬の夕日が斜めに射し込んで来た。

ぐずぐずしていられない。一度来た河原を戻り、再び空き地から天端を目指す事にした。

身を屈めて這う様に藪の中を進む、方角と距離感が判っているから迷う事は無い。
厳しい藪は多分50m位だろう、ダム左岸の山まで来るとかつての歩道も残り、林の木々の間から再び山口堰堤が見えてきた。

天端に立つ。錆付いた欄干は決して当てにしてはならない。

ゲート巻上機は手動式でプリミティブだ。
船の舵に似た大きなハンドルが付くが、赤錆びだらけの減速機と共に、完全に時の流れを止めてしまった様だ。



堆砂で激しく埋まっている貯水池は、一面枯草に覆われ、冷たく乾いた夕暮れの風が物哀しく吹くばかりだ。

ダムと廃墟のコラボレート。山口堰堤
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