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佐久間ダム
 堤高155.5m
G/P 1956年 電源開発

2009.1.31見学

だれよりも強く、なによりも熱い。



佐久間ダムは戦後日本の土木建築の金字塔であり、高度成長の象徴であり、日本ダム界のキングである。

堤高は155.5m、前年に竣工した98.2mの丸山ダムからいきなりのジャンプアップであり、丸山ダムで行われた新しい技術や試みはこの佐久間ダムで確かなものとなり、後の黒部ダムへと繋がって行く。

天端は解放され自由に見学ができる。
高さ140mの有峰ダムが最高峰だった僕にとって、天端からの眺めは未経験の高さであり、見下ろせば脚がすくむ。

クレストには巨大なローラーゲート5門、そびえたつゲートピアも巨大でちょっとしたビルやアパートのサイズだ。ピア側面の空色の「佐久間ダム」のロゴにしびれる。

佐久間ダムを訪問後、現在(2009.8月)まで、浦山や奥只見など佐久間よりも高いとされる堤体も観て来たが、感覚的には佐久間が一番高く感じる。
この巨大で高いゲートピアが佐久間ダムの高さをより誇張している様に思えるし、実質的にもピア頂上までの高さであれば、確実に奥只見を越え日本一高い重力式コンクリートダムはこの佐久間ダムであろう。

天端から見える導流壁の重厚な造りに惚れぼれする。今迄観てきたどのダムよりもぶ厚く、ゴツい。
それはコンクリートでしか成し得ない、芯の詰まった力強さに満ち溢れている。

またクレストゲートの正面に天端から独立した通路があり、丸山ダムとの類似性を感じさせる部分だ。

ダム湖は広大でゆったりとしているが、深い山なみが、天竜川が暴れ川として恐れられた事を物語る。
ダムサイトにある取水口は無骨なダム施設とは思えないエレガントな様式で、女性的な美しさがある。

訪れた時期が悪かったのか、左岸の上にある展示館は休館の様で、登り口で堅くゲートが閉められていた。

ダムサイトの雰囲気のあるトンネルの中ほどから、左岸下流側の展望台へ抜ける事が出来る。
展望台から眺める堤体は、堤高155.5mが造り出す長大な下流面をたっぷり観賞する事ができる。
越流面を一直線に描く放流跡のストライプが豪快かつ美しい。
展望台から、しばらく何も考えないで眺める。何も考える事が出来なかったと言うべきか。

佐久間ダムは他のどのダムとも異なるオーラに満ちている。
ダム建設に懸けた男達の熱い思いが、竣工から53年経った今も冷めずどこか熱を帯びているのかもしれない。

だれよりも力強く、なによりも熱い。
 

いちど車で下流へ戻り、国道152号線の橋の袂から再びダムを目指す。
道は関係者以外車両進入禁止の為、路肩に駐車し徒歩で向かう。

途中、吊橋(車両も渡れる立派なもの)を渡り、15分も歩くと視界が開け、真正面にキングが姿を表わす。

頭の中にチューバの割れんばかりの重低音が響き、ラヴェルのボレロの重厚なエンディングの小節が、延々と津波の様に繰り返される。

非現実的な巨大なコンクリートの塊を前に、僕は天敵に睨まれた小動物の様だ。

キング佐久間
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| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム静岡県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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