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加子母防災ダム
 堤高35.6m
G/F 1975年 岐阜県営

2008.12.6見学

じっと待つ。



加子母防災ダムは普段は水を貯めない、いわゆる穴あきダムである。
穴あきダムの訪問は初めてなので、かなり衝撃的だったのを覚えている。

堤体の正面(下流側)は、一般的な直線重力式のダムとさほど変わった点は無い、クレストの吐きは自由越流式で、広い減勢工がプールの様に広がり、コバルトブルーの水を湛えている。

よく見れば、オリフィス(と呼ぶかは不明)が減勢池の水中に沈んでおり、白い泡と共にダム上流からの水を吐き出している。

美しく穏やかなダムの表情は上流側を見て一変する。
垂直に切立ったコンクリートの壁。
ダムの中心には大きなバケツ状の吐きが2門、巨大な口を開けている。
天端から覗く吐きの中は、底がないかの様に何処までも暗く、今にも吸い込まれそうな恐怖感がある。
巨大バケツの間口には鋼鉄の頑丈なゴミ受けが取り付けられ、過去の出水時に流れて来た樹木がそのまま引っ掛かっている。
さっき下流面に放流していたのが通常のオリフィス、この巨大バケツが洪水時のオリフィスにあたる部分と言う事だろう。

よく見ると、キャットウォークが両岸と吐きをつないでいる。念の為説明するが、こちちらはダム湖側である。
湖水の無い重力式はこんなにも高く感じるのか。堤高35mがとても高く感じる(基礎掘削が浅いのだろうか)

天端は完全に農村集落に溶け込んでおり、只の何処にでもある生活道路の橋の様である。
一見してそれが防災施設とは全くわからない。地元の方もダムとの認識はしていないだろう。

そんな具合なので、土地勘の無いダム愛好家がたどりつくのは、下調べと運が必要だ。
実は以前、下調べ無しで現地入りして、結局ダムへたどり着けなかった体験がある。

天然記念物にも指定される大木「加子母の杉」がダム近隣にあり、ナビの名称検索でヒットする場合がある。ダムは加子母の杉から上流入った集落の中にある。
なにせこのダムはダム湖が無い。地図上でも現地でも目標になるものが無いのだ。

緑の苔や朱色の菌類たちが繁殖するコンクリート。
どこか薄ら寂しい情景は、乾いた冬の北風のせいばかりでは無いようだ。

加子母防災ダム
★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム岐阜県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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