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ここも観てきた 栃木県

日光第二発電所取水堰 G P

日光第一発電所取水堰 G P

湯西川ダム G FNAWI 2012年 119m

松田川ダム G FNW 1995年 56m

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庚申ダム

堤高29m
G/P 1985年 栃木県営

2010.7.18見学

茨城県を後に栃木県まで戻って来ました。
庚申ダムは渡良瀬川にそって走る国道122から、足尾温泉方面へ少し谷を入った所にある県営の発電専用ダムです。

シャキッと伸びたゲートピア。
大きなゲートの右脇にも放流設備があるようなのですが、アングルの関係でよく見えません。排砂ゲートかな?と思いますがあまりにも狭い隙間のような形なのでなんとも解りません。

堤頂長はおよそ56m、小振りのダムですが堤高は29mと思ったよりもあります。



高い減勢工の壁。
残念ながら観察するポイントが限られていて、あまりよく見えません。

天端も立入禁止となっています。



ダムの下流です。
この先、2キロ弱で渡良瀬川に流入します。



ちょっと可愛い感じの管理所です。
植え込みも綺麗に刈られていて管理が行き届いています。



管理所の近くから見る小さな貯水池、バックウォーターもすぐ近くです。
青みのあるグリーンの湖水が印象的でした。



庚申ダム
★★

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五十里ダム

堤高112m
G/FNP 1956年 国土交通省

2010.7.17見学


今にも雨が降りそうな空。
夕暮れも迫ってきていたので大急ぎで向かったのは、川治ダムと並ぶ鬼怒川のもう一つのボス、五十里ダムです。

川治温泉の温泉街からダム直下のポイントを目指します。

普段のダム巡りでは最初に天端を見学して、同時に下流を眺めて下からダムを見上げれそうなポイントを探ります。
今回は、雨と夜が同時にやってきそうなので、先に天端よりも近くにあるダム直下の場所を目指します。

が、残念ながらダム直下は立入禁止となっていました。



再び川治温泉に戻り、いくつかのカーブを曲がり坂道を登ると、広いパーキングと、五十里ダムの横顔を鑑賞できる展望スペースがありました。

いかにも重力式コンクリートダムらしい堂々たる姿。

五十里ダムの竣工は1956年。
日本初の100m級ダムと呼ばれる丸山ダムの翌年に完成しています。
「100m級」という微妙な表現の通り、丸山ダムの堤高は98.2mと、わずがながら100mに達していません。

五十里ダムは文字通り、日本最初の100m超級のハイダムとして完成。
しかし、同年にダムキングこと佐久間ダム(155.5m)が完成し、日本最高峰の座をわずが数ヶ月で明け渡す事になりました。



バケットカーブが美しいクレストの中央には3門のローラーゲート。

ゲートピアをクランク状に迂回する天端通路は丸山ダムを思わせ、重厚ながらスッキリと涼しい表情のゲート間の扶壁や、両脇の導流壁は佐久間ダムを連想させます。
ですが、五十里ダムの本体施工は鹿島建設で、丸山・佐久間ダムの施工は間組であり、両者には関連性が無いと思われます。

この造形は、当時のコンクリートダムのスタンダードなスタイルと言えるのかもしれません。



展望台から堤体下部を見下ろすと、2本のコンクリートに覆われた構造物が見えます。
内部に発電用の水圧鉄管がありそうですが、ここにはコンジットゲートの送水管が入っています。

今世紀に入って五十里ダムは2門のコンジットを追加という大手術を受けています。
ダムを運用しながらも堤体に穴を貫通させゲートを追加するという離れ技です。



展望台の先のトンネルを抜けると管理所への入口があります。
五十里ダムの天端は見学自由のはずです・・・・。

が・・・時間が遅すぎました。



深い山に囲まれた貯水池。
上流に現在、湯西川ダムが建設中です。

この後、再び先ほどの展望台に戻りダムを眺めていたら、ついに大粒の雨が降り出しました。
今日のダム巡りはここまでと言う事ですね。



五十里ダム
★★★★

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小綱ダム

堤高23.5m
G/P 1958年 栃木県営

2010.7.17見学


川治、川俣、黒部と、名堤揃いの日光鬼怒川エリアですが、あともう一つ、見落としてはならないダムとして五十里ダムがあります。

黒部ダムを後に川治ダムの下流まで戻り、国道121を北上すれば五十里ダムはすぐそこです。でも、それまでに観たいダムが一つありました。それが小綱ダムです。

鬼怒川と国道は並走しているので、国道脇の木々の隙間から小綱ダムが見えました。
堤高20m台の堤体はそれほど大きなものではありませんが、左岸に可動ゲート、右岸に越流式余水吐を配した個性的な堤体です。



国道脇からは右岸の越流部がよく見えます。

こ、これは!
見事なカスケード形の減勢部です。

堤体を越流した水は、階段状に形造られたコンクリートの上を滑り、減勢した水は向きを変えて可動ゲート下の減勢池に流れ落ちる・・・・。
そんな水の流れが見えるような綺麗な造形。

日本3大美堰堤のひとつ、白水堰堤を思い出しました。



もっとダムに近づきたい・・・。

ダムまでの道を探すと、すぐ近くに遊歩道の案内看板がありました。
龍王峡遊歩道。

後ろの建物は普通の民家です。
ガラス窓の向うには夕食の食卓、食事中のおじさんと目が合いました。



ニッコリと会釈して、遊歩道を進むと、階段を降りた先はすぐ小綱ダムの左岸です。



左岸から見る小綱ダム。
重厚なピア、真っ直ぐに伸びる天端通路は遊歩道として開放されていました。



午後からずっとぐづついていた日光の空。
川治ダムの天端で少し小雨に降られましたが幸いその後はなんとか持ってくれました。

川のような貯水池ですが、上流には川治と川俣の2基の大規模アーチ、それに五十里ダム、さらには新しく湯西川ダムが建設中で、合計4基もの100m超級のハイダムがあります。



複数の巨大ダムが建設できるのですから、鬼怒川はとても水量の豊富な河川である事は簡単に想像できます。
水力発電を行うにはもってこいの河川であると同時に、ダムにとってそれはとても過酷な河川とも言えます。

クレスト放流の下、副ダムにあたる部分のコンクリートが、水流に削られ鉄筋が露出しています。

湯西川ダムの竣工により、ちょっとは楽になるかな?



小綱ダムは下流の発電所に送水をしている他に、独自の発電所も持っています。

下流面左岸の袖の部分、上に設置されたクレーンが「ここに発電機があるよ」と、教えています。
非常にコンパクトで少し変わったタイプの発電機のようですが、勉強不足で詳しく理解できませんでした。
現地では発電所の説明看板もあるので是非見てみてください。



小綱ダム
★★★


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黒部ダム

堤高28.7m
G/P 1912年 東京電力

2010.7.17見学

全てのダムは黒部に通ず。


川治ダムから川俣ダムへ向かう途中、トンネルを抜けるとダム湖の上に橋が架かり、近くに黒部ダムのクレストゲートが見えていました。
とりあえず先に川俣ダムと土呂部ダムを訪問して、再びさっきの橋の上に戻ってきました。

黒部ダムと聞くと、日本人であればほとんどの人は富山の巨大アーチダムを思い浮かべると思います。
しかし、この栃木の黒部ダムは、日本初の発電専用コンクリートダムという発電ダムの祖と言うべき銘堤なのです。



ダム湖を周って、堤体左岸にやって来ました。
天端の道路はそのまま通行できます。

重厚なゲートピア
表面は堤体表面に合わせ、石積風の型枠コンクリートで仕上てあります。
黒部ダムは昭和の終わりから平成にかけて大規模な改修を行っており、クレストゲートはその時に再構築されたものだそうです。



黒部ダムの特徴である、大らかでゆったりとした下流面。
美しい布積みの石張り表面、有機的なその形は生き物みたいな暖かみを感じます。



天端から下流を見ます。
川幅は広く、堤体と同じ幅で下流に続いています。
すぐ目の前を下流の発電所への送水管が横切っていました。



滑らかな下流面。
通常ダム下流の斜面は平面か、もしくは逆R(凹R)が付けられていますが、この堤体はタイヤチューブかババロア型によく似た、丸く膨らんだ曲面形状となっています。

この黒部ダムの竣工は大正元年まで遡ります。
日本のコンクリートダムでは5番目に古く、これより前は神戸の布引五本松、立ヶ畑、長崎の本河内低部、西山の4基しかありません。
この中で立ヶ畑はクレストゲートを持っていますが、控えめで小さな4門の越流式です。

対して、その後に築堤された黒部ダムは、天端の端から端までゲートを配し、しかも全て可動ゲートという布陣は、我が国では初めての試みでした。

どうやってゲートからの放流に耐えうる強固な越流面を構築するか?
この独特の下流面形状は、日本のコンクリートダム創世記を綴る1ページなのかもしれません。



天端の貯水池側にはフェンスが張られ、少し視界を遮っていました。

静かな湖面、向うに見える橋は、さっき写真を撮影した県道です。

趣のある照明のステー。
竣工当初からのものか?それとも80年代の改修の時にレプリカ風に仕立てられたものでしょうか。



天端を渡った右岸には、1912年の竣工から改修を受けるまで、77年もの間使われてきたゲート巻上機のギアがモニュメントとして飾られていました。

日本初の可動式クレストゲートはワイヤー巻揚でも、スピンドルでもなく、ラック&ピニオンだったようです。



モニュメントの場所からは、ふくよかな下流面が良く見えます。

計画当初は、堤高60mを予定していたという黒部ダム。
基礎地盤の関係で現在の20m台の高さで竣工しましたが、そういった目で見ると、堤高の割りに異常に前後に分厚い堤体である事に気が付きます。
例の丸い下流面もそういった事が関係しているのかもしれません。

現在の車が通行できる天端道路は改修によって新設されたものでしょう。
竣工当時、自動車が一般的に広まるのはまだまだ先の話で、牛馬が主な運送手段だった時代なのです。



薄く流れている水を見ていたら、ゲートの前に大きな石がいくつも転がっているのに気が付きました。

いったい何処から来た石なのか?



明治に着工し、大正に竣工、昭和から平成にかけて改修された黒部ダム。
まさに日本の発電ダムの生き証人といえるでしょう。

偶然ながら堤高日本一のアーチダムと同じ黒部というダム名。

日本の発電用ダムは、黒部に始まり黒部に終わる。



黒部ダム
★★★★

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土呂部ダム

堤高21.6m
G/P 1963年 東京電力

2010.7.17見学


どろべだむ。
その面白いダム名の響きに惹かれ、ともかく一度行ってみたいと思っていたダムでした。

ダム便覧や愛好家の先輩方のサイトで調べても、とにかくビューポイントの限られる、うすら寂しいダムである事しか解らず、謎めいた物件でもあります。

川俣ダムの下流、ちょうど黒部ダムの上流の集落を分け入った奥に、目指す土呂部ダムはひっそりと姿を見せました。



貯水池左岸からの堤体。
たしかにこのダムはビューポイントが限られています。

ダムの下流に道路はなく、かつ、そこに取り付く道すら存在していません。
ダム本体は遠くから眺めるのみです。

右岸に垂直に高くローラーゲート(スライドゲート?)のゲートピアが見えます。
ピア上の巻揚機はリビングブリッジスタイル、積雪対策でしょうか。

そこから左岸にかけては自然越流式の余水吐になっています。

ゲートピアの右に見えるのは排砂ゲートの様です、ローラーゲートと同様に機械部分は建物で覆われています。



ダム本体より目を引いたのは対岸の設備です。丸い形状がユニーク。
発電目的のダムなので、最初は安易に取水設備だろうと思っていました。

でも、よく見るとスクリーンが完全に湖面から上に出ています。
現在の水位は天端から2〜3m下辺りなので、極端に低い訳ではありません。
しかがって、この状態が通常では取水できるはずもありません。

謎だ。

帰宅後に地形図を観て確認すると、土呂部ダムは川俣ダムと黒部ダムの中間にあり、川俣ダムから取水した水を、黒部ダムの貯水池にある発電所へ送水している事が解りました。
また、衛星写真の画像を見ると、スクリーンはドーナツ状で、中心部に水面があるように見えます。

発電所への送水は写真左手に少しだけ見える機械部分の下、ちゃんと水没する位置に取水口が隠れているのでは?と、思われます。

では、あの丸いスクリーンは?と言うと、これが全く見当が付きません。
発想を変えて、水の入口ではなく水の出口、もしくは水が溢れ出る所と考えたらどうでしょう?。

ここから水の送られる発電所までは2キロ程度。
ひょっとしたらサージタンクのような役目の設備なのかもしれません。(サージタンクについて詳しく理解していないので、個人的な憶測です)

土呂部ダムは、発電用の貯水池と言うよりも、調整池のような役割が大きいのかもしれません。



なんとか、もう少し堤体や送水設備に近づけないだろうか?

ダム施設の並ぶ対岸の右岸は、貯水池にそって上流へ道があります。
対岸からそれを追うように上流へ向うと、予想していた通り、堅く施錠されたゲートがありました。



残念ながら、詳しく観る事の出来なかった土呂部ダム。

でも、いい具合に黒ずんだコンクリートは質実剛健な渋さを感じさせ、下流面から観た土呂部ダムは案外男前なんじゃないかと空想をかき立ててくれました。

それに不思議な送水設備など、やっぱりダムは現地で実物を観ないと解らないな、と、ダム巡りの面白さを再確認する見学となりました。

上の写真のフェンス前に架かる橋。
コンクリートの欄干や親柱のデザインが秀逸です。



土呂部ダム
★★

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川俣ダム

堤高117m
A/FNP 1966年 国土交通省

2010.7.17見学


川治ダムで雨が降り始めた事もあり、急いで川俣ダムにやって来ました。
川俣ダムは川治と並び、今回のダム遠征でメインの一つとして楽しみにしていました。

川俣ダムは上流の少し離れたところに駐車場があり、遊歩道でダムまで歩いて向かう様です・・。

むむっ。

駐車場の端っこ、遊歩道の門が閉まってる・・。



現在時刻は15:50分。
16:00で閉門としていますが、入門は15:30分が最終です。
その時点でお客さんが居なければ、16:00前でも閉門するようです。

どちらにしても、わずか10分でダムまで往復する事はできっこないので、訪問するのが遅すぎました。(と、言うか、そういうシステムになっていたとは知らず、明らかに予習不足)

この遊歩道ですが、ダムまで続く雪避けのトンネルの屋根を活用したもので、職員さんなど関係者はトンネルを通って車で向かう事が出来ます。
慰霊碑にお参りに訪れた人もトンネル入口のインターホンで連絡すれば通行できる様です。

どうしよう・・・。

明日、出直すべきか・・・。
明日は日曜日、ひょっとしてと思いインターホンで問い合わせると「日曜も9時に開けますよ」との返事を頂きました。



まずは仕方ないので、ダムが見えそうな場所を探して車で峠を上ります。
丁度尾根を越えた辺りにお土産物屋さんがあり、展望スペースが設けてありました。

崖下に川俣ダムが見えました!

肉薄で切り立った堤体。
手前が管理所、ダム正面に吊橋が架かっています。

周辺の岩盤の険しい姿も印象的、まさに山水画そのものです。



望遠で望む川俣ダム。
天端上は、ゲート設備の工事中なのかクレストゲートの辺りは立入禁止のようです。

堤高117mに対して堤頂長わずが131m。
国内のアーチダムで最も縦長の堤体として有名な川俣ダムですが、そもそも山深くの険しい立地に多いアーチダムでの一番なので、その縦長っぷりは相当なもの・・・。
残念ながらここからはその全てを観る事は出来ないので、あくまで想像での印象ですが。

白い下流面の壁は、一気に垂直に伸びています。
そして、左岸のスラストブロックの極端に切り立った形状・・・凄いなやっぱり。



正面の吊橋には、森と湖に親しむ旬間の横断幕です。
今日は7月17日、丁度来週からです。

素晴らしい景観の川俣ダムです、きっと沢山のお客さんで賑う事でしょう。



ん・・・。

お土産物屋さんの建物の隙間に、崖の下へ伸びる歩道を発見しました。
一応、観光用に開放してる道みたいで、吊橋までの所要時間なども記されています。

もしかしたら・・・。

諦めかけていた川俣ダム。
少しだけ光が見えた気がして、次の瞬間には歩道を駆け足で下ってる自分が居ました。



ほとんど通る人が居ないのか荒れ気味の歩道を下ります。

途中に何箇所かコンクリートの遺構に出会いました。
この道は建設時から使われて来た道なのかもしれません。

そう思うと、お土産物屋さんの展望スペースも建設プラントの跡地かもしれません。



生茂る木々で視界は利きませんが、時々チラッと見える川俣ダムは、見る度毎にどんどん近くに見えてきます。

近い、近いぞー。



ぎゃーっ!

今思うと当たり前すぎて赤面ですが、歩道の出口は施錠されていて、結局ダムにお近づきになる事は叶いませんでした。

柵の向うの赤い舗装が、最初の駐車場からの遊歩道です。
ここまで、崖上の入口に表示してあった所要時間の四分の一の時間で降りて来てしまいました。

まあいいや、建設時の遺構も見れたし。



ちゃんとした姿を鑑賞できず心残りですが、やれる事はやったぞ、と、言う妙な充実感を感じ川俣ダムを後にしました。

(今回★は未評価)

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川治ダム

堤高140m
A/FNAWI 1983年 国土交通省

2010.7.17見学

マンタ、鬼怒川を泳ぐ。


鬼怒川上流のこのエリアは関東でも有数のダムエリアです。
その中で、この川治ダムがボスである事は、誰もが認めるところでしょう。

国道121を北上し、川治温泉から県道23に入ります。
ダム付近のトンネルを抜けると川治ダムが見えてきました。

雨に濡れた褐色の堤体は、巨大アーチダムらしいグラマラスな表情で僕を誘っているかのようです。



堤体右岸には資料館と、道を挟んでパーキングがあります。

堤頂長320mという、大きな翼を広げる川治ダム。
雨に濡れ黒々としていたダム湖側に比べ、大きくオーバーハングした下流面は白さを残しています。
そのせいか、悠然と海原を泳ぐマンタをイメージしました。
ドーム形状による天端の迫り出しは16mにも及び、国内のアーチダムでは最大のものです。

左岸下流側の岩盤が迫り出して、その下をぐるっと周るように減勢池が造られています。
堤高140mを誇る巨大アーチですが、関連設備を含め全体がギュッと圧縮されたかの様な表情です。



クレストには6門の非常用洪水吐。
巻揚機を収めている天端の建物が低く、ゲート形式はラジアルゲートを思わせますが実はローラーゲートです。



堤体中央、中ほどに2門のコンジット。
最もアーチダムらしい部分ですね。



コンクリートの複雑な表情。
堤体下部にも放流設備があり、河川維持と思われるバルブ放流中でした。



一見すると僅かな放流量に見えますが、300m以上離れた遠くの光景です。
副ダムを越流していく水量を見ると、結構な流量の様です。

両岸を切り立った岩盤に挟まれ、巨大なドーム状のコンクリートと迫り出したアバットメントの間で音が反響するのか、見た目以上に大きな水音に驚かされます。



大きく左にカーブした減勢工の先、副ダムも立派で高さは軽く10mはありそうです。
水の粘度を感じさせるトロッとした越流が艶かしい。

ダムの下流で急激に谷が狭くなりますが、これが本来の鬼怒川の表情でしょう。



天端から真下を見下ろす。

見下ろすと言っても肉眼で見る度胸は今だありません。
カメラだけ突き出しての山勘撮影です。
今だ、高所恐怖症は直らず。

国内アーチダムでの堤高4位のハイダムなら尚更です。



クレストのダム湖側に並ぶゲート設備などの建物。

一見、木造の倉庫のような外観となっています。
天端の幅はゆったりとしていて、交互通行の車道と歩道も両脇にあります。

ひっきりなしに行き交うダンプは、この先にある五十里ダムの上流に建設中の湯西川ダムの工事車両です。



天端を渡った左岸にある管理所。少しユニークな外観です。

国土交通省の直轄ダムなので堤体見学なども受け付けているそうですが、曜日の都合か、それとも時間が遅かったのが、この時は門は閉ざされていました。

この下の岩盤上に見晴台があるのですが、入り口はトラロープが貼られていて、こちらも立入は出来ませんでした。



スッキリと無駄のないディティール。
巨大な壁面を大きく湾曲したシルエットで魅せる川治ダムは、大規模アーチダムの完成形といえるクオリティの高さを感じました。



川治ダム
★★★★

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中岩ダム

堤高26.3m
G/P 1924年 東京電力

2010.7.17見学


中岩ダムは鬼怒川にあるオールドダムのひとつです。

まずは、国道121号(鬼怒バイパス)から、堤体を拝見・・・。
堤体は日光江戸村の南東辺り、ちょうどこの「3D宇宙恐竜館」の近辺にあるはずです。

ちなみに、このレジャー施設では、「世界の昆虫・・・」と言ったイベント中でした。
「宇宙」「恐竜」「昆虫」・・・確実に男子小学生のハートを鷲づかみです(笑)。



宇宙恐竜館のパーキングから・・・。

み、見えた!

・・・ような気がする・・・。

この場所からはフェンスや雑草が邪魔をしてほとんどダムは見えません。
多分、ピアの頂上じゃないかと思うのですが。



先ほどの場所は諦めて、下流の橋で鬼怒川を渡り、対岸にやって来ました。
丁度、中岩ダムの左岸辺りのはずです。

バス亭の名前「中岩発電所前」

ビンゴ!!



近くのコンビニに駐車して歩いてダムを目指します。
バス亭から脇道を進み、東武鬼怒川線の踏み切りを渡ると、いよいよご対面です。

わくわく。



わーっ!中岩ダムだー・・・・・・。

って、やっぱり見えないぞー。

東京電力の敷地は隙間なく高いフェンスに囲まれ、結局、満足する眺望は得られず。

でも、逆に燃えてきました、必ず中岩ダムをこの目で見てやるぅ〜(笑)



そして、再び右岸の国道に戻って来ました。
ゆっくりと車を走らせ、ビューポイントを探ります・・・。

むむっ!あれはもしや。



3D宇宙恐竜館からおよそ300m下流にある、鬼怒川お菓子の城。
その北隣の喫茶店裏に、下流から中岩ダムが見えるポイントがありました。

ついに発見!と、独りで盛り上がります(笑)



これがようやくご対面となった中岩ダムです。

ゆるやかなアーチ状の堤体は、以前のダム便覧では重力式アーチダムとなっていましたが、現在は重力式コンクリートダムに形式変更されています。

大正生まれの中岩ダムですが、昭和42年から44年にかけて大規模な改修工事を受けています。その時に8門あったクレストゲートは現在の6門に変更。
堤体もオールドダムらしく石張りでしたが、現在のコンクリート表面に改められました。

各ゲート間にリブ状の導流壁が立っているのが他のダムには見られない特徴ですが、この部分も改修工事で付けられたと思います。



多分、昭和の大改修により、すっかり姿を変えてしまったと思われますが、堤体下部の広いテーブル状減勢工に古いダムである名残を感じます。

それよりも、河川の中流域にある発電専用ダムである事や、決して高くない20m級のシルエットが、まぎれもなくこのダムがオールドダムである事を表現しています。



中岩ダム
★★★

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中禅寺ダム

堤高6.4m
G/FNP 1959年 栃木県営

2010.7.17見学

中禅寺ダムは、中禅寺湖の流れ出しを塞ぐ形で築堤された可愛い堰堤です。

堤体の上流は水路のようになっていますが、ほんの数百メートル上流に広大な中禅寺湖が広がっています。
堤高わずが6mの小さな堰堤で日本で25番目に大きい湖の水位をコントロールしている、意外と侮れない働き者です。



堰堤から2〜300m下流には有名な華厳の滝があります。

実は華厳の滝の水は、全てこのダムの放流水だそうで、真っ暗で滝が見えない夜間は放流を止め、滝も枯れている時があるそうです。



堰堤の上流に歩道専用の橋があり、じっくりと見る事も出来ます。

有名な観光地にあるので人通りも絶えませんが、ダムを見てるのは僕だけ・・・。
時々、「あの人、何を観てるんだ?」と、言う風に、僕の視線の先を探る通行人は居ますけど。

こじんまりとした施設ですが、両岸に取水口のような物も見えます。
石積みの護岸など、観光地としての景観にも配慮が伺えますね。



観光地の中にあり簡単に見る事のできるダムですが、問題は路上駐車が厳しく禁止され、尚且つ、有料駐車場だらで車を停める場所に乏しい事でしょうか。

中禅寺ダム
★★

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