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茗荷谷ダム

堤高40m
G/P 1960年 鳥取県営

2010.4.17見学

ボンシュール!茗荷谷。

鳥取市からの帰り道に茗荷谷ダムに寄って見ました。
峠道のカーブから見上げる雰囲気は、新潟の三面ダムとよく似ています。

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とりあえず、まずはダムサイトまで走らせ、ダム湖側を拝見。
ややっ、堤体がゆるくカーブしています。

「曲線重力式なのかっ!」
思わず大きな独り言を言ってしまいました。

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2門のラジアルゲートの向こうは取水設備ですね。
決してバンデル星人ではありません。

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ダム湖から見た堤体は、曲線重力式に見えたのですが、近づいてみると左岸側が少しカーブした直線重力式である事が解りました。

天端は立ち入り禁止。
看板の台座のホイールに何故だか「県営ダム」らしさを感じます。
高欄がいいですね。

ダム湖の対岸には立派な新しい道路が建設中でした。

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右岸にある管理所の敷地にちょっとお邪魔させて頂くと・・・
銘板が本体に埋め込まれていました。
細かいところがちょこちょこ個性的な茗荷谷ダムです。

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峠のカーブのポイントに戻りました。
河川維持放流中。

左岸の丸いテラスは、取水設備の屋根に合わせてクレストから突き出しています。

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ゲートピアが面白いかたち。センターの丸い部屋がとても気になります・・・。

よく見ると、高欄が突き出したピアに合わせてバルコニーになっていますね。
さらにそのバルコニーの下、ラジアルゲートのアームに向かう為、もう1段同じ様にバルコニーが設えてあり、半円のモチーフが反復するとても洒落た構造になっています。

ラジアルゲートの鉄骨の入り方が、これまた妙にお洒落感があり、淡いブルーがよく似合います。

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秘密の小部屋をクローズアップ。
ゲートを全開にすると、窓の下まで来るみたいですね。

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ダム本体はスタンダードな重力式なのですが、あらゆる細部が他にない個性に溢れています。その個性というのが、言語が違う感じと言うか、異文化的と言うか。

茗荷谷ダムを見ていたら、子供の頃にお気に入りでよく眺めていた 「世界の戦車大図鑑」 に載っていたフランス軍の戦車を思い出しました。

どことなくエスプリを感じさせる茗荷谷ダムなのでした。

茗荷谷ダム
★★★

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百谷ダム

堤高18m
G/FN 1973年 鳥取県営

2010.4.17見学

この日のダム巡りは、メインとして2基を予定していた。1基は先ほど訪問した三滝ダム、そしてもう1基が鳥取県 百谷ダムである。
ダム便覧で堤体の写真を見てから、実物を見てみたいとずっと思っていた物件である。

鳥取市街からほどなく、目的の百谷ダムに到着。このダムは、治水を主目的としたダムである。

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これと言って特徴のない天端。
変わった事としては、車両進入防止のポールの先に野鳥のイラストがあった事くらいか。

百谷ダムはやや小ぶりの直線重力式コンクリートダムである。

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だが、そんな平凡な印象も、天端から下流面を見ると一変する。

重力式アーチ?曲線重力式??眼下にはアーチ形状の越流面。
(減勢池も見たことない形だ)

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百谷ダムは直線重力式に、アーチ形状の越流部をドッキングさせた奇妙な風貌の持ち主なのである。

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この独特のアーチ形状は、越流部の長さを増す目的に加え、越流した水をコンパクトな減勢工に収束させる意味があるのではないかと感じた。

アーチの中心にはオリフィスゲートが1門、コースターゲートを降ろす事により洪水を貯め込む事ができる様だ。

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越流部は天端からダム湖側へはみ出ている。
その為、自らの天端が下流面に影を落としている、こんな表情の堤体は見たことがない。

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堤体の下部にある扉の先は、監査廊だろうか?

直線重力式、のち、曲線重力式?

異なるデザインを強引に繋げて一つにしてしまうのは、フェラーリ・テスタロッサを彷彿させる。
(ピニンファリーナは、前後で全く異なるマス感のデザインを1台にまとめる事に成功した)

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天端の落とす影が個性的な形状をよりアクの強いものに見せている。
百谷ダムは想像どうりのひとクセあるダムであった。

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百谷ダム
★★★

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三滝ダム

堤高23.8m
B/P 1937年 中国電力

2010.4.17見学

最後のバットレス。


それは4月だというのに東京に雪が降った寒い朝でした。
鳥取県 中国電力 三滝ダムは峠を越えた山の中に静かに水を湛えていました。

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左岸の壁には土木学会奨励土木遺産のプレートが付けられています。
左右に余水吐を持つ三滝ダム、吐きの部分はちょっと面白い造りになっていました。

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現在はゲートレスの自然越流式となっていますが、竣工当初は可動ゲートがあったのかもしれません。

角の取れた丸いピアは丁寧な仕事を感じさせます。
天井部分はコンクリートの保護の為でしょうか塗装が施されていました。

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ピアの内部、余水吐の真上です。
手摺りが無く、転落防止の金網が張られています。

ちょっとコワ面白い感じ、ドキドキしてしまいました。

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左岸のピアから出ると、対岸に同じ構造の右岸のピアがあります。
堤頂長82.5mとコンパクトなダムですが、イメージしていたよりも重厚な感じを受けます。

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天端の中央からの眺め。ダムの周囲には人家はおろか、何もない山中です。
三滝ダムは国定公園の中にあり、豊かな自然に囲まれています。

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下流面が垂直なバットレスダム。
ぐぐっと、身を乗り出して見下ろすと四角いマスのような水貯まりがありましたが用途はよく解りませんでした。

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地山の上を滑り降りる右岸の余水吐。
岡山県にある恩原ダムもここと良く似たバットレスダムですが、余水吐は恩原よりも急で短い感じです。

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ぐぐーっと、カーブを描き流れてゆく越流。
金網フェンス張りなので、開放感たっぷり。

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天端を渡って右岸にダム管理棟があります。
そこからダム湖側へは林の中に遊歩道があり、東屋がありました。

バットレスダムは、下流側の格子が見所ですが、個人的にはダム湖側の遮水壁の表情も好きだったりします。

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管理棟の裏手を通ると、こんな眺めが待っていました。

おおーっ。

直線的な扶壁と梁は、竣工時のオリジナルではなく、補強が施され少し太くなっているそうです。
写真では写っていませんが、扶壁の奥、遮水壁の手前にコンクリートブロックを積み、壁を設けてあります。
コンクリートの凍害を防ぐ為の保温壁なのだそうです。

地山の上を使った右岸の余水吐と違い、左岸の余水吐は少し上椎葉ちっくな重厚な造りになっていました。

それに、堤高23.8mと、値としてはさほど高いダムではありませんが、下流面がほぼ垂直とあって他のダムには無い迫力もあります。
両岸から迫る余水吐に挟まれ、実は正面から見てV字形をしている事も解りました。

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もう少し正面から観たい・・・。

一応、人間の足跡らしきものが斜面にあったのでそれを辿りながら斜面を降りてみます。
しかし、すぐに人の足跡は途絶え、気がつくと猪か何かの足跡に変わっていました。

ちょっと危険を感じたので収穫の無いまま引き返します。

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今度は対岸の左岸から下流方面へ歩いてみます。

歩道は中国自然歩道となっています。
元々あった森林鉄道を改良し、ダム建設用の軌道が敷かれたそうです。
鉄道といっても建設時は機関車は導入されておらず、牛馬に引かれて建設資材が運ばれたのだとか。

そういえば、北陸電力の2基のバットレスダムも、この三滝ダム以上の山深い山中にあります。去年訪れた真川調整池では、ダムに向かう登山道に、揚げ用の軌道の跡が残されていました。

真川も、この三滝ダムも、少ない資材で築堤きるダム形式としてバットレスダムが選ばれたのでは?と、ふと思いました。

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あっち芦津、こっち三滝ダム。
向こうは「やまみち」。

なんとか降りれそうな場所を探して、下流の河まで降りてみましたが堤体まで離れすぎていてまるでダメでした。

堤体の近くでも降りれそうな場所を探しましたが、斜面は険しく、こんな所を降りる事が出来るのは、ぱたぱたと羽の生えた愛好家くらいだと諦めました。

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凍害によるコンクリートの劣化を防ぐ保守やメンテナンスに費用が掛かる事、それに時代はより大きな大規模ダムの建設へ進んでいった事などにより、日本ではわずか8基しか造られる事の無かったバットレスダム。

コンクリートの扶壁と梁による美しい格子、両岸から翼を打ち下ろしたような余水吐、重厚なピアの形。
三滝ダム以降バットレスダムは造られる事はありませんでしたが、静かな山中にその堂々とした姿を魅せてくれました。

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三滝ダム
★★★★

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佐治川ダム
堤高46.5m
G/FNP 1971年 鳥取県

2010.1.9見学



恩原ダムを後に、もう少し寄り道をしてみる事にした。
恩原湖からさらに北上し、辰巳峠を越えると鳥取県である。

関係ない話だけど、「とっとり」なら、「鳥取」じゃなく、「取鳥 」だと思う。

恩原湖から直線距離で5km程度だが、いつのまにか川の流れが逆になっている。
県境の辰巳峠は瀬戸内海と日本海との分水嶺になっているようだ。

うっすらと凍った名馬湖。
対岸に白く丸い形の取水塔。湖面の模様とよく似合っている。



天端は車両も通行できるが、対岸の管理棟の敷地が狭そうなので、天端の手前に駐車して歩く事にした。



何処からか、カラカラと音がする、なんだろうと思えば、欄干の下に置かれた、回転灯の回る音だった。しかも対岸まで等間隔で幾つも並んで回っている。
車の事故防止?除雪の目印?



管理棟のある左岸まで来ました。
監査廊への入口がユニーク。しかもドアに「階段〇〇段」と、シールが貼られていました。



再び天端を引き返します。
天端から下流を見る。クレストの大きなラジアルゲートの下はスクエアな感じのジャンプ台になっていました。ジャンプ台の導流壁が嵩上げされていますね。

それに何か、放流がある様ですね。白い飛沫が見えます。



んんんっ・・・?
何処から出てるんだこの水?
あれっ。ジャンプ台の側面にドアーがあるぞっ?



回転灯といい、この放流といい、謎が謎を呼ぶ佐治川ダム。
後から解ったのだかダム下へ降りる道もあった様だ。恩原ダムと同じでまた訪れる必要がありそうだ。

佐治川ダム
★★
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